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【発明の名称】 半導体製造装置用ポンプ
【発明者】 【氏名】西尾 清志

【氏名】今西 良

【氏名】藤井 睦

【氏名】湊 洋二

【要約】 【課題】脈動の発生を抑制し液体を連続してスムースに循環輸送することができ、しかも設置スペースを大幅に削減する。

【解決手段】液体流入路2及び流出路3とを備えた仕切壁1の両側部に固定連設されたケーシング6,17内に互いに対向させてベローズ7,18を設け、一方のベローズ7をエアシリンダ部14を介して駆動伸縮可能にして往復動ポンプ部4を構成する一方、他方のベローズ17側にポンプ部4から吐出される液体を一時的に貯溜可能な液室20aと気体が封入される空気室20bとを形成して、ポンプ部4のポンプ作用室9aから吐出される液体の吐出圧による脈動を吸収させるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体の流入路及び流出路とを備えた仕切壁と、この仕切壁の一側部に固定連設されたケーシング内を往復運動するポンプ作用体とこのポンプ作用体を駆動往復運動させるエアシリンダ部と上記ポンプ作用体の往復運動に伴って交互に開閉作動して液体の吸入作用および吐出作用を行なう逆止弁が設けられたポンプ作用室とを備えてなる往復動ポンプ部と、上記仕切壁の他側部に固定連設されたケーシング内に上記往復動ポンプ部のポンプ作用体に対向して配設され該ポンプ作用体の往復運動方向に往復運動可能な往復動体とこの往復動体の一側に形成されて上記往復動ポンプ部のポンプ作用室から吐出用逆止弁を経て吐出される液体を一時的に貯溜可能な液室と上記往復動体の他側に液室に対し隔離形成されて脈動抑制用の気体が封入される気室とを備え、上記往復動体の往復運動に伴う上記液室の容量変化により上記往復動ポンプ部のポンプ作用室から吐出される液体の吐出圧による脈動を吸収させるように構成した脈動抑制部と、を具備していることを特徴とする半導体製造装置用ポンプ。
【請求項2】 上記往復動ポンプ部におけるポンプ作用体及び脈動抑制部における往復動体が、ベローズもしくはダイヤフラムから構成されている請求項1に記載の半導体製造装置用ポンプ。
【請求項3】 上記の仕切壁、往復動ポンプ部及び脈動抑制部におけるケーシング、往復動ポンプ部における吸入用及び吐出用逆止弁の可動弁体並びに往復動ポンプ部におけるポンプ作用体及び脈動抑制部における往復動体が、PTFEあるいはPFA等の弗素樹脂材料から構成されている請求項1または2に記載の半導体製造装置用ポンプ。
【請求項4】 上記脈動抑制部には、上記液室内に挿入されて往復動体の往復運動に応動可能な操作杆と、この操作杆に操作されて上記気室に通じる給排気通路を液室の容量が所定範囲を越えて増大したときは給気口に、かつ、液室の容量が所定範囲を越えて減少したときは排気口に選択的に連通させる弁体とを備えた給排気用切換弁機構が装着されている請求項1ないし3に記載の半導体製造装置用ポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造装置におけるICや液晶の表面洗浄等の各種処理に用いられる薬液の循環輸送などに適用される半導体製造装置用ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のポンプとして、従来では、例えば特開平3−179184号公報に開示されているような構成のベローズ式あるいはダイヤフラム式往復動ポンプが一般に用いられていた。この従来の往復動ポンプの構成を図3に基づいて簡単に説明する。図3に示されているものは、空気駆動型のベローズ式ポンプであって、液体の流入路50及び流出路51を備えたポンプヘッド構成壁52の両側に固定連設された筒状ケーシング53A,53B内にそれぞれ、同一方向に伸縮変形可能な一対のベローズ54A,54Bを対向状態に配設し、これら一対のベローズ54A,54Bの開口周縁部54a,54bを環状固定板56A,56Bを介して上記ポンプヘッド構成壁52に気密状に固定することによりポンプ室59内をポンプ作用室57a,57bとポンプ作動室58a,58bとに密封区画してなる一対のポンプ部60A,60Bが構成されている。
