トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F04 液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ




【発明の名称】 プランジャーポンプ
【発明者】 【氏名】周 小靖

【氏名】古島 悟孝

【要約】 【課題】送液ポンプにおいて、プランジャーとプランジャーシールの同心度が得られ、プランジャーとプランジャーシールの摺動面の適切な摩擦力を得る。

【解決手段】ポンプヘッド1に形成されたスペース32にシール装着部30を装入する。シール装着部30にはプランジャー8にプランジャーシール9を嵌合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ポンプヘッドをポンプヘッド取付ブロックに調整螺子にて調整着脱自在に設置するプランジャーポンプにおいて、ポンプヘッドに形成させたスペースにシール装着部を装入し、該シール装着部にはプランジャーに挿通したプランジャーシールを装通したことを特徴とするプランジャーポンプ。
【請求項2】プランジャーシールの後部にバックアップリングを装着したことを特徴とする請求項1に記載のプランジャーポンプ。
【請求項3】プランジャーの駆動部にボールスプライン機構を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプランジャーポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプランジャーポンプに関するもので、特にポンプの耐久性、耐圧性、安定性を得るためのプランジャーシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プランジャーシールは大別してフローティングシールとフランジ付き型シールの二種類ある。図3に示すフランジ付き型シールは、ポンプヘッド取付ブロック16にポンプヘッド1を取付ける際に、ポンプチャンバーに出入自在のプランジャー8を挿通する通孔81の後端に設けたスペース35に、フランジを有し、且プランジャー8の挿通孔36と外側壁37を形成させ、その間にスプリング33を装着してシールを構成したものである。
【0003】一方、図4に示すフローティングシールは、上記のフランジを形成しない型のものである。又、カバーシールの一端に取付溝を設け、該取付溝に螺旋ばね等のエナジヤイザーを設け、シーリングリッジを側壁に押付ける構造は特表平11−502931に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プランジャーポンプは、プランジャーとプランジャーシールの間に直接接触した摩擦面、或いは摺動面が存在しているので、プランジャーシールの磨耗がポンプの信頼性、安定性にとって潜在的な問題である。又、プランジャーシールは保守に最も手間がかかる部品でもある。高圧での送液を行った場合に、プランジャーとプランジャーシールの間に存在している摩擦力がポンプの耐久性、耐圧性といった性能に重大な影響を及ぼす。
【0005】このような摩擦力がある範囲では高いほどプランジャーシールのシール性、耐圧性がよく、シールからの液漏れ量も少なくなるので、送液の正確さが良くなる。しかし、摩擦力が高すぎると、プランジャーとプランジャーシールの磨耗が激しく、耐久性が著しく低下してしまう。逆に摩擦力が低い場合には、耐久性を向上させる効果があるが、高圧での送液精度、耐圧性が悪くなる。適正な摩擦力がプランジャー往復運動の線速度、プランジャーとプランジャーシールの材質、表面粗さなどに依存している。
【0006】プランジャーシールを製作するときに、その精度はシールの材質、シールの内径、シールに装着したスプリングの収縮力などの調整により一応管理できるが、一旦シールをポンプチャンバー内に取付けると、シールが強制的に変形され、摩擦力が大きく変わってしまう。特に、シール取付け相手の寸法や螺子の締付けトルクなどのバラツキがあった場合に、摩擦力が大きく変わってしまうので、ポンプの耐久性、耐圧性及び性能の安定性を図る品質管理が困難である。
【0007】ポンプヘッドに取付けられたフローティング型シールは、プランジャーの往復運動時に、シール自身の弾力性とシールに装着したスプリングなどの弾力性によりある程度ポンプヘッド内でプランジャー軸に垂直な方向へのフローティング(シフト)ができるので、プランジャーとプランジャーシールの同心度が若干ずれたときに、又はプランジャーが中心軸に対して角度が存在したときに、ある程度で不都合な状況をカバーすることができる。しかし、この種のシールは、ポンプヘッド内でプランジャー往復運動の軸方向にもある程度の移動が必要とされるので、送液脈流の原因になり、シール移動面の耐久性も低下する。
【0008】一方、フランジ型シールは、シールのフランジ部がしっかり固定されるので、ポンプヘッド内でのプランジャー軸方向に移動しない。又、シールと外面とポンプヘッドのシール装着面との間に摺動面も存在しないので、耐圧性が比較的によく、シールのプランジャー軸方向の移動による送液脈流も抑制される。しかし、フランジ型シールを使用する場合に、プランジャーとプランジャーシールの同心度が悪い場合に、プランジャーシールの耐久性も悪くなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明においては、プランジャーとプランジャーシールの同心度は、プランジャーとプランジャーシールとの取付けの相互関係、プランジャー往復運動時の同心度の維持能力と大きく関係することに着目し、複雑な機構及び高度な機械化高精度が不要であり、プランジャーとプランジャーシールの同心度が自動調整でき、しかもプランジャー往復運動のときに同心度及びシール摺動面の適切な摩擦力を維持することができ、それによってポンプの耐久性、耐圧性、安定性の向上と維持を可能とするプランジャーポンプを提案せんとするもので、ポンプヘッドをポンプヘッド取付ブロックに調整螺子にて調整着脱自在に設置するプランジャーポンプにおいて、ポンプヘッドに形成させたスペースにシール装着部を装入し、該シール装着部にはプランジャーに挿通したプランジャーシールを装通したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、プランジャー8とプランジャーシール9の同心度を保ち、プランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力を最適な値に自動調整することを可能とする。プランジャーシール装着部30はポリマー製のものであり、先端部の外径が収束しており、後部の外径より小さい。