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【発明の名称】 往復動型圧縮機
【発明者】 【氏名】橋本 見次

【氏名】松村 義人

【氏名】市川 喜伸

【氏名】佐藤 泰造

【要約】 【課題】シリンダヘッド中央から偏芯した位置に吸入導入孔を配置した場合においても,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力を均等にして,吸入圧力脈動低減効果を最大限発揮させることができる往復動型圧縮機を提供すること。

【解決手段】回転軸の回転によりピストンをシリンダ内で往復動させて、冷媒導入孔からシリンダ内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮機において、前記シリンダヘッド11の冷媒導入孔4に隣接して吸入チャンバ2a,2bを形成し,前記吸入チャンバ2a,2bを圧縮機回転軸方向に2分割するように,薄板3を前記シリンダヘッド11内に固定してなる。前記薄板3は,第2の吸入導入孔5が中央部に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸方向に沿った複数のシリンダと、前記複数のシリンダ内を往復動するピストンと、前記シリンダの一端を覆うシリンダヘッドとを備え、前記シリンダヘッドの冷媒導入孔がシリンダヘッド中央から偏心した位置にあり、前記回転軸の回転により前記ピストンをシリンダ内で往復動させて、前記冷媒導入孔からシリンダ内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮機において、前記シリンダヘッドの冷媒導入孔に隣接して吸入チャンバを形成したことを特徴とする往復動型圧縮機。
【請求項2】 請求項1記載の往復動型圧縮機において、前記吸入チャンバを圧縮機回転軸方向に2分割するように,薄板を前記シリンダヘッド内に固定してなり,前記薄板は,第2の吸入導入孔が中央部に設けられていることを特徴とする往復動型圧縮機。
【請求項3】 請求項1記載の往復動型圧縮機において、前記吸入チャンバから複数のシリンダに冷媒ガスを分岐する複数の独立吸入通路を有し,前記シリンダヘッドの冷楳導入孔に最も近いシリンダの独立吸入通路の断面積を,その他の独立吸入通路断面積より小さく形成したことを特徴とする往復動型圧縮機。
【請求項4】 請求項1記載の往復動型圧縮機において、前記シリンダヘッドの偏心位置にある吸入導入孔から,前記シリンダヘッド中心部まで,前記シリンダヘッド底壁面に,吸入冷媒ガスを導く通路を設けたことを特徴とする往復動型圧縮機。
【請求項5】 請求項1記載の往復動型圧縮機において、前記シリンダヘッドは、前記冷媒導入孔とこれに隣接する吸入チャンバを有する第1のシリンダヘッド部と,前記第1のシリンダヘッド部側に,凹形状の第2の吸入チャンバを形成する第2のシリンダヘッド部と、前記第1及び第2のシリンダヘッド部との間に設けられ前記第1及び第2のシリンダヘッド部をシールする薄板状のガスケットとを備え、前記ガスケットは、中央に前記第1の吸入チャンバと前記第2の吸入チャンバを連通させる第2の冷媒導入孔を有することを特徴とする往復動型圧縮機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にカーエアコン圧縮機に用いられる往復動型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置の冷凍回路等には、圧縮機が用いられている。図8は従来技術による圧縮機として、往復動型圧縮機を示す断面図である。図8を参照すると、従来技術による往復動型圧縮機50は、複数のシリンダボア52を備えケーシング51と一体に形成されたシリンダブロック53と、ケーシング51の一端に設けられたフロントハウジング54とを備えている。また、フロントハウジング54を貫通してケーシング51内のシリンダブロック53の挿通孔53aまで挿通された回転軸55を備えている。この回転軸55は、軸受56a,56bを介してフロントハウジング54、及びシリンダブロック53に回転可能に支持されているとともに、封止部材57,58によって、密封されている。回転軸55のフロントハウジング54寄りには、ロータ61が設けられ、ボルト62によって、回転軸55に固定されている。