【0003】上記一対のポンプ部60A,60Bにおけるベローズ54A,54Bは上記ポンプヘッド構成壁52を貫通して設けられた円周方向に複数本の連結ロッド55を介して、一方のベローズ54Aまたは54Bが縮小動作するとき他方のベローズ54Bまたは54Aが伸長動作するように連動連結されている。また、上記一対のポンプ部60A,60Bにおけるポンプ作用室57a,57bにそれぞれ開口するように形成された吸入口61a,61b及び吐出口62a,62bはそれぞれ上記流入路50及び流出路51に連通されているとともに、これら各吸入口61a,61b及び吐出口62a,62bにはそれぞれ、吸入用逆止弁63a,63b及び吐出用逆止弁64a,64bが設けられている。さらに、上記筒状ケーシング53A,53Bの底板部53a,53bには上記一対のポンプ部60A,60Bにおけるポンプ作動室58a,58bに所定時間毎に加圧空気を交互に供給する空気口65a,65bが形成されている。
【0004】上記構成のベローズ式ポンプ往復動ポンプにおいては、コンプレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気を所定時間毎に交互に上記空気口65a,65bを通して一対のポンプ部60A,60Bのポンプ作動室58a,58bに供給することにより、上記ベローズ54A,54Bを連結ロッド55を介して可逆的に伸縮変形駆動させて一対のポンプ部60A,60Bの吸入工程と吐出工程とを交互に行なわせ、これによって、上記流入路50からポンプ作用室57a、57bに流入される液体を流出路51へほぼ連続的に吐出させるといったポンプ作用が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したような従来の往復動ポンプでは、一対のベローズあるいはダイヤフラム等のポンプ作用体が交互に作動されるものであるから、作動切替え時に液体の吐出が瞬間的に停止するために、脈動が発生する。このような脈動が発生すると、流速の大幅な変化および圧力の変化を伴うことになり、半導体製造装置の処理液の循環輸送においてはその清浄度が損なわれて所定の処理精度の面で大きな問題となっていた。
【0006】また、このような脈動による処理精度の低下をなくするために、ポンプによる液体輸送配管の下流側配管部に、例えばベローズを利用したアキュムレータ等の脈動抑制装置を配設する手段を採用したものも従来から知られているが、この場合は、ポンプとアキュムレータ等の脈動抑制装置との併設であるために、大きな場所を要する上に、両者間に亘って複雑な配管も必要となり、設備コストが増大する。特に、半導体製造装置用の処理液の循環輸送にあたっては、両者間の配管として耐食性、耐熱性などに優れたPTFEやPFA等の弗素樹脂製チューブが使用されることが多いが、この弗素樹脂製チューブに小さな脈動や大きな脈動が繰り返し作用すると、該チューブが疲労し、短期間のうちに破れて液漏れを生じるなどの危険性があり、安全性の面で好ましくない。また、弗素樹脂製チューブ及び該チューブとポンプや脈動抑制装置との接続ポイントで圧力ロスが生じ、その圧力ロスを見込んだ大きな容量をもつポンプを用いる必要があることから、両者を含めて設備がより大型化し占有設置スペースが一層大きくなるという問題があった。
【0007】本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、脈動の発生を抑制し液体を連続してスムースに循環輸送することができ、しかも、配管構成の簡略化と全体の小型化により設置スペースを大幅に削減することができる半導体製造装置用ポンプを提供することを主たる目的としている。
【0008】本発明の他の目的は、上記目的に加えて、吐出圧の変動にかかわらず脈動幅を小さく抑えることができるようにする点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記主たる目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る半導体製造装置用ポンプは、液体の流入路及び流出路とを備えた仕切壁と、この仕切壁の一側部に固定連設されたケーシング内を往復運動するポンプ作用体とこのポンプ作用体を駆動往復運動させるエアシリンダ部と上記ポンプ作用体の往復運動に伴って交互に開閉作動して液体の吸入作用および吐出作用を行なう逆止弁が設けられたポンプ作用室とを備えてなる往復動ポンプ部と、上記仕切壁の他側部に固定連設されたケーシング内に上記往復動ポンプ部のポンプ作用体に対向して配設され該ポンプ作用体の往復運動方向に往復運動可能な往復動体とこの往復動体の一側に形成されて上記往復動ポンプ部のポンプ作用室から吐出用逆止弁を経て吐出される液体を一時的に貯溜可能な液室と上記往復動体の他側に液室に対し隔離形成されて脈動抑制用の気体が封入される気室とを備え、上記往復動体の往復運動に伴う上記液室の容量変化により上記往復動ポンプ部のポンプ作用室から吐出される液体の吐出圧による脈動を吸収させるように構成した脈動抑制部と、を具備していることを特徴とするものである。