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【発明の名称】 圧縮機の容量制御方法及び容量制御装置
【発明者】 【氏名】神林 徹

【要約】 【課題】一の圧縮機により、高圧、低圧の圧縮流体を供給可能と成す、圧縮機の容量制御方法及び装置を提供する。

【解決手段】圧力保持手段10の弁体13の背面に形成されたスプリング室15内にレシーバタンク内の圧縮空気を導入可能に構成し、制御回路30において高圧用の圧力調整弁32aを介して吸気制御弁20を作動するとき、圧力保持手段10のスプリング室15に圧縮空気を導入して作動圧力を高圧に設定する。一方、低圧用の圧力調整弁32bを介して吸気制御弁20を作動するとき、スプリング室15に対する圧縮空気の導入を停止して圧力保持手段10の作動圧力を低圧にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機のレシーバタンク内の圧力が作動圧力以上のとき前記レシーバタンク内の圧縮流体を消費側に供給可能と成す圧力保持手段と、圧縮機本体の吸入口に設けられ、前記レシーバタンク内の圧縮流体が作動圧室に導入されて前記圧縮機本体の吸入口を絞り又は閉ざす吸気制御弁と、前記レシーバタンク内の圧力が設定圧力以上のとき開通して前記レシーバタンク内の圧縮流体を前記吸気制御弁の前記作動圧室に導入する、前記吸気制御弁の制御回路から成り、前記吸気制御弁の制御回路を開通する設定圧力を変更可能に構成した容量制御装置を備えた圧縮機において、前記圧力保持手段の作動圧力を変更可能とし、前記吸気制御弁の制御回路の設定圧力を低圧側へ変更するとき、前記圧力保持手段の作動圧力を低圧側へ変更し、前記吸気制御弁の制御回路の設定圧力を高圧側へ変更するとき、前記圧力保持手段の作動圧力を高圧側へ変更することを特徴とする圧縮機の容量制御方法。
【請求項2】 前記制御回路の設定圧力を段階的に切り替えると共に、前記圧力保持手段の作動圧力を段階的に切り替えることを特徴とする請求項1記載の圧縮機の容量制御方法。
【請求項3】 前記吸気制御弁の制御回路は、作動圧力の異なる複数の圧力調整弁を備え、このうちの選択された圧力調整弁を介して吸気制御弁の作動圧室に圧縮流体を導入することにより、前記吸気制御弁の制御回路の設定圧力を変更可能に構成されて成り、前記吸気制御弁の制御回路において選択された圧力調整弁の作動圧力に応じて、前記圧力保持手段の作動圧力を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機の容量制御方法。
【請求項4】 圧縮機のレシーバタンクの圧力が作動圧力以上のとき前記レシーバタンク内の圧縮流体を消費側に供給可能と成す圧力保持手段と、圧縮機本体の吸入口に設けられ、前記レシーバタンク内の圧縮流体が作動圧室に導入されて前記圧縮機本体の吸入口を絞り又は閉ざす吸気制御弁と、前記レシーバタンク内の圧力が設定圧力以上のとき開通して前記レシーバタンク内の圧縮流体を前記吸気制御弁の前記作動圧室に導入する、前記吸気制御弁の制御回路から成り、前記吸気制御弁の制御回路を開通する設定圧力を変更可能に構成した、圧縮機の容量制御装置において、前記圧力保持手段の作動圧力を変更可能と成すと共に、前記圧力保持手段の作動圧力を段階的に切り替える作動圧力切替手段を備えることを特徴とする圧縮機の容量制御装置。
【請求項5】 前記圧力保持手段は、前記レシーバタンクと連通する一次室と、消費側に連通される二次室と、前記一次室と二次室間を連通する連通路を備えると共に、該連通路を閉ざす方向に付勢された弁体と、前記弁体の背面により画成される空間を備え、前記作動圧力切替手段が、前記弁体の背面により画成された前記空間内の圧力を変更して前記圧力保持手段の作動圧力を切り替える作動圧力切替回路であることを特徴とする請求項4記載の圧縮機の容量制御装置。
【請求項6】 前記作動圧力切替回路は、前記弁体の背面により画成された空間と、前記レシーバタンク間を開閉自在に連通する回路から成る請求項5記載の圧縮機の容量制御装置。
【請求項7】 前記作動圧力切替回路は、前記弁体の背面により画成された空間と、前記吸気制御弁の二次側間を開閉自在に連通する回路から成る請求項4記載の圧縮機の容量制御装置。
