| 【発明の名称】 |
深層水回収装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】丸木 英明
【氏名】山口 久雄
【氏名】樽谷 耕平
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| 【要約】 |
【課題】深層水回収装置において、コストの低減と個々のブイの小型化とブイの最適な組合せを図ることにある。
【解決手段】海洋の深層水を取水管を通して汲み上げるポンプと、このポンプを駆動する機能を備えたポンプ機能部のブイと、深層水を利用するための利用機能部のブイに分け、これらを連結機構により機械的あるいは機械及び電気的に接続する構成とし、前記利用機能部のブイは、少なくとも貯水タンクブイを有し、この貯水タンクブイに前記ポンプ機能部のブイで汲上げた深層水を給水手段により送水されるようにしたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 海洋の深層水を取水管を通して汲み上げるポンプと、このポンプを駆動する機能を備えたポンプ機能部を有するブイと、深層水を目的に応じて利用又は活用するための利用機能部を有するブイに分け、これらを連結機構により機械的あるいは機械及び電気的に接続する構成とし、前記利用機能部を有するブイは、少なくとも貯水タンクブイを有し、この貯水タンクブイに前記ポンプ機能部を有するブイで汲上げた深層水を給水手段により送水されることを特徴とする深層水回収装置。 【請求項2】 請求項1記載の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイに、利用機能部を有するブイとして設けられたポンプを駆動するためのエネルギー源となる発電機能を有するブイを連結機構により連結して電力の供給を受けるようにしたことを特徴とする深層水回収装置。 【請求項3】 請求項1記載の深層水回収装置において、ブイ間を連結する連結機構は、一定の波力に対しては柔軟に変形し、過大な波力あるいは潮流による位置移動力が加わると折損する連結部材で構成された結合部を有することを特徴とする深層水回収装置。 【請求項4】 請求項1記載の深層水回収装置において、前記利用機能部を有するブイは、複数の貯水タンクブイを有し、各貯水タンクブイ間を伸縮自在な連結管により連結して深層水を送水可能にしたことを特徴とする深層水回収装置。 【請求項5】 請求項1記載の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイと利用機能部を有する複数のブイとを連結するための連結座を各ブイの周方向に一定の間隔で設け、各ブイの任意の取付座に連結機構を規則的に連結するとともに、アンカー係留金具を取付けるようにしたことを特徴とする深層水回収装置。 【請求項6】 請求項1記載の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイに洋上で搭載機器の姿勢を水平に保つ姿勢保持装置を搭載し、この姿勢保持装置は、ブイ浮力部材を有する本体と、機器装置が搭載され且つ前記本体に三次元的に可動自在に接続されたプラットフォームと、このプラットフォームの下部に取付けられ、波あるいはうねりによるブイの姿勢変化の影響を受けることなく常に水平状態に前記プラットフォームを保持させる錘または回転錘とから構成されたことを特徴とする深層水回収装置。 【請求項7】 請求項6記載の深層水回収装置において、ブイ浮力部材は緩衝材であることを特徴とする深層水回収装置。 【請求項8】 請求項1記載の深層水回収装置において、利用機能部を有する貯水タンクブイとして、深層水を貯水する容器と係留具とを有し、貯水を詰め替えることなく曳航あるいは航行自在にして、洋上から港まで輸送可能にしたことを特徴とする深層水回収装置。 【請求項9】 請求項1又は請求項6記載の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイに監視装置あるいはデータ収集装置の少なくとも一方及び制御装置を搭載し、この監視装置あるいはデータ収集装置の少なくとも一方により異常気象が予測されると、前記制御装置からの指示により各ブイ間を連結する連結機構を遠隔操作あるいは手動により開放するようにしたことを特徴とする深層水回収装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば深層水を海底から洋上へ汲み上げて、金属回収や地上側へ深層水を移送するための機能を搭載し且つ海洋上に浮遊するブイを用いた深層水回収装置に関する。 