| 【発明の名称】 |
リニアコンプレッサ |
| 【発明者】 |
【氏名】横井 康彦
【氏名】北條 三木夫
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| 【要約】 |
【課題】シリンダ軸心とシャフト軸心との平行度が無くなっている場合においても、ピストンがシリンダに片当たりを防止して、摺動部の信頼性維持及び装置効率の低下を防止する。
【解決手段】本発明は、ハウジング1内に設けられたシリンダ6と、該シリンダ6内に往復可能に嵌装され、シリンダ6内に圧縮室を区画形成するピストン7と、一端部が該ピストン7に連結されたシャフト12と、所定周波数の交流電圧を印加して前記ピストン7及びシャフト12を往復駆動するリニアモータ17と、を有し、圧縮室内でガスを圧縮して外部に供給するリニアコンプレッサにおいて、前記ピストン7は、前記シャフト12の軸方向と直交する半径方向へ移動可能に支持され、且つ、前記シャフト12の所定個所を中心として揺動可能に保持されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内に設けられたシリンダと、該シリンダ内に往復可能に嵌装され、シリンダ内に圧縮室を区画形成するピストンと、一端部が該ピストンに連結されたシャフトと、所定周波数の交流電圧を印加して前記ピストン及びシャフトを往復駆動するリニアモータと、を有し、圧縮室内でガスを圧縮して外部に供給するリニアコンプレッサにおいて、前記ピストンは、前記シャフトの軸方向と直交する半径方向へ移動可能に支持され、且つ、前記シャフトの所定個所を中心として揺動可能に保持されていることを特徴とするリニアコンプレッサ。 【請求項2】 前記シャフトのピストン側端部に一体的に取付けられ、その半径方向の寸法が、前記ピストンのシャフト側端部に開設された前記凹部の側壁に対して所定間隙を有するように構成され、且つ、前記凹部に点接触状態で当接させるための凸部が設けられているジョイント部材と、該ジョイント部材を押圧付勢し、前記凸部を前記凹部に当接させると共に、前記凸部の当接個所を中心として前記ピストンを揺動可能に保持する弾性部材と、を備えていることを特徴とする請求項1記載のリニアコンプレッサ。 【請求項3】 前記凸部は、先端部が半球状形状をしていることを特徴とする請求項2記載のリニアコンプレッサ。 【請求項4】 ハウジング内の両側に設けられた第1及び第2シリンダと、該第1及び第2シリンダ内に往復可能に嵌装され、前記第1及び第2シリンダ内に圧縮室をそれぞれ区画形成する第1及び第2ピストンと、両端部が該第1及び第2ピストンに連結されたシャフトと、所定周波数の交流電圧を印加して前記第1及び第2ピストン及びシャフトを往復駆動するリニアモータと、を有し、圧縮室内でガスを圧縮して外部に供給するリニアコンプレッサにおいて、前記第1及び第2ピストンは、前記シャフトの軸方向と直交する半径方向へ移動可能にそれぞれ支持され、且つ、前記シャフトの所定個所を中心として揺動可能にそれぞれ保持されていることを特徴とするリニアコンプレッサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ内に嵌装されたピストンをリニアモータによって往復運動させることにより、ガスを圧縮して外部に供給するリニアコンプレッサに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、冷凍システムに於いて、冷媒ガスを圧縮して供給する機構として、リニアコンプレッサが開発されている。例えば図4に示す如く、有底円筒体のハウジング101と、そのハウジング101の上端開口部に形成された低炭素鋼からなる磁気枠102と、この磁気枠102の中心部に形成されたシリンダ103と、シリンダ103内に往復可能に嵌装され、シリンダ103内空間に圧縮室104を区画形成するピストン105と、ピストン105を往復駆動する駆動源としてのリニアモータ106を備えている。 【0003】そして、リニアモータ106には、環状の永久磁石107がシリンダ103の同心外方に配置され、ハウジング101に固着されている。この磁石107及び磁気枠102からなる磁気回路によって、シリンダ103の中心と同心の円筒状の間隙108に磁界Bを発生させる。間隙108には中心部にてピストン105に一体固定された樹脂からなる有底円筒状の可動体109が配設され、可動体109及びピストン105を往復可能に弾性支持するためのコイルスプリング110がハウジング101に固定されている。 