【請求項8】 前記作動圧力切替回路は、前記弁体の背面により画成された空間を、前記レシーバタンク又は前記吸気制御弁の二次側に選択的に連通する回路から成る請求項4記載の圧縮機の容量制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機の容量制御方法及び容量制御装置に関し、より詳細にはレシーバタンク内で保持される圧縮流体の圧力を可変とした圧縮機の容量制御方法及び容量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮空気、その他の圧縮流体を供給する圧縮機は、レシーバタンク内の圧力を所定範囲内に維持して消費側に圧縮流体を安定して供給するために、圧縮機本体80の吸入口82に吸気制御弁20を設け、レシーバタンク60内の圧力に応じてこの吸気制御弁20を開閉制御する容量制御装置1が設けられている。
【0003】図6に示す容量制御装置1において、吸気制御弁20の作動圧室には、圧力調整弁32を介してレシーバタンク60に連通された、吸気制御弁20の制御回路30が連通されており、レシーバタンク60内の圧力が圧力調整弁32の作動圧力を越えると、吸気制御弁20の作動圧室にレシーバタンク60内の圧縮流体が導入されて吸気制御弁20が圧縮機本体80の吸入口82を絞り、又は閉じてレシーバタンク60内の過度の昇圧を防止すると共に、レシーバタンク60内の圧力が低下すると、吸気制御弁20の作動圧室に対する圧縮流体の導入が停止して吸気制御弁20が圧縮機本体80の吸入口82を開放し、圧縮機本体80はレシーバタンク60に対して圧縮流体の吐出を再開するよう構成されている。
【0004】また、レシーバタンク60内の圧縮流体を図示せざる空気作業機等の消費側に連通する供給路70には、圧力調整弁等から成る圧力保持手段10が設けられ、レシーバタンク60内で分離された例えば潤滑油を給油回路100を介して圧縮機本体80の圧縮作用空間内に圧送し得る圧力に、レシーバタンク60内の圧力が保持されている。
【0005】このように、圧縮機に設けられた容量制御装置1により、レシーバタンク60内の圧力が常に所定の範囲内となるよう制御され、従って消費側に安定した圧縮流体の供給を行うことができるよう構成されている。
【0006】このように構成された容量制御装置1において、吸気制御弁20の開閉タイミングは制御回路30に設けられた圧力調整弁32の作動圧力により決定される。そのため、図6に示す容量制御装置1において消費側に供給する圧縮流体の圧力を変更するためには、この圧力調整弁32を交換し、又は圧力調整弁32を調整する等してその作動圧力を変更する必要がある。
【0007】このような問題点に鑑み、図7に示す容量制御装置1にあっては、吸気制御弁20の制御回路30に分岐回路34,36を設け、この分岐回路34,36のそれぞれに作動圧力の異なる圧力調整弁32a,32bを並列に配置すると共に、低圧の圧力調整弁32bが設けられた分岐回路36に開閉弁38を設け、この開閉弁38の開閉によりいずれの圧力調整弁32a,32bを介して吸気制御弁20の作動圧室にレシーバタンク60内の圧縮流体を導入するかを選択可能とし、消費側に供給する圧縮流体の圧力を容易に変更可能とした容量制御装置がある(特開平2−283893号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成された特開平2−283893号の容量制御装置1は、いずれの圧力調整弁32a,32bを介して圧縮流体を吸気制御弁20の作動圧室に導入するかにより、レシーバタンク60内で保持される圧力の上限を変更することができ、従って消費側に供給される圧縮流体の圧力を変更することができる。
【0009】しかし、前述の装置にあっては、潤滑油等を圧縮機本体80の圧縮作用空間内に循環するために圧力保持手段10を設け、レシーバタンク60内の圧力がこの圧力保持手段10の設定圧力を下回る場合には消費側に対して圧縮流体を供給しない構成としているため、消費側に供給される圧縮流体の圧力は、この圧力保持手段10の作動圧力を下回るものとすることができない。そのため、低圧の圧縮流体の供給には一定の限界がある。