【0002】 【従来の技術】最近、エネルギー資源として海洋深層水を利用又は活用して、金属回収や食品加工、医療品や化粧品の製造、さらには冷熱を利用した冷却システムの開発等に大きな期待が寄せられている。 【0003】ここで、上記海洋深層水とは、水深が200m以下の深さで水温が急に冷たくなっている層の海水である。従って、この海洋深層水を利用又は活用するにあたっては、深層水を洋上に汲上げて貯水する必要がある。 【0004】ところで、従来の洋上型深層水回収装置は、一つブイに深層水の汲上げから貯水、供給、金属回収等すべての機能を持たせて構成される場合が多い。 【0005】また、深層水回収装置は、風、太陽光、うねりや波等のエネルギー密度の低い自然エネルギーを利用した発電やポンプが利用されるため、エネルギーの吸収に必要な面や容積を広く取る必要があった。 【0006】さらに、深層水回収装置は、一体型の貯水槽に貯められる貯水量が少ないため、所定の貯水量を超えた深層水は海上へ放出しなければならず、貯水槽を大きくするとブイ全体が大型化する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このように従来の深層水回収装置では、一つのブイと一体型の貯水槽のため、汲み上げた深層水を貯える貯水量に限度があり、生産性を向上させるためには設備容量の大型化が必要となる。 【0008】しかし、設備容量を大型化するには、構造、コスト及び航路の制限などから限界がある。 【0009】従って、船による回収頻度が少なく、多くの場合はせっかく汲み上げた深層水を洋上へたれ流さざるを得ない状況であり、またすべての機能を一つのブイに搭載することはブイの大型化につながるため、構造設備上からも限界があり、設置場所の制限やコスト高などの問題がある。 【0010】一方、深層水の利用分野は、多岐に渡り、今後確立する利用技術もあることから、多用な利用機能を目的に応じて組合せる必要性が生じている。 【0011】また、自然力を利用した発電やポンプは、気象や波などの影響によりブイの姿勢変化や発電効率上の適用が制約されるという問題等があった。 【0012】本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、深層水を汲み上げる機能と深層水を利用する機能とを分離した複数のブイを目的に応じ組合せて構成することにより、コストの低減と個々のブイの小型化、環境に合せた姿勢保持及び発電やポンプ技術を組合せて最適化を図るようにした深層水回収装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により深層水回収装置を構成する。 【0014】請求項1に対応する発明は、海洋の深層水を取水管を通して汲み上げるポンプと、このポンプを駆動する機能を備えたポンプ機能部を有するブイと、深層水を目的に応じて利用又は活用するための利用機能部を有するブイに分け、これらを連結機構により機械的あるいは機械及び電気的に接続する構成とし、前記利用機能部を有するブイは、少なくとも貯水タンクブイを有し、この貯水タンクブイに前記ポンプ機能部を有するブイで汲上げた深層水を給水手段により送水されるものである。 【0015】請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイに、利用機能部を有するブイとして設けられたポンプを駆動するためのエネルギー源となる発電機能を有するブイを連結機構により連結して電力の供給を受けるようにしたものである。 【0016】請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する発明の深層水回収装置において、ブイ間を連結する連結機構は、一定の波力に対しては柔軟に変形し、過大な波力が加わると折損する連結部材で構成された結合部を有するものである。 【0017】請求項4に対応する発明は、請求項1に対応する発明の深層水回収装置において、前記利用機能部を有するブイは、複数の貯水タンクブイを有し、各貯水タンクブイ間を伸縮自在な連結管により連結して深層水を送水可能にしたものである。 