| 【発明の名称】 |
密閉型圧縮機、及び、密閉型圧縮機の冷却方法。 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 達哉
【氏名】上田 憲治
|
| 【要約】 |
【課題】密閉型圧縮機の電動機を効率よく冷却し、かつ、密閉型圧縮機を簡易かつ低コストで構成することである。
【解決手段】固定子31と回転子32とからなる電動機33と、この電動機33によって駆動される圧縮機構36とがケーシング30の内部に密閉されており、固定子31及び回転子32を冷却するための冷却液をケーシング30内に供給可能な密閉型圧縮機3は、ケーシング30内で固定子31及び回転子32よりも圧縮機構側に位置する第1空間部41と反圧縮機構側に位置する第2空間部42との間に差圧を生じさせる差圧形成手段としてのエア供給装置44と、第1空間部41と第2空間部42とのうちの高圧側で冷却液をミスト化するミスト形成部材47とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定子と回転子とからなる電動機と、この電動機によって駆動される圧縮機構とがケーシングの内部に密閉されており、前記固定子及び前記回転子を冷却するための冷却液を前記ケーシング内に供給可能な密閉型圧縮機において、前記ケーシング内で前記固定子及び前記回転子よりも圧縮機構側に位置する第1空間部と反圧縮機構側に位置する第2空間部との間に差圧を生じさせる差圧形成手段と、前記第1空間部と前記第2空間部とのうちの高圧側で前記冷却液をミスト化するミスト形成手段とを備えることを特徴とする密閉型圧縮機。 【請求項2】 前記冷却液は、前記固定子の周囲に設けられたジャケット部に供給され、前記ミスト形成手段は、前記第1空間部と前記第2空間部とのうちの高圧側に位置するように前記ジャケット部に設けられたノズル又は多孔板からなることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。 【請求項3】 前記冷却液は、前記ケーシング内で前記反圧縮機構側に位置する前記第2空間部に供給され、前記差圧形成手段は、前記第2空間部を前記第1空間部よりも高圧に設定し、かつ、前記ミスト形成手段は、前記第2空間部内で前記電動機の主軸と共に回転するアトマイザからなることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。 【請求項4】 固定子と回転子とからなる電動機と、この電動機によって駆動される圧縮機構とをケーシングの内部に密閉させた密閉型圧縮機に適用され、前記ケーシング内に冷却液を供給して前記固定子及び前記回転子を冷却する密閉型圧縮機の冷却方法において、前記ケーシング内で前記固定子及び前記回転子よりも圧縮機構側に位置する第1空間部と反圧縮機構側に位置する第2空間部との間に差圧を生じさせると共に、前記第1空間部と前記第2空間部とのうちの高圧側で前記冷却液をミスト化することを特徴とする密閉型圧縮機の冷却方法。 【請求項5】 前記冷却液を前記固定子の周囲に設けられているジャケット部に供給すると共に、前記第1空間部と前記第2空間部とのうちの高圧側に位置するように前記ジャケット部にノズル又は多孔板を設けて前記冷却液をミスト化することを特徴とする請求項4に記載の密閉型圧縮機の冷却方法。 【請求項6】 前記冷却液を前記ケーシング内で前記反圧縮機構側に位置する前記第2空間部に供給すると共に、前記第2空間部を前記第1空間部よりも高圧に設定し、かつ、前記第2空間部内でアトマイザを回転させて前記冷却液をミスト化することを特徴とする請求項4に記載の密閉型圧縮機の冷却方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型圧縮機及び密閉型圧縮機の冷却方法に関し、特に、ターボ冷凍機に適用される密閉型圧縮機及びその冷却方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ターボ冷凍機等に適用される密閉型圧縮機は、羽根車等からなる圧縮機構と、駆動源として電動機とをケーシング内に密閉させたものであるが、ターボ冷凍機の良好な運転を維持するためには、運転中に発熱する電動機の固定子や回転子を冷却する必要がある。