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、エアシリンダ部を介して仕切壁一側部の往復動ポンプ部におけるポンプ作用体を駆動往復運動させると、ポンプ作用室内の吸入用逆止弁と吐出用逆止弁とが交互に開閉作動して液体の流入路からポンプ作用室への液体の吸入とポンプ作用室内から流出路への液体の吐出とが反復され所定のポンプ作用が行なわれる。このとき、上記往復動ポンプ部におけるポンプ作用室から上記吐出用逆止弁を経て吐出される液体は仕切壁他側部の脈動抑制部における液室を通って流出路へ流出され、この際、その吐出液体の吐出圧の脈動の山部においては脈動抑制部における往復動体が液室容量を増大する方向に運動して圧力を吸収し、かつ、脈動の谷部においては上記往復動体が液室容量を減少する方向に運動して吐出液体の圧力が上がって脈動を吸収することになって、液体を脈動なく連続してスムースに流出させることが可能となる。
【0011】上述のように動作する半導体製造装置用ポンプにおいて、往復動ポンプ部と脈動抑制部とが一体化されて、両者間を接続するための外部配管が不要であるために、全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペースの大幅な削減が可能であるばかりでなく、外部配管の省略によって長期間に使用によっても配管が破れるなどして液漏れを発生するなどの危険性がなくなり、また、圧力ロスも非常に少ないので、ポンプ容量も小さくてよく、より一層の小型化を図れ、ポンプの設置占有面積の縮小を達成することが可能である。
【0012】上記構成の半導体製造装置用ポンプにおいて、上記往復動ポンプ部におけるポンプ作用体及び脈動抑制部における往復動体としては、脈動の発生を一層抑えることと、応答性のよいポンプ作用を行なわせることから、請求項2に記載のように、ベローズもしくはダイヤフラムから構成することが望ましく、また、上記の仕切壁、往復動ポンプ部及び脈動抑制部におけるケーシング、往復動ポンプ部における吸入用及び吐出用逆止弁の可動弁体並びに往復動ポンプ部におけるポンプ作用体及び脈動抑制部における往復動体の構成材料としては、半導体製造装置用の処理液の循環輸送という耐蝕性及び耐熱性などが要求される使用条件から考えて、請求項3に記載のように、PTFEあるいはPFA等の弗素樹脂材料を用いることが望ましい。
【0013】また、請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の半導体製造装置用ポンプにおいて、上記脈動抑制部に、上記液室内に挿入されて往復動体の往復運動に応動可能な操作杆と、この操作杆に操作されて上記気室に通じる給排気通路を液室の容量が所定範囲を越えて増大したときは給気口に、かつ、液室の容量が所定範囲を越えて減少したときは排気口に選択的に連通させる弁体とを備えた給排気用切換弁機構とを装着したものであり、このような構成を採用した請求項4に記載の発明によれば、上述したような脈動抑制を伴うポンプ動作において、上記往復動ポンプ部の吐出圧の変動で液室容量の増大が所定範囲を越えると、給排気弁機構によって気室内への給気が行なわれて封入圧が上昇され、往復動体の運動が制約され、また、液室容量の減少が所定範囲を越えると、給排気弁機構によって気室内からの排気が行なわれて封入圧が下降され、往復動体の運動が制約される。その結果、往復動ポンプ部からの吐出圧の変動にかかわらず往復動体の運動が一定範囲内に制約されて脈動幅を小さく抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。図1は本発明に係る半導体製造装置用ポンプの実施の形態として適用した空気駆動型ベローズ式ポンプの全体縦断正面図であり、同図において、1は液体の流入路2及び流出路3が形成された仕切壁で、この仕切壁1の両側に往復動ポンプ部4と脈動抑制部5とを対向して一体に配設してなる。