【0018】請求項5に対応する発明は、請求項1に対応する発明の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイと利用機能部を有する複数のブイとを連結するための連結座を各ブイの周方向に一定の間隔で設け、各ブイの任意の取付座に連結機構を規則的に連結するとともに、アンカー係留金具を取付けるようにしたものである。 【0019】請求項6に対応する発明は、請求項1に対応する発明の深層水回収装置において、ポンプ機能部を有するブイに洋上で搭載機器の姿勢を水平に保つ姿勢保持装置を搭載し、この姿勢保持装置は、ブイ浮力部材を有する本体と、機器装置が搭載され且つ前記本体に三次元的に可動自在に接続されたプラットフォームと、このプラットフォームの下部に取付けられ、波あるいはうねりによるブイの姿勢変化の影響を受けることなく常に水平状態に前記プラットフォームを保持させる錘または回転錘とから構成されたものである。 【0020】請求項7に対応する発明は、請求項6に対応する発明の深層水回収装置において、ブイ浮力部材は緩衝材としたものである。 【0021】請求項8に対応する発明は、請求項1に対応する発明の深層水回収装置において、利用機能部を有する貯水タンクブイとして、深層水を貯水する容器と係留具とを有し、貯水を詰め替えることなく曳航あるいは航行自在にして、洋上から港まで輸送可能にしたものである。 【0022】請求項9に対応する発明は、請求項1又は請求項6に対応する発明の深層水回収装置において、ポンプ機能部のブイに監視装置あるいはデータ収集装置の少なくとも一方及び制御装置を搭載し、この監視装置あるいはデータ収集装置の少なくとも一方により異常気象が予測されると、前記制御装置からの指示により各ブイ間を連結する連結機構を遠隔操作あるいは手動により開放し、ブイ同士の衝突による損傷を防止するようにしたものである。 【0023】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0024】図1は本発明による深層水回収装置の第1の実施の形態を示す基本構成図である。 【0025】図1において、深層水回収装置1は、大きく分けてポンプ機能部2を有するブイ(以下単にポンプ機能ブイ2と呼ぶ)と利用機能部3を有するブイ(以下単に利用機能ブイ3と呼ぶ)群との2種類のブイにより構成され、これらポンプ機能ブイ2と利用機能ブイ3群とは、連結機構4により機械的にあるいは機械及び電気的に接続され、ポンプ機能ブイ2からの深層水を給水装置7を介して供給する構成としてある。 【0026】ポンプ機能ブイ2は、容器と一体になった浮力体12を本体とし、この浮力体12にポンプ5と、給水装置7、取水管6、位置保持装置8、発電装置9、電源部10、制御装置11、灯13、取付座17等より構成されている。 【0027】ここで、上記ポンプ5には、給水装置7と海底へ延ばした取水管6とが接続されている。位置保持装置8はアンカーなどによる係留での位置を保持するものである。また、電源部10は、発電装置9からの電気を蓄電すると共に、ポンプ5、制御装置11、灯13へ電気を供給するものである。さらに、制御装置11は、ポンプ5や発電装置9を制御する機能を有している。 【0028】また、利用機能ブイ3は、容器と一体となった浮力体12を本体とし、この浮力体12にポンプ機能ブイ2のポンプ5から給水装置7を介して給水される深層水利用機能である貯水タンク31のみ、又はこの貯水タンク31と金属回収装置32、海洋牧場装置(養魚場)33、データ収集装置34、実験装置35、魚食品加工プラント36、エネルギー供給プラント37等の少なくとも一つの機能とを搭載したブイ単独または組合せで構成されている。 【0029】ここで、金属回収装置32は、貯水タンク31に貯められた深層水からある特定の希少金属を吸着や分離等により回収するものである。海洋牧場装置(養魚場)33は、栄養豊かな深層水の供給を受け、魚網内の魚に栄養を補給して養殖するものである。データ収集装置34は海洋観測、気象、深層水などのデータを収集してこれらの分析やプラント運用データの記録等を行うものである。食品加工プラント36は、深層水や塩等食品としての加工を行うものである。エネルギー供給発電プラント37は、波浪や太陽光など自然エネルギーで発電した電気を蓄えて電気を必要とするブイに給電するものである。 