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【発明の名称】 プランジャーポンプ
【発明者】 【氏名】周 小靖

【要約】 【課題】プランジャーポンプにおいて、プランジャーシールのシール性と摩擦力をモニターして送液精度を高める。

【解決手段】ポンプのチャンバー7にプランジャー8を出入れ自在に構成するポンプヘッド1をポンプ本体に取付ける。取付トルクの調整によりプランジャー8とプランジャーシール9間の摩擦力を調整する。プランジャー8に荷重センサー14からの信号ラインを、プランジャー駆動部を制御する制御部26に連結してモニターできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】プランジャー作動と関連して、その作動の荷重を受けるセンサーを設け、該センサーからの信号によりプランジャー作動を制御することを特徴とするプランジャーポンプ。
【請求項2】プランジャー作動と関連して、その作動の荷重を受けるセンサーを設けると共に、チャンバーに流体連通させて圧力センサーを設け、両センサーからの信号によりプランジャー作動を制御することを特徴とするプランジャーポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は送液ポンプに関し、より詳細には液体クロマトグラフィー化学分析用のプランジャーポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特表平11−506185号には、液体クロマトグラフィー化学分析用のソレノイド電磁直接駆動ポンプ装置が開示されている。該発明では、駆動電流値から駆動力を算出し、駆動力からシールの摩擦力を引いてポンプチャンバー内の送出流体の圧力を測定する。然し、圧損があった場合に、シールの摩擦力がプランジャー移動している間に圧力の上昇につれて変化する。駆動電流値から流体の圧力を正しく算出することが事実上不可能である。
【0003】特開平7−72130号は、二つ以上のポンプユニットを設け、各ポンプユニット内に流体連通させた圧力センサーを設け、動作器を備えた切換弁でオフライン状態を維持しながらポンプユニットのシリンダ内の内容物(流体)の圧縮を、オンラインの状態での送液を乱すことなく実施する。圧縮完了した後に、システムへの流体を送給し、安定な連続送液が行えるように構成している。然し、前述のように、ポンプチャンバーに流体連通させた圧力センサーを使用した場合に、ポンプチャンバーのデッドボリュームが増大し、接液部のノンメタル化が難しいと云った問題点がある。然も、「圧力上昇遅れ段階」が機差やプランジャーシールの摩耗状況等により、どの圧力範囲で表れるか全く予想できないので、ポンプチャンバーに流体連通させた圧力センサーの使用により安定な連続送液を実現させるのが実用上では困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにプランシジャーポンプには、プランジャーとプランジャーシールの間に直接接触した摩擦面あるいは摺動面が存在しているので、プランジャーシールの摩耗がポンプの信頼性、安定性にとって潜在的な問題である。又、プランジャーシールは保守に最も手間がかかる部品でもある。高圧での送液を行った場合に、プランジャーとプランジャーシールの間に存在している摩擦力がポンプの耐久性と云った性能に重大な影響を及ぼす。このような摩擦力がある範囲では高いほどプランジャーシールのシール性、耐久性が良く、シールからの液漏れ量も少なくなるので、送液の正確さが良くなる。然し、摩擦力が高すぎると、プランジャーとプランジャーシールの摩耗が激しく、耐久性が著しく低下してしまう。逆に摩擦力が低い場合には、耐久性を向上させる効果が有るが、高圧での送液精度、耐圧性が悪くなる。適正な摩擦力はプランジャー往復運動の線速度、プランジャーとプランジャーシールの材質、表面粗さなどに依存している。