【0004】この可動体109の外周には、磁石107と対向する位置に電磁コイル111が巻回されており、リード線(図示せず)を介して所定周波数の交流電流を通電することで、間隙108を通る磁界との作用によりコイル111及び可動体109を駆動してピストン105をシリンダ103内で往復移動させ、圧縮室104で所定周期のガス圧を発生させるようになされている。 【0005】一方、代表的な冷凍システムとして、図5に示す如く、リニアコンプレッサ121(圧縮機)、凝縮器122、膨張弁123及び蒸発器124をガス流路配管125にて接続した密閉式の冷凍システムが知られており、リニアコンプレッサ121は、蒸発器124で気化した冷媒ガスを、ガス流路配管125を通じて吸入して高圧に圧縮し、高圧となった冷媒ガスをガス流路配管125を経て凝縮器122に吐出する装置として使用されている。 【0006】このため、図4に示すように、圧縮室104には、シリンダ103の上端部に設けられた弁機構112を介してハウジング101外部のガス流路配管125が接続されている。弁機構112は、ガス流路配管125を介して蒸発器124からの冷媒ガスの吸入のみを許容する吸入弁112aと、ガス流路配管125を介して凝縮器122への冷媒ガスの吐出のみを許容する吐出弁112bとから構成される。吸入弁112aは、低圧側のガス流路配管125と圧縮室104との冷媒ガスの圧力差によって、圧縮室104方向にガスを流入させる弁である。又、吐出弁112bは、圧縮室104内の冷媒ガス圧力が一定圧力以上となると開放するように、圧縮室104と高圧側のガス流路配管125との冷媒ガスの圧力差によって、高圧側のガス流路配管125方向にガスを流出させる弁である。尚、吸入弁112a及び吐出弁112bは、ともに板バネによって付勢されている弁である。 【0007】以上の構成により、従来装置では吸入弁112aから吸入された冷媒ガスを圧縮室104で高圧に圧縮した後、吐出弁112bを介して凝縮器122に供給している。 【0008】そして、従来のリニアコンプレッサ121では、シリンダ103とピストン105の軸心がずれている場合には、ピストン105がシリンダ103に片当たりして摺動部の摩耗あるいは、圧縮ガスの漏れにより信頼性が低下すると共に、摺動損失の増大によりコンプレッサの効率が低下する可能性があった。 【0009】このため、図6に示すように、最近ではピストン105をその軸心方向と直交する半径方向に若干移動可能なように、シャフト113に連結支持する構成が提案されている。これにより、シリンダ103とシャフト113の軸心がずれている場合においても、ピストン105がシリンダ103に片当たりするのを防止することができる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピストン105及びシャフト113はコイルスプリングやサスペンションスプリングなどの弾性部材110により支持されているため、ピストン105の往復運動中において、シリンダ103とシャフト113との軸心が平行で無くなり、シャフト軸心がシリンダ軸心に対していくらかの傾きを有する場合があった。 【0011】斯かる場合には、上記従来構成では対応しきれず、図7に示す如く、依然として、ピストン105がシリンダ103に片当たりしてしまうという事態が発生していた。 【0012】本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであって、シリンダ軸心とシャフト軸心との平行度が無くなっている場合においても、ピストンがシリンダに片当たりを防止して、摺動部の信頼性維持及び装置効率の低下防止を実現したリニアコンプレッサを提供するものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、ハウジング内に設けられたシリンダと、該シリンダ内に往復可能に嵌装され、シリンダ内に圧縮室を区画形成するピストンと、一端部が該ピストンに連結されたシャフトと、所定周波数の交流電圧を印加して前記ピストン及びシャフトを往復駆動するリニアモータと、を有し、圧縮室内でガスを圧縮して外部に供給するリニアコンプレッサにおいて、前記ピストンは、前記シャフトの軸方向と直交する半径方向へ移動可能に支持され、且つ、前記シャフトの所定個所を中心として揺動可能に保持されていることを特徴とする。 【0014】この構成を用いることにより、シャフトがシリンダに対して軸ぶれが発生して、シリンダ軸心とシャフト軸心との平行度が無くなっている場合においても、シリンダとピストンとの軸ぶれが発生するのを防止することができる。 