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【発明の名称】 変速機用オイルポンプ装置
【発明者】 【氏名】山中 淳史

【氏名】久原 啓司

【要約】 【課題】オイルポンプの作動油が高温となった場合には流量制御弁の作動応答性を低下させ、流量特性を安定化させることが可能な変速機用オイルポンプ装置を提供する。

【解決手段】エンジン等によって回転駆動され、吸入通路16から吸入ポート12を介して吸入した作動油を、吐出ポート13から吐出通路20に吐出するオイルポンプ1を設ける。前記吐出ポート13から吐出通路20に吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁24を設ける。前記流量制御弁24が弁収容穴25内に摺動自在に収容されたスプール弁27を備え、弁収容穴25をスプール弁27よりも線膨張係数の大きい材料から形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン等によって回転駆動され、吸入通路から吸入ポートを介して吸入した作動油を、吐出ポートから吐出通路に吐出するオイルポンプと、前記吐出通路に吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁とを備えた変速機用オイルポンプ装置において、前記流量制御弁が弁収容穴内に摺動自在に収容されたスプール弁を備え、前記弁収容穴がスプール弁よりも線膨張係数の大きい材料から形成されてなることを特徴とする、変速機用オイルポンプ装置。
【請求項2】 前記吐出通路の途中にオリフィスが設けられ、前記流量制御弁のスプール弁がオリフィスの前後差圧によって作動して流量制御を司ることを特徴とする、請求項1記載の変速機用オイルポンプ装置。
【請求項3】 前記流量制御弁は、吐出ポートから吐出された作動油に浸漬されるように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の変速機用オイルポンプ装置。
【請求項4】 前記流量制御弁の弁収容穴が、オイルポンプのポンプユニットを収容するポンプハウジングに形成され、このポンプハウジングがアルミニウム合金材料から形成されると共に、前記スプール弁が鉄系材料から形成されてなることを特徴とする、請求項1記載の変速機用オイルポンプ装置。
【請求項5】 前記ポンプハウジングが、ポンプユニットを収容する凹部が形成されたハウジング部材と、このハウジング部材の凹部を覆うボディ部材とからなり、前記ボディ部材がアルミニウム合金材料から形成され、このボディ部材に弁収容穴が形成されてなることを特徴とする、請求項4記載の変速機用オイルポンプ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機等のパワーソースとして用いられる変速機用オイルポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、変速機用オイルポンプ装置は、エンジン等の低回転数領域から高回転数領域までの広範な領域に亘って比較的大流量からなる所定の流量を供給することが望まれる。即ち、エンジン等のアイドリング回転時においても所定流量が確保される必要があるから、エンジン等によって回転駆動されるオイルポンプの回転数が増加すると、オイルポンプが吸入及び吐出する作動油流量が所定流量以上に増加することになる。
【0003】そこで、この種のオイルポンプ装置として、例えば実開平4−5572号公報には、エンジン等によって回転駆動され、吸入通路から吸入ポートを介して吸入した作動油を、吐出ポートから吐出通路に吐出するオイルポンプと、吐出通路に吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁とを備えたオイルポンプ装置が提案されている。前記流量制御弁は弁収容穴内に摺動自在に収容されたスプール弁を備え、吐出ポートから吐出される作動流体の流量が増加すると弁収容穴内を摺動してドレン通路を開き、余剰油をオイルパン等に還流させることによって吐出通路に吐出される作動油の流量を制御するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に変速機用オイルポンプ装置は、変速機の作動油圧回路がオイルポンプの近傍に配置されるために、作動油圧回路までの吐出通路が比較的短く、オイルポンプの脈動が吐出通路の抵抗等によって減衰されることが少ない。このため、前記流量制御弁が脈圧の影響を受けて流量特性が安定しなくなる虞がある。そのためには、前記流量制御弁が流量制御している状態、即ち、オイルポンプの回転速度が高く、作動油が高温となって流量制御弁が余剰油をドレンポートに還流する状態では、流量制御弁の作動応答性(感度)を低下させ、流量特性を安定化させることが考えられる。
