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【発明の名称】 スクロール型圧縮機
【発明者】 【氏名】山田 均

【要約】 【課題】摺動面の潤滑オイル不足による磨耗、焼き付きを防止する。

【解決手段】中心部に吐出孔が形成された端板及び端板の一方の端面に形成されたうず巻き体を有する固定スクロール、固定スクロールと噛合う可動スクロール、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構、並びに固定スクロールのうず巻き体の端面と可動スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートを備え、可動スクロールの端板のボトムプレートに対峙する部位にうず巻き状の溝が形成され、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に前記溝に連通する孔が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の端面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の端面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構と、固定スクロールのうず巻き体の端面と可動スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートとを備え、可動スクロールの端板のボトムプレートに対峙する部位にうず巻き状の溝が形成され、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に前記溝に連通する孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
【請求項2】 ハウジングと、回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の端面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の端面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構と、可動スクロールのうず巻き体の端面と固定スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートとを備え、固定スクロールの端板のボトムプレートに対峙する部位にうず巻き状の溝が形成され、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に前記溝に連通する孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
【請求項3】 ボトムプレートのうず巻きの中間部に前記溝に連通する孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項4】 ボトムプレートのうず巻きの終端近傍部に前記溝に連通する孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハウジングと、回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の端面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の端面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構と、可動スクロールのうず巻き体の端面と固定スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレート及び/又は固定スクロールのうず巻き体の端面と可動スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートとを備えるスクロール型圧縮機が広く使用されている。上記スクロール型圧縮機においては、固定スクロールのうず巻き体と可動スクロールのうず巻き体との間に形成されるポケットが、可動スクロールの公転運動に伴ってうず巻きの中心部へ移動し、当該移動に伴ってポケットの体積が減少し、ポケット内の冷媒ガスが圧縮される。冷媒ガスに含まれるミスト状の潤滑オイルにより固定スクロールと可動スクロールとの摺動面が潤滑されシールされる。可動スクロール、固定スクロールよりも硬度の大きな材料から成るうず巻き状のボトムプレートが、可動スクロールのうず巻き体の端面と固定スクロールの端板との間及び/又は固定スクロールのうず巻き体の端面と可動スクロールの端板との間に介挿されることにより、うず巻き体の端面と端板との摺動部の磨耗、焼き付きが防止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール型圧縮機においては、固定スクロールの端板の吐出孔から冷媒ガスが吐出する際に、冷媒ガスに含まれるミスト状の潤滑オイルも固定スクロールの端板の吐出孔から流出するので、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面が潤滑オイル不足になり、磨耗、焼き付きを起こす可能性があった。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ハウジングと、回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の端面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の端面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構と、可動スクロールのうず巻き体の端面と固定スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレート及び/又は固定スクロールのうず巻き体の端面と可動スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートとを備えるスクロール型圧縮機であって、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面が潤滑オイル不足になり難く、当該摺動面が磨耗、焼き付きを起こし難いスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明においては、ハウジングと、回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の端面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の端面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構と、固定スクロールのうず巻き体の端面と可動スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートとを備え、可動スクロールの端板のボトムプレートに対峙する部位にうず巻き状の溝が形成され、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に前記溝に連通する孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