【0005】プランジャーシールを製作するときに、その精度はシールの材質、シールの内径、シールに装着したスプリングの収縮力などの調整により摩擦力が一応管理できるが、一旦シールをポンプチャンバー内に取付けると、シールが強制的に変形され、摩擦力が大きく変わってしまう。特に、シール取付け相手の寸法やねじの締付けトルク等にバラツキがあった場合に、摩擦力が大きく変わってしまうので、ポンプの耐久性、耐圧性及び性能の安定性を図る品質管理が困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】ポンプの耐久性、耐圧性、安定性を改善するために、プランジャーシール取付けあるいはプランジャーシール交換から使用中まで摩擦力をモニタリングする必要がある。プランジャーシール取付けあるいはプランジャーシール交換の時に、締付けトルク等の調整により適切な摩擦力を得るのが良い。又、使用中には摩耗によるプランジャーとプランジャーシールの間の摩擦力が減っていくため、締付けトルク等の再調整により適正な摩擦力を保つことも必要である。プランジャーとプランジャーシールの間の摩擦力を常時モニタリングするために、プランジャーの作動と関連する摩擦力をモニターする機構を設けることにより、モニタリングの結果により同心度の適正な調整が簡単にでき、ポンプの耐久性、安定性などが一層改善される。更に、モニタリングにおいて、チャンバー内の圧力を検知することはプランジャー前進に対する抵抗する力の極めて重要であり、他の抵抗たるプランジャーとプランジャーシール間の摩擦たるプランジャー作動の荷重を受けるセンサーと共同することにより、全てのプランジャー前進に対する抵抗を検知できるもので、チャンバーに流体連通する圧力センサーが必要である。
【0007】本発明では、上記の点に鑑み直動システムにおいて、力伝達状況をモニタリングすることにより、プランジャーシールの使用状態、プランジャーとプランジャーシールの組立又は交換時の摩擦力の最適化及び吐出遅れ時間のない安定な連続送液を為さんとするもので、プランジャー作動と関連して、その作動の荷重を受けるセンサーを設け、該センサーからの信号によりプランジャー作動を制御することを特徴とする。
【0008】又、本発明はプランジャー作動と関連してその作動の荷重センサーと共にチャンバー内の圧力を同時にモニターし、ポンプ作動を明確にはアクセントするもので、プランジャー作動と関連して、その作動の荷重を受けるセンサーを設けると共に、チャンバーに流体連通させて圧力センサーを設け、両センサーからの信号によりプランジャー作動を制御することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施例により本発明を詳細に説明する。1はポンプヘッドで、その中央に穿設したチャンバー7にはプランジャー8が出入り自在に挿通してある。該チャンバー7に連通して通孔71を穿設し、該通孔71にはインレットチェックバルブ4とアウトレットバルブ5を夫々設け、一端にインレット導管3を介して溶媒槽2を連通し、他方にはアウトレット導管6を介して他のポンプ、供給先等に連通してある。
【0010】ポンプヘッド1の後端にはチャンバー7に連通して空処34を設け、その壁面341をテーパー状に形成してある。30はシール装着部で、側面301をテーパー状に形成して前記空処34に装着自在としてある。この際、側面301を空処34に当たるように先端径を大にしたりテーパー度を形成させることは推奨される。9はプランジャーシールで、プランジャー8に挿通する筒体91と、その外側に植立した押片92と、その間に挿入したプランジャーシールスプリング又はOリング33により構成される。該プランジャーシール9は、シール装着部30に側面たる押片92を接し、その後部はプランジャー8に挿通したバックアップリング10に接している。該バックアップリング10はプランジャーシール9の材料より硬く、ステンレススチールより軟らかいポリマー製のものが推奨される。該バックアップリング10によりプランジャーシール9を押さえる力を与え、プランジャーシール9の耐圧性を高め、プランジャー8の保護ガイドとして作動する。そして、ポンプヘッド1はバックアップリング10等を介してネジ31により、ポンプヘッド取付ブロック16に固定され、且つシール摩擦力を調整自在としてある。
【0011】前記バックアップリング10を使用しないときに、材質の硬い前記ポンプヘッド取付ブロック16(通常には、ステンレススチールやセラミックなど)と前記プランジャー8の間に形成された充分に大きな隙間32が存在しないと前記プランジャー8が往復運動する際に前記ポンプヘッド取付ブロック16との接触で傷つくことがある。逆に必要以上の隙間32が存在すると、ポンプチャンバー7内の圧力が高い場合に、プランジャーシール9が変形し、大気圧側に接するプランジャーシール9の非接液部が隙間32に逃げてしまう。それにより、プランジャーシール9の耐圧性あるいはシール性が悪くなる。適正な硬さのポリマー製のバックアップリング10を使用することにより、プランジャー8がポンプヘッド取付ブロック16と接触しないように隙間32を若干大きくしても、その隙間32がバックアップリング10によりカバーされるので、プランジャー9が高圧時に変形して低圧側へ逃げ、耐圧性が悪くなることが防げる。又、バックアップリング10の使用により、プランジャー8とプランジャーシール9の間の最適摩擦力を得るために、ポンプヘッド1をポンプヘッド取付ブロック16へ取付ける際にネジ31のトルクの調整が簡単になる。