【0030】一方、ポンプ機能ブイ2と利用機能ブイ3群とは、各々の浮力体12の周方向に一定の間隔を存して設けられた取付座17に連結機構4あるいはケーブル無しの連結機構4´を挿入することで連結される。この場合、各ブイの連結配置は、設置環境の流れや波などの条件を考慮し、最適な位置の取付座17に組み合わせられる。 【0031】図2は、図1に示すポンプ機能ブイ2と、利用機能ブイ3群として3つの貯水タンク31、データ収集装置34及びエネルギー発電プラント37とをケーブル付の連結機構4あるいはケーブル無しの連結機構4´により連結した構成の外観を示す図である。なお、図2においては、利用機能部3の各ブイの周面に緩衝材30を巻付けたものを対象に示してある。 【0032】図2において、貯水タンク31aは、ポンプ機能ブイ2から三次元位置補正の自由度及びバネなどによる姿勢保持機能を有した給水装置7により深層水が供給され、さらにこの貯水タンク31aから貯水タンク31b、貯水タンク31cへは伸縮自在な連結菅64を通して深層水を順次送水することで貯水される。 【0033】また、エネルギー供給発電プラント37は、風車とソーラのハイブリット発電機38にて発電した電気をケーブル付き連結機構4を介してポンプ機能ブイ2へ供給する。 【0034】さらに、データ収集装置34は、ポンプ機能ブイ2とケーブル付の連結機構4を介して連結されている。 【0035】従って、このような連結構成のポンプ機能ブイ2と利用機能ブイ3群とすれば、波やうねりによるブイ間の距離や姿勢のズレの影響を受けることがない。 【0036】ここで、各機能ブイ間を連結する連結機構の構成について図3(a)〜(c)により説明する。 【0037】図3(a)に示すようにそれぞれのブイに設けられた取付座17のコネクタ受溝に合せてケーブル付きの連結機構4の両端に有する防水構造のプラグ4aを嵌込み、コネクタ受溝の上部壁面に設けられたキー差込み穴18に抜け止めキー19を差込むだけで簡単に連結可能な構造になっている。 【0038】上記プラグ4aは、図3(b)に示すように中心部に電気的に接続するためのコネクタ4bが存し、その外周部に防水のためのOリング4cを介して機械的な結合をするためのプラグ本体4dが設けられた構造のものである。 【0039】また、プラグ本体4dに取付けられる連結ロット4eは、運用海域の条件に合せた強度のものが選定され、波やうねりによる伸縮や曲げに柔軟で復元力のあるファイバー複合材や樹脂材あるいは金属材を用いて、一定の伸縮や曲げに対して柔軟な構成にしてある。しかし、台風や異常高波など過大な力を受けた時には連結ロット4eが折損する恐れがあるため、図3(c)に示すようにブイ間を連結するプラグ4aをケーブル16により接続しておくことにより、ブイ間の衝突を防止できると共に、連結ロット4eが折れてブイが衝突しない距離まで離れてもケーブル16により回収することができる。 【0040】上記ではプラグ方式の連結機構によりブイ相互間を連結する場合について述べたが、ジョイント方式の連結機構や波に対して柔軟なロープ材による連結機構を用いても良い。 【0041】図4はかかる連結機構の構成例を示す斜視図である。 【0042】図4に示すように連結ジョイント40は、ブイ側に旋回自在に取付けられる取付部材41と連結棒43とをピンジョイント44により首振り自在に取付け、他端を伸縮自在な伸縮機構45を介してもう一方のブイに取付け可能にして、三次元的なうねりや波の影響を吸収する構造としたものである。 【0043】この場合、ブイ30側には自動連結器46が設けられ、図1に示す制御装置11からの指示により、遠隔自動操作または手動制御で連結ピン47を上下動させることにより、連結ジョイントとの連結開放作業を行えるようになっている。 【0044】図5は、図1に示すポンプ機能ブイ2と、利用機能ブイ3群として連結機構4´を介して連結された2連の曳航貯水ブイ60a,60b及び金属回収装置32を連結機構4´を介して連結した曳航貯水ブイの構成例を示す斜視図である。 【0045】図5において、ポンプ機能ブイ2に連結機構4´を介して2連の曳航貯水ブイ60a,60bを連結しており、この曳航貯水ブイ60a,60bは連結管64にて深層水を送る構成となっている。 【0046】この曳航貯水ブイ60a,60bは、浮力を有し、マンホール65より深層水を注入できる容器61と、この容器61を係留及び連結するための取付座17bと、電気的あるいは機械的に接続するコネクタ63を有しており、必要に応じてソーラパネル62や深層水移送ポンプ(図示せず)が設けられる。 