【0015】そして具体的には、前記シャフトのピストン側端部に一体的に取付けられ、その半径方向の寸法が、前記ピストンのシャフト側端部に開設された前記凹部の側壁に対して所定間隙を有するように構成され、且つ、前記凹部に点接触状態で当接させるための凸部が設けられているジョイント部材と、該ジョイント部材を押圧付勢し、前記凸部を前記凹部に当接させると共に、前記凸部の当接個所を中心として前記ピストンを揺動可能に保持する弾性部材と、を備えている構成としても良い。さらに、前記凸部は、その先端部を半球状形状としている。 【0016】また、ハウジング内の両側に設けられた第1及び第2シリンダと、該第1及び第2シリンダ内に往復可能に嵌装され、前記第1及び第2シリンダ内に圧縮室をそれぞれ区画形成する第1及び第2ピストンと、両端部が該第1及び第2ピストンに連結されたシャフトと、所定周波数の交流電圧を印加して前記第1及び第2ピストン及びシャフトを往復駆動するリニアモータと、を有し、圧縮室内でガスを圧縮して外部に供給するリニアコンプレッサにおいて、前記第1及び第2ピストンは、前記シャフトの軸方向と直交する半径方向へ移動可能にそれぞれ支持され、且つ、前記シャフトの所定個所を中心として揺動可能にそれぞれ保持されている構成としても良い。この構成を用いることにより、シャフトの両側にピストンがそれぞれ連結され、シャフトとシリンダとの軸ぶれが特に問題となる2ピストン型リニアコンプレッサにおいても、確実に、シリンダとピストンの軸ぶれ発生を防止することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のリニアコンプレッサの一実施の形態について説明する。 【0018】本発明のリニアコンプレッサは、上記した図5に示す如く、密閉形の冷凍システムの圧縮機として用いられる。そして、そのリニアコンプレッサとしては、図1に示す如く、外周が密閉円筒状のハウジング1によって包囲され、リニアコンプレッサを密閉空間として保持している。このハウジング1は、その上部及び下部に圧縮室2、3を有している。 【0019】そして、ハウジング1の下部には低炭素鋼からなる磁気枠(ヨーク)4が形成され、このヨーク4の中心部には上下方向に延びるシリンダ嵌装孔5が貫通形成され、このシリンダ嵌装孔5には金属材料からなる有底円筒状の第1シリンダ6が嵌合されている。 【0020】第1シリンダ6内には、第1ピストン7が摺動可能に嵌装されており、第1シリンダ6と第1ピストン7により冷媒ガスの圧縮空間となる上部圧縮室2が区画形成される。そして、第1シリンダ6には外部のガス流路配管125に接続され、蒸発器124で気化した冷媒ガスを吸入するための第1吸入弁8aが設けられている。 【0021】一方、第1シリンダ6と反対側のハウジング1の上部には、上下方向に延びる第2シリンダ9が設けられており、その第2シリンダ9内には第2ピストン10が摺動可能に嵌装されており、第2シリンダ9と第2ピストン10により冷媒ガスの圧縮空間となる上部圧縮室3が区画形成される。そして、下部圧縮室2と同様に、第2シリンダ9には外部のガス流路配管125と接続し、蒸発器124で気化した冷媒ガスを吸入するための第2吸入弁11aが設けられている。 【0022】そして、第1ピストン7及び第2ピストン10は、ピストンシャフト12の両端部に夫々連結されており、ピストンシャフト12に第1ピストン7側が開放された有底円筒状の可動体(ボビン)13が一体固定されている。 【0023】また、ヨーク4にはシリンダ嵌装孔5と同心状に配置された環状の凹部15が形成され、この凹部15の内側側面には環状の永久磁石16がヨーク4との間に所定の間隙をあけて取り付けられており、この磁石16及びヨーク4によってリニアモータ17の磁気回路が構成され、この磁気回路によって磁石16とヨーク4の外側側面との間の間隙に所定強度の磁界を発生させるようにしている。そして、ボビン13が磁石16及びヨーク4からなる磁気回路の一部に形成した間隙に配設され、ボビン13の外周に巻回された電磁コイル19に所定周波数の交流電流を電源装置(図示せず)から供給することによって第1ピストン7及び第2ピストン10をそれぞれ第1シリンダ6及び第2シリンダ9内で往復移動させ、下部圧縮室2及び上部圧縮室3において所定周期のガス圧を発生させるようになされている。そして、この電源装置は、その駆動電力を制御する制御手段(図示せず)からの制御指令に基づいて所定の駆動電流を電磁コイル19へ供給している。 【0024】そして、図2に示す如く、上記第1ピストン7には、ピストンシャフト12側が開口部となる断面コ字円筒状の凹部7aが開設され、凹部7aに当接する凸部21aが先端部に設けられているジョイント部材21が、ピストンシャフト12の第1ピストン側端部に一体的に取り付けられている。