【0010】これに対して、圧力保持手段10の作動圧力を予め低めに設定することにより、低圧の圧縮流体の供給を行うことは可能である。この場合、圧縮機本体80が低圧の運転状態にあるとき、すなわち吸気制御弁20が低圧用の圧力調整弁32bを介して制御されている場合には、圧縮機本体80の圧縮作用空間内も比較的低圧となっているためにレシーバタンク60内で分離された潤滑油等を圧縮作用空間内に循環させることができるが、圧縮機本体80が高圧の運転状態にあるとき、すなわち高圧用の圧力調整弁32aを介して吸気制御弁20が制御されている場合には、圧縮機本体80の圧縮作用空間内の圧力も上昇し、低圧に維持されたレシーバタンク60内の圧力によっては潤滑油等を圧縮機本体80の圧縮作用空間内に循環することができず、低圧の圧縮空気の供給と高圧の圧縮空気の供給のいずれも行うことのできる圧縮機を提供することはできなかった。
【0011】さらに、一の圧縮機により高圧と低圧いずれの圧縮流体をも供給する方法として、圧力保持装置10の二次側に減圧弁等を配置することも考えられるが、このように構成する場合には供給される圧縮流体の圧力を変更する毎に、対応する減圧弁の取付、取り外しの作業が必要となり煩雑であるだけでなく、供給管路70の口径に対応する大口径の減圧弁は高価である。
【0012】また、大口径の減圧弁を圧縮機の防音箱内に配置する場合には防音箱も大型化する必要があり、圧縮機全体が大型化する。
【0013】そこで、本発明は上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり、比較的簡単な構成により高圧の圧縮流体と低圧の圧縮流体のいずれをも一の圧縮機により供給することのできる圧縮機の容量制御方法及び容量制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の圧縮機の容量制御方法は、圧縮機のレシーバタンク60内の圧力が作動圧力以上のとき圧縮空気等のレシーバタンク60内の圧縮流体を、図示せざる空気作業機等の消費側に供給可能と成す、圧力調整弁等から成る圧力保持手段10と、圧縮機本体80の吸入口82に設けられ、前記レシーバタンク60内の圧縮流体が作動圧室に導入されて前記圧縮機本体80の吸入口82を絞り又は閉ざす吸気制御弁20と、前記レシーバタンク60内の圧力が設定圧力以上のとき開通して前記レシーバタンク60内の圧縮流体を前記吸気制御弁20の作動圧室に導入する、前記吸気制御弁20の制御回路30から成り、前記吸気制御弁20の制御回路30を開通する設定圧力を変更可能に構成した容量制御装置を備えた圧縮機において、前記圧力保持手段10の作動圧力を変更可能とし、前記吸気制御弁20の制御回路30の設定圧力を高圧から低圧に変更するとき、前記圧力保持手段10の作動圧力を高圧から低圧に変更し、前記吸気制御弁20の制御回路30の設定圧力を低圧から高圧に変更するとき、前記圧力保持手段10の作動圧力を低圧から高圧に変更することを特徴とする(請求項1)。
【0015】なお、本明細書において吸気制御弁20の作動圧室とは、吸気制御弁20の弁体を作動するために圧縮流体の導入が行われる室であり、吸気制御弁20の弁体に連結されたダイアフラムにより画成された室やエアシリンダ等、各種の構成のものを含み、また、吸気制御弁20と一体的に、又は吸気制御弁20とは別個に構成されたもののいずれも含む。
【0016】前記制御回路30の設定圧力は、例えば高圧、中圧、低圧のようにこれを段階的に切り替えると共に、前記圧力保持手段10の作動圧力をこの制御回路の設定圧力に応じて高圧、中圧、低圧のように段階的に切り替えるよう構成することもできる(請求項2)。
【0017】また、前記吸気制御弁20の制御回路30に、作動圧力の異なる複数の圧力調整弁32a,32b・・・を設け、このうちの選択された圧力調整弁32a,32b・・・を介して吸気制御弁20の作動圧室に圧縮流体を導入することにより、吸気制御弁20の設定圧力を変更可能に構成しても良く、この場合には、吸気制御弁20の制御回路30において選択された圧力調整弁32a,32b・・・の作動圧力に応じて圧力保持手段10の作動圧力を変更する(請求項3)。
【0018】本発明の圧縮機の容量制御装置は、前述のように圧力保持手段10の作動圧力を切り替えるために、圧力保持手段10の作動圧力を段階的に切り替える作動圧力切替手段を備えている(請求項4)。