【0047】また、曳航船71には曳航貯水ブイ60bが牽引棒66を介して連結されている。 【0048】なお、67は曳航貯水ブイ60a,60bに接続されたアンカーであり、また68はマーカブイである。 【0049】従って、ポンプ機能ブイ2に利用機能ブイ3として曳航貯水ブイ60a,60bを連結しておくことにより、空の曳航機能ブイとの入替えや、深層水を貯水した曳航貯水ブイごと曳航輸送することが可能となり、積み替えの作業が省略でき、必要に応じて曳航貯水ブイを連結することで容量を大型化できるため、回収頻度も削減できる。 【0050】また、アンカー67を用いて深層水を海上備蓄し、必要な時期に曳航輸送することにより安定的に深層水を供給することができる。 【0051】さらに、曳航貯水ブイ60は必要に応じて連結やソーラパネル62や深層水移送ポンプ(図示せず)を追加した構成とすることにより、自立航行や位置の維持制御などの機能を付加することができる。 【0052】このように本発明の第1の実施の形態では、ポンプ機ブイ2と利用機能ブイ3とに分け、且つ利用機能3を目的や用途に応じて分散したブイを適宜組合せ接続する構成としたので、ブイの小型化とコストを削減できるとともに、汲上げた深層水を無駄なく利用運搬することができ、希薄な自然力のエネルギーであっても複数の発電装置を設置することで、広い範囲で得ることができる。 【0053】図6は本発明による深層水回収装置の第2の実施の形態を示す基本構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。 【0054】第2の実施の形態では、図6に示すようにプンプ機能ブイ2に図1の基本機能に加えて、位置保持装置8´、監視装置14、人工衛星101(GPS)からの電波を検出するアンテナ15、姿勢保持装置20と利用機能ブイ3との間を接続する連絡ケーブル16を追加搭載し、各利用機能ブイ3には緩衝材30を巻き付けた構成とするものである。 【0055】ここで、上記位置保持装置8´は、図1の位置保持装置8がアンカーなどによる係留での位置を保持しているのに対して、推進機8a、操舵機構8bを用いて自らGPS101による位置認識データなどを基に、能動的に位置補正を行う機能を有している。 【0056】また、監視装置14は、アンテナ15を介してGPSによる位置認識や、運用状況、深層水、海洋測定データの通信及び運用監視を行うとともに、制御装置11へ制御に必要な情報提供と外界からの制御指令を伝える機能を有している。 【0057】さらに、姿勢保持装置20は、詳細を後述する例えば図7に示すような機械的な姿勢保持装置が使用され、監視装置14による傾き、波やうねりの測定データや予測の姿勢を基に、制御装置11が駆動機構などを用いて能動的にプラットフォームの姿勢25が水平になるようにしたものである。 【0058】なお、取付座17は、図4に示すジョイント式の連結機構4に対して自動連結器46を制御装置11の指示により自動又は手動で連結ピン47を上下させ、連結開放作業の遠隔操作や自動化を図るようにしてある。 【0059】図7は、姿勢保持装置20の構造を示す断面図である。 【0060】図7(a)において、21は浮力体12に一体的に取付けられた外胴21で、この外胴21の上下部の開口部には蛇腹状のカバー29が設けられている。 【0061】また、25は外胴21内に水平に設けられたプラットフォームで、このプラットフォーム25の下部にはバランス錘24を有し、上面には外胴21の上部カバー26を液密に貫通させた菅体を介して給水装置7、風車8、アンテナ15等の必要な機能機器が搭載されている。 【0062】このプラットフォーム25の上面の外周側には、同図(b)に示すように120度の間隔を存して3個の玉受け28が取付金具26によりそれぞれ取付けられ、これら3点の玉受け28は外胴21の内面に接し、波やうねりにより浮力体12の姿勢が変化しても、プラットフォーム25を水平に保つように転動できるようになっている。 【0063】さらに、上記バランス錘24にはポンプ貯蔵部が上記管体に連通させて取付けられ、このポンプ貯蔵部5aには取水管6が連結されている。 