【0015】上記仕切壁1の一側部に固定連設された有底筒状ケーシング6内にその筒軸線方向に沿って伸縮変形可能なポンプ作用体となる有底筒状のベローズ7が配設されており、このベローズ7の開口周縁部7aを環状固定板8により上記仕切壁1の一側面に気密状に押圧固定することにより、ケーシング6の内部空間をベローズ7内のポンプ作用室9aとベローズ7外のポンプ作動室9bとに密閉区画されている。上記有底筒状ケーシング6の底壁部6aの外側には連結部材10を介して上記ベローズ7の閉鎖端部材7bに固定連結されたピストン体11を摺動可能に内蔵するシリンダ体12が固定されており、このシリンダ体12および上記ケーシング6の底壁部6aに形成した空気孔13a,13bを通して、コンプレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気をシリンダ体11の内部または上記ポンプ作動室9bに供給することによって、上記ベローズ7を駆動伸縮させるエアシリンダ部14が構成されている。
【0016】また、上記ポンプ作用室9aにそれぞれ開口するように形成された吸入口15a及び吐出口15bは上記流入路2及び流出路3に連通されているとともに、これら吸入口15a及び吐出口15bにはそれぞれ、可動弁体16a1とスプリング16a2及び可動弁体16b1とスプリング16b2とからなり、上記ベローズ7の駆動伸縮に伴って交互に開閉作動される吸入用逆止弁16a及び吐出用逆止弁16bが設けられており、以上の各構成要素によって上記ポンプ部4が構成されている。
【0017】一方、上記仕切壁1の他側部に上記有底筒状ケーシング6と同軸状に固定連設された有底筒状ケーシング17内にも上記ポンプ部4における有底筒状ベローズ7に対向させて、その筒軸線方向に沿っての伸縮変形により往復運動可能な往復動体となる有底筒状のベローズ18が配設されており、このベローズ18の開口周縁部18aを環状固定板19により上記仕切壁1の他側面に気密状に押圧固定することにより、ケーシング17の内部空間がベローズ18内で上記ポンプ部4における吐出用逆止弁16b及び上記仕切壁1の肉厚内に貫設した連通路21を経て吐出される液体を一時的に貯溜する液室20aとベローズ18外で脈動抑制用の空気が封入される空気室20bとに隔離形成されている。
【0018】上記ベローズ18の閉鎖端18bには、その中央部に位置させて液室20aの容量の増大方向、つまりベローズ18の伸張方向に向いた筒形連結部材22がスプリング23の弾性力によって押付けられており、以上の各構成要素によって、ベローズ18の伸縮変形に伴う液室20aの容量変化により上記ポンプ部4のポンプ作用室9aから吐出される液体の吐出圧による脈動を吸収させる上記脈動抑制部5が構成されている。
【0019】そして、上記脈動抑制部5における有底筒状ケーシング17の底壁部17a外面には給排気用切換弁機構24が装備されている。この給排気用切換弁機構24は図2に示すように構成されている。図2において、25は有底筒形のケーシングで、このケーシング25内に収容されたシリンダ部26内にはその軸線方向に沿って摺動変位可能にスライド弁体27が嵌合されている。28は上記有底筒状ケーシング17の底壁部17aに形成した孔17bを貫通して上記空気室20b内に挿入された操作杆であり、その一端部が上記スライド弁体27の一端に同軸状に連結されており、かつ、この操作杆28の他端側の連結つば部28aが上記筒形連結部材22内の基準位置に連結されている。
【0020】上記ケーシング25の周壁には、ケーシング17の底壁部17a側寄り位置に給気口29が形成されているとともに、他側寄り位置に排気口30が形成されている。上記給気口29は、移送液体の最大圧力値以上の圧力の空気を供給するようになされており、また、排気口30は大気に開放されている。これら給気口29および排気口30に対応して上記シリンダ部26の周壁にポート31,32が形成されている。33aは上記ケーシング25の周壁に形成された給排気用通路で、上記空気室20bとシリンダ部26内とを連通するものである。33bは上記給排気用通路33aを介して空気室20bとつば部28aとシリンダ部26とケーシング25で囲まれた領域を連通させる通路である。この通路33bによりスライド弁体27に作用する空気室20b内の空気圧の影響を打ち消すことができ、移送液体の圧力を正確にスライド弁体27に伝えることが可能となる。
