| 【発明の名称】 |
圧電ダイヤフラムポンプ及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】正木 康史
【氏名】谷 道彦
【氏名】田中 健一郎
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| 【要約】 |
【課題】流体圧がかかった際に筐体の変形(膨らみ)及びタップが切られている部分の破壊を防止して、流体漏れを防止する。接着剤を用いずに気密性の向上を図る。
【解決手段】圧電素子2aからなるダイヤフラム2と、吸入側の流路22と吐出側の流路21とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブ3と、ダイヤフラム2と一方の筐体10との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラム2の屈曲運動により流体が吸入側の流路22からポンプ室を経て吐出側の流路21へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプ1である。上下の筐体に挿通するネジ部材5と、ネジ部材5に螺合して上下の筐体同士を互いに締め付ける締付ナット6とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプであって、上下の筐体に挿通するネジ部材と、ネジ部材に螺合して上下の筐体同士を互いに締め付ける締付ナットとを備えていることを特徴とする圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項2】 筐体のダイヤフラムとの接合面の外周部に周壁部を突設し、周壁部の内側にダイヤフラムを収納してなることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項3】 上部の筐体又は下部の筐体の少なくとも一方に、金属補強板を積層配置したことを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項4】 上下の筐体の外周面に巻き付けられて筐体を締め付けるための締結バンドを備えていることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項5】 筐体が金属からなることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項6】 上下の筐体の少なくとも一方を、樹脂中にグラスファイバーを挿通した複合材で構成したことを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項7】 上部の筐体と下部の筐体との接合面のいずれか一方に凸部、他方に該凸部に嵌合する凹部を設けてなることを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項8】 凸部と凹部との嵌合面における立ち上がり面が、凸部と凹部の嵌合方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項7記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項9】 ダイヤフラムと対向しない下部の筐体に吸入側及び吐出側の各流路を形成すると共に、下部の筐体の大きさをダイヤフラムと対向する上部の筐体よりも小さくしたことを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。 【請求項10】 圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプの製造方法であって、少なくともダイヤフラムに接合される筐体が金属からなり、この金属からなる筐体のダイヤフラムとの接合面に絶縁膜を形成すると共に、上下の筐体にネジ部材を挿通して、ネジ部材に螺合した締付ナットを締め付けることにより上下の筐体同士をネジ締めすることを特徴とする圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項11】 圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプの製造方法であって、少なくともダイヤフラムに接合される筐体が金属からなり、ダイヤフラムの筐体との接合面に絶縁膜を形成すると共に、上下の筐体にネジ部材を挿通して、ネジ部材に螺合した締付ナットを締め付けることにより上下の筐体同士をネジ締めすることを特徴とする圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項12】 筐体におけるダイヤフラムとの接合面に酸化層を形成したことを特徴とする請求項10又は請求項11記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項13】 ダイヤフラムにおける筐体との接合面に酸化層を形成したことを特徴とする請求項10又は請求項11記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項14】 圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプの製造方法であって、上下の筐体が樹脂からなり、下部の筐体と上部の筐体とを熱による樹脂溶着にて接合することを特徴とする圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項15】 いずれか一方の筐体に突起部を設け、該突起部をいずれか他方の筐体に溶着させて上下の筐体を接合することを特徴とする請求項14記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項16】 少なくとも流路に沿った樹脂部分を熱により溶着して接合することを特徴とする請求項14記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項17】 上部の筐体と下部の筐体との接合面のいずれか一方に凸部、他方に該凸部に嵌合する凹部を設け、凸部と凹部との嵌合面における立ち上がり面を熱による樹脂溶着にて接合することを特徴とする請求項14記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項18】 上下の筐体のいずれか一方が溶着用レーザーの波長を吸収する材質、他方が透過する材質からなり、溶着用レーザーを用いて上下の筐体が溶着されてなることを特徴とする請求項15又は請求項16又は請求項17記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項19】 溶着用レーザーは、高ピークのパルス発振レーザーであることを特徴とする請求項18記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項20】 流体の逆流を防止する膜状バルブとして、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルムを用いることを特徴とする請求項18又は請求項19記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。 【請求項21】 樹脂フィルムの溶着部分に、レーザー光を吸収する熱可塑性樹脂を配置したことを特徴とする請求項20記載の圧電ダイヤフラムポンプの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧電ダイヤフラムポンプ及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、血圧計の駆動源などに用いられるダイヤフラムポンプ1′として、例えば図35〜図38に示すように、圧電素子からなるダイヤフラム2と、流路21,22、バルブ台座部26、ザグリ部27等が形成された上下の筐体10,20と、流体の逆流を防止するための膜状バルブ3とを備えており、ダイヤフラム2の屈曲運動により流体が吸入側の流路22から吸入側のバルブ部3cを経てポンプ室4に導入され、さらにポンプ室4から吐出側のバルブ部3bを経て吐出側の流路21へ排出されるように構成されたものが知られている。