【0019】圧力保持手段10が、レシーバタンク60と連通する一次室11と、消費側に連通される二次室12と、前記一次室11と二次室12間を連通する連通路を備えると共に、例えばスプリング14等により該連通路を閉ざす方向に付勢された弁体13と、前記弁体13の背面により画成される、例えばスプリング室15等の空間を備えるものとして構成されている場合、前記作動圧力変更手段は、前記弁体13の背面により画成された空間であるスプリング室15内の圧力を変更して、圧力保持手段20の作動圧力を切り替える回路40として構成することもできる(請求項5)。
【0020】スプリング室15内の圧力の変更は、スプリング室15とレシーバタンク60間を開閉自在に連通する回路として構成された作動圧力切替回路40を開閉することにより、スプリング室15内にレシーバタンク60内の圧縮流体が導入された相対的に高圧の状態、又は圧縮流体が導入されていない相対的に低圧の状態に変更し、圧力保持手段10の作動圧力を段階的に切替可能とすることができる(請求項6)。
【0021】また、スプリング室15と吸気制御弁20の二次側間を開閉自在に連通する作動圧力切替回路40’を設け、この作動圧力切替回路40’を開閉することによりスプリング室15が吸気制御弁20の二次側に連通されて負圧となった相対的に低圧の状態、又は吸気制御弁20の二次側と接続されていない相対的に高圧の状態に変更し、圧力保持手段10の作動圧力を段階的に切替可能とすることもできる(請求項7)。
【0022】なお、作動圧力切替回路40は、スプリング室15を、レシーバタンク60又は吸気制御弁20の二次側に選択的に連通して、圧力保持手段10の作動圧力を高圧又は低圧に段階的に切替可能と成す回路として構成としてもよく(請求項8)、さらに、これに加えてレシーバタンク60、吸気制御弁20の二次側のいずれとも連通しない、例えば中圧の状態を選択し得るよう構成することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら以下説明する。
【0024】〔実施例1〕図1に示すように本発明の容量制御装置1は、圧縮機本体80の吸入口82に設けられ、圧縮機本体80に導入される流体(本実施形態にあっては空気)の導入量を制御する吸気制御弁20と、レシーバタンク60内の圧力を設定された所定の圧力に保持する圧力保持手段10を備えている。
【0025】前述の吸気制御弁20は、レシーバタンク60内の圧縮流体を作動流体として開閉動作する既知の各種の制御弁を使用することができ、例えばダイアフラムにより画成された作動圧室内にレシーバタンク60内の圧縮流体が導入されることにより閉動作する吸気制御弁20や、レシーバタンク60内の圧縮流体が導入されて進退移動するエアシリンダのピストンロッドにより開閉動作されるバタフライ式の弁体を備えた吸気制御弁20等各種のものを使用することができる。
【0026】また、前述の圧力保持手段10は、図1に示すようにレシーバタンク60と連通する一次室11と、消費側に連通する二次室12を有すると共に、この一次室11と二次室12間を閉塞する弁体13を備え、弁体13に対してスプリング14による付勢力を与えることにより、一次室11と二次室12間が遮断されている。
【0027】また、この圧力保持手段10は、弁体13の背圧を空気圧により調整可能に構成されており、本実施形態にあっては、弁体13を付勢するスプリング14が収容されたスプリング室15を密閉すると共に、このスプリング室15に圧縮空気の導入孔16を設け、この導入孔16を介してスプリング室15内に圧縮空気を導入し、この圧縮空気の圧力によりスプリング14による付勢力が補強されて、圧力保持手段10の作動圧力が相対的に高圧となるよう構成されている。
【0028】一方、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40に設けられた開閉弁41を閉じてスプリング室15に対する圧縮空気の供給を停止すると、弁体13はスプリング13によってのみ付勢され、圧力保持手段10の作動圧力を相対的に低いものとすることができる。
【0029】以上のように構成された容量制御装置1において、吸気制御弁20を作動する制御回路30には、作動圧力の異なる複数の圧力調整弁32a,32bが並列に配置されており、圧力調整弁32a,32bの一次側の分岐点において回路を切り替える切替弁50を備えており、この吸気制御弁20の制御回路30により、レシーバタンク60と吸気制御弁20間が連通されている。