【0021】上記スライド弁体27にはその軸線方向に所定間隔を隔てて3つの摺動用つば部27a,27b,27cが形成されており、中央つば部27bと一端側つば部27cとの間が給気用空間S1に構成され、中央つば部27bと他端側つば部27aとの間が排気用空間S2に構成されている。このスライド弁体27はポンプ吐出圧の変動により、液室20aの容量増大が所定範囲Aを越えると、変位して給排気用通路33aを空間S1に連通させ、かつ、液室20aの容量減少が所定範囲Bを越えると、上記給排気用通路33aを空間S2に連通させるように構成されている。34は上記ケーシング25内に設置されてスライド弁体27に上方へのばね力を付勢して該スライド弁体27を基準位置に保持させるばね部材である。
【0022】なお、以上のような構成の半導体製造装置用ポンプにおいて、上記ポンプ部4におけるベローズ7、脈動抑制部5におけるベローズ18、仕切壁1、両ケーシング6,17、吸入用逆止弁16a及び吐出用逆止弁16bの可動弁体16a1,16b1は、耐蝕性及び耐熱製に優れたPTFEやPFA等の弗素樹脂材料から構成されており、両ケーシング6,17の外面にはアルミのテフロン(登録商標)コート(つまり弗素樹脂コート)が施されている。また、上記ポンプ部4及び脈動抑制部5における環状固定板8,19はガラス繊維入り不飽和ポリエステル等のFRP製である。さらに、図1中、35a,35bは上記ポンプ部4におけるエアシリンダ部14に取り付けられた近接センサであって、コンプレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気のシリンダ体11内部への供給と上記ポンプ作動室9bへの供給とを自動的に切り替えるものである。
【0023】次に、上記構成の半導体製造装置用ポンプの動作について説明する。コンプレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気をエアシリンダ部14のシリンダ体11の内部に供給してベローズ7を図1のx方向に伸長動作させると、流入路2内の移送液体が吸入用逆止弁16aを経てポンプ作用室9a内に吸入され、次いで、上記加圧空気をエアシリンダ部14のポンプ作動室9b内に供給してベローズ7を図1のy方向に収縮動作させると、ポンプ作用室9a内に吸入された移送液体が吐出用逆止弁16bを経て吐出されるといったように、エアシリンダ部14を介して往復動ポンプ部4におけるベローズ7を駆動伸縮変形させることにより、上記吸入用逆止弁16aの可動弁体16aと吐出用逆止弁16bの可動弁体16b1とが交互に開閉作動して流入路2からポンプ作用室9aへの液体の吸入とポンプ作用室9a内から流出路3への液体の吐出とが反復され所定のポンプ作用が行なわれる。このような往復動ポンプ部4の作動により移送液体が所定の部位に向けて送給されると、ポンプ吐出圧は山部と谷部との繰り返しによる脈動を発生する。
【0024】ここで、上記往復動ポンプ部4におけるポンプ作用室9a内から吐出用逆止弁16bを経て吐出される移送液体は連通路21を通って脈動抑制部5における液室20a内に送られて該液室3に一時的に貯溜されたのち流出路3へと流出される。このとき、移送液体の吐出圧が吐出圧曲線の山部にある場合、移送液体は液室20aの容量を増大するようにベローズ18を伸張変形させるので、その圧力が吸収される。この時、液室20aから流出される移送液体の流量はポンプ部4から送給されてくる流量よりも少なくなる。
【0025】また、上記移送液体の吐出圧が吐出圧曲線の谷部にさしかかると、上記ベローズ18の伸張変形にともない圧縮された空気室20b内の封入圧よりも移送液体の圧力が低くなるので、ベローズ18は収縮変形する。この時、ポンプ部4から液室20a内に流入する移送液体の流量よりも液室20aから流出する流量が多くなる。この繰り返し動作、つまり液室20aの容量変化によって上記脈動が吸収され抑制される。