図中の13はポンプ室4に連絡する連絡孔である。 【0003】上記ダイヤフラム2の動作の一例を図38、図39に示す。図38(a)は大気吸入状態を示し、図38(b)は大気吐出状態を示している。大気吸入状態では、ダイヤフラム2が膨らむことにより、大気が吸入側のバルブ部3cを押し上げると同時に吐出側のバルブ部3bが閉じられた状態(図39(a)(c)の状態)となり、ポンプ室4に大気が充満する。その後、ダイヤフラム2が圧縮されると、吸入側のバルブ部3cが閉じられると同時に圧縮された大気が吐出側のバルブ部3bを開いて吐出される(図39(b)(d)の状態)。このとき、ポンプ流量は、吐出側の圧力が低い時はダイヤフラム2がポンプ室4を押した分だけ吐出されるが、吐出側の圧力が上昇するに従い、ポンプ室4が膨らんだ時と圧縮した時のポンプ室4の体積変化による大気の圧力増加と吐出側の圧力との差圧によって決定される。またポンプ圧力(飽和圧力)は、ダイヤフラム2が膨らんだ時と圧縮した時のポンプ室4の体積変化による大気の圧力増加が吐出側の圧力と等しくなった時に流量はゼロになり、圧力が飽和した状態になる。 【0004】上記のダイヤフラムポンプ1′を製造するにあたって、従来では、図36に示すように、流路21,22、バルブ台座部26、ザグリ部27等が形成された上下の筐体10,20を、膜状バルブ3を介して接着剤80で接合し、その後、上部の筐体10上にダイヤフラム2を搭載するようにしていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のように接着剤80で筐体10,20を接合する方法では、図40に示すように、筐体10,20の表面粗さ或いはウネリ等が原因で、接合後の気密性を確保することが困難となる。殊に、エアー圧がかかった際には、図41(b)に示すように、筐体10,20が変形して(膨らんで)、図41(c)の矢印ニで示すように、エアー漏れが生じるという問題があった。 【0006】本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、上下の筐体間に流体圧がかかったときでも上下の筐体の変形(膨らみ)を防止できると共に、タップが切られている部分の破壊を防止でき、接着剤を用いずに流体漏れを防いで気密性を向上させることができる圧電ダイヤフラムポンプ及びその製造方法を提供するにあり、別の目的とするところは、筐体とダイヤフラム間を容易に絶縁できる圧電ダイヤフラムポンプ及びその製造方法を提供するにあり、さらに別の目的とするところは、レーザー溶着により上下の筐体を隙間なく接合できると共に、より微細な接合が可能となり、さらに上下の筐体の両面からのレーザー溶着を可能にして均一且つ強固な接合状態を得ることができる圧電ダイヤフラムポンプ及びその製造方法を提供するにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1の発明は、圧電素子2aからなるダイヤフラム2と、吸入側の流路22と吐出側の流路21とが形成された上下の筐体10,20と、流体の逆流を防止するための膜状バルブ3と、ダイヤフラム2と一方の筐体10との間に形成されるポンプ室4とを備え、ダイヤフラム2の屈曲運動により流体が吸入側のバルブ部3cを経てポンプ室4に導入され、さらにポンプ室4から吐出側のバルブ部3bを経て吐出側の流路21へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプ1であって、上下の筐体10,20に挿通するネジ部材5と、ネジ部材5に螺合して上下の筐体10,20同士を互いに締め付ける締付ナット6とを備えていることを特徴としており、このように構成することで、締付ナット6をネジ部材5に締め付けることで、上下の筐体10,20間の気密性を保持することができ、筐体10,20に対して流体圧がかかったときでも筐体10,20の変形(膨らみ)を防止でき、接着剤を用いずに流体漏れを防いで気密性を向上させることができる。 【0008】また請求項2の発明は、請求項1において、筐体10のダイヤフラム2との接合面10aの外周部に周壁部11aを突設し、周壁部11aの内側にダイヤフラム2を収納してなるのが好ましく、この場合、周壁部11aによって筐体10の強度が増し、変形防止を図ることができる。 【0009】また請求項3の発明は、請求項1において、上部の筐体10又は下部の筐体20の少なくとも一方に、金属補強板30を積層配置するのが好ましく、この場合、流体圧がかかった際の筐体10,20の変形を確実に防止できる。 【0010】また請求項4の発明は、請求項1において、上下の筐体10,20の外周面に巻き付けられて筐体10,20を締め付けるための締結バンド31を備えているのが好ましく、この場合、上下の筐体10,20に締結バンド31を巻き付けることで、流体圧がかかった際にも筐体10,20の変形が起こり難くなる。 【0011】また請求項5の発明は、請求項1において、筐体10,20が金属からなるのが好ましく、この場合、金属製の筐体10,20によって流体圧がかかった際の筐体10,20の変形を確実に防止できる。 【0012】また請求項6の発明は、請求項1において、上下の筐体10,20の少なくとも一方を、樹脂中にグラスファイバーを挿通した複合材で構成するのが好ましく、この場合、樹脂製の筐体10,20の剛性を高めることができ、流体漏れを防止できるようになる。 【0013】また請求項7の発明は、請求項1において、上部の筐体10と下部の筐体20との接合面10a,20aのいずれか一方に凸部23、他方に該凸部23に嵌合する凹部24を設けるのが好ましく、この場合、上下の筐体10,20が離れ難くなり、気密性の一層の向上を図ることができる。 【0014】また請求項8の発明は、請求項7において、凸部23と凹部24との嵌合面における立ち上がり面25が、凸部23と凹部24の嵌合方向に対して傾斜しているのが好ましく、この場合、筐体10,20の加工の際に発生する応力によって立ち上がり面25での嵌合ができなくなるという事態を回避できる。 【0015】また請求項9の発明は、請求項1において、ダイヤフラム2と対向しない下部の筐体20に吸入側及び吐出側の各流路21,22を形成すると共に、下部の筐体20の大きさをダイヤフラム2と対向する上部の筐体10よりも小さくするのが好ましく、この場合、上下の筐体10,20の接合を流路21,22の近傍で行うことが可能となり、流体圧がかかった際でも下部の筐体20の変形量を小さくできる。 【0016】また請求項10の発明は、圧電素子2aからなるダイヤフラム2と、吸入側の流路22と吐出側の流路21とが形成された上下の筐体10,20と、流体の逆流を防止するための膜状バルブ3と、ダイヤフラム2と一方の筐体10との間に形成されるポンプ室4とを備え、ダイヤフラム2の屈曲運動により流体が吸入側の流路22から吸入側のバルブ部3cを経てポンプ室4に導入され、さらにポンプ室4から吐出側のバルブ部3bを経て吐出側の流路21へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプ1の製造方法であって、少なくともダイヤフラム2に接合される筐体10が金属からなり、この金属からなる筐体10のダイヤフラム2との接合面10aに絶縁膜32を形成した後、上下の筐体10,20にネジ部材5を挿通して、ネジ部材5に螺合した締付ナット6を締め付けることにより上下の筐体10,20同士をネジ締めすることを特徴としており、このように構成することで、筐体10,20自体の剛性が高まり、流体圧がかかった際の筐体10,20の変形を防止できるので、締付ナット6によるネジ締めとあいまって、筐体10,20の変形による流体漏れを確実に防止でき、気密性の向上を図ることができると共に、ダイヤフラム2と金属製の筐体10,20との間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなる。 