従来、ターボ冷凍機に適用される密閉型圧縮機では、凝縮器で液化した冷媒(冷媒液)をケーシングの電動機側に供給し、固定子及び回転子を冷却するのが一般的である。 【0003】この場合、電動機の固定子と回転子とを効率よく冷却するためには、固定子と回転子との隙間に冷媒液を流通させる必要がある。このため、従来の密閉型圧縮機の中には、固定子の周囲に冷媒液を流通させるジャケット部を設けると共に、このジャケット部と上述した隙間とを連通する流路を固定子の内部に形成したものが存在している。また、特開平6−159825号公報によって開示された密閉型圧縮機では、電動機の主軸に流路が形成されており、外部から供給される冷媒液は、主軸の流路を介して固定子と回転子との隙間に導かれる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の密閉型圧縮機には、次のような課題が存在していた。すなわち、固定子の鉄心部分は、一般にケイ素鋼板等を積層させて形成されるが、固定子の内部に流路を形成する場合、製作工程上、流路を形成する部分にステンレス等の素材を用いる必要が生じることから、密閉型圧縮機(電動機)のコストアップを招いてしまうという問題があった。また、電動機の主軸に流路を形成すると、密閉型圧縮機のコストアップを招くと共に、主軸の軸ぶれに起因する振動や騒音が発生してしまうことがある。 【0005】そこで、本発明は、簡易かつ低コストに構成可能であると共に、電動機を効率よく冷却することができる密閉型圧縮機及び密閉型圧縮機の冷却方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明による密閉型圧縮機は、固定子と回転子とからなる電動機と、この電動機によって駆動される圧縮機構とがケーシングの内部に密閉されており、固定子及び回転子を冷却するための冷却液をケーシング内に供給可能な密閉型圧縮機において、ケーシング内で固定子及び回転子よりも圧縮機構側に位置する第1空間部と反圧縮機構側に位置する第2空間部との間に差圧を生じさせる差圧形成手段と、第1空間部と第2空間部とのうちの高圧側で冷却液をミスト化するミスト形成手段とを備えることを特徴とする。 【0007】この密閉型圧縮機は、例えば、ターボ冷凍機に適用され、その運転中、ケーシングの電動機側には、所定の冷却液供給手段によって凝縮器で液化した冷媒液や冷媒タンク内に貯留されている冷媒液等が冷却液として供給される。また、ケーシング内の空間部のうち、固定子及び回転子よりも圧縮機構側に位置する第1空間部と、反圧縮機構側に位置する第2空間部との何れか一方の内部圧力は、エアを供給すること等により高められ、第1空間部と第2空間部との間に差圧が形成される。そして、ケーシング内に供給された冷却液は、第1空間部及び第2空間部のうちの高圧側でミスト化される。 【0008】これにより、この密閉型圧縮機では、第1空間部及び第2空間部のうちの高圧側で生成された冷却液のミストが固定子と回転子との隙間を流通し、第1空間部及び第2空間部のうちの低圧側に達することになる。従って、固定子と回転子とを効率よく冷却することが可能となる。更に、固定子や電動機の主軸に冷却液を流通させるための流路を形成することが不要となるので、この密閉型圧縮機は、簡易かつ低コストに構成可能である。 【0009】また、冷却液は、固定子の周囲に設けられたジャケット部に供給され、ミスト形成手段は、第1空間部と第2空間部とのうちの高圧側に位置するようにジャケット部に設けられたノズル又は多孔板からなると好ましい。 【0010】このような構成のもとでは、ケーシング内に供給された冷却液は、ジャケット部を流通すると共に、第1空間部及び第2空間部のうちの高圧側でノズルまたは多孔板によってミスト化される。そして、冷却液のミストは、固定子と回転子との隙間を流通して第1空間部及び第2空間部のうちの低圧側に達することになる。これにより、電動機の固定子は、外周側と内周側の双方から冷却され、回転子は、固定子との隙間を流通する冷却液のミストによって冷却されることになるので、両者を極めて効果的に冷却可能となる。また、ノズルや多孔板を用いることにより、冷却液を容易にミスト化することが可能となる。 