ロータ61の一端は、フロントハウジング54の内壁に、スラストベアリング63を介して支持され、他端は、回転軸55の周囲に配置された斜板64の一端にクランク機構65を介して連結されている。斜板64の中心の円筒部の周囲には、揺動板66が設けられ、スラストベアリング64aを介して、斜板64に対して、摺動回転可能なように設けられている。揺動板66の周囲の一部67aには、溝が設けられており、この溝は、ケーシング51内に設けられたレール板67bと軸方向に沿って移動可能に係合し、このレール板とともに回転阻止機構67を構成している。回転阻止機構67は、揺動板66を回転軸55に沿う方向には移動可能であるが、回転軸55の周囲には回転不可能となるように構成されている。
【0003】シリンダブロック53内のシリンダボア52内には、ピストン71が配置され、ピストンロッド72を介して、揺動板66の他端側の周辺部に接続されている。
【0004】ケーシング51のシリンダブロック53の他端は、弁板装置80を介してシリンダヘッド100が設けられている。
【0005】弁板装置80は、両面をシール部材と一体に形成された図示しない吸入弁と、吐出弁43とを備えた弁板本体46と、吐出弁43を覆うように設けられたリテーナ44とを備え、これらは、ボルト45によって、弁体本体46と一体となるように、組み立てられている。
【0006】シリンダヘッド100は、圧縮機の外側に設けられた第1のシリンダヘッド部81と、第1のシリンダヘッド81及び弁板装置80との間に設けられた第2のシリンダヘッド部82とを備えている。
【0007】第1のシリンダヘッド部81は、底壁101と、底壁101の周囲に連続して設けられた側壁102とを備えている。また、側壁102の内側には、隔壁101’が設けられている。底壁101の中心部には、貫通孔が設けられ、供給される冷媒を導入するための冷媒導入孔104を構成している。冷媒導入孔104から内部は、広くなって、第2のシリンダヘッド部81の外側底面との間に吸入チャンバー105を形成している。また、底壁101の中心よりも外側寄りには、吐出孔107が形成されており、その周辺は、隔壁101’と一体に形成されたボス部となっている。
【0008】隔壁101’は、周辺部の側壁102から冷媒導入孔104に向かって延在しており、中心部で、互いに接続される吸入室106を夫々区画形成している。また、この吸入室106の位置に、吸入口116が位置するように、組み立てられる。符号47a,47bは、ネジ孔であり、その周辺部は、側壁102及び隔壁101’と同じ高さのボス部117が形成され、側壁102及び隔壁101’と一体となっている。
【0009】第2のシリンダヘッド部82は、底壁113と、周囲に設けられた側壁111と、これに一体の隔壁112とを備えている。以下、側壁111及び隔壁112を合わせて、単に側壁と呼び、同じ符号111で示す。底壁113を貫通して、吐出孔107が設けられている。
【0010】側壁111と、弁板装置80との間で、吐出室103が形成されている。
【0011】ボルト48によって、シリンダヘッドは、シリンダブロック53に設けたネジ孔にねじ込まれ固定されている。尚、隔壁112と、側壁111とを、一体に形成されているが、ボス部、側壁111、及び隔壁112は、一部または全部を別体に形成することも可能である。
【0012】この様な構成の従来技術による往復動型圧縮機において、図示しない外部駆動源によって、回転軸55が回転すると、それによって、ロータ61が回転し、それに伴ってロータ61に連結された斜板64が回転する。斜板64の回転は、揺動板66の揺動運動及びピストンロッド72の往復運動を介してピストン71のシリンダボア52内の軸方向の往復運動に変換される。
【0013】これによって、冷媒導入孔104から吸入チャンバー105を介して吸入室106から、吸入口41を通ってシリンダボア52内に至り、ピストン71によって圧縮され、吐出口42から吐出室103に吐出され、吐出孔107を介して外部冷媒回路に送り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリンダヘッド100の冷媒導入孔がシリンダヘッド中央から偏芯した位置にある場合,冷媒導入孔から近いシリンダと遠いシリンダの間に圧力損失が発生し,各シリンダに吸入される冷媒流量は不均一となり,圧力変動を来し,吸入脈動が発生する。
