| 【発明の名称】 |
振動式圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 陽
【氏名】森田 一郎
【氏名】川端 淳太
【氏名】小林 正則
【氏名】稲垣 耕
【氏名】石田 貴規
【氏名】片山 誠
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| 【要約】 |
【課題】振動式圧縮機に関し、ピストン位置検出精度の低下を防止すると共に、小型化を図る。
【解決手段】変位検知器19の固定部19aをシリンダ15の反圧縮室側端部に配設する共に、可動コア部19bをピストン16の外周部に配設することにより、組立精度の影響による位置検出精度の低下を防止できると共に、圧縮機を小型にすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置され前記シリンダ内空間に圧縮室を形成するピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する変位検知器とからなり、前記変位検知器は前記シリンダの反圧縮室側端部に配設された固定部と、前記ピストンの外周部に配設された可動コア部とから構成された振動式圧縮機。 【請求項2】 変位検知器の可動コア部の外径をピストンの摺動部外径よりも小さくした請求項1に記載の振動式圧縮機。 【請求項3】 変位検知器の固定部の構成材料をシリンダ材料の線膨張係数と同等以下の材料とした請求項1に記載の振動式圧縮機。 【請求項4】 変位検知器の可動コア部を軸方向に少なくとも2分割で構成した請求項1に記載の振動式圧縮機。 【請求項5】 シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する差動トランスとからなり、前記差動トランスの出力電圧を前記ピストンの上死点位置にて略0Vとした振動式圧縮機。 【請求項6】 モーターへ電圧供給するインバータ回路と、差動トランスの出力電圧が正負反転した場合にモーターへの電圧供給を停止もしくは供給電圧を低下させるインバータ制御手段とを備えた請求項5に記載の振動式圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は冷凍サイクル等に使用する振動式圧縮機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の振動式圧縮機としては、特開平9−324764号公報に示されているものがある。以下、図面を参照しながら上記従来の振動式圧縮機を説明する。 【0003】従来の構成を図10に示す。図10は従来の振動式圧縮機の縦断面図である。図7において、1は密閉容器、2は本体である。本体2は、モーター3、シリンダ4、ピストン5、ブロック6、シリンダヘッド7、弾性要素8などから構成されており、サスペンションスプリング(図示せず)により、密閉容器1内に弾性支持されている。モーター3は、純鉄で形成された固定子3aとコイルで形成された可動子3bとから構成されており、固定子3aには永久磁石3cが固定されている。また、可動子3bは可動子連結部材9を介してピストン5に連結固定されている。ピストン5は、シリンダ4と弾性要素8により軸方向に摺動可能なように支持されている。 【0004】弾性要素8は内周部がピストン5に固定され、外周部がブロック6に固定されている。10はピストン5、モーター3の可動子3b、可動子連結部材9などから構成される可動要素であり、11はシリンダ4、モーター3の固定子3a、ブロック6などから構成される固定要素である。12は圧縮室であり、シリンダ4、ピストン5により形成されている。13は変位検知器であり、ピストン5軸方向に連結部材14を介して可動要素10に連結されている可動コア部13aと、固定要素に取り付けられ可動コア部13aを内部に収納する固定部13bとからなり、固定部13b内にはコイルが形成されている。 【0005】次に、振動式圧縮機の機構について説明する。インバータ回路(図示せず)を用いて発生させた交流電源をモーター3の可動子3b(コイル)に通電すると、この通電により永久磁石3cにより発生する磁界との作用により、可動子3b(コイル)に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子連結部材9を介して可動子3bと連結されたピストン5は、弾性要素8を変形させるとともに、その弾性要素8の反発力を利用しながら効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。 【0006】ピストン5の往復運動に伴い変位検知器13の可動コア部13aは固定部13b内を往復動し、ピストン5の位置に応じた電圧が固定部13b(コイル)に誘起され、これによりピストン5位置を知ることができる。 【0007】冷却システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダヘッド7の低圧室7aに導かれ、シリンダ4内の圧縮室12に至る。圧縮室12に至った冷媒ガスは、上述したピストン5の往復運動により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、シリンダヘッド7内に配設されている吐出弁(図示せず)を介して一旦シリンダヘッド7内の高圧室7bに吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷却システムに吐出される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来のような構成では、変位検知器13が可動要素10とピストン5軸方向に連結部材14を介して連結されているため、組立精度の影響を受け易く、位置検出精度が低下する可能性があるという欠点があった。 