トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F04 液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ




【発明の名称】 ねじポンプ
【発明者】 【氏名】長田 重慶

【要約】 【課題】筒抜けが起こらず、静粛に効率よく作動し、低コストなねじポンプを提供する。

【解決手段】圧力容器1内に、ピッチ円筒2dの径と刃底円筒径が等しくD、歯先円筒2eの径が2Dである一葉形の主動ローター2と、ピッチ円筒3dの径と歯先円筒径が等しく2D、歯底円筒3eの径がDである二葉の従動ローター3とを、かみ合わせた状態で回転自在に収容するねじポンプの、両ローターの歯先の微小部分を、互いにかみ合い運動する円弧歯形2c,3cとし、主動ローター2の軸直角断面の主歯形2aを従動ローター3の歯先端点3cが描くサイクロイドとし、従動ローター3の軸直角断面の主歯形3aを、主動ローター2の歯先端点2bが描くトロコイドとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピッチ円筒(2d)の径と刃底円筒径が等しくD、歯先円筒(2e)の径が2Dである一葉形の主動ローター(2)と、ピッチ円筒(3d)の径と歯先円筒径が等しく2D、歯底円筒(3e)の径がDである二葉形の従動ローター(3)と、主動ローター(2)の駆動軸(20)の貫通部をシールする軸封装置と流体の流入口及び流出口と、両ローターをかみ合わせた状態で、かつ、それらの歯先面との間に微小なシール間隙を介して回転自在に収容する圧力容器(1)とからなるねじポンプにおいて、主動ローター(2)及び従動ローター(3)の歯先の微小部分が、かみ合い位置において、軸直角断面上の、主動ローター(2)及び従動ローター(3)のピッチ円筒(2d、3e)の接触線上の点Pに中心を有し、互いにかみ合い運動する円弧歯形(2c、3c)であり、主動ローター(2)の軸直角断面の主歯形(2a)が従動ローター(3)の歯先端点(3b)が描くサイクロイドであり、従動ローター(2)の軸直角断面の主歯形(3a)が、主動ローター(2)の歯先端点(2b)が描くトロコイドであることを特徴とする上記のねじポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を効率よく搬送し得るねじポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一対のローターを有する従来のねじポンプは、一般的にシールが不完全で、搬送流体の筒抜けが発生するため、容積効率が悪いという問題があった。シールが完全なねじポンプとしては、特公昭63-059031号、特公平01-008197号などに開示されたものがあるが、これらはシールに2ピッチが必要であり、このため、長いローターを必要とし、装置が大型となるので実用的でないという欠点があった。また、主動ローターと従動ローターが共に一葉形であり、その減速比が1対1であったので、作動時の騒音、振動が大きく、また、両ローター共に高速回転に対応し得る軸受を設けなければならないという問題があった。
【0003】また、従来のねじポンプでは、ローター2ピッチごとに1シールが画成されるので、ローターを長くせざるを得ず、製造コストがかかる上、作動時の摩擦も大きくなり、ロスが生じるという問題があった。また、従来のねじポンプのローターは、ローター同士で直接回転力を伝達できなかったため、両者の間にパイロットギアを設け、回転を伝達しなければならず、その組み立てや調整のためコストがかかるばかりでなく、構造が複雑となり、故障しやすくなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を解決するためなされたものであり、その目的は、筒抜けが発生せず、静粛に効率よく作動し、ローターの1ピッチごとにシールが形成され、かつ、主動及び従動ローター間で直接回転を伝達できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、圧力容器内に、ピッチ円筒径と刃底円筒径が等しくD、歯先円筒径が2Dである一葉形の主動ローターと、ピッチ円筒径と歯先円筒径が等しく2D、歯底円筒径がDである二葉の従動ローターとを、両ローターをかみ合わせた状態で、かつ、それらの歯先面との間に微小なシール間隙を介して回転自在に収容するねじポンプにおいて、両ローターの歯先の微小部分が、互いにかみ合い運動する円弧歯型であり、主動ローターの軸直角断面の主歯形が従動ローターの歯先端点が描くサイクロイドであり、従動ローターの軸直角断面の主歯形が、主動ローターの歯先端点が描くトロコイドであることを特徴とするねじポンプによって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に説明する。