【0005】しかしながら、前記従来例においては流量制御弁の流量特性の安定化に対して格別工夫されるところがない。
【0006】本発明は前記従来の実状に鑑みて案出されたもので、オイルポンプの作動油が高温となった場合には流量制御弁の作動応答性を低下させ、流量特性を安定化させることが可能な変速機用オイルポンプ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の発明は、エンジン等によって回転駆動され、吸入通路から吸入ポートを介して吸入した作動油を、吐出ポートから吐出通路に吐出するオイルポンプと、前記吐出通路に吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁とを備えた変速機用オイルポンプ装置において、前記流量制御弁が弁収容穴内に摺動自在に収容されたスプール弁を備え、前記弁収容穴がスプール弁よりも線膨張係数の大きい材料から形成されてなる構成にしてある。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記吐出通路の途中にオリフィスが設けられ、前記流量制御弁のスプール弁がオリフィスの前後差圧によって作動して流量制御を司る構成にしてある。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記流量制御弁は、吐出ポートから吐出された作動油に浸漬されるように配置されている構成にしてある。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、前記流量制御弁の弁収容穴が、オイルポンプのポンプユニットを収容するポンプハウジングに形成され、このポンプハウジングがアルミニウム合金材料から形成されると共に、前記スプール弁が鉄系材料から形成されてなる構成にしてある。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、前記ポンプハウジングが、ポンプユニットを収容する凹部が形成されたハウジング部材と、このハウジング部材の凹部を覆うボディ部材とからなり、前記ボディ部材がアルミニウム合金材料から形成され、このボディ部材に弁収容穴が形成されてなる構成にしてある。
【0012】斯かる構成においては、前記オイルポンプがエンジン等によって回転駆動されることにより、オイルパン等の貯油タンク内の作動油が、吸入通路から吸入ポートを介して吸入され、オイルポンプ内で加圧された後、吐出ポートから吐出通路に吐出される。
【0013】前記吐出ポートから吐出通路に吐出される作動油は、流量制御弁による流量制御の下に、所定流量の作動油が変速機に導かれる一方、余剰油がオイルパン等に還流される。具体的には、前記吐出通路に流量制御弁が設けられて、この流量制御弁が弁収容穴内に摺動自在に収容されたスプール弁を備えており、スプール弁の作動によって、吐出通路から変速機に導かれる作動油の流量が所定流量に制御されると共に、余剰油がドレン通路を介してオイルパン等に還流される。
【0014】ここで、前記流量制御弁が弁収容穴内に摺動自在に収容されたスプール弁を備えており、弁収容穴がスプール弁よりも線膨張係数の大きい材料から形成されているから、流量制御弁が流量制御している状態、即ちオイルポンプの回転速度が高く、作動油が高温となって流量制御弁が余剰油をオイルパン等に還流する状態では、弁収容穴がスプール弁よりも大きく膨張して、弁収容穴とスプール弁との間の摺動隙間が大きくなる。このため、前記作動油の一部は摺動隙間を容易に通過することが可能となるから、スプール弁の作動が鈍化して流量制御弁の作動応答性(感度)が低下し、流量特性が安定化することになる。
【0015】したがって、オイルポンプの作動油が高温となった場合には流量制御弁の作動応答性を低下させ、流量特性を安定化させることが可能な変速機用オイルポンプ装置が得られる。
【0016】また、請求項2記載の発明によれば、前記吐出通路の途中にオリフィスが設けられ、前記流量制御弁のスプール弁がオリフィスの前後差圧によって作動して流量制御を司るようにしてあるから、弁収容穴とスプール弁との摺動隙間が増大するとスプール弁の作動を鈍化させることができる。