【0017】また請求項11の発明は、圧電素子2aからなるダイヤフラム2と、吸入側の流路22と吐出側の流路21とが形成された上下の筐体10,20と、流体の逆流を防止するための膜状バルブ3と、ダイヤフラム2と一方の筐体10との間に形成されるポンプ室4とを備え、ダイヤフラム2の屈曲運動により流体が吸入側の流路22から吸入側のバルブ部3cを経てポンプ室4に導入され、さらにポンプ室4から吐出側のバルブ部3bを経て吐出側の流路21へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプ1の製造方法であって、少なくともダイヤフラム2に接合される筐体10が金属からなり、ダイヤフラム2の筐体10との接合面に絶縁膜32を形成し、上下の筐体10,20にネジ部材5を挿通して、ネジ部材5に螺合した締付ナット6を締め付けることにより上下の筐体10,20同士をネジ締めすることを特徴としており、このように構成することで、筐体10,20自体の剛性が高まり、流体圧がかかった際の筐体10,20の変形を防止できるので、締付ナット6によるネジ締めとあいまって、筐体10,20の変形による流体漏れを確実に防止でき、気密性の一層の向上を図ることができると共に、ダイヤフラム2と金属製の筐体10との間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなる。 【0018】また請求項12の発明は、請求項10又は請求項11において、筐体10におけるダイヤフラム2との接合面10aに酸化層33を形成するのが好ましく、この場合、筐体10の接合面10aに絶縁を施すことが容易となる。 【0019】また請求項13の発明は、請求項10又は請求項11において、ダイヤフラム2における筐体10との接合面に酸化層33を形成するのが好ましく、この場合、ダイヤフラム2の接合面に絶縁を施すことが容易となる。 【0020】また請求項14の発明は、圧電素子2aからなるダイヤフラム2と、吸入側の流路22と吐出側の流路21とが形成された上下の筐体10,20と、流体の逆流を防止するための膜状バルブ3と、ダイヤフラム2と一方の筐体10との間に形成されるポンプ室4とを備え、ダイヤフラム2の屈曲運動により流体が吸入側の流路22から吸入側のバルブ部3cを経てポンプ室4に導入され、さらにポンプ室4から吐出側のバルブ部3bを経て吐出側の流路21へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプ1の製造方法であって、上下の筐体10,20が樹脂からなり、下部の筐体20と上部の筐体10とを熱による樹脂溶着にて接合することを特徴としており、このように構成することで、ネジ締めによる気密保持と比較して、上下の筐体10,20同士を熱による樹脂溶着によって容易に接合できると共に、流体圧がかかった際にも筐体10,20間の隙間を完全になくすことができる。 【0021】また請求項15の発明は、請求項14において、いずれか一方の筐体10又は20に突起部34を設け、該突起部34をいずれか他方の筐体10又は10に溶着させて上下の筐体10,20を接合するのが好ましく、この場合、突起部34を溶着させることで、筐体10,20の表面粗さ、表面ウネリ等による隙間の発生を抑えて、気密性をより向上させることができると共に流路21,22全体での気密保持が容易となり、しかも、筐体10,20が一度溶融するために隙間を完全になくすことが可能となる。 【0022】また請求項16の発明は、請求項14において、少なくとも流路21,22に沿った樹脂部分を熱により溶着して接合するのが好ましく、この場合、樹脂製の筐体10,20を熱により溶融し、流路21,22に沿った樹脂部分を溶着することで、気密性のより高い接合が可能になる。 【0023】また請求項17の発明は、請求項14において、上部の筐体10と下部の筐体20との接合面10a,20aのいずれか一方に凸部23、他方に該凸部23に嵌合する凹部24を設け、凸部23と凹部24との嵌合面における立ち上がり面25を熱による樹脂溶着にて接合するのが好ましく、この場合、熱による樹脂の溶融を利用して立ち上がり面25を溶着させることにより、気密性をより向上させることができると共に、筐体10,20が一度溶融するために隙間を完全になくすことが可能になる。 【0024】また請求項18の発明は、請求項15又は請求項16又は請求項17において、上下の筐体10,20のいずれか一方が溶着用レーザーの波長を吸収する材質、他方が透過する材質からなり、溶着用レーザーを用いて上下の筐体10,20が溶着されてなるのが好ましく、この場合、レーザー光を、レーザー光が透過する筐体10又は20側から照射することにより、レーザーを吸収する筐体20又は10の材料が溶融して、上下の筐体10,20同士が溶着され、上下の筐体10,20の気密性をより向上させることができると共に、非接触で溶着を行うことができ、外観形状を損なうこともなくなる。 【0025】また請求項19の発明は、請求項1において、溶着用レーザーは、高ピークのパルス発振レーザーであるのが好ましく、この場合、連続発振のレーザーに比べて、短時間で樹脂の温度を昇温させることができて、熱伝導を抑えることができ、より微細な接合が可能となる。 【0026】また請求項20の発明は、請求項18又は請求項19において、流体の逆流を防止する膜状バルブ3として、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルムを用いるのが好ましく、この場合、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルムの耐熱性及びレーザー光の透過性を高めることができるので、レーザーによる樹脂フィルムへの熱影響を抑制することができ、従って、膜状バルブ3としての機能を高めることができると共に、膜状バルブ3の厚みを薄くすることなく、膜状バルブ3の熱伝導性を確保でき、溶着時の熱影響を小さくできるようになる。 【0027】また請求項21の発明は、請求項20において、樹脂フィルムの溶着部分に、レーザー光を吸収する熱可塑性樹脂35を配置するのが好ましく、この場合、レーザー光を熱可塑性樹脂35に照射して熱を発生させることで、上下の筐体10,20間の界面が溶着し、気密性を確保することができると共に、上下の筐体10,20をいずれもレーザー光を透過する材質を使用することが可能となり、両面からのレーザー溶着が可能になる。従って、溶着状態に差が発生しなくなり、上下の筐体10,20とも均一な接合を得ることができ、上下の筐体10,20間の接合強度及び樹脂フィルムとの接合を一層強固にすることができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。 【0029】本実施形態の圧電ダイヤフラムポンプ1は、図1〜図3に示すように、圧電素子からなるダイヤフラム2と、吸入側の流路22と吐出側の流路21とが形成された上下の筐体10,20と、上下の筐体10,20間に介在されてエアーの逆流を防止する膜状バルブ(メンブレンバルブ)3と、ダイヤフラム2と上部の筐体10との間に形成されるポンプ室4(図38参照)とを備えている。ここで、吸入側の流路22と吐出側の流路21は下部の筐体20に設けられ、ダイヤフラム2は上部の筐体10の接合面10aに接合される。そして、ダイヤフラム2の屈曲運動によりエアーが吸入側の流路22から吸入側のバルブ部3cを経てポンプ室内に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部3bを経て吐出側の流路21へ排出されるようになっている。なお、流体としてはエアーに限らず、液体であってもよい。 【0030】上下の筐体10,20の材料は、例えばアクリル等の樹脂材料からなる。図2に示すように、上下の筐体10,20間には、エアーの逆流を防止するためのポリイミドフィルム等からなる膜状バルブ3が配置されている。膜状バルブ3には、吸入側のバルブ部3cと吐出側のバルブ部3bとが設けられている。図2中の26はバルブ台座部、27はザグリ部である。 