【0011】更に、冷却液は、ケーシング内で反圧縮機構側に位置する第2空間部に供給され、差圧形成手段は、第2空間部を第1空間部よりも高圧に設定し、かつ、ミスト形成手段は、第2空間部内で電動機の主軸と共に回転するアトマイザからなると好ましい。 【0012】このような構成を採用しても、冷却液を容易にミスト化して、電動機の固定子と回転子とを極めて効果的に冷却することが可能となる。ここで、密閉型圧縮機の電動機として、三相誘導電動機等を用いた場合、電動機が発生する動力を増速させるための変速機構(ギヤボックス)を電動機と圧縮機構との間に配置するのが一般的である。この場合、電動機側から変速機構に対して冷却液が流入することを防止する必要があるが、この密閉型圧縮機では、冷却液をミスト化するためのアトマイザは、ケーシング内で固定子及び回転子の反圧縮機構側に位置する第2空間部内に配されている。従って、第2空間部に冷却液をある程度の量だけ供給したとしても、これに伴って変速機構側に悪影響を及ぼしてしまうことは低減される。 【0013】請求項4に記載の本発明による密閉型圧縮機の冷却方法は、固定子と回転子とからなる電動機と、この電動機によって駆動される圧縮機構とをケーシングの内部に密閉させた密閉型圧縮機に適用され、ケーシング内に冷却液を供給して固定子及び回転子を冷却する密閉型圧縮機の冷却方法において、ケーシング内で固定子及び回転子よりも圧縮機構側に位置する第1空間部と反圧縮機構側に位置する第2空間部との間に差圧を生じさせると共に、第1空間部と第2空間部とのうちの高圧側で冷却液をミスト化することを特徴とする。 【0014】また、冷却液を固定子の周囲に設けられているジャケット部に供給すると共に、第1空間部と第2空間部とのうちの高圧側に位置するようにジャケット部にノズル又は多孔板を設けて冷却液をミスト化すると好ましい。 【0015】更に、冷却液をケーシング内で反圧縮機構側に位置する第2空間部に供給すると共に、第2空間部を第1空間部よりも高圧に設定し、かつ、第2空間部内でアトマイザを回転させて冷却液をミスト化すると好ましい。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明による密閉型圧縮機及び密閉型圧縮機の冷却方法の好適な実施形態について詳細に説明する。 【0017】〔第1実施形態〕図1は、本発明による密閉型圧縮機の第1実施形態を適用したターボ冷凍機を示す系統図である。同図に示すターボ冷凍機1は、いわゆる蒸気圧縮サイクルを利用した主冷凍系統2を有する(同図において点線で示す)。この主冷凍系統2には、本発明による密閉型圧縮機3、凝縮器5、膨張弁7、中間冷却器8、蒸発器10等が含まれている。密閉型圧縮機3は、ケーシング30の内部に、固定子31と回転子32とからなる電動機(三相誘導電動機)33と、この電動機33によって駆動される羽根車34等からなる圧縮機構35とを密閉させたものであり、その吐出口は、逆止弁4を介して凝縮器5の冷媒入口と接続されている。 【0018】凝縮器5は、図示しない冷却塔等から配管6を介して循環供給される冷却水が流通する伝熱管(図示せず)を有している。密閉型圧縮機3によって圧縮された冷媒ガスは、凝縮器5の内部で伝熱管を流通する冷却水によって冷却されて凝縮液化し、受液部5a内に流入する。凝縮器5の受液部5aは、膨張弁7を介して中間冷却器8に接続されており、この中間冷却器8は、オリフィス9を介して蒸発器10の冷媒入口に接続されている。これにより、膨張弁7を流通して断熱膨張した冷媒液は、中間冷却器8によって冷却された後、オリフィス9を介して蒸発器10内に導入される。なお、中間冷却器8で蒸発した冷媒は、密閉型圧縮機3に戻される。 【0019】蒸発器10の内部には、配管11に接続された伝熱管(図示せず)が配置されており、伝熱管の内部には、配管11を介して冷水またはブラインが流通させられている。蒸発器10の内部に導入された冷媒液は、伝熱管の内部を流通する冷水等から熱(潜熱)を奪って蒸発し、冷水等は所定温度に冷却される。蒸発器10の内部で発生した冷媒蒸気は、冷媒出口を介して密閉型圧縮機3によって吸い出される。そして、密閉型圧縮機3に戻された冷媒は、再度、主冷凍系統2を循環することになる。 