【0064】従って、このような構成の姿勢保持装置20にあっては、プラットフォーム25が下部のバランス錘24により玉受け28が外胴21の内面を転動して機械的に水平に保つ構造となっているので、アンテナや風車などの姿勢が波やうねりで変わることがない。 【0065】なお、上記構成のジャイロ姿勢保持装置20において、能動的な姿勢保持装置とする場合には、監視装置14、データ収集装置34のブイなどからのデータを基に制御装置11により、取付金具26に電導駆動で玉受け28を駆動して姿勢を変えることで水平に保つことができる。 【0066】図8は、ジャイロ姿勢保持装置20´の構造を示す断面図である。 【0067】図8(a)において、29aは外周面に緩衝材30を巻付けた浮力体12の中央に有する穴部の周面に取付けられたカバー、25aはこのカバー29aの内側に水平に設けられた上下半部に分離可能な卵形のプラットフォームで、このプラットフォーム25aの下半部の底部には同図(b)に示すようにバランス錘24aを有し、上下半部の接合部がリング22に一対の取付けピン23により首振自在に取付けられ、さらに90度ずれたリング22の位置が一対のリング取付座121を介してカバー29aの内周面に回動自在に取付けられる。 【0068】また、プラットフォーム25aの上半部の頂部には管体を介して給水装置7、風車8、アンテナ15等の必要な機能機器が搭載されている。さらに、プラットフォーム25aに内蔵された図示しないポンプの吐出口に上記管体を介して給水装置7が接続され、プラットフォーム25aの下半部の真下に連結された取水管6がポンプの吸込口に接続されている。 【0069】従って、このような構成のジャイロ姿勢保持装置20´にあっては、プラットフォーム25aがリング22を介して首振り自在に且つ90度異なる位置のリング22がカバー29aを介して浮力体12に回動自在に取付けることで、ジャイロと同様にプラットフォーム25aの姿勢を常時水平に保持することができる。 【0070】なお、バランス錘24aを中空で給水管を通して周方向に回転させる機構を設けて、ジャイロ効果の安定性を図るようにしてもよい。 【0071】また、上記構成のジャイロ姿勢保持装置20´において、能動的な姿勢保持装置とする場合には、監視装置14、データ収集装置34のブイなどからのデータを基に制御装置11により取付けピン23とリング22の取付座121に設けられた駆動機構を制御してリングの姿勢を変えることで水平に保つことができる。 【0072】図9は、水撃ポンプ5aをジャイロ姿勢保持装置20´に組込んだ場合の構造を示す断面図で、図8と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。 【0073】図9において、ジャイロ姿勢保持装置20´のプラットフォーム25a内に水平板59を配設し、この水平板59に水撃ポンプ5aが搭載される。 【0074】この水撃ポンプ5aは、導管内を流れる水を急激に堰き止めると管内に瞬間的な圧力上昇が起き、この水撃を利用して高所へ揚水するポンプであり、その構成は圧力タンク51と、この圧力タンク51の下部に接続された弁室55と、この弁室55の一側方につながる入力管53及び他側方につながる排水口57と、圧力タンク51と弁室55との連通部に取付けられた揚水弁54と、弁室55と排水口57間に設けられた排水弁57とを備え、前記入力管53には水源容器58を介して取水管6が接続され、また揚水菅52には給水装置7が接続される。 【0075】このような構成の水撃ポンプ5aにおいて、深層水は取水管6から水源容器58を経て入力管53から落差のある弁室55へ流れ、圧力タンク51の圧力と揚水弁54および排水弁56とをサイクル動作させることにより、深層水を汲上げて揚水管52を通して給水装置7へ送り出す。 【0076】このような水撃ポンプ5aをジャイロ姿勢保持装置20´に組込むことで、姿勢を水平に保ち、波やうねりの影響による入力管53からの空気の混入や排水管57の水没による排水不良を防止することができる。 【0077】図10は、図6に示すポンプ機能ブイ2と、利用機能ブイ3群として貯水タンク31、金属回収装置32、海洋牧場装置33、データ収集装置34、食品加工プラント36及びエネルギー発電プラント37とを組合せて構成した海上プラントの外観を示す図である。 【0078】この場合、上記海上プラントの各部相互間は、連結部材400により連結されているが、これら各連結部材400は、アンカー67と組合せて各ブイとの距離を保ち、バランス良く洋上に保持するため、ワイヤ又はロットで張力が調整できる構造になっている。