【0031】上下の筐体10,20の複数箇所には、図1に示すように、ネジ部材5が挿通されるネジ挿通孔7が穿孔されている。ネジ挿通孔7は、流路21,22以外の部位に形成されている。なおネジ挿通孔7の位置及び数は図1の例に限定されるものではない。 【0032】ここで、上部の筐体10の各ネジ挿通孔7には、ネジ部材5の頭部5aを収納する収納用段部7aがそれぞれ設けられている。ネジ部材5のネジ部5bは上部の筐体10のネジ挿通孔7内に挿通され、さらに膜状バルブ3を貫通して下部の筐体20のネジ挿通孔7内に挿通され、ネジ部5bの先端が下部の筐体20の下方に突出している。ネジ部5bの先端には締付ナット6が螺合しており、締付ナット6によるネジ締めを行うことで、上下の筐体10,20同士を互いに締め付け可能となっている。 【0033】また、ネジ部材5の頭部5aとダイヤフラム2との接触部分は、絶縁シート等で絶縁されており、ダイヤフラム2に対してネジ部材5が電気的に短絡するのが防がれている。 【0034】しかして、従来の接着剤による接着方法に代えて、締付ナット6をネジ部材5に締め付けることで、上下の筐体10,20間の気密性を保持することができ、筐体10,20に対してエアー圧がかかったときでも筐体10,20の変形(膨らみ)を確実に防止できるようになる。これにより、筐体10,20の変形によるエアー漏れを防止できるので、接着剤を用いずに気密性を向上させることができ、ポンプ性能に影響を及ぼすことがないものである。 【0035】ところで、本発明者は本発明に至る過程で、図4に示すように、締付ナット6を用いずに、ネジ部材5単独で上下の筐体10,20を締結する方法を案出した。図4の例では、上部の筐体10側にタップを切ってあり、ネジ部材5の頭部5aを下部の筐体20側に配置し、ネジ部材5のネジ部5bを下部の筐体20のネジ挿通孔から上部の筐体10のネジ孔に螺入させるようにしている。しかしながら、このようなネジ部材5単独による締め付け方法にあっては、エアー圧がかかって筐体10,20の変形が起きた際に、タップが切られている部分(図4のホで示す部分)が破壊されて、ネジ締めが効かなくなることがあり、結果として、エアー漏れが発生しやすくなるという問題がある。 【0036】そこで、本発明では、図1に示すように、締付ナット6をネジ部材5に螺合させて締め付けることにより、エアー圧による筐体10,20の変形によってネジ締めが効かなくなるという事態を回避できるものである。 【0037】また、締付ナット6を下部の筐体20の下方に配置したことで、ダイヤフラム2と締付ナット6との緩衝を防止できるようになり、しかも、ネジ部材5の頭部5aを上部の筐体10の上面よりも突出しないように上部の筐体10の内側に収納したことで、ダイヤフラム2をネジ部材5で邪魔されることなく上部の筐体10の接合面10aに接合可能になる。さらに、ダイヤフラム2とネジ部材5との間に絶縁フィルム(図示せず)を介在させれば、ダイヤフラム2とネジ部材5間の短絡を容易に防止できるようになる。 【0038】図5、図6は、上部の筐体10の表面に周壁部11aを突設させ、周壁部11aの内側を掘り込み部11とし、その内側にダイヤフラム2を収納すると共に、掘り込み部11の底面をダイヤフラム2との接合面10aとした場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図5、図6ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。本例の周壁部11aを含む上部の筐体10の厚みD1及び下部の筐体20の厚みD2は、前記図3に示した上部の筐体10及び下部の筐体20の厚みd1,d2よりも厚肉(D1>d1,D2>d2)に形成されている。従って、上下の筐体10,20の強度がそれぞれ増し、エアー圧がかかった際でも、筐体10,20の変形による影響(エアー漏れ)を防止できる結果、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、気密性の向上を図ることができる。そのうえ上部の筐体10を掘り込み形状にして、そこにダイヤフラム2を収納したことによって、ダイヤフラム2の厚み分だけ圧電ダイヤフラムポンプ1全体の厚みを薄くできるという利点もある。 【0039】図7、図8は上部の筐体10の表面、及び下部の筐体20の下面に金属補強板30をそれぞれ積層配置した場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図7、図8ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。なお金属補強板30は上部の筐体10又は下部の筐体20の少なくとも一方に積層配置されていればよい。金属補強板30の材料として例えばアルミニウムを用いると共に、アルマイト(商標名)処理により、金属補強板30の表面に絶縁を施してある。これにより、ダイヤフラム2の下部電極と金属補強板30との間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなり、製造工程の簡易化を図ることができる。さらに、金属補強板30によってエアー圧がかかった際の筐体10,20の変形を防止できるので、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、筐体10,20の変形によるエアー漏れを確実に防止でき、気密性の一層の向上を図ることができるものである。 【0040】図9、図10は上下の筐体10,20の外周面に巻き付けられて筐体10,20を締め付けるための締結バンド31を設けた場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図9、図10ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。本例では、アクリル等の樹脂材料からなる上下の筐体10,20をネジ締めした後に、ワイヤー状或いは帯状をした2本の締結バンド31を筐体10,20の外表面に凹設した2条の凹溝31aに沿って巻き付けるようにしたものである。締結バンド31の材料としては、合成ゴム、シリコンゴム等を用いることができる。しかして、上下の筐体10,20間に締結バンド31の巻き付け力が作用することで、エアー圧がかかった際にも筐体10,20の変形が起こり難くなり、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、気密性を向上させることができる。また、凹溝31aに沿って締結バンド31を巻き付けることで、締結バンド31のズレや外れ等を防止できると共に、締結バンド31が筐体10の表面に突出しなくなり、締結バンド31に妨げられることなくダイヤフラム2を接合できるようになる。さらに、締結バンド31として合成ゴムなどの絶縁材を用いることで、締結バンド31とダイヤフラム2との間の絶縁が不要となり、製造の簡素化を図ることができると共に、締結バンド31自体に弾力性を持たせることで、凹溝31a内に締結バンド31を容易且つ確実に挿入できるという利点もある。なお、締結バンド31の取り付けは図9、図10の例には限定されず、また締結バンド31の数も2本に限定されないものである。 【0041】図11は上下の筐体10,20を金属製とした場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図11ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。本例では、上下の筐体10,20の材料として、例えばアルミニウムを用いると共に、アルマイト(商標名)処理により、筐体10,20表面に絶縁を施してある。また上部の筐体10及び下部の筐体20には、図12に示すように、機械加工あるいはエッチングによりバルブ台座部26、ザグリ部27が形成されており、上部の筐体10のポンプ室への連絡孔13は、機械加工により形成されている。図13(a)には、アルミ製の下部の筐体20上に、流路形状のマスク孔15を有するマスク14を配置してエッチングを行う場合の一例を示しており、図13(b)はエッチング後の下部の筐体20を示している。