【0012】11はスプライン軸で、その先端はポンプヘッド取付ブロック16に形成される円筒形スペース161に挿通自在とし、中央部はスプライン外筒固定部18に設けられたスプライン外筒17により支承されている。より詳しくはスプライン外筒17の中に支承されたボール171がスプライン軸11に精密に研削された転動溝に押圧転動する如くしてある。スプライン軸11の先端に設けた空処111にはプランジャー基部81が収納され、先端に設けたバネ押え12に支持されるバネ13により後方へ弾圧されている。14は荷重センサー又はロードセンサー(以下荷重センサーで代表させる。)で、プランジャー基部81後部に接して前記バネ13により弾圧して設けられている。該荷重センサー14には信号伝達ライン15が設けられ、制御部26に連通してある。制御部26はポンプ本体27の後端に設けたモータ24に連通してある。スプライン軸11の他端には、連結ユニット19を介してボールネジ20のナット21を連結してあり、該ナット21に螺通したボールネジ20は、該ボールネジ20の径より大で、プランジャー8の最長ストロークより長く形成した円筒状のスペース25に出入り自在としてある。
【0013】プランジャー8が往復運動をする時に、プランジャー8が対プランジャーシール9の中心振れ及びプランジャー8の回転運動を防ぐために、ボールスプラインを採用することは推奨される。該ボールスプラインは、スプライン外筒17に組み込まれたボールが、精密研削されたスプライン軸11の転動溝を滑らかな直線運動をしながらトルク転達ができる直動システムである。又、プランジャー8は、前記スプライン外筒17で与圧を与えることにより、外部の振動、衝撃等を殆ど受けず、位置決めの高精度化構造の簡単化が実現できる。ポンプ本体27に設けたモータ24の回転運動がカプリング23を介してボールネジ20に伝わり、ボールネジ20のナット21がスプライン軸11を駆動し、プランジャー8の往復直線運動を実現させる。
【0014】スプライン軸11の前後進により、プランジャー8がポンプチャンバー7に進入、後退し、進入時には液を押出しアウトレット導管へ送出すことになる。この際、プランジャー8の前進により液より受ける圧力をプランジャー基部81を介して荷重センサー14に伝達し、その信号は、信号伝達ライン25を経て制御部26に送られる。制御部26からの信号はモータ24に送られ、モータ24の回転を制御する。該ポンプ27を二つ以上使用する際には、制御部26に夫々の荷重センサーからの信号により相互のポンプ作動を制御し、脈動のない平滑な送液が可能となる。
【0015】図2は、図1のB−B断面のA部の拡大図である。この構造は、プランジャー8とプランジャーシール9の同心度を保ち、プランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力を最適な値に調整することを可能とする。ポンプヘッド1にテーパー状スペース34を形成させ、そこにプランジャーシール装着部30を装着させる。該プランジャーシール装着部30はポリマー製であり、先端部の外径が収束しており、後部の外径より小さい。該プランジャーシール装着部30が前記テーパー状スペース34に取付けられる際に、先端が絞られてプランジャーシール9の先端部をプランジャー8に垂直な方向に圧迫し、プランジャーシール9に装着したスプリング33を介しプランジャー8をシールする。然も、調整ネジ31を締めるほど、プランジャーシール装着部30の先端部が絞られてプランジャーシール9に与える圧迫力が大きく、プランジャー8の往復運動時にプランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力も大きくなる。逆に、調整ネジ31を緩めていくと、プランジャーシール装着部30の先端部が徐々に開放され、プランジャー8の往復運動時にプランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力が小さくなる。前記調整ネジ31のトルク調整により、プランジャー8とプランジャーシール9の間の摩擦力を最適な値に簡単に調整することを可能とする。