【0005】本発明に係るスクロール型圧縮機においては、うず巻き体の始端近傍のポケット内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に形成された孔を通り、可動スクロールの端板に形成されたうず巻き状の溝へ流入する。前記溝へ流入した高圧冷媒ガスは、前記溝内をうず巻きの終端方向へ流れ、ボトムプレートのうず巻きの終端部と可動スクロールの端板との間の隙間を通って、可動スクロールのうず巻き体の終端部と固定スクロールのうず巻き体との間の低圧空間へ吐出する。当該空間へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、固定スクロールのうず巻き体と可動スクロールのうず巻き体との間に形成されるポケットに取り込まれ、ポケットの移動と共に移動しつつ、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体の始端近傍のポケットから、うず巻き体の終端近傍のポケットへ還流することにより、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0006】本発明においては、ハウジングと、回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の端面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の端面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構と、可動スクロールのうず巻き体の端面と固定スクロールの端板との間に介挿されたうず巻き状のボトムプレートとを備え、固定スクロールの端板のボトムプレートに対峙する部位にうず巻き状の溝が形成され、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に前記溝に連通する孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
【0007】本発明に係るスクロール型圧縮機においては、うず巻き体の始端近傍のポケット内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に形成された孔を通り、固定スクロールの端板に形成されたうず巻き状の溝へ流入する。前記溝へ流入した高圧冷媒ガスは、前記溝内をうず巻きの終端方向へ流れ、ボトムプレートのうず巻きの終端部と固定スクロールの端板との間の隙間を通って、固定スクロールのうず巻き体の終端部と可動スクロールのうず巻き体との間の低圧空間へ吐出する。当該空間へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、固定スクロールのうず巻き体と可動スクロールのうず巻き体との間に形成されるポケットに取り込まれ、ポケットの移動と共に移動しつつ、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体の始端近傍のポケットから、うず巻き体の終端近傍のポケットへ還流することにより、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0008】本発明の好ましい態様においては、ボトムプレートのうず巻きの中間部に前記溝に連通する孔が形成されている。ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に形成された孔を通って前記溝に流入した高圧冷媒ガスは、ボトムプレートのうず巻きの中間部に形成された前記溝に連通する孔を通って、うず巻き体の中間部まで移動した中圧のポケットへ吐出する。中圧のポケットへ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、ポケットの移動と共に移動しつつ、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体の始端近傍のポケットから、うず巻き体の中間部のポケットへ還流することにより、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0009】本発明の好ましい態様においては、ボトムプレートのうず巻きの終端部に前記溝に連通する孔が形成されている。ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に形成された孔を通って前記溝に流入した高圧冷媒ガスは、ボトムプレートのうず巻きの終端部に形成された前記溝に連通する孔を通って、うず巻き体の終端部近傍の低圧空間へ吐出する。当該空間へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、固定スクロールのうず巻き体と可動スクロールのうず巻き体との間に形成されるポケットに取り込まれ、ポケットの移動と共に移動しつつ、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体の始端近傍のポケットから、うず巻き体の終端近傍のポケットへ還流することにより、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を説明する。図1において、10はスクロール型圧縮機のハウジングである。ハウジング10は、皿状のリアケーシング10a1 と、リアケーシング10a1 に固定された円筒状のセンターケーシング10a2 とを有するリアハウジング10aと、大径円筒部10b1 と小径円筒部10b2 とを有しリアハウジング10aに固定されたフロントハウジング10bとを備えている。リアハウジング10aとフロントハウジング10bとは同心状に配設されている。ハウジング10の中心軸線X上に配設されたシャフト11が、フロントハウジングの小径円筒部10b2 を通って、ハウジング10内に延びている。シャフト11は、フロントハウジングの小径円筒部10b2 に包囲された小径部11aと、フロントハウジングの大径円筒部10b1 に包囲された大径部11bとを備えている。大径部11bの端面には、軸線Xに平行に延びるクランクピン12が、軸心から偏心して固定されている。シャフト11の大径部11bは、ボールベアリング13を介してフロントハウジングの大径円筒部10b1 により回転自在に支承されている。シャフト11の小径部11aを包囲してリップシール14が配設されている。