【0026】ところで、上記のような動作中において、ポンプ部4からの吐出圧が上昇変動すると、移送液体によって液室20aの容量が増大し、ベローズ18が大きく伸張変形することになる。このベローズ18の伸張変形量が所定範囲Aを越えると、操作杆28を介してスライド弁体27が外方に摺動変位して、給排気通路33aが空間S1を介して給気口29に連通される。このため、給気口29から高い空気圧が上記空間S1および通路33aを経て空気室20bに供給されて該空気室20bの封入圧が高められることになり、これによって、ベローズ18の伸張変形量が制約されて液室20aの容量が過度に増大することが抑えられる。
【0027】一方、ポンプ部4からの吐出圧が下降変動すると、移送液体によって液室20aの容量が減少し、ベローズ18が大きく収縮変形することになる。このベローズ18の収縮変形量が所定範囲Bを越えると、操作杆28を介してスライド弁体27が内方に摺動変位して、給排気通路33aが空間S2を介して排気口30に連通される。このため、上記空気室20b内の封入空気aが給排気通路33aおよび空間S2を経て排気口30から大気に排出されて該空気室20bの封入圧が下げられることになり、これによって、ベローズ18の収縮変形量が制約されて液室20aの容量が過度に減少することが抑えられる。その結果、上記ポンプ部4のポンプ作用室9aからの吐出圧の変動にかかわらず、脈動を効率的に吸収して脈動幅を小さく抑えることができる。
【0028】このように動作する半導体製造装置用ポンプにおいて、往復動ポンプ部4と脈動抑制部5とが一体化されて、両者4,5間を接続するための弗素樹脂製チューブ等の外部配管が不要であるために、ポンプ全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペースの大幅な削減が可能であるばかりでなく、外部配管の省略によって長期間の使用によっても配管が破れるなどして液漏れを発生するなどの危険性がなくなり、また、圧力ロスの要因となる箇所も非常に少ないので、ポンプ容量を小さくして全体をより一層小型化し、設置占有面積の縮小を達成することが可能である。
【0029】なお、上記実施の形態では、ポンプ部4におけるポンプ作用体及び脈動抑制部5における往復動体として共にベローズ7,18を使用したものについて説明したが、これらはダイヤフラムであっても、ピストン状のものであってもよい。
【0030】また、上記実施の形態で説明したような給排気用切換弁機構24を脈動抑制部5の外側に設けることによって、たとえ該給排気用切換弁機構24が故障等しても、ポンプ側はなんら分解等することなく、この給排気用切換弁機構24のみを対象とした補修や部品交換などのメンテナンスを容易に行なうことが可能で、特に強酸性や強アルカリ性の薬液を取り扱う半導体製造装置用のポンプとして有用である。さらに、給排気用切換弁機構24として、上記実施の形態のように、スライド弁体27を使用した筒形の弁機構を用いる場合は、コンパクト化が図れるとともに、空気室20bとの連通構造も簡単になるという利点がある。
【0031】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜3に記載の発明によれば、往復動ポンプ部と脈動抑制部とが一体化されて、両者間を接続するためのチューブなどの外部配管を不要としているために、全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペースの大幅な削減を達成できるばかりでなく、外部配管の省略に伴い長期間の使用によっても配管が破れて液漏れを発生するなどの危険性がなく、使用上の安全性を確保でき、また、圧力ロスも非常に少ないので、その分だけポンプ容量を小さくしてより一層の小型化を図れ、ポンプの設置占有面積の縮小を達成することができるという効果を奏する。
【0032】また、請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、往復動ポンプ部からの吐出圧の変動にかかわらず往復動体の運動が一定範囲内に制約されて脈動幅を一層小さく抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
【出願日】 平成9年1月10日(1997.1.10)
【代理人】 【識別番号】100072338
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−355568(P2001−355568A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2001−135971(P2001−135971)