| 【発明の名称】 |
スクロール型圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】大武 真一
【氏名】飯塚 二郎
【氏名】東山 彰良
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| 【要約】 |
【課題】固定渦巻体と可動渦巻体との間に適当な軸線方向接触圧を発生させるための部品点数の減少を図り、かつ高負荷時の可動渦巻体の公転運動が安定なスクロール型圧縮機を提供する。
【解決手段】夫々、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝16a,17aが形成され、一方は、可動渦巻体2に固定されたリング状の第1レース16と、他方は、固定渦巻体1及び可動渦巻体とを収容するハウジング4,6に固定されたリング状の第2レース17とを備え、両レースのボール転走溝は相対峠しており、両溝に係合するボール18を有する可動渦巻体自転防止用ボールカップリング15を備え、第1レースの内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体に当接し、ボール転走溝と可動渦巻体部との間に隙間が形成されており、第2レースの内周縁部と外周縁部とはハウジングに当接し、ボール転走溝とハウジングとの間に隙間が形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定渦巻体と可動渦巻体とを互いにかみ合わせてこれらの間に複数の作動空間を形成し、可動渦巻体を固定渦巻体に対して公転運動させて作動空間内の流体を圧縮するスクロール型圧縮機であって、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝が形成され、可動渦巻体に固定されたリング状の第1レースと、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝が形成され、固定渦巻体と可動渦巻体とを収容するハウジングに固定されたリング状の第2レースと、第1レースのボール転走溝と、当該ボール転走溝に対峙する第2レースのボール転走溝とに係合するボールとを有する可動渦巻体自転防止用ボールカップリングを備え、第1レースの内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体に当接し、ボール転走溝と可動渦巻体部との間に隙間が形成されており、第2レースの内周縁部と外周縁部とはハウジングに当接し、ボール転走溝とハウジングとの間に隙間が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。 【請求項2】 第1レースの複数のボール転走溝に対峙して可動渦巻体に複数の凹部が形成され、第2レースの複数のボール転走溝に対峙してハウジングに複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。 【請求項3】 第1レースの複数のボール転走溝に対峙して可動渦巻体に単一のリング状凹部が形成され、第2レースの複数のボール転走溝に対峙してハウジングに単一のリング状凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はスクロール型圧縮機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】本願の出願人は、特願平10−44821号において、図1に示すように、固定渦巻体101と可動渦巻体102とを互いにかみ合わせてこれらの間に複数の作動空間103を形成し、可動渦巻体102を固定渦巻体101に対して公転運動させて作動空間103内の流体を圧縮するスクロール型圧縮機であって、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝116aが形成され、可動渦巻体102に固定されたリング状の第1レース116と、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝117aが形成され、固定渦巻体101と可動渦巻体102とを収容するハウジングの半部分であるフロントハウジング106に固定されたリング状の第2レース117と、第1レースのボール転走溝116aと、ボール転走溝116aに対峙する第2レースのボール転走溝117aとに係合するボール118とを有する可動渦巻体自転防止用ボールカップリング115を備え、第1レース116の内周縁部が可動渦巻体102に当接し、内周縁部を除く部分と可動渦巻体102との間に隙間が形成され、第2レースの外周縁部がフロントハウジング106に当接し、外周縁部を除く部分とフロントハウジング106との間に隙間が形成されたスクロール型圧縮機を提案した。 【0003】特願平10−44821号のスクロール型圧縮機においては、第1レース116と第2レース117とを皿バネ状に弾性変形させた状態でフロントハウジ106とハウジングの他方の半部分であるリアハウジング104とを組付け、第1レース116と第2レース117とに弾性力を発生させて、固定渦巻体101と可動渦巻体102との間に適当な軸線方向接触圧を発生させることにより、前記適当な軸線方向接触圧を発生させるために従来フロントハウジ106とリアハウジング104との当接部に介挿していたスペーサを不要とし、部品点数の減少を図った。