なお、上部の筐体10のエッチングも同様にして行うことができる。しかして、筐体10,20を金属製にすることで、筐体10,20自体の剛性を高めることができ、エアー圧がかかった際の筐体10,20の変形を確実に防止できるようになり、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、筐体10,20の変形によるエアー漏れを確実に防止でき、気密性の一層の向上を図ることができる。さらに、筐体10,20の表面をアルマイト(商標名)処理により絶縁したことにより、ダイヤフラム2の下部電極と金属製の筐体10との間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなり、製造の簡素化を図ることができる。 【0042】図14(a)は上部の筐体10を金属で構成した場合、或いは樹脂製の筐体10の表面に金属補強板を取り付けた場合において、図14(b)のように筐体10の表面側に絶縁膜32(酸化膜或いは樹脂膜)を形成した場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図14ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。本例では、ダイヤフラム2は、図14(a)に示すように、圧電素子2aの上面に上部電極膜2c、下面に下部電極板2dが接合されて構成されている。上部電極膜2cは、例えば銀ペーストによるスクリーン印刷焼成等で形成されている。下部電極板2dは例えば真鍮等の弾性板で形成されている。圧電素子2aへの電圧印加により圧電素子2aが伸縮するが、このとき下部電極板2dは伸縮しないために、バイメタル的な働きをしてダイヤフラム2全体が上下に振動して屈曲運動を行うようになっている。 【0043】ここでは、上記ダイヤフラム2の下部電極板2dと筐体10間との絶縁をとるために、図14(b)に示すように、筐体10表面に絶縁膜32(酸化膜或いは樹脂膜)を形成している。図15にその形成工程の一例を示す。先ずチャンバー40内部を真空ポンプにより10-4Pa程度まで真空引きを行う。また、上部の筐体10の表面を洗浄するために、上部の筐体10側に高周波電源41を印加してプラズマを起こし、イオンボンバードによる洗浄を行う。このときガスはAr、或いは酸素等でもよく、またガス圧は約10Pa程度導入する。その後、Arガスをチャンバー40内に0.2Paになるまで導入し、チャンバー40内の酸化物ターゲット42のRFスパッタにより、上部の筐体10表面に絶縁膜32となる酸化物薄膜を形成する。尚図15中の43はマッチングボックス、44はブロッキングコンデンサ、45は筐体ホルダーである。 【0044】しかして、樹脂製の筐体10表面に金属補強板を配置したり、或いは筐体10を金属製とした場合において、上部の筐体10の表面に絶縁膜32を形成することにより、ダイヤフラム2の下部電極と筐体10間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなり、製造工程の簡易化を図ることができる。さらに、筐体10を金属製或いは金属補強板で補強することで、エアー圧がかかった際の筐体10,20の変形を確実に防止できるようになり、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、筐体10,20の変形によるエアー漏れを確実に防止できるようになる。 【0045】なお、前記図14の実施形態では、上部の筐体10側に絶縁膜32(酸化膜或いは樹脂膜)を形成する場合を説明したが、図16に示すように、ダイヤフラム2の下部電極板2dの裏面に絶縁膜32を形成するようにしてもよい。またこの絶縁膜32は前記図15で示した酸化物薄膜形成方法によって形成することができる。 【0046】さらにダイヤフラム2と筐体10間の絶縁をとる他例として、図17(a)に示す上部の筐体10を金属で構成した場合、或いは樹脂製の筐体10の表面に金属補強板を取り付けた場合において、図17(b)のように筐体10の表面側に酸化層33を形成するようにしてもよい。図18はこの酸化層33の形成工程の一例を示している。先ずチャンバー17内部を真空ポンプにより10-4Pa程度まで真空引きを行う。また、上部の筐体10の表面処理をするために、上部の筐体10側に高周波電源41を印加してプラズマを起こし、プラズマによる表面改質を行い、酸化層33を形成する。このときガスは酸素を用い、ガス圧は約10Pa程度導入する。 【0047】しかして、図16の実施形態と同様な作用効果が得られると共に、通常、金属と樹脂との密着力は弱いため、図17のように筐体10表面に表面改質技術(酸素イオンビーム照射、酸素プラズマ処理等)により酸化層33を形成しておくことで、筐体10とダイヤフラム2との間で絶縁をとることが容易となり、図15の場合と比較して、製造工程の簡易化を図ることができる。 【0048】なお、前記図17の実施形態では、上部の筐体10側に酸化層33を形成する場合を説明したが、図19に示すように、ダイヤフラム2の下部電極板2dの裏面に酸化層33を形成するようにしてもよい。またこの酸化層33は前記図18で示した酸化層33形成方法によって形成することができる。 【0049】図20は、上下の筐体10,20の少なくとも一方を、樹脂中にグラスファイバーを挿通した複合材で構成した場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図20ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。本例では、上下の筐体10,20の材料として、樹脂中にグラスファイバーを埋め込んだ複合材を用いている。従って、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、樹脂製の筐体10,20の剛性を高めることができ、エアー圧がかかったときでも筐体10,20が変形するのを防止できるので、筐体10,20の製造を容易にしながら、同時にエアー漏れを防止でき、気密性の向上を図ることができる。 【0050】図21、図22は、上部の筐体10と下部の筐体20のいずれか一方に凸部23、他方に該凸部23に嵌合する凹部24を設けて、筐体10,20同士を凹凸嵌合させる場合を示している。他の構成は図1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。なお図21、図22ではネジ部材5及び締付ナット6(図1)の図示を省略してある。本例では、上部の筐体10の裏面に一段低くなった凹部24とこれよりも一段高くなった凸部23´とを形成し、下部の筐体20の表面に一段高くなった凸部23とこれよりも一段低くなった凹部24´とを形成してある。また膜状バルブ3は流路21,22のザグリ部27及びバルブ台座部26の近傍のみに配置してある。しかして、上部の筐体10と下部の筐体20とを膜状バルブ3を介して重ね合わせて、図22に示すように、凹部24と凸部23、凹部24´と凸部23´とをそれぞれ嵌合させることによって、上下の筐体10,20が離れ難くなり、従って、締付ナット6(図1)によるネジ締めとあいまって、エアー圧がかかった時に筐体10,20間に隙間が発生することがなく、エアー漏れを防止でき、気密性の向上を図ることができる。 【0051】なお、筐体10,20の嵌合構造は図21、図22に限定されるものではない。また図21、図22では、凹部24及び凸部23との嵌合面における立ち上がり面25を垂直に形成してあるが、例えば図23、図24に示すように、立ち上がり面25を凸部23と凹部24との嵌合方向に対して傾斜させるようにしてもよい。このように構成することで、筐体10,20が樹脂からなる場合において、筐体10,20の加工の際に発生する応力によって立ち上がり面25での嵌合ができなくなるという事態を回避することができる。つまり、凸部23と凹部24とが傾斜した立ち上がり面25によって嵌合しやすくなり、また、この立ち上がり面25同士をレーザー溶着等で接着することで、隙間を完全になくすことができるようになり、従って、気密性のより高い接合が可能となる。 