【0017】また、請求項3記載の発明によれば、前記流量制御弁は吐出ポートから吐出された作動油に浸漬されるように配置されているから、オイルポンプの回転が高回転となり、作動油が高温となって流量制御弁が余剰油をオイルパン等に還流する状態では、流量制御弁が作動油によって加熱される。このため、前記流量制御弁の弁収容穴とスプール弁との間の摺動隙間を増大させることが容易となる。
【0018】また、請求項4記載の発明によれば、前記流量制御弁の弁収容穴が、オイルポンプのポンプユニットを収容するポンプハウジングに形成され、このポンプハウジングがアルミニウム合金材料から形成されると共に、前記スプール弁が鉄系材料から形成されているから、作動油の高温時に弁収容穴とスプール弁との間の摺動隙間を大きくすることができると共に、オイルポンプの軽量化を図ることができる。
【0019】また、請求項5記載の発明によれば、前記ポンプハウジングが、ポンプユニットを収容する凹部が形成されたハウジング部材と、このハウジング部材の凹部を覆うボディ部材とからなり、前記ボディ部材がアルミニウム合金材料から形成され、このボディ部材に弁収容穴が形成されているから、ポンプユニットを収容するハウジング部材をアルミニウム合金よりも高強度の材料から形成することができ、効率よくオイルポンプの軽量化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳述する。
【0021】図1は本発明の実施の形態を示す変速機用オイルポンプ装置の説明図、図2は図1に示すオイルポンプの断面図で、図3のA−A線に沿って見た図面、図3は図2のA−A線断面図、図4は図1に示す流量制御弁の作動状態を、スプール弁がドレン通路を遮断した状態(a)、スプール弁がドレン通路を開口した状態(b)で示す断面図である。
【0022】図において、付番1で示されるのはオイルポンプで、このオイルポンプ1は、ポンプハウジング2に形成された凹部3内にポンプユニット4を収容して構成してあり、このポンプユニット4は、この実施の形態において環状の内歯歯車5とこの内歯歯車5に噛合う外歯歯車6とからなる内接歯車ポンプとなっている。
【0023】前記内歯歯車5に形成された内歯7及び外歯歯車6に形成された外歯8は、トロコイド曲線を基本とした高次関数曲線からなる歯型形状を有している。また、前記外歯歯車6の歯数は内歯歯車5の歯数よりも少なくしてあり、これによって、内歯歯車5と外歯歯車6とは回転中心が所定寸法eだけ相互に偏心した状態で、これら内歯歯車5と外歯歯車6との間に所定の噛合い隙間をもって回転するようになっている。
【0024】前記ポンプハウジング2は、凹部3が形成されたハウジング部材10と、このハウジング部材10に重ね合わせて配置され、凹部3を覆うボディ部材11とから構成してある。前記ハウジング部材10は、好ましくは鉄系材料から形成され、ボディ部材11はアルミニウム合金材料から形成してある。
【0025】また、前記ポンプハウジング2の凹部3には、吸入ポート12と吐出ポート13が形成してある。前記吸入ポート12は、内歯歯車5及び外歯歯車6の回転(図1の矢印方向への回転)に伴って、これら内歯歯車5の内歯7と外歯歯車6の外歯8との間の噛合い隙間が増加する吸入領域に臨んで形成してあり、吐出ポート13は同じく噛合い隙間が減少する吐出領域に臨んで形成してある。
【0026】前記吸入ポート12はポンプハウジング2(のボディ部材11)に形成した吸入通路16に連通しており、この吸入通路16は作動油の貯油タンク19に連通している。
【0027】一方、前記吐出ポート13はポンプハウジング2(のボディ部材11)に形成した吐出通路20に連通しており、この吐出通路20は流量制御弁24を介して変速機の作動油圧回路(図示せず)に連通している。
【0028】前記流量制御弁24は、ポンプハウジング2のボディ部材11に吐出通路20の一部を成す弁収容穴25を形成して、ドレン通路26を開口させると共に、この弁収容穴25内にドレン通路26を開閉制御するスプール弁27を摺動自在に収容して構成してある。即ち、前記弁収容穴25には、上流側(吐出ポート13側)の吐出通路20及び下流側(変速機の作動油圧回路側)の吐出通路20を開口させると共に、吸入通路16に連通するドレン通路26を開口させ、この弁収容穴25内に収容したスプール弁27の胴部でドレン通路26を開閉可能としてある。尚、前記ドレン通路26は、この実施の形態においては吸入通路16に連通しているけれども、貯油タンク19に直接連通させてもよく、或いは吸入ポート12に連通させてもよいものである。