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】特願平10−44821号のスクロール型圧縮機には、第1レース116、第2レース117が片持ち梁状に支持されているので、負荷が大きくボールカップリング115を介して可動渦巻体102からフロントハウジング106に伝達されるスラストが大きい時に、第1レース116、第2レース117の弾性変形量が過大になり、ボール118の転走が不安定になって可動渦巻体102の公転運動が不安定になり、固定渦巻体101の渦巻壁と可動渦巻体102の渦巻壁との間の隙間が増減して圧縮性能の低下、磨耗の発生等の問題を起こす可能性があるという問題があった。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、固定渦巻体と可動渦巻体との間に適当な軸線方向接触圧を発生させるために従来フロントハウジとリアハウジングとの当接部に介挿していたスペーサを不要とし、部品点数の減少を図ったスクロール型圧縮機であって、高負荷時の可動渦巻体の公転運動が安定なスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明においては、固定渦巻体と可動渦巻体とを互いにかみ合わせてこれらの間に複数の作動空間を形成し、可動渦巻体を固定渦巻体に対して公転運動させて作動空間内の流体を圧縮するスクロール型圧縮機であって、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝が形成され、可動渦巻体に固定されたリング状の第1レースと、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝が形成され、固定渦巻体と可動渦巻体とを収容するハウジングに固定されたリング状の第2レースと、第1レースのボール転走溝と、当該ボール転走溝に対峙する第2レースのボール転走溝とに係合するボールとを有する可動渦巻体自転防止用ボールカップリングを備え、第1レースの内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体に当接し、ボール転走溝と可動渦巻体部との間に隙間が形成されており、第2レースの内周縁部と外周縁部とはハウジングに当接し、ボール転走溝とハウジングとの間に隙間が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。 【0006】本発明に係るスクロール型圧縮機においては、第1レースのボール転走溝近傍部と第2レースのボール転走溝近傍部とを弾性変形させた状態でハウジングの半部分であるフロントハウジングとリアハウジングとを組付け、第1レースと第2レースとに弾性力を発生させて、固定渦巻体と可動渦巻体との間に適当な軸線方向接触圧を発生させることにより、前記適当な軸線方向接触圧を発生させるために従来フロントハウジングとリアハウジングとの当接部に介挿していたスペーサを不要とし、部品点数の減少を図った。第1レースの内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体に当接し、第2レースの内周縁部と外周縁部とはハウジングに当接し、従って第1レース、第2レース共に両持ち梁状に支持されているので、負荷が大きくボールカップリングを介して可動渦巻体からハウジングに伝達されるスラストが大きい時でも、第1レース、第2レースの弾性変形量は過大にならない。従ってボールは安定して転走し、可動渦巻体は安定して公転運動する。 【0007】本発明の好ましい態様においては、第1レースの複数のボール転走溝に対峙して可動渦巻体に複数の凹部が形成され、第2レースの複数のボール転走溝に対峙してハウジングに複数の凹部が形成されている。本発明の好ましい態様においては、第1レースの複数のボール転走溝に対峙して可動渦巻体に単一のリング状凹部が形成され、第2レースの複数のボール転走溝に対峙してハウジングに単一のリング状凹部が形成されている。上記凹部を形成することにより、第1レースのボール転走溝と可動渦巻体部との間に隙間が形成され、第2レースのボール転走溝とハウジングとの間に隙間が形成される。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施例に係るスクロール型圧縮機を説明する。図2に示すように、本実施例に係るスクロール型圧縮機は、固定渦巻体1と可動渦巻体2とを備えている。固定渦巻体1と可動渦巻体2とは互いにかみ合い、複数の作動空間3を形成している。固定渦巻体1と可動渦巻体2とはリアハウジング4内に収容されている。固定渦巻体1はリアハウジング4に固定されている。固定渦巻体1の背後に吐出室5が形成されている。フロントハウジング6が可動渦巻体2の側からリアハウジング4に当接し、可動渦巻体2の背後にクランク室7を形成している。 【0009】クランク室7内に主軸8が配設されている。主軸8はラジアルベアリング9を介してフロントハウジング6に回転可能に支持されている。主軸8の一端はフロントハウジング6の外部へ突出している。電磁クラッチ10が、ラジアルベアリング11を介してフロントハウジング6に回転可能に支持されている。主軸8の他端に偏心ピン12が固定されている。ブッシュ13が偏心ピン12に摺動可能に外嵌合している。ブッシュ13はラジアルベアリング14を介して可動渦巻体2の背面に形成されたボス2a内に収容されている。 【0010】可動渦巻体2とフロントハウジング6の端面との間にボールカップリング15が配設されている。図2、3に示すように、ボールカップリング15は、可動渦巻体2にネジ止め固定されたリング状の第1レース16を有している。第1レース16には、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝16aが形成されている。