【0020】一方、このターボ冷凍機1には、密閉型圧縮機3の電動機33(固定子31及び回転子32)を冷却するための冷却液、及び、各種潤滑対象(スラスト軸受39、ラジアル軸受40、何れも図2参照)を潤滑するための潤滑液として用いられる冷媒液を密閉型圧縮機3のケーシング30内電動機側に供給する冷却液供給手段としての冷却潤滑系統20(図1において実線で示す)が設けられている。この冷却潤滑系統20には、主冷凍系統2にて用いられる冷媒と同一の冷媒を貯留させるための冷媒タンク21が含まれる。このターボ冷凍機1の運転中、冷媒タンク21の内部は、液相(冷媒液)と気相(冷媒ガス)とが平衡に共存する状態、すなわち、飽和状態に維持されている。 【0021】冷媒タンク21には、潤滑対象と冷媒タンク21との間で冷媒を循環させるための冷媒ポンプ22が接続されている。冷媒ポンプ22は、冷媒供給ライン23を介して、密閉型圧縮機3付近に配置されたヘッダ24に接続されており、このヘッダ24から密閉型圧縮機3のケーシング30内に対して冷却液及び潤滑液としての冷媒液が供給される。密閉型圧縮機3を冷却、潤滑した冷媒液は、冷媒戻りライン25を介して冷媒タンク21に戻される。 【0022】図2は、本発明による密閉型圧縮機3を示す断面図である。同図に示すように、密閉型圧縮機3のケーシング30内には、電動機33が発生する動力を増速させるための変速機構(変速ギヤボックス)36が配されており、この変速機構36によって、電動機33の主軸37と、羽根車34が取り付けられている回転軸とが連結されている。ケーシング30の内部には、仕切壁38が配されており、この仕切壁38によって変速機構36は、電動機33側から隔離されている。また、ケーシング30の内部には、仕切壁38と固定子31及び回転子32との間に位置する第1空間部41と、固定子31及び回転子32とケーシング30の端壁部(図中右端の壁部)との間に位置する第2空間部42とが画成されている。 【0023】また、ケーシング30の上部には、図2に示すように、第1空間部41と連通するエア入口30bが形成されており、このエア入口30bには、配管を介してエア供給装置44が接続されている。ケーシング30の下部には、固定子31及び回転子32よりも反圧縮機構側に位置する第2空間部42と冷媒戻りライン25とを連通する冷却液出口30cが形成されている。エア供給装置44からは、ケーシング30内で固定子31及び回転子32よりも圧縮機構側に位置する第1空間部41の内部に、所定圧力のエアが供給される。これにより、第1空間部41の内圧は、第2空間部42の内圧よりも高くなる。すなわち、エア供給装置44は、第1空間部41と第2空間部42との間に差圧を生じさせる差圧形成手段として機能する。 【0024】更に、密閉型圧縮機3のケーシング30内には、電動機33の固定子31の周囲に位置するジャケット部45が形成されている。ジャケット部45は、固定子31の外周面とケーシング30の内周面と一対のジャケット側壁とによって画成され、ケーシング30の上部の2箇所には、このジャケット部45と連通する冷却液入口30aが配設されている。各冷却液入口30aは、冷却潤滑系統20のヘッダ24に配管を介して接続されており、固定子31及び回転子32を冷却する冷却液としての冷媒液は、ヘッダ24から冷却液入口30aを介してケーシング30内、すなわち、ジャケット部45に供給されることになる。 【0025】また、ジャケット部45を画成するジャケット側壁のうち、内部圧力が第2空間部42よりも高い第1空間部41側のジャケット側壁には、ジャケット部45内に供給された冷媒液をミスト化するミスト形成部材47が円周方向に複数配設されている。この密閉型圧縮機3では、ミスト形成部材47としてノズルを用いているが、ミスト形成手段としてノズルの代わりに多孔板を用いてもよく、ノズルや多孔板を用いることにより、冷却液を容易にミスト化することが可能となる。ジャケット部45内に供給された冷媒液は、各ミスト形成部材47から第1空間部41の内部にミストとして噴出する。更に、ジャケット部45を画成するジャケット側壁のうち、内部圧力が第1空間部41よりも低い第2空間部42側のジャケット側壁には、開口48が複数配設されている。 【0026】なお、上述したように、この密閉型圧縮機3では、スラスト軸受39及びラジアル軸受40が冷却潤滑系統20によって供給される冷媒液で潤滑される。