| 【発明の名称】 |
マンホールポンプの自家発電始動方式 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤本 学
【氏名】冨士 邦彦
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| 【要約】 |
【課題】自家発電装置を備えたマンホールポンプシステムにおいて、誘導電動機の始動電流を低減して、発電装置の容量の大型化を阻止する。
【解決手段】マンホール内に設けたポンプ12と誘導電動機11と機械式水位計52と、マンホール外に設けた発電機47と原動機45とスタータモータ42と電力貯蔵手段41と開閉器33とを設けたマンホールポンプシステムにおいて、機械式水位計52によりマンホール内の水位が上昇したことを感知して発電機47の運転を開始し、発電機47が定格運転に達する前に開閉器33を閉じて誘導電動機11の運転を開始することによって、誘導電動機の始動電流を発電機の容量内に収めるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マンホール内に設けたポンプおよび該ポンプを駆動する誘導電動機と、マンホール外に設けた前記誘導電動機の電源となる発電機と、該発電機を駆動する原動機と、該原動機を始動するスタータモータと、該スタータモータ用電力貯蔵手段を有するマンホールポンプシステム。 【請求項2】 マンホール内に機械式水位検出手段を設け、該水位検出手段によりマンホール内の水位が上昇したことを感知して前記発電機の運転を開始するようにした請求項1に記載のマンホールポンプシステム。 【請求項3】 前記誘導電動機と前記発電機の間にスタータモータ用の電力貯蔵手段を電源とする開閉器を設け、該発電機が定格運転に達する前に前記開閉器を閉じて前記誘導電動機の運転を開始することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマンホールポンプシステム。 【請求項4】 前記誘導電動機の保護回路を設け、前記発電機の出力が定格に達した後に該保護回路を動作させるようにした請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマンホールポンプシステム。 【請求項5】 マンホール内に設けたポンプおよび該ポンプを駆動する誘導電動機と、マンホール外に設けた前記誘導電動機の電源となる発電機と、該発電機を駆動する原動機と、該原動機を始動するスタータモータと、該スタータモータ用電力貯蔵手段と、前記誘導電動機と前記発電機とを閉路するスタータモータ用の電力貯蔵手段を電源とする開閉器とを有するマンホールポンプシステムにおける誘導電動機の始動方法であって、前記発電機の始動時に発電機が定格運転に達する前に前記開閉器を閉路して前記誘導電動機を始動することを特徴とするマンホールポンプシステムの誘導電動機の始動方法。 【請求項6】 前記マンホール内にマンホール内の水位を検出する機械式水位検出手段を設け、該水位検出手段によりマンホール内の水位が上昇したことを感知して前記発電機の運転を開始するようにしたことを特徴とする請求項5に記載のマンホールポンプシステムの誘導電動機の始動方法。 【請求項7】 前記誘導電動機の保護回路を設け、前記発電機の出力が定格に達した後に該保護回路を動作させるようにした請求項5または請求項6に記載のマンホールポンプシステムの誘導電動機の始動方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原動機と発電機からなる自家発電装置を併設したマンホールポンプシステムの構成および制御方法に関する。 【0002】さらに、本発明は、マンホールポンプを自家発電装置を用いて運転する際、ポンプ駆動用の誘導電動機が加速している間の電流を電動機の定格電流以下に抑えることにより、自家発電装置の容量を従来の始動方式に比べ約半減することのできる自家発電装置を併設したマンホールポンプシステムの構成及び制御方法に関する。 【0003】 【従来の技術】マンホールポンプは、公共下水道用、集落排水用および雨水用などの排水・下水道網における中継ポンプとして利用されている。このような排水・下水道網では、通常自然落下を利用して排水や下水を下流に流しているが、網が大きくなると下流側の深度が深くなり、建設費の高騰や、保守が困難となるなどの問題を引き起こすので、排水・下水道網中に商用電源によって駆動される誘導電動機を用いたポンプにより排水・下水の水位を揚げるマンホールポンプを設けることが行われている。 【0004】このようなマンホールポンプのシステム構成を図4を用いて説明する。マンホールポンプシステムは、水中ポンプ10と、制御盤30と、マンホール50とを有して構成される。水中ポンプ10は電動機とポンプを一体化して構成され、水中での使用に耐えるように構成され、マンホール50内に設置されている。マンホール50には、中間の位置に設けた流入管55と、流入管より高い位置に設けた送水管57を有しており、流入管55からは上流から排水・下水が流入し、送水管57からはポンプ10によって圧力を高められた排水・下水が送出される。さらに、マンホール50内にはマンホール内の水位を検出する水位検出手段51とバックアップ用の機械式水位計52が設けられている。制御盤30には、商用電源が引きこまれており、水位検出手段が検出したマンホール内の水位によって水中ポンプの運転を制御する制御回路と、電動機への電力供給を司る開閉器と、電動機の保護回路が設けられている。 