【0015】これを是正するために,シリンダヘッド100の冷媒導入孔に隣接して吸入チャンバを形成し,この吸入チャンバから各シリンダヘ通じる独立吸入通路を設けることが提案されている(特願平11−949936号参照)。
【0016】冷媒ガスは,冷媒導入孔からいったん吸入チャンバ106に入り、その後,各シリンダ52に吸入されるため,冷媒流量の不均一は,幾分是正され,圧力変動が低減するするものの,車の静寂性が進むにつれてこの圧力変動に起因する吸入脈動が蒸発器で共鳴して車室内ノイズを発生するという問題があった。
【0017】このような問題を解決するために,吸入導入孔をシリンダヘッド中央部に位置させる方法が考えられるが、圧縮機の吸入導入孔位置は、コンプレッサメーカ単独で決定することが出来ず,全ての車両において,必ずシリンダヘッド中央に,吸入導入孔を配置することは,困難である。
【0018】一方,シリンダヘッド中央から偏芯した位置に吸入導入孔を配置し,それに隣接した吸入チャンバを形成した場合,吸入導入孔から各シリンダまでの距離は不均一であり,吸入導入孔から最も近い位置にあるシリンダヘ多量な冷媒が導入される。このため,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力の均等性は,不十分であり,圧力脈動は十分低減されていない。
【0019】そこで、本発明の技術的課題は,シリンダヘッド中央から偏芯した位置に吸入導入孔を配置した場合においても,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力を均等にして,吸入圧力脈動低減効果を最大限発揮させることができる往復動型圧縮機を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、回転軸方向に沿った複数のシリンダと、前記複数のシリンダ内を往復動するピストンと、前記シリンダの一端を覆うシリンダヘッドとを備え、前記シリンダヘッドの冷媒導入孔がシリンダヘッド中央から偏心した位置にあり、前記回転軸の回転により前記ピストンをシリンダ内で往復動させて、前記冷媒導入孔からシリンダ内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮機において、前記シリンダヘッドの冷媒導入孔に隣接して吸入チャンバを形成したことを特徴とする往復動型圧縮機が得られる。
【0021】また、本発明によれば、前記往復動型圧縮機において、前記吸入チャンバを圧縮機回転軸方向に2分割するように,薄板を前記シリンダヘッド内に固定してなり,前記薄板は,第2の吸入導入孔が中央部に設けられていることを特徴とする往復動型圧縮機が得られる。
【0022】また、本発明によれば、前記往復動型圧縮機において、前記吸入チャンバから複数のシリンダに冷媒ガスを分岐する複数の独立吸入通路を有し,前記シリンダヘッドの冷楳導入孔に最も近いシリンダの独立吸入通路の断面積を,その他の独立吸入通路断面積より小さく形成したことを特徴とする往復動型圧縮機が得られる。
【0023】また、本発明によれば、前記往復動型圧縮機において、前記シリンダヘッドの偏心位置にある吸入導入孔から,前記シリンダヘッド中心部まで,前記シリンダヘッド底壁面に,吸入冷媒ガスを導く通路を設けたことを特徴とする往復動型圧縮機が得られる。
【0024】さらに、本発明によれば、前記往復動型圧縮機において、前記シリンダヘッドは、前記冷媒導入孔とこれに隣接する吸入チャンバを有する第1のシリンダヘッド部と,第1のシリンダヘッド側に,凹形状の第2の吸入チャンバを形成する第2のシリンダヘッド部と、前記第1及び第2のシリンダヘッド部との間に設けられ前記第1及び第2のシリンダヘッド部をシールする薄板状のガスケットとを備え、前記ガスケットは、中央に前記第1の吸入チャンバと前記第2の吸入チャンバを連通させる第2の冷媒導入孔を有することを特徴とする往復動型圧縮機が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ここで、本発明の各実施の形態による往復動型圧縮機は、シリンダヘッド以外は、従来技術によるものと同様な構成を有するので、シリンダヘッドについてのみ説明する。