すなわち、図2に示すように、スラスト軸受39及びラジアル軸受40に対しては、冷却潤滑系統20のヘッダ24から潤滑液としての冷媒液が供給され、スラスト軸受39及びラジアル軸受40を潤滑した冷媒液は、冷媒戻りライン25を介して冷媒タンク21に戻される。 【0027】次に、上述したターボ冷凍機1に備えられた密閉型圧縮機3を冷却する手順(方法)について説明すると、ターボ冷凍機1の運転中、密閉型圧縮機3のケーシング30内の電動機33側には、冷却潤滑系統20の冷媒ポンプ22によって冷媒タンク21内に貯留されている冷媒液が冷却液として供給される。すなわち、固定子31の周囲に位置するようにケーシング30内に画成されているジャケット部45には、冷却潤滑系統20のヘッダ24から冷媒液が供給される。また、ケーシング30内の空間部のうち、固定子31及び回転子32よりも圧縮機構側に位置する第1空間部41の内部には、エア供給装置44からエアが連続的に供給され、第1空間部41の内部圧力は、反圧縮機構側に位置する第2空間部42よりも高く設定され、第1空間部41と第2空間部42との間に差圧が形成される。 【0028】この状態で、ジャケット部45に供給された冷媒液は、ジャケット部45の内部を流通すると共に、高圧側の第1空間部41でノズルまたは多孔板からなるミスト形成部材47によってミスト化される。そして、高圧側である第1空間部で生成された冷媒液のミストは、固定子31と回転子32との隙間を流通して低圧側である第2空間部42に達することになる。これにより、電動機33の固定子31は、外周側と内周側の双方から冷却され、回転子32は、固定子31との隙間を流通する冷媒液のミストによって冷却されることになるので、両者は極めて効果的に冷却されることになる。 【0029】なお、ジャケット部45内の冷媒液は、第2空間部42側のジャケット側壁に形成されている各開口48から第2空間部42内にも流出する。第2空間部42内では、固定子31の巻線31aや、回転子32の巻線32a等が開口48から流出した冷媒液によっても冷却される。また、第2空間部42内に滞留した冷媒液は、冷却液出口30c及び冷媒戻りライン25を介して冷媒タンク21に戻される。 【0030】このように、この密閉型圧縮機3では、高圧側である第1空間部で生成された冷媒液(冷却液)のミストが固定子31と回転子32との隙間を流通し、低圧側である第2空間部42に達することになる。従って、固定子31と回転子32とを効率よく冷却することが可能となる。更に、固定子31や電動機33の主軸37に冷却液を流通させるための流路を形成することが不要となるので、この密閉型圧縮機3は、簡易かつ低コストで構成可能となる。 【0031】なお、ターボ冷凍機1では、冷却液供給手段として、冷媒ポンプ22によって冷媒タンク21内に貯留されている冷媒液をケーシング30内に供給する冷却潤滑系統20が用いられているが、これに限られるものではない。すなわち、冷却液として、凝縮器5で液化した冷媒液を、直接または冷媒ポンプを介してケーシング30内に供給することも可能である。この場合、第2空間部42に対して、ドレントラップと液面計を設け、ある程度、冷媒液が溜まった段階で第2空間部から排出するように構成すると好ましい。また、第1空間部41及び第2空間部42の何れか又は双方の内部に位置するように、電動機33の主軸37にロータリアトマイザを取付け、滞留した冷媒液を再度ミスト化するように構成してもよい。 【0032】〔第2実施形態〕以下、図3を参照しながら、本発明による密閉型圧縮機の第2実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態に係る密閉型圧縮機3と同一の要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。 【0033】図3に示す密閉型圧縮機3Aでは、冷却液としての冷媒は、ケーシング30内で反圧縮機構側に位置する第2空間部42に供給される。また、差圧形成手段としてのエア供給装置44も第2空間部42に接続されており、これにより、この密閉型圧縮機3Aでは、第2空間部42が第1空間部41よりも高圧に設定される。