【0030】また、圧力保持手段10のスプリング室15に連通する導入孔16は、開閉弁41及び減圧弁42を直列に接続してなる、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40を介してレシーバタンク60に連通されている。
【0031】なお、吸気制御弁20の制御回路30に設けられた圧力調整弁が、高圧用及び低圧用の2つの圧力調整弁32a,32bのみから成る場合には、図5に示すように図1の切替弁50に代えて低圧用の圧力調整弁32bが設けられた分岐回路36に開閉弁50’を設ける構成としても良く、その他、吸気制御弁20の制御回路30に複数設けられた圧力調整弁32a,32b・・・,のいずれかを選択して吸気制御弁20の作動圧室に圧縮空気を導入し得る構成であれば、その構成は限定されない。
【0032】また、本実施形態にあっては、前述の吸気制御弁20の制御回路30と圧力保持手段10の作動圧力切替回路40をいずれもレシーバタンク60と圧力保持手段10間の回路に接続した構成としているが、前記両回路30,40は、それぞれ別個にレシーバタンク60に連通しても良く、レシーバタンク60内の圧縮空気を吸気制御弁20の作動圧室及び圧力保持手段10のスプリング室15にそれぞれ導入可能な構成であれば、その回路構成は図1に示すものに限定されない。
【0033】以上のように構成された容量制御装置1を備えた圧縮機において、高圧の圧縮空気を得たい場合には、吸気制御弁20の制御回路30に設けられた切替弁50を切り替えて、高圧の圧力調整弁32aを介して吸気制御弁20の作動圧室にレシーバタンク60内の圧縮空気を導入すると共に、作動圧力切替回路40に設けられた開閉弁41を開き、圧力保持手段10のスプリング室15にレシーバタンク60内の圧縮空気を減圧弁42により減圧して導入する。
【0034】以上のような切替状態において圧縮機本体80を駆動すると、圧縮機本体80より吐出された圧縮空気がレシーバタンク60内に導入されて、レシーバタンク60内の圧力が上昇するが、吸気制御弁20の制御回路30は、高圧の圧力調整弁32aに連通する分岐管路34のみが開かれた状態にあり、高圧の圧力調整弁32aの設定圧力にレシーバタンク60内の圧力が上昇する迄吸気制御弁20が作動せず、圧縮機本体80は負荷運転を継続する。
【0035】一方、圧力保持手段10のスプリング室15に対し、減圧されたレシーバタンク60内の圧縮空気が導入されており、圧力保持手段10の弁体13は、スプリング15の付勢力のみならずスプリング室15内に導入された圧縮空気によっても閉方向に付勢されており、その作動圧力が高圧に設定されている。
【0036】従って、圧力保持手段10を作動させて消費側に供給される圧縮空気を、高圧の一定圧力に保持することができ、高圧の圧縮空気を安定して供給することができる。
【0037】一方、低圧の圧縮空気を供給する場合には、吸気制御弁20の制御回路30に設けられた切替弁50を切り替えて高圧の圧力調整弁32aが設けられた分岐管路34を閉じ、又は図5に示す構成の制御回路30にあっては両分岐管路34,36共に開通した状態と成すと共に、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40に設けられた開閉弁41を閉じ、圧力保持手段10のスプリング室15に対する圧縮空気の導入を停止する。
【0038】この切替状態において圧縮機本体80を駆動すると、吸気制御弁20の制御回路30は、前述の場合に比較して低圧にて導通してレシーバタンク60内の圧縮空気を吸気制御弁20の作動圧室に導入して吸気制御弁20を閉動作するので、圧縮機本体80より吐出される圧縮空気を低圧とすることができると共に、圧力保持手段10の作動圧力は、弁体13を付勢するスプリング14の付勢力のみにより決定されるので、スプリング14の付勢力と圧縮空気の圧力との合成力により作動圧力が決定される前述の場合に比較して相対的に低圧にて作動し、消費側に前述の場合に比較して低圧の圧縮空気を安定して供給することができる。
【0039】なお、図1に示す実施形態にあっては、スプリング室15に対するレシーバタンク10内の圧縮空気の導入を、吸気制御弁20の制御回路30とは独立した作動圧力切替回路40により行う例を示したが、この作動圧力切替回路40は、図2に示すように吸気制御弁20の制御回路30と部分的に共通するものとして構成しても良く、圧力保持手段10のスプリング室15に対してレシーバタンク60内の圧縮流体を導入可能な構成であればその構成は限定されない。