【0026】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態による往復動型圧縮機のシリンダヘッドを異なる直径面で切断したときのの断面図である。図2は図1の薄板の底側を上面にした斜視図である。図1に示すように、シリンダヘッド11は、第1のシリンダヘッド部11a及び第2のシリンダヘッド部11bとを備えている。この第1のシリンダヘッド部11の一端面の偏心位置に第1の冷媒導入孔4が設けられている。また、第2のシンリンダヘッド部11bは、隔壁によって吐出室103が設けられ、その周囲には、各シリンダボアに通じる独立吸入通路6,7が設けられている。
【0027】シリンダヘッド11の吸入チャンバを圧縮機回転軸方向に2分割するように,薄板3がシリンダヘッド1内に設けられ固定され、この吸入チャンバの空間を回転軸に交差する面で、第1の吸入チャンバ2a及び第2の吸入チャンバ2bとに分割している。
【0028】図2に示すように、薄板3は、中央部に第2の吸入導入孔5が設けられており、2分割された第1の吸入チャンバ2a及び第2の吸入チャンバ2bを連通させる。これにより,偏心位置にある第1の吸入導入孔4から吸入された冷媒ガスは、第1の吸入チャンバ2aに吸入され,第2の吸入導入孔5を通過して,第2の吸入チャンバ2bに導かれる。
【0029】第2の吸入チャンバ2bからは,各シリンダに通じる複数の独立吸入通路6、7に分岐され,各シリンダに吸入される。第2の冷媒導入孔5から各シリンダまでの距離は,均一になるため,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力は均等になり,圧力変動により発生する吸入脈動は低減する。
【0030】(第2の実施の形態)図3は本発明の第2の実施の形態による往復動型圧縮機のシリンダヘッドを異なる直径面で切断したときのの断面図である。図3を参照すると、シリンダヘッド12は、第1のシリンダヘッド部12aと、図示しない弁板装置との間に吐出室103を形成する第2のシリンダヘッド部12bを備え、その内部に吸入チャンバー2が形成されている。第1のシリンダヘッド部12aの中央から偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4に最も近いシリンダの上部にある独立吸入通路6の断面積S1が他の独立吸入通路7の断面積S2に比べ,小さく形成されている(即ち、S1<S2)。これにより,偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4に、最も近い図示しないシリンダに導入される冷媒流量は減少し,各シリンダに吸入される冷媒流量の不均一が是正され,圧力脈動低減効果が向上する。
【0031】(第3の実施の形態)図4は本発明の第3の実施の形態による往復動型圧縮機のシリンダヘッドを異なる直径面で切断したときのの断面図である。図4を参照すると、シリンダヘッド13は、第1のシンリンダヘッド部13aと第2のシリンダヘッド部13bとを備えている。
【0032】第1のシリンダヘッド13aの偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4から,シリンダヘッド中心部8まで,第1のシリンダヘッド部13aの底壁面に沿ってガイドもしくは配管9が設けられている。これにより,シリンダヘッド13の偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4から,シリンダヘッド中心部8まで、冷媒ガスが導かれ、以下、各シリンダまでの距離は均一になり,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力は均等になり、圧力変動により発生する吸入脈動を低減させることができる。
【0033】(第4の実施の形態)図5は本発明の第4の実施の形態による往復動型圧縮機のシリンダヘッドを異なる直径面で切断したときのの断面図である。図4を参照すると、シリンダヘッドは第1のシリンダヘッド部14a及び第2のシリンダヘッド部14bとを備えている。また、第1のシリンダヘッド部14aの偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4から,シリンダヘッド中心部8まで,第1のシリンダヘッド部14aの底壁面に沿って、この第1のシリンダヘッド部14aと一体化された連通口21が設けられている。
【0034】ここで、シリンダヘッド14はアルミダイカスト等で製造され,連通口21が第1のシリンダヘッド部14aの側壁部から,第1のシリンダヘッド部14aの外部に開口されている場合,メクラ栓22を、例えば、ネジ止め等により、第1のシリンダヘッド部14aの側壁部に固定して、開口部が閉じられている。