【0009】本発明は従来の課題を解決するもので、組立精度の影響を受けず、高い位置検出精度を有する振動式圧縮機を提供することを目的とする。 【0010】また、上記従来の構成は、変位検知器13が可動要素10とピストン5軸方向に連結部材14を介して連結されているため、圧縮機全体としての形状がピストン5軸方向に大きくなる可能性があるという欠点があった。 【0011】本発明の他の目的は、圧縮機全体の形状を小さくできると共に、圧縮室からの冷媒ガスの漏れを低減し、効率が高い振動式圧縮機を提供することである。 【0012】また、上記従来の構成は、変位検知器13の固定部13bが密閉容器1内の冷媒ガスからの熱伝達の影響により膨張もしくは収縮し、位置検出精度が低下する可能性があるという欠点があった。 【0013】本発明の他の目的は、変位検知器の固定部の温度が変化した場合においてもトップクリアランスの変化を防ぎ、安定した冷凍能力が得られる振動式圧縮機を提供することである。 【0014】本発明の他の目的は、変位検知器の組立が容易な振動式圧縮機を提供することである。 【0015】また、上記従来の構成は、変位検知器13が温度ドリフト特性を有しているため、変位検知器13の温度が変化した場合に出力電圧が変化し、トップクリアランスも変化するので冷凍能力が低下したり可動要素10が固定要素11に衝突してしまう可能性があるという欠点があった。 【0016】本発明の他の目的は、変位検知器の温度に関係なくトップクリアランスを小さく維持することにより、冷凍能力の低下を防止できると共にピストンの過大振幅を防止し、信頼性の高い振動式圧縮機を提供することである。 【0017】また、上記従来の構成は、外気温、電源電圧、負荷等の外部条件が急激に変化し、トップクリアランスが急激に減少すると、可動要素10と固定要素11が衝突する可能性があるという欠点があった。 【0018】本発明の他の目的は、外部条件が急激に変化した場合においてもピストンの過大振幅を確実に防止し、信頼性の高い振動式圧縮機を提供することである。 【0019】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置され前記シリンダ内空間に圧縮室を形成するピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する変位検知器とからなり、前記変位検知器は前記シリンダの反圧縮室側端部に配設された固定部と、前記ピストンの外周部に配設された可動コア部とから構成したのである。 【0020】これにより、変位検知器をモーター内に組み込んだ構成となり、組立精度の影響による位置検出精度の低下を防止できると共に、圧縮機を小型にすることができる。 【0021】また、本発明は、変位検知器の可動コア部の外径をピストンの摺動部外径よりも小さくしたのである。 【0022】これにより、圧縮機を小型にすることができると共に、シリンダとピストン間の摺動長を長くできるので圧縮室からの冷媒ガスの漏れを低減でき、漏れ損失の低減による効率の向上が図ることができる。 【0023】また、本発明は、変位検知器の固定部の構成材料をシリンダ材料の線膨張係数と同等以下の材料としたのである。 【0024】これにより、固定部の温度が上昇しても固定部は過大に膨張せず、可動コア部と固定部の位置関係を一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大を防ぎ、冷凍能力の低下を防止することができる。 【0025】また、本発明は、変位検知器の可動コア部を軸方向に少なくとも2分割で構成したのである。 【0026】これにより、可動コア部を可動要素外周部に取り付ける際の組立性を向上することができる。 【0027】また、本発明は、シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する差動トランスとからなり、前記差動トランスの出力電圧を前記ピストンの上死点位置にて略0Vとしたのである。 【0028】これにより、差動トランスが温度ドリフトの影響を受けることを防止できるので、トップクリアランスのばらつきを抑えることでトップクリアランスを小さくでき、高い冷凍能力を得ることができると共に、ピストン振幅の増大による可動要素と固定要素の衝突や弾性要素の信頼性低下の発生を防止することができる。 【0029】また、本発明は、インバータ回路と、差動トランスの出力電圧が正負反転した場合にモーターへの電圧供給を停止もしくは供給電圧を低下させるインバータ制御手段とを備えるようにしたのである。 【0030】これにより、外気温、電源電圧、負荷等の外部条件の急激な変化に伴いピストンの振幅が増大しても確実に可動要素と固定要素の衝突を防ぎ、信頼性を高くすることができる。 【0031】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置され前記シリンダ内空間に圧縮室を形成するピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する変位検知器とからなり、前記変位検知器は前記シリンダの反圧縮室側端部に配設された固定部と、前記ピストンの外周部に配設された可動コア部とから構成したものであり、変位検知器をモーター内に組み込んだ構成としているので、位置検出精度の低下を防止できると共に、圧縮機を小型にすることができるという作用を有する。 