第1レース16の内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体2に当接している。図2、4に示すように、可動渦巻体2には、第1レース16の複数のボール転走溝16aに対峙して、ボール転走溝16aよりも大径の円形凹部2bが複数形成されている。図2、5に示すように、ボールカップリング15は、フロントハウジング6にネジ止め固定されたリング状の第2レース17を有している。第2レース17には、周方向に互いに間隔を隔てて複数のボール転走溝17aが形成されている。第2レース17の内周縁部と外周縁部とはフロントハウジング6に当接している。図2、6に示すように、フロントハウジング6には、第2レース17の複数のボール転走溝17aに対峙して、ボール転走溝17aよりも大径の円形凹部6aが複数形成されている。図2に示すように、ボールカップリング15は、第1レース16のボール転走溝16aと、ボール転走溝16aに対峙する第2レース17のボール転走溝17aとに係合するボール18を有している。フロントハウジング6は複数のボルト19により、リアハウジング4に固定されている。 【0011】本実施例に係るスクロール型圧縮機においては、図示しない駆動源の動力が電磁クラッチ10を介して主軸8の前記一端に伝達され、主軸8が回転駆動される。主軸8の回転に伴って可動渦巻体2が主軸8の軸線X回りに公転運動し、図示しない入口ポートから圧縮機へ流入した流体が作動空間3に取り込まれ、作動空間3が体積を減少させつつ固定渦巻体の中心へ向けて移動し、作動空間3内の流体が圧縮される。作動空間3内の加圧流体が固定渦巻体1に形成された吐出口を通って吐出室5へ吐出し、図示しない出口ポートを通って圧縮機から流出する。ボールカップリング15により、可動渦巻体2の自転が防止される。 【0012】本実施例に係るスクロール型圧縮機においては、第1レース16のボール転走溝16a近傍部を可動渦巻体2の円形凹部2b内へ向けて弾性変形させ、第2レース17のボール転走溝17a近傍部をフロントハウジング6の円形凹部6a内へ向けて弾性変形させた状態で、フロントハウジ6とリアハウジング4とを組付け、第1レース16と第2レース17とに弾性力を発生させて、固定渦巻体1と可動渦巻体2との間に適当な軸線X方向接触圧を発生させることにより、前記適当な軸線X方向接触圧を発生させるために従来フロントハウジング6とリアハウジング4との当接部に介挿していたスペーサを不要とし、部品点数の減少を図った。 【0013】第1レース16の内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体2に当接し、第2レース17の内周縁部と外周縁部とはフロントハウジング6に当接し、従って第1レース16、第2レース17共に両持ち梁状に支持されているので、負荷が大きくボールカップリング15を介して可動渦巻体2からフロントハウジング6に伝達されるスラストが大きい時でも、第1レース16、第2レース17の弾性変形量は過大にならない。従って高負荷時においても、ボール18は安定して転走し、可動渦巻体2は安定して公転運動する。 【0014】上記実施例では、第1レース16の複数のボール転走溝16aに対峙して可動渦巻体2に円形凹部2bを複数形成し、第2レース17の複数のボール転走溝17aに対峙してフロントハウジング6に円形凹部6aを複数形成したが、図7(a)又は図7(b)に示すように、第1レース16の複数のボール転走溝16aに対峙して可動渦巻体2に単一のリング状凹部2c又は2dを形成し、図8(a)又は図8(b)に示すように、第2レース17の複数のボール転走溝17aに対峙してフロントハウジング6に単一のリング状凹部6b又は6cを形成しても良い。 【0015】 【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係るスクロール型圧縮機においては、第1レースのボール転走溝近傍部と第2レースのボール転走溝近傍部とを弾性変形させた状態でハウジングの半部分であるフロントハウジとリアハウジングとを組付け、第1レースと第2レースとに弾性力を発生させて、固定渦巻体と可動渦巻体との間に適当な軸線方向接触圧を発生させることにより、前記適当な軸線方向接触圧を発生させるために従来フロントハウジングとリアハウジングとの当接部に介挿していたスペーサを不要とし、部品点数の減少を図った。第1レースの内周縁部と外周縁部とは可動渦巻体に当接し、第2レースの内周縁部と外周縁部とはハウジングに当接し、従って第1レース、第2レース共に両持ち梁状に支持されているので、負荷が大きくボールカップリングを介して可動渦巻体からハウジングに伝達されるスラストが大きい時でも、第1レース、第2レースの弾性変形量は過大にならない。従ってボールは安定して転走し、可動渦巻体は安定して公転運動する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月4日(1999.11.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095245 【弁理士】 【氏名又は名称】坂口 嘉彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−132664(P2001−132664A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−314359 |
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