【0011】フロントハウジングの小径円筒部10b2 を包囲して電磁クラッチ15が配設されている。電磁クラッチ15は、フロントハウジングの小径円筒部10b2 に回転自在に外嵌すると共に、図示しないVベルトを介して図示しない外部駆動源に接続されたプーリ15aと、フロントハウジング10bに固定された電磁石15bと、シャフト11の小径部11aの端部にセレーション結合されたクラッチアーマチュア15cとを備えている。電磁クラッチ15を介して、図示しない外部駆動源によりシャフト11が回転駆動される。
【0012】リアハウジング10a内には、固定スクロール16が配設されている。固定スクロール16は、センターケーシング10a2 と一体形成された円板状の端板16aと、端板16aの一方の端面に形成されたうず巻き体16bとを備えている。端板16aの中心部には吐出穴16a1 が形成されている。固定スクロールの端板16aにより、リアハウジング10aの内部空間は吸入室17と吐出室18とに仕切られている。センターケーシング10a2 の側壁に、うず巻き体16bに対峙して吸入ポート19が形成されている。吸入ポート19は吸入室17に連通している。センターケーシング10a2 の側壁に吐出ポート20が形成されている。吐出ポート20は吐出室18に連通している。
【0013】リアハウジング10a内に、固定スクロール16に隣接して可動スクロール21が配設されている。可動スクロール21は、円板状の端板21aと、端板21aの一方の端面に形成されたうず巻き体21bと、端板21aの他方の端面に形成された環状のボス21cとを備えている。端板21aの他方の端面の周縁部が、スラスト受けリング22を介して、フロントハウジング10bの端面に摺接し、フロントハウジング10bにより、軸線X方向に支持されている。可動スクロール21のうず巻き体21bと、固定スクロール16のうず巻き体16bとは、図3に示すように、180°の角度のずれをもってかみ合っている。
【0014】互いにかみ合う可動スクロールのうず巻き体21bと固定スクロールのうず巻き体16bとの間に複数の空間、すなわちポケット23が形成されている。ポケット23は、後述するように可動スクロール21が固定スクロール16に対して公転するのに伴って、うず巻きの終端部からうず巻きの始端部へ向かって移動し、当該移動に伴って体積が減少し、ポケット内の冷媒ガスが圧縮される。
【0015】図1に示すように、ボス21cには、厚肉円板状のブッシュ24が、ラジアルベアリング25を介して回転自在に内嵌している。ブッシュ24には、軸線Xに平行に延びる貫通穴26が形成されている。貫通穴26は、シヤフト11の大径部11bに固定されたクランクピン12を収容している。クランクピン12とブッシュ24とラジアルベアリング25とボス21cとにより構成されるクランク機構により、シャフト11が回転すると可動スクロール21は軸線Xの回りに公転する。
【0016】フロントハウジング10bと可動スクロール21との間には、可動スクロール自転防止用のカップリング機構27が配設されている。
【0017】図1、2に示すように、固定スクロールのうず巻き体16bの端面と可動スクロールの端板21aとの間に、固定スクロール16、可動スクロール21を形成する材料よりも硬度の大きな材料で形成されたうず巻き状のボトムプレート28が介挿されている。可動スクロールの端板21aのボトムプレート28に対峙する部位に、うず巻き状の溝29が形成されている。溝29はボトムプレート28の略全長に対峙している。ボトムプレート28のうず巻きの始端近傍部に溝29に連通する孔28aが形成されている。
【0018】上記構成を有する本実施例に係るスクロール型圧縮機の作動を説明する。図示しない外部駆動源により、電磁クラッチ15を介して、シャフト11が回転駆動される。シャフト11の回転により、クランクピン12に支承された可動スクロール21が軸線Xの回りに公転する。公転に伴う可動スクロール21の自転は、カップリング機構27により阻止される。図3、4に示すように、可動スクロール21の公転に伴って、互いにかみ合う可動スクロールのうず巻き体21bと固定スクロールのうず巻き体16bとの間に形成されたポケット23が、うず巻きの終端部から、うず巻きの始端部へ向かって移動する。吸入ポート19を通って吸入室17へ流入した冷媒ガスが、うず巻き体21bの終端部の径方向内側で形成されつつあるポケット23と、うず巻き体21bの終端から中心角で180度始端側ヘ隔たった部位の径方向外側で形成されつつあるポケット23内へ流入する。ポケット23がうず巻きの終端部から始端部へ向かって移動すると共に、ポケット23の体積が減少し、ポケット23内の冷媒ガスは圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、固定スクロールの端板16aに形成された吐出穴16a1 を通って、吐出室18ヘ流出する。吐出室18ヘ流入した冷媒ガスは、吐出ポート20を通って、外部冷媒回路へ流出する。
【0019】ボトムプレート28を固定スクロールのうず巻き体16bの端面と可動スクロールの端板21aとの間に介挿したことにより、固定スクロールのうず巻き体16bの端面と可動スクロールの端板21aとが直接当接して摺動面を形成した場合に発生する可能性がある当該摺動部の磨耗、焼き付きが防止される。