【0032】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、変位検知器の可動コア部の外径をピストンの摺動部外径よりも小さくしたものであり、ピストンと共に可動コア部もシリンダ内を往復運動可能であるため、圧縮機を小型にすることができると共に、シリンダとピストン間の摺動長を長くすることができ、圧縮室からの冷媒ガスの漏れを低減できるので漏れ損失の低減による効率の向上を図ることができるという作用を有する。 【0033】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、変位検知器の固定部の構成材料をシリンダ材料の線膨張係数と同等以下の材料にしたものであり、固定部の温度が上昇しても固定部は過大に膨張せず、可動コア部と固定部の位置関係を一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大を防ぎ、冷凍能力の低下を防止することができるという作用を有する。 【0034】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、変位検知器の可動コア部を軸方向に少なくとも2分割で構成したものであり、可動コア部をピストン外周部に取り付ける際の組立性を向上することができるという作用を有する。 【0035】請求項5に記載の発明は、シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する差動トランスとからなり、前記差動トランスの出力電圧を前記ピストンの上死点位置にて略0Vとしたものであり、差動トランスが温度ドリフトの影響を受けることを防止できるので、トップクリアランスを小さく維持でき、高い冷凍能力を得ることができると共に、ピストンの振幅増大による可動要素と固定要素の衝突や弾性要素の信頼性低下の発生を防止することができるという作用を有する。 【0036】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明に、さらに、インバータ回路と、差動トランスの出力電圧が正負反転した場合にモーターへの電圧供給を停止もしくは供給電圧を低下させるインバータ制御手段とを備えたものであり、外気温、電源電圧、負荷等の外部条件の急激な変化に伴いピストンの振幅が増大しても確実に可動要素と固定要素の衝突を防ぎ、信頼性向上を図ることができるという作用を有する。 【0037】 【実施例】以下、本発明による振動式圧縮機の実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。 【0038】(実施例1)図1は、本発明の実施例1による振動式圧縮機の要部縦断面図である。 【0039】図1において、15はシリンダであり、16はシリンダ15内に往復摺動に配置されシリンダ15内空間に圧縮室12を形成するピストンであり、17はシリンダ15やモーター3の固定子3aなどにより構成される固定要素であり、18はピストン16や可動子3bなどにより構成される可動要素である。19はピストン16の少なくとも上死点位置を検知する差動トランス等の変位検知器であり、変位検知器19はシリンダ15の反圧縮室側端部に配設された固定部19aとピストン16の外周部に配設された可動コア部19bとから構成されている。 【0040】以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。 【0041】ピストン16の往復運動に伴い変位検知器19の可動コア部19bは固定部19a内を往復動し、ピストン16の位置に応じた電圧が固定部19aに誘起され、これによりピストン16位置を知ることができる。ここで、変位検知器19をモーター3内に組み込んでいるので、従来例のように可動コア部13aをピストン5軸方向に連結部材14を介して可動要素10に連結する構成に比較して組立精度の影響による位置検出精度の低下を防止することができると共に、圧縮機のピストン軸方向の全長は短くなるので、圧縮機を小型にすることができる。 【0042】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、シリンダ15と、シリンダ15内に往復摺動可能に配置されシリンダ15内空間に圧縮室12を形成するピストン16と、固定子3aと可動子3bとから構成されたモーター3と、シリンダ15や固定子3aなどにより構成された固定要素17と、ピストン16や可動子3bなどにより構成された可動要素18と、一部が固定要素17に固定保持され一部が可動要素18に固定または連結された弾性要素8と、ピストン16の少なくとも上死点位置を検知する変位検知器19とからなり、変位検知器19はシリンダ15の反圧縮室側端部に配設された固定部19aと、ピストン16の外周部に配設された可動コア部19bとから構成され、変位検知器19をモーター3内に組み込んだ構成としているので、組立精度の影響による位置検出精度の低下を防止することができると共に、圧縮機のピストン軸方向の全長を短くでき、圧縮機全体として小型化を図ることができる。 【0043】(実施例2)図2は、本発明の実施例2による振動式圧縮機の要部縦断面図である。 