【0052】図25、図26は、ダイヤフラム2と対向しない下部の筐体20側に吸入側及び吐出側の各流路21,22を形成すると共に、下部の筐体20の大きさを上部の筐体10よりも小さくした場合を示している。図中の3は膜状バルブである。本例では、下部の筐体20を、バルブ台座部26を有する流路形状をした第1筐体部28と、ザグリ部27を有する流路形状をした第2筐体部29とで構成してある。図26の例では膜状バルブ3を上部の筐体10の裏面全体に張り付けてあるが、第1筐体部28のバルブ台座部26周辺のみ、及び第2筐体部29のザグリ部27周辺のみにそれぞれ張り付けてもよい。なお、下部の筐体20の形状は図25、図26には限定されるものではない。しかして、下部の筐体20を、流路形状をした第1筐体部28と第2筐体部29とに分割したことによって、上部の筐体10と第1筐体部28及び第2筐体部29との接合を流路21,22の近傍で行うことができるようになり、従って、エアー圧がかかった際でも下部の筐体20(第1筐体部28、第2筐体部29)の変形量が小さくなり、筐体10,20の変形による影響を抑えて気密性を向上させることができる。また、第1筐体部28と第2筐体部29とが互いに独立した部品からなるので、組み立て性が良くなるうえに、第1筐体部28と第2筐体部29の一方が変形しても、他方には影響が及ばず、気密性を十分に確保できるようになる。 【0053】ところで、図25、図26のように下部の筐体20の大きさは流路21,22よりも少し大きい程度にした場合にあっては、図1に示すネジ部材5及び締付ナット6によるネジ締めが困難であるため、流路21,22近傍で上部の筐体10に対して接着剤で接着するようにしてもよい。さらに熱による樹脂溶着にて接合する方法を使用することもできる。例えば上下の筐体10,20を樹脂で構成し、熱により溶融して溶着することで、ネジ締めによる機械的な気密保持に比べて、筐体10,20を一度溶融するために隙間を完全になくすことが可能となる。なお、溶着する方法として、超音波接合や高周波誘導加熱などが挙げられる。 【0054】図28は上下の筐体10,20が樹脂からなり、下部の筐体20に突起部34を設けると共に、該突起部34を上部の筐体10に溶着させることにより上下の筐体10,20を接合する場合を示している。図中の3は膜状バルブである。本例では、下部の筐体20に形成された吸入側の流路22及び吐出側の流路21に沿って、流路形状の突起部34をそれぞれ突設させ、この突起部34を上部の筐体10に熱による樹脂溶着によって接合させている。このように溶着される突起部34を設けることで、筐体10,20の表面粗さ、ウネリ等による隙間の発生を抑えて気密性をより向上させることができる。ところで、図28の構造において、ネジ締めによって気密保持を行おうとした場合は、上下の筐体10,20は突起部34のみで接しているため、流路21,22全体での気密保持が困難となる。そこで、樹脂製の筐体10,20を熱により溶融して接合することによって、ネジ締めによる機械的な気密保持に比べて、筐体10,20が一度溶融するために隙間を完全になくすことが可能となる。なお、突起部34のみを溶融するだけでもよく、この場合にあっては、筐体10,20を変形させることなく、気密を保持することが可能となる。なお、溶着する方法として、超音波接合や高周波誘導加熱などが挙げられる。 【0055】図29は、上下の筐体10,20が樹脂からなり、少なくとも流路21,22に沿った部分を熱による樹脂溶着にて接合する場合を示している。他の構成は図5、図6の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。本例では、掘り込み部11を備えた樹脂製の上部の筐体10と、厚肉の樹脂製の下部の筐体20とを接合するにあたって、下部の筐体20に設けられた吸入側の流路22及び吐出側の流路21に沿った樹脂部分を熱により溶着させることにより、接合するようにしている。これにより、図5、図6と同様な作用効果(上下の筐体10,20の強度がそれぞれ増し、筐体10,20の変形による影響を防止する効果、及びダイヤフラム2と流路21,22との間の気密性を確保できる効果)に加えて、樹脂製の筐体10,20を熱により溶融し、流路21,22に沿った樹脂部分を溶着することで、気密性のより高い接合が可能になると共に、筐体10,20が一度溶融するために隙間を完全になくすことができる。なお、溶着する方法として、超音波接合や高周波誘導加熱などが挙げられる。 【0056】図30は、上部の筐体10に設けられた凹部24と、下部の筐体20に設けられた凸部23との嵌合面における立ち上がり面25を、熱による樹脂溶着にて接合する場合を示している。他の構成は図23の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。本例では、樹脂製の上下の筐体10,20の接合方法として、熱による樹脂の溶融を利用して立ち上がり面25を溶着させることにより、気密性をより向上させることができるようになる。また、樹脂からなる筐体10,20を熱により溶融し、接合することにより、更に気密性の高い接合が可能になると共に、筐体10,20が一度溶融するために隙間を完全になくすことができる。なお、溶着する方法として、超音波接合や高周波誘導加熱などが挙げられる。 【0057】ところで、上記図27〜図30の熱による溶着方法として、超音波接合や高周波誘導加熱などが挙げられるが、超音波接合では、上下の筐体10,20に直接、振動治具を接触させるために、筐体10,20の損傷や振動による接合位置のズレが発生するという問題がある。一方、高周波誘導加熱では、誘導加熱用の金属が別途必要となり、上下の筐体10,20の形状に制約が発生して、上下の筐体10,20の外側に熱影響を及ぼし、そのうえ上下の筐体10,20の変形を起こす可能性がある。従って、いずれの場合も上下の筐体10,20に広範囲の熱がかかり、不必要な部分まで溶融するという問題がある。 【0058】そこで、図31に示すように、下部の筐体20(又は上部の筐体10)を溶着用レーザーの波長を吸収する材質で構成し、上部の筐体10(又は下部の筐体20)を透過する材質で構成し、溶着用レーザーを用いて上下の筐体10,20を溶着する方法を使用するのが好ましい。図31の矢印ハで示すように、レーザー光を、上部の筐体10(レーザー光が透過する側)から照射する。この照射されたレーザー光は下部の筐体20(レーザー光を吸収する側)で熱となり、これにより図32に示すように、下部の筐体20を構成するレーザーを吸収する材料の界面が昇温して、溶着用レーザーを吸収する材料が溶融して、密着しているレーザー透過材料と溶着され、より気密性を保持できるようになる。また、熱源としてレーザー光を用いることで、接合領域を例えば100μm程度以下にまで微細化することができ、従って、ポンプの小型化も可能となる。さらに、レーザー光の波長を透過するが可視光を透過しない樹脂を用いて筐体10又は20を形成すれば、溶着痕のない接合が可能となる。なお、溶着用レーザーによる溶着を行うにあたって、レーザーの種類は特に制限されるものではない。さらに、例えば透明アクリルと黒色アクリルとを上下の筐体10,20の材料として用いた場合は、レーザーとして半導体レーザーを用いることができる。例えば透明アクリルと黒色アクリルを波長800〜950nm、レーザー出力2Wの条件で接合することが可能となる。従って、レーザー溶着によって、上下の筐体10,20の気密性をより向上させることができると共に、非接触で溶着を行うことができるので、外観形状を損なうこともないものである。 【0059】さらに上記溶着用レーザーとしては、パルス発振のピーク出力の高いレーザーであるのが望ましい。溶着用レーザーにより溶着する場合において、レーザー発振方式をパルス発振とし、ピーク出力の高いレーザーを用いることにより、熱影響を抑えた溶着が可能となる。また、高ピークのパルス発振レーザーにより溶着した場合は、連続発振のレーザーに比べて、短時間で樹脂の温度を昇温させることができ、熱伝導を抑えることができる。