【0016】又、ポンプヘッド1内にプランジャーシール9を、該プランジャーシール9の後ろに前記シールの材質より硬くステンレススチールより軟らかポリマー製のバックアップリング10を装着し、前記ポンプヘッド1をポンプヘッド取付ブロック16に取付ける際に、前記バックアップリング10が前記プランジャーシール9を押える力を与えることは推奨される。前記バックアップリング10の使用目的は、前記プランジャーシール9の耐圧性を高めることと、プランジャー8の保護ガイドとしては働くことにある。
【0017】前記バックアップリング10を使用しない時に、材質の硬い前記ポンプヘッド取付ブロック16(通常は、ステンレススチールやセラミックなど)と前記プランジャー8の間に形成された充分に大きな隙間32が存在しないと、前記プランジャー8が往復運動する際に前記ポンプヘッド取付ブロック16との接触で傷付くことがある。逆に、必要以上に隙間32が存在すると、ポンプチャンバー7内の圧力が高い場合に、プランジャーシール9が変形し、大気圧側に接するプランジャーシール9の非接液部が隙間32に逃げてしまう。それにより、プランジャーシール9の耐圧性或いはシール性が悪くなる。
【0018】適切な硬さのポリマー製のバックアップリング10を使用することにより、プランジャー8がポンプヘッド取付ブロック16と接触しないように隙間32を若干大きくしても、その隙間32がバックアップリング10によりカバーされるので、プランジャーシール9が高圧時に変形して低圧側へ逃げ、耐圧性が悪くなることが防げる。又、バックアップリング10の使用により、プランジャー8とプランジャーシール9の間の最適摩擦力を得るために、ポンプヘッド1をポンプヘッド取付ブロック16へ取付ける際に、ネジトルクの調整が簡単になる。これらの調整ネジ31のトルク調整は、荷重センサー14よりの信号を制御部26を介して荷重を確認しながら行うことができる。
【0019】図3に示す実施例は図1に示す実施例に圧力センサーを付加している。即ち、28は圧力センサーで、ポンプチャンバー7に流体連通させて設けてある。29は信号伝達ラインで、圧力センサー28からの信号を制御部26に送るラインである。
【0020】実施例1についての実験例を説明する。予カ厚地の。圧力センサーにより測定したポンプチャンバー7内の圧力と実際のプランジャー移動距離との関係を測定したところ、図4のグラフ点線が得られた。同じく荷重センサーにより測定したプランジャーが受ける圧力と実際のプランジャー移動距離の関係を測定したところ、図4のグラフ実線が得られた。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1によれば、プランジャー作動と関連して、その作動の荷重を受けるセンサーを設け、該センサーからの信号によりプランジャー作動を制御したので、プランジャーとプランジャーシールの摩擦力を荷重センサーにより感知し、これを制御部を介して必要なモニター装置に連動させてモニターすることによる調整ネジのトルク調整は容易であり、最適摩擦力を得られ、又そのための調整が極めて容易である。又、プランジャー作動時の荷重を常に荷重センサーが感知し、制御部に伝達しており、プランジャーにかかった圧力及び抵抗の変化に対応してモータ、その他の作動部を制御することにより、液体圧力に対応した正確、且つ安定な連続送液のコントロールが可能となる。
【0022】又、請求項2によれば、プランジャー作動と関連して、その作動の荷重を受けるセンサーを設けると共に、チャンバーに流体連通させて圧力センサーを設け、両センサーからの信号によりプランジャー作動を制御するので、プランジャー作動時の荷重を常に荷重センサーが感知するだけでなく、チャンバー内の圧力も検知し、これをモニターすることにより、プランジャー圧力の変化がより明確に把握でき、その変化に対応してモータ、その他の作動部を制御し、流体圧力に対応する一層正確な液量コントロールが可能になる。
【出願人】 【識別番号】390030188
【氏名又は名称】ジーエルサイエンス株式会社
【出願日】 平成12年3月10日(2000.3.10)
【代理人】 【識別番号】100063842
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 三雄 (外1名)
【公開番号】 特開2001−254683(P2001−254683A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−67849(P2000−67849)