【0044】図2において、20はピストン16の少なくとも上死点位置を検知する差動トランス等の変位検知器であり、変位検知器20はシリンダ15の反圧縮室側端部に配設された固定部19aとピストン16の外周部に配設された可動コア部20aとから構成され、かつ可動コア部20aの外径をピストン16の摺動部外径よりも小さく構成されている。 【0045】以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。 【0046】ピストン16の往復運動に伴い変位検知器20の可動コア部20aは固定部19a内を往復動し、ピストン16の位置に応じた電圧が固定部19aに誘起され、これによりピストン16位置を知ることができる。ここで、可動要素18の外周部に配設された可動コア部20aの外径はピストン16の外径よりも小さいので、ピストン16と共に可動コア部20aもシリンダ15内を往復運動可能であり、シリンダ15とピストン16間の摺動長を長くすることができるので、圧縮室12からの冷媒ガスの漏れを低減できる。従って、漏れ損失を低減でき、効率の向上を図ることができる。 【0047】また、シリンダ15とピストン16間の摺動長を長くしない場合は、圧縮機のピストン軸方向の全長をその分短くすることができるので、圧縮機をさらに小型にすることができる。 【0048】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、変位検知器20の可動コア部20aの外径をピストン16の外径よりも小さくしたものであり、ピストン16と共に可動コア部20aもシリンダ15内を往復運動可能であるため、シリンダ15とピストン16間の摺動長を長くすることができ、圧縮室12からの冷媒ガスの漏れを低減できるので漏れ損失の低減による効率向上を図ることができる。 【0049】また、シリンダ15とピストン16間の摺動長を長くしない場合は、圧縮機のピストン軸方向の全長をその分短くすることができるので、圧縮機のさらなる小型化を図ることができる。 【0050】(実施例3)図3は、本発明の実施例3による振動式圧縮機の要部縦断面図である。 【0051】図3において、21はピストン16の少なくとも上死点位置を検知する差動トランス等の変位検知器であり、21aは変位検知器21の固定部で、その構成材料はシリンダ15材料の線膨張係数と同等以下の材料で構成されている。 【0052】以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。 【0053】ピストン21の往復運動に伴い変位検知器25の可動コア部24bは固定部25a内を往復動し、ピストン21の位置に応じた電圧が固定部25aに誘起され、これによりピストン21位置を知ることができる。 【0054】しかしながら、圧縮機の運転中は圧縮室12内で高圧、高温に圧縮された冷媒ガスからの熱伝達によりシリンダ15の温度が上昇し、それに伴いシリンダ15の反圧縮室側端部に配設された変位検知器21の固定部21aの温度もシリンダ15からの熱伝導により上昇する。また、密閉容器内の冷媒ガス温度もモーター3発熱や機械部発熱のため上昇し、その冷媒ガスからの熱伝達により固定部21aの温度はさらに上昇する。この時、固定部21aを構成する材料の線膨張係数がシリンダ15材料の線膨張係数よりも大きいと、温度上昇により固定部21aが下死点側へδ分膨張してしまう。その結果、可動コア部19bの位置に対する固定部21aの相対位置がδ分ピストン16の下死点側へ移動することになり、上死点位置における固定部21aからの出力電圧の絶対値が低下する。それに伴いピストン16の上死点位置におけるトップクリアランスがδ分大きくなり、冷凍能力は低下してしまう。 【0055】一方、低外気温時には固定部21aを構成する材料の線膨張係数がシリンダ15材料の線膨張係数よりも大きいと、固定部21aはピストン16の上死点側へ収縮し、可動コア部19bに対する固定部21aの相対位置が上死点側へ移動することになり、上死点位置における固定部21aからの出力電圧の絶対値が増加する。このように固定部21aが収縮した状態で圧縮機が起動すると、トップクリアランスの減少に伴う可動要素10と固定要素11の衝突が発生してしまう。 【0056】従って、固定部21aの構成材料をシリンダ15材料の線膨張係数と同等以下の材料とすれば、固定部21aの温度が上昇または低下しても固定部21aは過大に膨張または収縮せず、可動コア部19bと固定部21aの位置関係を一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大を防ぎ、冷凍能力の低下を防止することができると共に、トップクリアランスの減少に伴う可動要素10と固定要素11の衝突を防ぎ、信頼性向上を図ることができる。 【0057】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、変位検知器21の固定部21aの構成材料をシリンダ15材料の線膨張係数と同等以下の材料としたので、固定部21aの温度が変化しても固定部21aは過大に膨張もしくは収縮せず、可動コア部19bと固定部21aの位置関係を一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大を防ぎ、冷凍能力の低下を防止することができると共に、トップクリアランスの減少に伴う可動要素と固定要素の衝突を防ぐことで、信頼性向上を図ることができる。 【0058】(実施例4)図4は、本発明の実施例4による振動式圧縮機の要部縦断面図であり、図5は、同実施例の変位検知器の可動コア部の外観図である。 