図1は本発明にかかるねじポンプの一実施例の主動ローター及び従動ローターの形状及び配置を示す軸直角断面図、図2は図1に示した主動ローター及び従動ローターの歯先に設けられる円弧歯形の端面形状を示す図、図3は図1に示した主動ローター及び従動ローターの回転状態を順次示す軸直角断面図である。図中、1は圧力容器、2は主動ローター、20は駆動軸、3は従動ローター、30は回転軸である。
【0007】圧力容器1は、図1に示したように、ピッチ円筒2dの径と歯底円筒径が等しくDであり、歯先円筒2eの径が2Dである一葉形の主動ローター2と、ピッチ円筒3dの径と歯先円筒径が等しく2D、歯底円筒3eの径がDである二葉形の従動ローターと、をかみ合わせた状態で、かつ、それらの歯先面との間に微小なシール間隙を介して回転自在に収容するものである。また、この圧力容器1は、図示しない、主動ローター2の駆動軸20の貫通部をシールする軸封装置と、流体の流入口及び流出口とを有する。
【0008】主動ローター2は、その軸直角断面の主歯形2aが、従動ローター3の歯先端点3bが描くサイクロイドである。従動ローター3は、その軸直角断面の主歯形3aが、主動ローター2の歯先端点2bが描くトロコイドである。また、図2に示したように、主動ローター2及び従動ローター3の歯先の微小部分は、かみ合い位置において、軸直角断面上の、主動ローター2及び従動ローター3のピッチ円筒2d3dの接触線上の点Pに中心を有し、互いにかみ合い運動する円弧歯形2c、3cとなっている。
【0009】このため、主動ローター2の回転は、主動ローター2の円弧歯形2cから従動ローター3の円弧歯形3cを通じて従動ローター3に伝えられ、従動ローター3は主動ローター2が2回転するごとに1回転する。このねじポンプでは、圧力容器1内に構成される空間は、主動ローター2の1ピッチごとにシールされるので、ポンプ本体を主動ローター2の1ピッチまで短くすることができ、また、ローターを長くして多段ポンプとすることも容易であり、主動ローター2及び従動ローター3の回転時の摩擦によるエネルギーロスを低減できると共に、ローターの加工も容易になる。
【0010】また、図3から分かるように、従動ローター3の表面の液圧によるトルクの容積値が0であるので、従動ローター3はポンプ作用をせず、揚液は専ら主動ローター2によって行われることになる。このため、歯面強度や、軸受けの設計が容易であり、また更に、従動ギアの回転が低速であるので、振動や騒音対策上も有利である。
【0011】また、主動ローター2の円弧歯形2cは、従動ローター3の円弧歯形3cとしっかりかみ合うので、パイロットギアがなくとも主動ローター2から従動ローター3への回転力がスムーズかつ確実に行われる。また、この円弧歯形2c、3cは、滑りがなく、歯面強度も高いので摩耗がほとんどなく、長期間の使用に耐え得る。また、主動ローター2と従動ローター3とをパイロットギアで連結する必要がないので、装置も小型化でき、組み立てが容易で、また、構造が単純であるのでメンテナンスの手間も大幅に削減することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので、本発明によるときは、筒抜けが発生せず、静粛に効率よく作動し、シールが完全で、主動ローターから従動ローターに回転を直接伝達できるコンパクトなねじポンプを提供できるようになる。
【出願人】 【識別番号】591018899
【氏名又は名称】長田 重慶
【出願日】 平成11年8月31日(1999.8.31)
【代理人】 【識別番号】100075247
【弁理士】
【氏名又は名称】最上 正太郎
【公開番号】 特開2001−73959(P2001−73959A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−244375