【0020】図2〜4から分かるように、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレート28のうず巻きの始端近傍部に形成された孔28aを通り、可動スクロールの端板21aに形成されたうず巻き状の溝29へ流入する。溝29へ流入した高圧冷媒ガスは、溝29内をうず巻きの終端方向へ流れ、ボトムプレート28のうず巻きの終端部と可動スクロールの端板21aとの間の隙間を通って、可動スクロールのうず巻き体21bの終端部と固定スクロールのうず巻き体16bとの間の低圧空間へ吐出する。当該空間へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、固定スクロールのうず巻き体16bと可動スクロールのうず巻き体21bとの間に形成されるポケット23に取り込まれ、ポケット23の移動と共に移動しつつ、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23から、うず巻き体21bの終端近傍のポケット23へ還流することにより、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0021】以上本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されない。図5に示すように、孔28aに加えて、ボトムプレート28のうず巻きの中間部に溝29に連通する孔28bを形成しても良い。図3〜5から分かるように、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレート28のうず巻きの始端近傍部に形成された孔28aを通って溝29に流入し、ボトムプレート28のうず巻きの中間部に形成された溝29に連通する孔28bを通って、うず巻き体21bの中間部まで移動した中圧のポケット23へ吐出する。中圧のポケット23へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、ポケット23の移動と共に移動しつつ、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23から、うず巻き体21bの中間部のポケット23へ還流することにより、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0022】図6に示すように、孔28a、28bに加えて、ボトムプレート28のうず巻きの終端近傍部に溝29に連通する孔28cを形成しても良い。図3、4、6から分かるうよに、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレート28のうず巻きの始端近傍部に形成された孔28aを通って溝29に流入し、ボトムプレート28のうず巻きの終端近傍部に形成された溝29に連通する孔28cを通って、固定スクロールのうず巻き体21bの終端部と可動スクロールのうず巻き体16bとの間の低圧空間へ吐出する。当該空間へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、固定スクロールのうず巻き体16bと可動スクロールのうず巻き体21bとの間に形成されるポケット23に取り込まれ、ポケット23の移動と共に移動しつつ、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23から、うず巻き体21bの終端近傍のポケット23へ還流することにより、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0023】溝29をボトムプレート28の全長に対峙させる必要は無い。図7に示すように、溝29のうず巻きの終端を、ボトムプレート28のうず巻きの中間部に対峙させ、ボトムプレート28のうず巻きの中間部に、溝29のうず巻きの終端部に対峙させて孔28dを形成しても良い。図7から分かるように、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレート28のうず巻きの始端近傍部に形成された孔28aを通って溝29に流入し、ボトムプレート28のうず巻きの中間部に形成された溝29の終端部に連通する孔28dを通って、うず巻き体21bの中間部まで移動した中圧のポケット23へ吐出する。中圧のポケット23へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、ポケット23の移動と共に移動しつつ、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体21bの始端近傍のポケット23から、うず巻き体21bの中間部のポケット23へ還流することにより、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0024】可動スクロールのうず巻き体21bの端面と固定スクロールの端板16aとの間にボトムプレート28と同様のボトムプレートを介挿し、固定スクロールの端板16aに溝29と同様の溝を形成し、可動スクロールのうず巻き体21bの端面と固定スクロールの端板16aとの間に介挿したボトムプレートに孔28a、28b、28c、28dと同様の孔を形成しても良い。うず巻き体の始端近傍の高圧ポケットからうず巻き体の終端近傍の低圧ポケット、うず巻き体の中間部のの中圧ポケットへ潤滑オイルが還流することにより、固定スクロール16と可動スクロール21との摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【0025】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係るスクロール型圧縮機においては、うず巻き体の始端近傍のポケット内の高圧冷媒ガスが、ボトムプレートのうず巻きの始端近傍部に形成された孔を通り、可動スクロールの端板に形成されたうず巻き状の溝へ流入する。前記溝へ流入した高圧冷媒ガスは、前記溝内をうず巻きの終端方向へ流れ、ボトムプレートのうず巻きの終端部と可動スクロールの端板との間の隙間を通って、可動スクロールのうず巻き体の終端部と固定スクロールのうず巻き体との間の低圧空間へ吐出する。当該空間へ吐出した冷媒ガスに含まれる潤滑オイルが、固定スクロールのうず巻き体と可動スクロールのうず巻き体との間に形成されるポケットに取り込まれ、ポケットの移動と共に移動しつつ、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面を潤滑する。潤滑オイルが、うず巻き体の始端近傍のポケットから、うず巻き体の終端近傍のポケットへ還流することにより、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面の潤滑オイル不足が解消され、当該摺動面の磨耗、焼き付きの発生が防止される。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成11年9月3日(1999.9.3)
【代理人】 【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
【公開番号】 特開2001−73970(P2001−73970A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−250839