従って、より微細な接合が可能となり、より気密性を高めることができると共に、膜状バルブ3となる樹脂フィルムの熱影響も低減することが可能となる。つまり、膜状バルブ3となる樹脂フィルムは、レーザー溶着の場合には、熱可塑性樹脂を用いなければならないが、連続発振レーザーの場合は樹脂フィルムに熱影響が生じる恐れがある。これに対して、高ピークのパルス発振レーザーにあっては、熱影響を小さくできるものである。なお、本例においてもレーザーの種類は特に制限されないが、例えばパルス発振のYAGレーザーを用いることにより、溶着を容易に行うことが可能となる。 【0060】図33は、膜状バルブ3を構成する樹脂フィルムとして熱硬化性樹脂を用いる場合を示している。筐体10,20はそれぞれ熱可塑性樹脂からなり、図33(b)に示すように、熱可塑性樹脂からなる筐体10,20の溶融部分36が樹脂フィルム(膜状バルブ3)と溶着するようになっている。他の構成は図31、図32の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付しておく。本例では、上下の筐体10,20の溶着方法として溶着用レーザーを用いると共に、膜状バルブ3として熱硬化性樹脂を用いている。仮りに熱可塑性樹脂で膜状バルブ3を形成した場合、筐体10,20を構成する熱可塑性樹脂がレーザー光を吸収して、容易に温度が上昇するために、樹脂フィルムに熱影響が発生し、膜状バルブ3としての役割を確保することが困難となる。そこで、樹脂フィルムとして熱硬化性樹脂を用いることで、熱硬化性樹脂の耐熱性及びレーザー光の透過性を高めることができるようになり、従って、膜状バルブ3を構成する樹脂フィルムへの熱影響を抑制することができ、膜状バルブ3としての機能を高めることができる。また、レーザー光を吸収する材質で成形された樹脂製の筐体(本例では上部の筐体10)にレーザー光を照射したときの熱を、他のレーザー光を吸収する材質で成形された樹脂製の筐体(本例では下部の筐体20)に伝導させるためには、膜状バルブ3を構成する樹脂フィルムの熱伝導性を確保する必要や、樹脂フィルムの厚みを薄くするなどの対策が必要となるが、本例では熱硬化性樹脂を用いることで、厚みを薄くすることなく、膜状バルブ3の熱伝導性を確保でき、溶着時の熱影響を小さくできるものである。 【0061】図34は、図33の構成に加えて、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルムの溶着部分に、レーザー光を吸収する熱可塑性樹脂35を配置した場合を示している。本例では、上下の筐体10,20の溶着方法としてレーザー溶着を用い、膜状バルブ3となる樹脂フィルムとして熱硬化性樹脂を用いることにより、レーザーによる熱影響を抑制させるようにした場合において、樹脂からなる上下の筐体10,20と熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルム(膜状バルブ3)との界面に、レーザー光を吸収する熱可塑性樹脂35を接合用樹脂として配置し、レーザー光をその熱可塑性樹脂35(接合用樹脂)に照射して熱を発生させる。この熱により、それぞれの界面が溶着し、気密性を確保することができる。さらに本例にあっては、図33のように上下の筐体10,20の一方をレーザー光を吸収する材質とする必要がなく、上下の筐体10,20の両者ともレーザー光を透過する材質を使用することが可能となる。しかも上下の筐体10,20の両者ともレーザー光を透過する材質を使用することで、片方からのみのレーザー溶着でなく、両面からのレーザー溶着が可能となり、そのうえ、両面からのレーザー溶着を可能にすることで、溶着状態に差が発生しなくなり、上下の筐体10,20とも均一な接合を得ることができると共に、樹脂フィルム(熱硬化性樹脂)の溶着部分に熱可塑性樹脂35を配置しておくことで、上下の筐体10,20間の接合強度及び膜状バルブ3となる樹脂フィルムとの接合が一層強固になるという利点もある。 【0062】 【発明の効果】上述のように請求項1記載の発明にあっては、圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプであって、上下の筐体に挿通するネジ部材と、ネジ部材に螺合して上下の筐体同士を互いに締め付ける締付ナットとを備えているので、締付ナットをネジ部材に締め付けることで、上下の筐体間の気密性を保持することができ、筐体に対して流体圧がかかったときでも筐体の変形を確実に防止でき、接着剤を用いずに流体漏れを防いで気密性を向上させることができる。また、締付ナットを用いたことで、ネジ部材単独で上下の筐体を締結する場合と異なり、流体圧がかかって筐体の変形が起きた際にタップが切られている部分が破壊されて、ネジ締めが効かなくなるという問題も解消できる。 【0063】また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、筐体のダイヤフラムとの接合面の外周部に周壁部を突設し、周壁部の内側にダイヤフラムを収納してなるので、周壁部によって筐体の強度が増し、締付ナットによるネジ締めとあいまって、流体圧がかかった際でも、筐体の変形による影響(流体漏れ)を防止でき、気密性の向上を図ることができる。そのうえ筐体の周壁部の内側にダイヤフラムを収納したことによって、ダイヤフラムの厚み分だけ圧電ダイヤフラムポンプ全体の厚みを薄くできる。 【0064】また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上部の筐体又は下部の筐体の少なくとも一方に、金属補強板を積層配置したので、金属補強板によって流体圧がかかった際の筐体の変形を防止でき、締付ナットによるネジ締めとあいまって、筐体の変形による流体漏れを確実に防止できる。 【0065】また請求項4記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上下の筐体の外周面に巻き付けられて筐体を締め付けるための締結バンドを備えているので、上下の筐体に締結バンドを巻き付けることで、締付ナットによるネジ締めとあいまって、流体圧がかかった際にも筐体の変形が起こり難くなり、気密性を向上させることができる。 【0066】また請求項5記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、筐体が金属からなるので、金属製の筐体によって流体圧がかかった際の筐体の変形を確実に防止でき、締付ナットによるネジ締めとあいまって、筐体の変形による流体漏れを確実に防止できる。 【0067】また請求項6記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上下の筐体の少なくとも一方を、樹脂中にグラスファイバーを挿通した複合材で構成したので、樹脂製の筐体の剛性を高めることができ、締付ナットによるネジ締めとあいまって、流体圧がかかったときでも筐体が変形するのを防止できるので、筐体の製造を容易にしながら、同時に流体漏れを防止できるようになる。 【0068】また請求項7記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上部の筐体と下部の筐体との接合面のいずれか一方に凸部、他方に該凸部に嵌合する凹部を設けてなるので、上下の筐体が離れ難くなり、従って、締付ナットによるネジ締めとあいまって、流体圧がかかった時に筐体間に隙間が発生することがなく、流体漏れを防止でき、気密性の向上を図ることができる。 【0069】また請求項8記載の発明は、請求項7記載の効果に加えて、凸部と凹部との嵌合面における立ち上がり面が、凸部と凹部の嵌合方向に対して傾斜しているので、筐体の加工の際に発生する応力によって立ち上がり面での嵌合ができなくなるという事態を回避することができ、嵌合性を向上させることができる。 【0070】また請求項9記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、ダイヤフラムと対向しない下部の筐体に吸入側及び吐出側の各流路を形成すると共に、下部の筐体の大きさをダイヤフラムと対向する上部の筐体よりも小さくしたので、上下の筐体の接合を流路の近傍で行うことが可能となる。