【0059】図4、図5において、22は軸方向に凹部22aを有するピストンであり、23はピストンやモーターの可動子3bなどにより構成された可動要素である。24はピストン22の少なくとも上死点位置を検知する差動トランス等の変位検知器であり、24aは軸方向に少なくとも2分割され、ピストン22の凹部22aに配設された可動コア部である。また、可動コア部24aの外径はピストン22の摺動部外径よりも小さく構成されている。 【0060】以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。 【0061】ピストン22の軸径を大きくして可動要素23の剛性を上げる場合は、変位検知器24の可動コア部24aを配設するために凹部22aをピストン22に設ける必要がある。ここで、可動コア部24aを軸方向に分割する構成とすれば、ピストン22を別体で構成することなく可動コア部24aをピストン22に配設可能であり、ピストン22の形状の制約を受けずに組立性を向上させることができる。 【0062】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、変位検知器24の可動コア部24aを軸方向に少なくとも2分割で構成しているので、可動コア部24aをピストン22の外周部に配設する際に、ピストン22形状に関係なく組立性を向上することができる。 【0063】(実施例5)図6は、本発明の実施例5による振動式圧縮機の縦断面図であり、図7は、同実施例の差動トランスの温度特性図である。 【0064】図6において、25はピストン5の少なくとも上死点を検知する差動トランスであり、その出力電圧がピストン5の上死点位置にて略0Vとなるように連結部材14を介して可動要素10に連結されている。 【0065】以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を図7の差動トランスの温度特性図をもとにして説明する。 【0066】差動トランス25はピストン5位置が変化しないにも拘わらず、温度変化に伴い出力電圧が変化してしまう特性を有しており、その変化幅は出力電圧値が0Vから離れる程大きくなる。 【0067】ただし、0V近傍では温度が変化しても出力電圧はほとんど変化しない特性を有しているため、ピストン5の上死点位置において差動トランス25の出力電圧が0V近傍となるように組み立てることで、差動トランス25の温度が変化しても出力電圧を一定に保つことができるので、一定のトップクリアランスで圧縮機を運転することができる。従って、トップクリアランスの増大による冷凍能力の低下を防止することができると共に、所定のトップクリアランスに保つことができるので、トップクリアランスの減少に伴う可動要素10と固定要素11の衝突や弾性要素8の信頼性低下の発生を防止することができる。 【0068】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、シリンダ4と、シリンダ4内に往復摺動可能に配置されたピストン5と、固定子3aと可動子3bとから構成されたモーター3と、シリンダ4や固定子3aなどにより構成された固定要素11と、ピストン5や可動子3bなどにより構成された可動要素10と、一部が固定要素11に固定保持され一部が可動要素10に固定または連結された弾性要素8と、ピストン5の少なくとも上死点位置を検知する差動トランス25とから構成され、差動トランス25の出力電圧をピストン5の上死点位置にて略0Vとしたので、差動トランス25の温度ドリフトの影響を防止できる。従って、トップクリアランスを一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大による冷凍能力の低下を防止することができると共に、常に所定のトップクリアランスに保つことができるので、トップクリアランスの減少に伴う可動要素10と固定要素11の衝突や弾性要素8の信頼性低下の発生を防止することができる。 【0069】なお、本実施例においてピストン5の下死点側における差動トランス25の出力電圧を正としたが、下死点側の出力電圧を負としても同等の効果が得られることは言うまでもない。 【0070】(実施例6)図8は、本発明の実施例6による振動式圧縮機の電気回路図であり、図9は、同実施例の動作を示すタイミングチャートである。 【0071】図8において、26はモーター3へ電圧供給するインバータ回路であり、27はインバータ回路の出力電圧をON/OFFさせるインバータ制御手段である。 【0072】以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を図9のタイミングチャートをもとにして説明する。 【0073】差動トランス25は、ピストン5の上死点位置においてその出力電圧が0V近傍となるように配設されているが、圧縮機の運転中に外気温、電源電圧、負荷等の外部条件の急激な変化に伴い差動トランス25の出力電圧が急激に増加し、ピストン5の振幅が増大した場合にトップクリアランスは所定値よりも小さくなり、差動トランス25の出力電圧が正負反転する。この正負反転が発生した瞬間に、インバータ制御回路27によりインバータ回路26からモーター3への電圧供給を停止させる構成としているので圧縮機は停止し、可動要素10と固定要素11の衝突を確実に防止することができる。 【0074】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、インバータ回路26と差動トランス25の出力電圧が正負反転した場合にモーター3への供給電圧を停止させるインバータ制御手段27とを備えているので、外気温、電源電圧、負荷等の外部条件の急激な変化に伴いトップクリアランスが減少しても確実に可動要素10と固定要素11の衝突を防ぎ、信頼性向上を図ることができる。 