【0035】これにより,シリンダヘッド14の偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4から,シリンダヘッド中心部8まで、冷媒ガスが導かれ,以下シリンダまでの距離は均一になり,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力は均等になり、圧力変動により発生する吸入脈動を低減することができる。
【0036】(第5の実施の形態)図6は本発明の第5の実施の形態による往復動型圧縮機のシリンダヘッドを異なる直径面で切断したときのの断面図である。図6に示すように、シリンダヘッド15は、第1のシリンダヘッド15aと、第2のシリンダヘッド15bとこれらの対向端面間に挟み込まれたガスケット25とを備えている。ガスケット25とによって、第1のシリンダヘッド15a及び第2のシリンダヘッド15bとによって形成された空間が2分割されて第1の吸入チャンバ2c及び第2の吸入チャンバ2dが形成されている。
【0037】第2のシリンダヘッド15bは,第1のシリンダヘッド15a側に,凹形状の第2の吸入チャンバ2dを有し,第1のシリンダヘッド15aとの間に,薄板状のガスケット25が設けられている。ガスケット25は,中央部に第2の冷媒導入孔26を設け,第1のシリンダヘット15a内の第1の吸入チャンバ2cと,第2のシリンダヘッド15b内の第2の吸入チャンバ2dとを連通させている。
【0038】これにより、第1のシリンダヘッド15aの偏芯位置にある第1の冷媒導入孔4から,吸入された冷媒ガスは,第1の吸入チャンバ2cに吸入され,第2の冷媒導入孔26を通過して,第2の吸入チャンバ2dに導かれる。第2の吸入チャンバ2dからは、各シリンダに通ずる独立吸入通路6,7に分岐され,各シリンダに吸入される。これによって、第2の吸入チャンバ2dへ連通する第2の冷媒導入孔26から各シリンダまでの距離は、均一になるため,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力は均等になり,圧力変動により発生する吸入脈動を低減させることができる。
【0039】図7は本発明の第1の実施の形態によるシリンダヘッドを組み込んだ圧縮機と、組み込まない従来技術によるものとの冷媒循環量に対する吸入脈動を調査した結果を示す図である。図7に示すように、本発明の第1の実施の形態によるシリンダヘッドを組み込んだもの(曲線31)は、組み込まない従来技術によるもの(曲線32)よりも明らかに吸入脈動が低減されていることがわかる。尚、本発明の第2乃至第5の実施の形態によるシリンダヘッドを組み込んだ圧縮機に対しても同様な効果が得られている。
【0040】このように、本発明の実施の形態においては、シリンダヘッドの偏芯位置にある第1の冷媒吸入孔より、吸入される冷媒ガス流量は,各シリンダに均等に分配されるので、各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力は均等になり、圧力変動により,発生する吸入脈動は、回避され車室内騒音防止を図ることができる。
【0041】尚、本発明の実施の形態においては、往復動型圧縮機として、揺動板の一面に一端が設けられたピストンを備えた圧縮機について述べたが、本発明のシリンダヘッドは、これに限定されず、回転斜板を備え、この回転斜板の回転がシューを介してピストンの往復動に変換される圧縮機に関しても同様に用いることができることは明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明においては、冷媒導入孔がシリンダヘッド偏芯位置に設定された場合でも,各シリンダに吸入される冷媒流量及び各シリンダの吸入圧力は均等になり,圧力変動により,発生する吸入脈動は回避され,車室内騒音防止を図ることができる往復動型圧縮機を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外2名)
【公開番号】 特開2001−254674(P2001−254674A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−64331(P2000−64331)