【0040】図2に示す実施形態にあっては、吸気制御弁20の制御回路30に設けられた高圧用の分岐回路34を圧力調整弁32aの一次側において分岐して分岐回路35を設け、この分岐回路35を減圧弁42を介して圧力保持手段10のスプリング室15に連通して作動圧力切替回路40が形成されている。
【0041】以上のように構成された容量制御装置を備えた圧縮機にあっては、切替弁50の操作により高圧用の分岐回路34を開き、高圧用の圧力調整弁32aを介して吸気制御弁20の制御が行われている場合には、この分岐回路34からさらに分岐された分岐回路35を介して圧力保持手段10のスプリング室15内にレシーバタンク60内の圧縮空気が導入され、圧力保持手段10の作動圧力が相対的に高い状態となっている。
【0042】一方、切替弁50の操作により、高圧用の分岐回路34を閉じると共に低圧用の分岐回路36を開くと、この低圧用の分岐回路36に設けられた低圧用の圧力調整弁32bを介して吸気制御弁20の制御が行われると共に、分岐回路35を介して行われていた、圧力保持手段10のスプリング室15に対する圧縮空気の導入も停止し、圧力保持手段10の作動圧力が相対的に低いものとなり、消費側に対して低圧の圧縮流体を安定して供給可能となる。
【0043】以上のように、本発明の容量制御装置を図2に示す回路構成とする場合には、高圧用の圧力調整弁32aと低圧用の圧力調整弁32bの選択、圧力保持手段10のスプリング室15に対する圧縮流体の導入開始・停止の切替を単一の切替弁50により行うことができ、装置全体の構成が簡単となると共に、部品点数の減少により製造が容易となると共に低コストにて容量制御装置を提供することができる。
【0044】〔実施例2〕次に、本発明の容量制御装置1の別の構成例を図3に示す。実施例1(図1及び図2参照)の容量制御装置1にあっては、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40をレシーバタンク60と圧力保持手段10のスプリング室15間を連通する回路として構成していたが、本実施形態にあってはこの構成に代えて、圧力保持手段10の作動圧力切替回路を圧力保持手段10のスプリング室15を吸気制御弁10の二次側に接続する回路40’として形成している。この場合スプリング14の付勢力は相対的に高くしている。
【0045】この圧力保持手段10の作動圧力切替回路40’は、開閉弁41’を備えると共に必要に応じてフィルタ43を設けることができ、この開閉弁41’とフィルタ43を直列を配置した構成としている。
【0046】以上のように構成された圧縮機において、高圧の圧縮空気を供給する場合には、吸気制御弁20の制御回路30に設けられた切替弁50を切り替えて、低圧用の圧力調整弁32bが設けられた分岐管路36を遮断する点については、前述の実施例1の場合と同様である。
【0047】そして、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40’に設けられた開閉弁41’を閉じ、吸気制御弁20の二次側と圧力保持手段10のスプリング室15間を遮断する。
【0048】この状態において、圧縮機本体80を作動すると、レシーバタンク60内の圧力が、高圧用の圧力調整弁32aの作動圧力以上に昇圧するまで、吸気制御弁10の閉動作が行われず、圧縮機本体80より高圧の圧縮空気の吐出が継続されると共に、圧力保持手段10の弁体13は、これを閉方向に付勢するスプリング14の付勢力により決定される相対的に高い作動圧力迄作動せず、従ってこの作動圧力を所望の圧力に設定することにより、高圧の圧縮空気の安定した供給を得ることができる。
【0049】一方、低圧の圧縮空気を供給する場合には、制御回路30に設けられた切替弁50を切り替えて、低圧用の圧力調整弁32bを備えた分岐回路36を開通する。また、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40’に設けられた開閉弁41’を操作して、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40’を開放する。