ポンプヘッド部1にテーパー状スペース34を形成し、ポンプヘッド部1がポンプヘッド取付ブロック16に取付けられる際に、前記プランジャーシール装着部30の先端が絞られて、プランジャーシール9がプランジャー8に垂直な方向に圧迫力を与える。その圧迫力がプランジャーシール9に装着したスプリング33を介してプランジャー8と接触するプランジャーシール9のシール面91に伝えられる。然も、調整螺子31を締めるほど、プランジャーシール装着部30の先端部が絞られてプランジャーシール9に与える圧迫力が大きく、往復運動時にプランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力も大きくなる。逆に、調整螺子31を緩めていくと、プランジャーシール装着部30の先端部が徐々に開放され、プランジャー8にプランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力が小さくなる。前記調整螺子31のトルク調整により、プランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力を最適な値に簡単に調整することを可能とする。
【0011】又、ポンプヘッド1内にプランジャーシール9を、プランジャーシール9の後ろに前記シールの材質より硬く、ステンレススチールより柔らかいポリマー製のバックアップリング10を装着し、前記ポンプヘッド1をポンプヘッド取付ブロック16に取付ける際に、前記バックアップリング10が前記プランジャーシール9を押さえる力を与えることは推奨される。前記バックアップリング10の使用目的として、前記プランジャーシール9の耐久性及び耐圧性を高めることと、プランジャー8の保護ガイドとして働くことにある。
【0012】前記バックアップリング10を使用しないときに、材質の硬い前記ブロック16(通常には、ステンレススチールやセラミックなど)と前記プランジャー8の間に形成された十分に大きな隙間32が存在しないと、前記プランジャー8が往復運動する際に前記ポンプヘッド取付ブロック16との接触で傷つくことがある。逆に、必要以上の隙間32が存在すると、ポンプチャンバー7内の圧力が高い場合に、プランジャーシール9が変形し、大気圧側に接するプランジャーシール9の非接液部が隙間32に逃げてしまう。それにより、プランジャーシール9の耐圧性或いはシール性が悪くなる。
【0013】適切な硬さのポリマー製バックアップリング10を使用することにより前記ポンプヘッド取付ブロック16と接触しないように隙間32を若干大きくしても、その隙間32がバックアップリング10によりカバーされるので、プランジャーシール9が高圧時に変形して低圧側に逃げ、耐圧性が悪くなることを防ぐことができる。又、バックアップリング10の使用により、プランジャー8とプランジャーシール9の間の最適摩擦力を得るために、ポンプヘッド1をポンプヘッド取付ブロック16へ取付ける際に、螺子トルクの調整が簡単になる。
【0014】プランジャー8が往復運動するときに、プランジャー8が対プランジャーシール9の中心振れ及びプランジャー8の回転運動を防ぐために、ボールスプラインを採用するのが良い。ボールスプラインは、スプライン外筒17に組込まれたボールが、精密研削されたスプライン軸11の転動溝を滑らかな直線運動をしながらトルク転達ができる直動システムである。又、プランジャー8は、前記スプライン外筒17で与圧を与えることにより、外部の振動、衝撃などを殆ど受けず、位置決めの高精度構造の簡単化が実現できる。前記スプライン軸11の一端にはロードセル又は電磁荷重センサー14を取付けるのが便である。前記スプライン軸11の他端は連結ユニット19を介してボール螺子20のナット21と連結し、前記ボール螺子20径より大きく、前記プランジャー8の最長ストロークより長い円筒形のスペース25を設ける。モーター24の回転運動が前記ボール螺子20のナット21の直線運動に変わる。該ボール螺子20のナット21がスプライン軸11を駆動し、プランジャー往復直線運動を実現させる。
【0015】スプライン軸11の前後進により、プランジャー8がポンプチャンバー7に進入、後退し、進入時には液を押出しアウトレット導管が送出すことになる。この際、プランジャー8の前進により液より受ける圧力をプランジャー基部81を介して荷重センサー14に伝達し、その信号は、信号伝達ライン25を経て制御部26に送られる。制御部26からの信号はモータ24に送られ、モータ24の回転を制御する。この荷重センサー14により力伝達状況が常時モニタリングされ、プランジャーシール9の使用状況、プランジャー8とプランジャーシール9の組立て又は交換時の摩擦力が検出でき、摩擦力の管理維持が出来、安定な送液ができる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明請求項1によれば、ポンプヘッドをポンプヘッド取付ブロックに調整ネジにて調整着脱自在に設置するプランジャーポンプにおいて、ポンプヘッドに形成させたスペースにシール装着部を装入し、該シール装着部にはプランジャーに挿通したプランジャーシールを装通したので、プランジャーシールはシール装着部により常に押圧され、且つプランジャーと同心度が維持され、且つ自動調整される。このためプランジャーシール往復運動の際、同心度及びシール摺動面の適切な摩擦力が維持でき、ポンプの耐久性、耐圧性の向上と長期の安定性の向上に資する。
【0017】又、請求項2によれば、プランジャーシールの後部にバックアップリングを装着したので、バックアップリングによってプランジャーシールはシール装着部と共同して安定的に押圧し、プランジャーシールの同心度の維持に一層の効果を発揮せしめ、ポンプ性能の更なる向上に役立つ。
【0018】又、請求項3によれば、プランジャーの駆動部にボールスプライン機構を設けたので、プランジャーが対プランジャーシールの中心振れ及びプランジャーの回転運動が防止できる。又。プランジャーがスプライン外筒の有在により外部の振動、衝撃を受けず、高精度が簡単に得られるポンプが達成できる。
【出願人】 【識別番号】390030188
【氏名又は名称】ジーエルサイエンス株式会社
【出願日】 平成12年3月10日(2000.3.10)
【代理人】 【識別番号】100063842
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 三雄 (外1名)
【公開番号】 特開2001−254686(P2001−254686A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−67838(P2000−67838)