【0029】前記弁収容穴25は、ポンプハウジング2のボディ部材11がアルミニウム合金材料から形成されているから、アルミニウム合金材料から形成されていることになる。また、前記弁収容穴25内に収容されるスプール弁27は鉄系材料から形成されている。
【0030】前記弁収容孔25に開口する吐出通路20は、上流側(吐出ポート13側)の吐出通路20が弁収容孔25の軸方向に開口しており、下流側(変速機の作動油圧回路側)の吐出通路20は弁収容穴25の半径方向に開口している。また、前記ドレン通路26は、弁収容孔25の軸方向長さの略中央位置に、半径方向に開口している。
【0031】前記弁収容孔25の開口端はプラグ28によって封止してある。前記プラグ28には軸方向の盲穴29及びこの盲穴29に連通する半径方向の貫通孔30が形成してあり、これら盲穴29及び貫通孔30を介して、弁収容孔25に開口する上流側の吐出通路20と下流側の吐出通路20が連通するようになっている。
【0032】前記スプール弁27は略有底筒状に形成され、胴部に半径方向の貫通孔31が複数個形成してあると共に、底部に軸方向に貫通するオリフィス32が形成してある。前記オリフィス32はスプール弁27が弁収容穴25内に収容された状態において吐出通路20内に設けられていることになるから、作動油がオリフィス32を通過するとき、このオリフィス32の前後に差圧を生じ、スプール弁27の一端側には上流側の吐出通路20の圧力が作用する一方、他端側には下流側の吐出通路20の圧力が作用することになる。
【0033】また、前記スプール弁27の他端側、即ちオリフィス32よりも下流側の吐出通路20の圧力が作用する側にはばね部材33が設けられ、このばね部材33のばね力がオリフィス32よりも下流側の吐出通路20の圧力に加担するようになっている。尚、この場合に、前記弁収容穴25の開口端を封止するフラグ28はばね部材33のばね受けを兼ねている。
【0034】これによって、前記スプール弁27は吐出通路20内に設けたオリフィス32の前後差圧と、ばね部材33のばね力との釣り合いによって弁収容穴25内を移動し、ドレン通路26を開閉制御することになる。
【0035】一方、前記ポンプハウジング2の略軸心位置にはステータシャフト35が設けられており、このステータシャフト35はボディ部材11に一体に形成され、外歯歯車6を貫通している(図2参照)。また、前記ステータシャフト35の外周側には中空状の駆動軸(図示せず)が配置されて外歯歯車6の内径側に挿入され、この図外の駆動軸によって外歯歯車6が回転駆動されるようになっている。
【0036】また、斯かる構成の変速機用ポンプ装置は、変速機(図示せず)内に組込まれた使用状態において、流量制御弁24が重力方向の下側に配置され、吐出ポート13から吐出された作動油に浸漬されるように配置される。
【0037】斯かる構成において、前記図外の駆動軸によって外歯歯車6が回転駆動され、この外歯歯車6に噛合う内歯歯車5が回転される。前記内歯歯車5及び外歯歯車6が回転することによって、貯油タンク19内の作動油が吸入通路16を介して吸入ポート12から吸入され、吐出ポート13から吐出通路20に吐出される。即ち、前記吸入ポート12が歯車5,6の回転に伴って噛合い隙間が増加する吸入領域に開口しており、吸入ポート12に導かれた作動油は吸入領域で吸入された後、噛合い隙間が減少する吐出領域に移送され、この吐出領域に開口する吐出ポート13から吐出通路20に吐出される。
【0038】前記吐出ポート13から吐出通路20に吐出される作動油は、流量制御弁24による流量制御の下に、所定流量の作動油が変速機の作動油圧回路(図示せず)に導かれる一方、余剰油がドレン通路26を介して吸入通路16に還流される。
【0039】即ち、前記内歯歯車5及び外歯歯車6の回転速度が小さく、吐出ポート13から吐出通路20に吐出される作動油の流量が所定流量以下の場合は、吐出通路20内に設けたオリフィス32の前後に生じる差圧は小さいから、流量制御弁24のスプール弁27に作用するばね部材33のばね力が勝り、スプール弁27はばね部材33のばね力によって付勢されてその胴部でドレン通路26を閉塞している(図4(a)参照)。このため、前記吐出ポート13から吐出通路20に吐出される作動油の全量が吐出通路20から変速機の作動油圧回路(図示せず)に導かれる。