ここで、図2は、図1装置での第1ピストン7及びジョイント部材21の構成を説明するための要部断面図である。図3は、図1装置での第1ピストン7の動作を説明するための要部断面図である。 【0025】ジョイント部材21の凸部21aは、先端部が半球形状となっており、凹部7aと点接触状態で当接することになる。そして、ジョイント部材21には、凹部7aの内径寸法より小さい外径を有する円板状突設部21bが凸部21aの基端部に設けられており、凹部7a側壁と円板状突設部21bとの間に所定のクリアランス(本実施形態例では、約50〜100μm)を有することになる。 【0026】そして、第1ピストン7の凹部7aにジョイント部材21の凸部21aが点接触状態で常時当接するように、板バネ22により押圧付勢されている。そして、板バネ22は、ジョイント部材21を第1ピストン7側に押圧する方向に力が働いているのみであるため、第1ピストン7は、上記クリアランスの範囲内でその軸心の半径方向に移動可能にジョイント部材21と連結されている。そして、第1シリンダ6に対してピストンシャフト12の軸心が平行に若干ずれている場合には、第1ピストン7がジョイント部材21に対してその軸心の半径方向に移動して、第1ピストン7の軸心が第1シリンダ6の軸心と一致することになる(図3(a)参照)。 【0027】また、ジョイント部材21の凸部21aの先端部が半球形状となっており、板バネ22によって第1ピストン7の凹部7aに点接触状態で当接させているので、ピストンシャフト12の軸心と第1シリンダ6の軸心が平行度が無くなり、第1シリンダ6に対してピストンシャフト12の軸心が傾きを有する場合には、第1ピストン7がジョイント部材21に対して当接個所を中心に回動して、第1ピストン7の軸心が第1シリンダ6の軸心と一致することになる(図3(b)参照)。 【0028】これにより、ピストンシャフト12が第1シリンダ6に対して軸ぶれが発生しても、第1シリンダ6と第1ピストン7との軸ぶれが発生するのを防止し、第1ピストン7が第1シリンダ6に片当たりすることなく、当該摺動部での信頼性を維持することができ、摺動部の摩耗による効率低下を防止することができる。特に、本実施形態例の如くピストンシャフト12の両側に第1ピストン7及び第2ピストン10が連結されているような場合には、ピストンシャフト12と第1シリンダ6又は第2シリンダ9との間で軸ぶれが発生しやすく特に効果が期待できる。 【0029】上記説明では、第1ピストン7とピストンシャフト12との連結部構成についてのみ詳述したが、第2ピストン10も第1ピストン7と同様に、凹部10aが設けられている。そして、ピストンシャフト12に一体的に取り付けられたジョイント部材23の凸部23aが凹部10aに点接触状態で常時当接するように板バネ24により押圧付勢されて、ジョイント部材23を介してピストンシャフト12に第2ピストン10が連結されている。ここで、第2ピストン10とジョイント部材23の構成は、上記第1ピストン7とジョイント部材21と同一であるため、詳細な説明は省略する。 【0030】尚、上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。 【0031】例えば、上記実施形態例では、2ピストン構成について説明したが、1ピストン構成のリニアコンプレッサについても適用可能である。 【0032】 【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、シャフトがシリンダに対して軸ぶれが発生して、シリンダ軸心とシャフト軸心との平行度が無くなっている場合においても、シリンダとピストンとの軸ぶれが発生するのを防止することができる。 【0033】従って、ピストンがシリンダに片当たりすることなく、当該摺動部での信頼性を維持することができ、摺動部の摩耗による効率低下を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月28日(1999.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111383 【弁理士】 【氏名又は名称】芝野 正雅
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| 【公開番号】 |
特開2001−182652(P2001−182652A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−372238 |
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