【0050】この状態において、圧縮機本体80を駆動すると、吸気制御弁20はレシーバタンク60内の圧力が比較的低圧の状態で閉動作を開始し、圧縮機本体80より吐出される圧縮空気を前述の場合に比較して低圧とすることができると共に、圧力保持手段10のスプリング室15は、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40’を介して吸気制御弁20の二次側に連通されていることから、圧縮機本体80の駆動により圧縮機本体80に空気が吸引されて吸気制御弁20の二次側が負圧となるに伴い、圧力保持手段10のスプリング室15内も負圧となり、この負圧により、圧力保持手段10の弁体13に、スプリング14による付勢力とは逆方向の力が働く。
【0051】従って、圧力保持手段10の弁体13は、圧力保持手段10の作動圧力切替回路40’が閉ざされている場合に比較して作動圧力が相対的に低圧となり、消費側に供給される圧縮空気を低圧とすることができる。
【0052】〔実施例3〕さらに、本発明の別の実施形態を図4に示す。図4に示す実施形態は、前述の実施例1と実施例2の構成を組み合わせたものであり、レシーバタンク60に連通された回路401と、吸気制御弁20の二次側に連通された回路402とを切替弁45を介して圧力保持手段10のスプリング室15に連通し、この切替弁45の切替により圧力保持手段10の作動圧力を変更可能に構成している。
【0053】また、本実施形態にあっては、実施例1及び実施例2において吸気制御弁20の制御回路30に設けられた切替弁50に代え、低圧用分岐回路36に開閉弁50’を設け、この開閉弁50’を電磁弁と成すと共に、また圧力保持手段10の作動圧力切替回路40に設けられた切替弁45を電磁弁とし、図示せざるスイッチの操作により、吸気制御弁20の制御回路30の低圧用分岐回路36を閉じたとき、これに同期して圧力保持手段10のスプリング室15をレシーバタンク60に連通させると共に、吸気制御弁20の制御回路30の低圧用分岐回路36を開いたとき、これに同期して圧力保持手段10のスプリング室15を吸気制御弁20の二次側と連通するよう切替可能に構成している。なお、その他の点については前述の実施例1及び実施例2の構成と同様である。
【0054】このように構成することにより、圧力保持手段10の作動圧力は、スプリング14の付勢力と、減圧弁42により減圧されてスプリング室15内に導入されたレシーバタンク60内の圧縮空気の圧力との合成により決定される高圧用の作動圧力、スプリング14の付勢力とスプリング室15内に導入された吸気制御弁20の二次側における負圧との合成により決定される低圧用の作動圧力の2つの作動圧力が設定でき、前述の実施例1及び実施例2の場合に比較して、この作動圧力の差を大きく設けることができる。
【0055】〔その他〕なお、吸気制御弁20の制御回路30に、2個の圧力調整弁32a,32bを設けた前述の構成に代え、例えば作動圧力の異なる三個の圧力調整弁を並列に設けると共に、作動圧力切替回路40が、圧力保持手段10のスプリング室15を吸気制御弁20の二次側と連通した状態、レシーバタンク60と連通した状態の他、これらのいずれにも連通しない状態を選択し得ると構成とし、高圧、低圧の他、両者の中間の圧力の圧縮流体を供給可能に構成することもできる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明の構成により、圧縮機本体の運転状態に対応して、圧力保持手段の作動圧力を極めて容易に変更することができ、一の圧縮機により高圧、低圧の圧縮流体を供給することができた。特に、従来の容量制御装置にあっては、使用する圧力保持手段の作動圧力以下の圧縮空気の供給が困難であったが、本発明の容量制御手段にあっては圧力保持手段の作動圧力を容易に変更可能に構成したことにより、従来のものに比較してより低圧の圧縮流体を提供することができた。
【出願人】 【識別番号】000241795
【氏名又は名称】北越工業株式会社
【出願日】 平成12年6月15日(2000.6.15)
【代理人】 【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
【公開番号】 特開2001−355576(P2001−355576A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2000−180365(P2000−180365)