【0075】なお、本実施例においてピストン5の下死点側における差動トランス25の出力電圧を正としたが、下死点側の出力電圧を負としても同等の効果が得られることは言うまでもない。 【0076】さらに、本実施例において差動トランス25の出力電圧が正負反転した場合にインバータ回路26からモーター3への電圧供給を停止する構成としたが、供給電圧を低下させても同等の効果が得られることは言うまでもない。 【0077】 【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発明は、シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置され前記シリンダ内空間に圧縮室を形成するピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する変位検知器とからなり、前記変位検知器は前記シリンダの反圧縮室側端部に配設された固定部と、前記ピストンの外周部に配設された可動コア部とから構成し、変位検知器をモーター内に組み込んだ構成としているので、組立精度の影響による位置検出精度の低下を防止できると共に、圧縮機のピストン軸方向の全長を短くでき、圧縮機全体として小型化を図ることができる。 【0078】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて変位検知器の可動コア部の外径をピストンの外径よりも小さくしたことにより、ピストンと共に可動コア部もシリンダ内を往復運動可能であるため、シリンダとピストン間の摺動長を長くすることができ、圧縮室からの冷媒ガスの漏れを低減できるので漏れ損失の低減による効率向上を図ることができる。 【0079】また、シリンダとピストン間の摺動長を長くしない場合は、圧縮機のピストン軸方向の全長をその分短くすることができるので、圧縮機のさらなる小型化を図ることができる。 【0080】また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて変位検知器の固定部の構成材料をシリンダ材料の線膨張係数と同等以下の材料としたことにより、固定部の温度が変化しても固定部は過大に膨張もしくは収縮せず、可動コア部と固定部の位置関係を一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大を防ぎ、冷凍能力の低下を防止することができると共に、トップクリアランスの減少に伴う可動要素と固定要素の衝突を防ぎ、信頼性向上を図ることができる。 【0081】また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて変位検知器の可動コア部を軸方向に少なくとも2分割で構成したことにより、可動コア部をピストン外周部に配設する際に、ピストン形状に関係なく組立性を向上することができる。 【0082】また、請求項5に記載の発明は、シリンダと、前記シリンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンと、固定子と可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダや前記固定子などにより構成された固定要素と、前記ピストンや前記可動子などにより構成された可動要素と、一部が前記固定要素に固定保持され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記ピストンの少なくとも上死点位置を検知する差動トランスとからなり、前記差動トランスの出力電圧を前記ピストンの上死点位置にて略0Vとしたことにより、差動トランスの温度ドリフトの影響を防止でき、トップクリアランスを一定に保つことができるので、トップクリアランスの増大による冷凍能力の低下を防止することができると共に、常に所定のトップクリアランスに保つことができるので、トップクリアランスの減少に伴う可動要素と固定要素の衝突や弾性要素の信頼性低下の発生を防止することができる。 【0083】また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明に加えてインバータ回路と、差動トランスの出力電圧が正負反転した場合に、モーターへの電圧供給を停止もしくは供給電圧を低下させるインバータ制御手段を備えることにより、圧縮機の運転中に外気温、電源電圧、負荷等の外部条件の急激な変化に伴いトップクリアランスが所定値より減少しても確実に可動要素と固定要素の衝突を防ぎ、信頼性向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004488 【氏名又は名称】松下冷機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月18日(2000.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−200789(P2001−200789A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−8915(P2000−8915) |
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