また、海上牧場装置33と食品加工プラント36との間を材料供給パイプライン361で接続し、海上牧場装置33から食品加工プラント36に材料の供給が行えるようにしている。 【0079】ここで、貯水タンク31のブイは、深層水を貯水するとともに、必要な時期に必要な量を目的のブイへ供する役目を担っている。 【0080】上記金属回収装置32は、金属回収フィルター321と排水口322とが設けられ、ポンプ機能ブイ2より深層水の供給を受け、深層水からある特定の希少金属を吸着や分離などの方式により、カセット式容器である金属回収フィルター321にて簡単に回収し、新しい金属回収フィルターを交換できるようになっている。 【0081】上記海上牧場装置33は魚網331、放水口332、餌付け口333、集魚灯334、魚網331に取付けられたブイ335を備えている。 【0082】上記データ収集装置34は、センサユニット341が備えられ、海洋観測、気象、深層水などのデータ収集、分析、記録とプラント運用データの収集記録などの機能を有している。 【0083】上記食品加工プラント36は着脱容器72が備えられ、深層水や塩など食品としての加工を行い、製品はパッケージして荷積をした着脱容器72にて、まとめて回収船へ引き渡すことができる。 【0084】上記エネルギー供給プラント37は、波浪エネルギー発電ユニット371を備え、波浪エネルギーで発電した電気を蓄えたり、ポンプ機能2のブイを組合せ接続することで、柔軟に対応することができる。 【0085】このように本発明の第2の実施の形態では、ポンプ機能ブイ2と利用機能ブイ3とに分け、且つ利用機能ブイ3を目的や用途に応じて分散したブイを適宜組合せ接続して海洋プラントを構成することにより、ブイの小型化とコストを削減できるとともに、汲上げた深層水を無駄なく利用運搬することができ、希薄な自然力のエネルギーであっても複数の発電装置を設置することで、広い範囲で電力を得ることができる。 【0086】なお、本発明は、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、以下のような構成としても同様に実施できるものである。 【0087】(1)連結機構4は、ブイ間の連結だけでなく、深層水の給水、通信、給電の機能をすべて備えたものであってもよい。 【0088】(2)位置保持装置8は、複数あるいは各ブイ毎に有するものであってもよい。 【0089】(3)位置保持装置8´、アンカーを有せず、GPS機能との組合せで位置を認識し、自律航行により位置補正を行うことにより、常に同じ位置に漂流させることもできる。 【0090】(4)各利用機能ブイは、異常時に連結機構が離れて流されても、発信器など無線信号を発信することにより、位置を把握できる構成としてもよい。 【0091】(5)発電装置を有さず、充電したバッテリーなどを利用する電源部であってもよい。 【0092】(6)ポンプ5及び取水管6は、複数台有する構成でもよい。 【0093】(7)姿勢保持装置20は、バランス錘24をコマ状に回転させることにより、ジャイロ効果で姿勢保持を図る構造としてもよい。 【0094】 【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、深層水を汲み上げる機能と深層水を利用する機能とに分離した複数のブイを利用目的に応じ組合せることで、コストの低減と個々のブイの小型化、環境に合せた姿勢保持及び発電やポンプ技術の組合せによる適用性の向上を図ることができる深層水回収装置を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000221018 【氏名又は名称】東芝エンジニアリング株式会社 【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年12月24日(1999.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−182663(P2001−182663A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−368350 |
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