【0040】一方、前記内歯歯車5及び外歯歯車6の回転速度が大きく、吐出ポート13から吐出通路20に吐出される作動油の流量が所定流量を超えた場合は、吐出通路20内に設けたオリフィス32の前後に生じる差圧が大きくなり、流量制御弁24のスプール弁27はばね部材33のばね力に抗して移動し、ドレン通路26を開口する。即ち、前記スプール弁27は、このスプール弁27に形成した貫通孔31をドレン通路26に連通させる(図4(b)参照)。このため、前記吐出ポート13から吐出通路20に吐出される作動油の一部が余剰油としてドレン通路26から吸入通路16に還流され、所定流量が変速機の作動油圧回路(図示せず)に導かれる。
【0041】ここで、前記流量制御弁24が弁収容穴25内に摺動自在に収容されたスプール弁27を備え、弁収容穴25がアルミニウム合金材料から形成され、スプール弁27が鉄系材料から形成されているから、即ち、弁収容穴25がスプール弁27よりも線膨張係数の大きい材料から形成されているから、オイルポンプ1の回転速度が高く、作動油が高温となって流量制御弁24が余剰油をドレン通路26に還流する状態では、弁収容穴25がスプール弁27よりも大きく膨張して、弁収容穴25とスプール弁27との間の摺動隙間が大きくなる。このため、前記作動油の一部は摺動隙間を容易に通過することが可能となるから、スプール弁27の作動が鈍化して流量制御弁24の作動応答性(感度)が低下し、流量特性が安定化することになる。
【0042】したがって、オイルポンプ1の作動油が高温となった場合には流量制御弁24の作動応答性を低下させ、流量特性を安定化させることが可能な変速機用オイルポンプ装置が得られる。
【0043】また、前記吐出通路20の途中にオリフィス32が設けられ、流量制御弁24のスプール弁27がオリフィス32の前後差圧によって作動して流量制御を司るようにしてあるから、弁収容穴25とスプール弁27との摺動隙間が増大するとスプール弁27の作動を鈍化させることができる。
【0044】また、前記流量制御弁24は、吐出ポート13から吐出された作動油に浸漬されるように配置されているから、オイルポンプ1の回転が高回転となり、作動油が高温となって流量制御弁24が余剰油を吸入通路16に還流する状態では、流量制御弁24が作動油によって加熱される。このため、前記流量制御弁24の弁収容穴25とスプール弁27との間の摺動隙間を増大させることが容易となる。
【0045】また、前記流量制御弁24の弁収容穴25が、オイルポンプ1のポンプユニット4を収容するポンプハウジング2に形成され、このポンプハウジング2がアルミニウム合金材料から形成されると共に、スプール弁27が鉄系材料から形成されているから、作動油の高温時に弁収容穴25とスプール弁27との間の摺動隙間を大きくすることができると共に、オイルポンプ1の軽量化を図ることができる。
【0046】また、前記ポンプハウジング2が、ポンプユニット4を収容する凹部3が形成されたハウジング部材10と、このハウジング部材10の凹部3を覆うボディ部材11とからなり、ボディ部材11がアルミニウム合金材料から形成され、このボディ部材11に弁収容穴25が形成されているから、ポンプユニット4を収容するハウジング部材10をアルミニウム合金よりも高強度の材料、例えば鉄系材料から形成することができ、効率よくオイルポンプ1の軽量化を図ることができる。
【0047】以上、実施の形態を図面に基づいて説明したが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記ポンプユニット4が所謂内接歯車ポンプである実施の形態について述べたが、これに限ることなく、各種形式のポンプユニットを備えた変速機用オイルポンプ装置に適用可能である。
【0048】また、前記流量制御弁24が、吐出通路20内に設けたオリフィス32の前後差圧に基づいて作動するスプール弁27を備えた実施の形態について述べたが、これに限ることなく、電磁コイル等で作動するスプール弁を備えた流量制御弁とすることも可能である。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、オイルポンプの作動油が高温となった場合には流量制御弁の作動応答性を低下させ、流量特性を安定化させることが可能な変速機用オイルポンプ装置が得られる。
【出願人】 【識別番号】000167406
【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100083954
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 輝夫
【公開番号】 特開2001−182667(P2001−182667A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−370103