更に、この密閉型圧縮機3Aでは、冷媒液をミスト化するミスト形成手段として、ジャケット部45の第1空間部41側の端部に設けられたノズルまたは多孔板の代わりに、電動機33の主軸37に取り付けられたロータリアトマイザ49が採用されている。ロータリアトマイザ49は、第2空間部42内に位置するように主軸37に固定されており、主軸37と共に回転して、ヘッダ24から供給された冷媒液をミスト化する。 【0034】このような構成を採用しても、冷却液としての冷媒液を容易にミスト化して、電動機33の固定子31と回転子32とを極めて効果的に冷却することが可能となる。ここで、この密閉型圧縮機3Aのように、電動機33として、三相誘導電動機等を用いた場合、電動機33が発生する動力を増速させるための変速機構(変速ギヤボックス)36を電動機33と圧縮機構35との間に配置するのが一般的である。 【0035】この場合、電動機33側から変速機構36に対して冷却液(冷媒液)が流入することを防止する必要があるが、この密閉型圧縮機3Aでは、冷媒液をミスト化するためのロータリアトマイザ49は、ケーシング30内で固定子31及び回転子32の反圧縮機構側に位置する第2空間部42内に配されている。従って、第2空間部42に冷媒液をある程度の量だけ供給したとしても、これに伴って変速機構36側に悪影響を及ぼしてしまうことは低減される。 【0036】なお、この密閉型圧縮機3Aに関しても、冷却液としては、ターボ冷凍機の凝縮器で液化した冷媒液を、直接または冷媒ポンプを介してケーシング30内に供給することも可能である。 【0037】〔第3実施形態〕以下、図4を参照しながら、本発明による密閉型圧縮機の第3実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態に係る密閉型圧縮機3等と同一の要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。 【0038】図4に示す密閉型圧縮機3Bは、上述した第2実施形態に係る密閉型圧縮機3Aに対して、ヘッダ24と第2空間部42とを連絡する冷却液供給ライン上に電磁弁、電動弁等からなる流量調整弁50を設けたものに相当し、第2空間部42に供給する冷却液(冷媒液)の流量を制御可能に構成されている。流量調整弁50は、密閉型圧縮機3Bの制御装置51に接続されており、制御装置51は、電動機33の主電流を計測する電流計52の計測値と、予め求められている主電流値とケーシング30における冷媒液の蒸発量(消費量)との関係式とに基づいて、流量調整弁50の開度を調整する。 【0039】このような構成を採用することにより、第2空間部42に冷媒液が過剰に滞留してしまうことを防止可能となる。また、ヘッダ24とジャケット部45とを連絡する冷却液供給ライン上に電磁弁、電動弁等からなる流量調整弁を更に設けてジャケット部45に供給する冷却液(冷媒液)の流量を制御可能に構成すれば、電動機33の冷却させた冷媒液をケーシング30の内部で完全に蒸発させてしまうことも可能となる。なお、この密閉型圧縮機3Bに関しても、冷却液としては、ターボ冷凍機等の凝縮器で液化した冷媒液を、直接または冷媒ポンプを介してケーシング30内に供給することも可能である。 【0040】 【発明の効果】本発明による密閉型圧縮機、及び、密閉型圧縮機の冷却方法は、以上説明したように構成されているため、次のような効果を奏する。すなわち、ケーシング内で固定子及び回転子よりも圧縮機構側に位置する第1空間部と反圧縮機構側に位置する第2空間部との間に差圧を生じさせると共に、第1空間部と第2空間部とのうちの高圧側で冷却液をミスト化することにより、ケーシング内の電動機を効率よく冷却することが可能となり、かつ、密閉型圧縮機を簡易かつ低コストに構成することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月18日(2000.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−200791(P2001−200791A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−9308(P2000−9308) |
|