従って、流体圧がかかった際でも下部の筐体の変形量を小さくでき、筐体の変形による影響を抑えて気密性を向上させることができる。 【0071】また請求項10記載の発明は、圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプの製造方法であって、少なくともダイヤフラムに接合される筐体が金属からなり、この金属からなる筐体のダイヤフラムとの接合面に絶縁膜を形成した後、上下の筐体にネジ部材を挿通して、ネジ部材に螺合した締付ナットを締め付けることにより上下の筐体同士をネジ締めするようにしたので、請求項1記載の効果に加えて、筐体自体の剛性が高まり、流体圧がかかった際の筐体の変形を防止できるので、締付ナットによるネジ締めとあいまって、筐体の変形による流体漏れを確実に防止でき、気密性の一層の向上を図ることができると共に、筐体の接合面に絶縁膜を施すことで、ダイヤフラムと金属製の筐体との間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなり、製造工程の簡易化を図ることができる。 【0072】また請求項11記載の発明は、圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプの製造方法であって、少なくともダイヤフラムに接合される筐体が金属からなり、ダイヤフラムの筐体との接合面に絶縁膜を形成し、上下の筐体にネジ部材を挿通して、ネジ部材に螺合した締付ナットを締め付けることにより上下の筐体同士をネジ締めするようにしたので、筐体自体の剛性が高まり、流体圧がかかった際の筐体の変形を防止できるので、締付ナットによるネジ締めとあいまって、筐体の変形による流体漏れを確実に防止でき、気密性の一層の向上を図ることができると共に、ダイヤフラムの接合面に絶縁膜を施すことで、ダイヤフラムと金属製の筐体との間に別途絶縁膜を設ける必要がなくなり、製造工程の簡易化を図ることができる。 【0073】また請求項12記載の発明は、請求項10又は請求項11記載の効果に加えて、筐体におけるダイヤフラムとの接合面に酸化層を形成したので、金属製の筐体のダイヤフラムとの接合面に絶縁を施すことが容易となり、絶縁処理工程の簡易化を図ることができる。 【0074】また請求項13記載の発明は、請求項10又は請求項11記載の効果に加えて、ダイヤフラムにおける筐体との接合面に酸化層を形成したので、ダイヤフラムの筐体との接合面に配置される下部電極板の表面に絶縁を施すにあたり、ダイヤフラムの接合面に絶縁を施すことが容易となり、絶縁処理工程の簡易化を図ることができる。 【0075】また請求項14記載の発明は、圧電素子からなるダイヤフラムと、吸入側の流路と吐出側の流路とが形成された上下の筐体と、流体の逆流を防止するための膜状バルブと、ダイヤフラムと一方の筐体との間に形成されるポンプ室とを備え、ダイヤフラムの屈曲運動により流体が吸入側の流路から吸入側のバルブ部を経てポンプ室に導入され、さらにポンプ室から吐出側のバルブ部を経て吐出側の流路へ排出されるように構成された圧電ダイヤフラムポンプの製造方法であって、上下の筐体が樹脂からなり、下部の筐体と上部の筐体とを熱による樹脂溶着にて接合するようにしたので、ネジ締めによる気密保持と比較して、上下の筐体同士を熱による樹脂溶着によって容易に接合できると共に、流体圧がかかった際にも筐体間の隙間を完全になくすことができ、気密性のより高い接合が可能となる。 【0076】また請求項15記載の発明は、請求項14記載の効果に加えて、いずれか一方の筐体に突起部を設け、該突起部をいずれか他方の筐体に溶着させて上下の筐体を接合するようにしたので、突起部を溶着させることで、筐体の表面粗さ、表面ウネリ等による隙間の発生を抑えて気密性をより向上させることができると共に流路全体での気密保持が容易となり、しかも筐体が一度溶融するために隙間を完全になくすことが可能となり、気密性を一層高めることができる。 【0077】また請求項16記載の発明は、請求項14記載の効果に加えて、少なくとも流路に沿った樹脂部分を熱により溶着して接合するようにしたので、つまり、樹脂製の筐体を熱により溶融し、流路に沿った樹脂部分を溶着することで、気密性のより高い接合が可能になると共に、筐体が一度溶融するために隙間を完全になくすことができるようになる。 【0078】また請求項17記載の発明は、請求項14記載の効果に加えて、上部の筐体と下部の筐体との接合面のいずれか一方に凸部、他方に該凸部に嵌合する凹部を設け、凸部と凹部との嵌合面における立ち上がり面を熱による樹脂溶着にて接合するようにしたので、熱による樹脂の溶融を利用して立ち上がり面を溶着させることにより、気密性をより向上させることができる。また、筐体を熱により溶融して、接合するので、一層気密性の高い接合が可能になると共に、筐体が一度溶融するために隙間を完全になくすことが可能となる。 【0079】また請求項18記載の発明は、請求項15又は請求項16又は請求項17記載の効果に加えて、上下の筐体のいずれか一方が溶着用レーザーの波長を吸収する材質、他方が透過する材質からなり、溶着用レーザーを用いて上下の筐体が溶着されてなるので、レーザー光を、レーザー光が透過する筐体側から照射することにより、照射されたレーザー光はレーザー光を吸収する筐体側で熱となり、これによりレーザーを吸収する筐体の材料が溶融して、上下の筐体同士が溶着され、上下の筐体の気密性をより向上させることができると共に、非接触で溶着を行うことができるので、外観形状を損なうこともない。 【0080】また請求項19記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、溶着用レーザーは、高ピークのパルス発振レーザーであるので、連続発振のレーザーに比べて、短時間で樹脂の温度を昇温させることができ、熱伝導を抑えることができる。従って、より微細な接合が可能となり、より気密性を高めることができる。 【0081】また請求項20記載の発明は、請求項18又は請求項19記載の効果に加えて、流体の逆流を防止する膜状バルブとして、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルムを用いたので、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルムの耐熱性及びレーザー光の透過性を高めることができ、従って、レーザーによる膜状バルブへの熱影響を抑制することができ、膜状バルブとしての機能を高めることができると共に、膜状バルブの厚みを薄くすることなく、膜状バルブの熱伝導性を確保でき、溶着時の熱影響を小さくできるものである。 【0082】また請求項21記載の発明は、請求項20記載の効果に加えて、樹脂フィルムの溶着部分に、レーザー光を吸収する熱可塑性樹脂を配置したので、レーザー光を熱可塑性樹脂に照射して熱を発生させることで、上下の筐体間の界面が溶着し、気密性を確保することができる。従って、上下の筐体をいずれもレーザー光を透過する材質を使用することが可能となり、片方からのレーザー溶着でなく、両面からのレーザー溶着が可能になると共に、溶着状態に差が発生しなくなり、上下の筐体とも均一な接合を得ることができる。そのうえ、樹脂フィルム(熱硬化性樹脂)の溶着部分に熱可塑性樹脂を配置しておくことで、上下の筐体間の接合強度及び樹脂フィルムとの接合が一層強固となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月22日(1999.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−182661(P2001−182661A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−364916 |
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