【0005】このようなマンホールポンプシステムにあっては、商用電源が停電した場合にも排・下水道網を機能させることが要求される場合には、マンホールポンプシステムに自家発電装置を設け、商用電源の停電時には自家発電気から電力を供給してポンプを運転できるようにすることが考えられる。 【0006】自家発電機を用いてポンプを駆動する場合には、先ず、自家発電機の原動機を始動させ、この原動機によって駆動される発電機の出力が定格に達してから誘導電動機を始動させてポンプを動作させることが考えられる。 【0007】ところで、誘導電動機に電力を供給する自家発電機の容量は、負荷の連続容量、等価逆相電流、および始動加速容量により決まる。マンホールポンプでは、負荷がポンプであるので加速容量は小さく、一般的に高調波の発生は少ないので等価逆相電流も問題とはならない。 【0008】一方、誘導電動機は、直入れの場合定格電流の6〜9倍の始動電流が流れるので、このような始動電流に耐えるためには、自家発電装置の容量を大きくすることが必要となる。このことは、自家発電装置を構成する原動機や発電機の容量の増大を招き、制御盤の大型化を引き起こすなど種々の問題を有している。 【0009】誘導電動機の始動電流を低減する方法としては、Y−Δ切換方式、CCT方式、リアクトル始動方式、静止形減電圧始動方式を用いる方式、またインバータを用いる方式などがある。 【0010】Y−Δ切換方式およびCCT方式では、始動電流は直入れのときと比べ1/3程度になる。しかし、この方式でもYからΔへの切換時には電動機の定格電流の2倍程度の始動電流が流れ、また、接続には口出線が6本必要となる。マンホールポンプに用いる誘導電動機の容量は主に0.4〜15kW程度であり、この容量の誘導電動機には口出線は3本のものが多い。 【0011】リアクトル始動方式では、必要加速トルクを考慮すると、始動電流が直入れのときと比べ1/2までしか減らないので、定格電流の3倍の始動電流が流れてしまうことになる。 【0012】静止形減電圧始動方式を用いる方法では、実行値としては始動電流が低減されるが、位相制御でのピーク電流は変わらないので、結局自家発電装置の容量を小さくすることはできない。 【0013】インバータを用いた方式では、始動電流を定格電流以下に低減することができるが、高調波電流が発生するので、自家発電装置を電源とする場合は等価逆相電流を考慮する必要が生じ、自家発電装置を小さくすることはできない。 【0014】上記従来例の自家発電装置を具備したマンホールポンプにおいては、始動方式を工夫することによって、自家発電装置が定格に達した後に直入れする場合よりは始動電流が低減されるが、依然として定格電流の2〜3倍の始動電流が流れる。 【0015】また、上記インバータを用いた起動方式を用いた場合には、始動電流を定格電流より小さくすることができるが、等価逆相電流が増加してしまうという問題がある。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、原動機と発電機からなる自家発電装置を具備したマンホールポンプシステムにおいて、誘導電動機の始動電流が自家発電装置の定格以内となるようにしたマンホールポンプシステムの構成およびマンホールポンプシステムの誘導電動機の始動方法を提供することを発明が解決しようとする課題とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、マンホールポンプシステムにおいて、自家発電装置が定格運転になる前に、ポンプ駆動用の誘導電動機を自家発電装置に接続するようにした。このことによって、発電機の出力電圧V/周波数F一定で加速するという特性を利用することにより、誘導電動機を定格電流以下で加速することができる。 【0018】本発明は、マンホールポンプシステムを、マンホール内に設けたポンプおよび該ポンプを駆動する誘導電動機と、マンホール外に設けた前記誘導電動機の電源となる発電機と、該発電機を駆動する原動機と、該原動機を始動するスタータモータと、該スタータモータ用電力貯蔵手段とを有して構成する。 【0019】また、本発明は、上記マンホールポンプシステムにおいて、マンホール内に機械式水位検出手段を設け、該水位検出手段によりマンホール内の水位が上昇したことを感知して前記発電機の運転を開始するようにした。 【0020】さらに、本発明は、上記マンホールポンプシステムにおいて、前記誘導電動機と前記発電機の間にスタータモータ用の電力貯蔵手段を電源とする開閉器を設け、該発電機が定格運転に達する前に前記開閉器を閉じて前記誘導電動機の運転を開始するようにした。 【0021】本発明は、上記マンホールポンプシステムにおいて、前記誘導電動機の保護回路を設け、前記発電機の出力が定格に達した後に該保護回路を動作させるようにした。 【0022】本発明は、マンホール内に設けたポンプおよび該ポンプを駆動する誘導電動機と、マンホール外に設けた前記誘導電動機の電源となる発電機と、該発電機を駆動する原動機と、該原動機を始動するスタータモータと、該スタータモータ用電力貯蔵手段と、前記誘導電動機と前記発電機とを閉路するスタータモータ用の電力貯蔵手段を電源とする開閉器とを有するマンホールポンプシステムにおける誘導電動機の始動方法であって、前記発電機の始動時に発電機が定格運転に達する前に前記開閉器を閉路して前記誘導電動機を始動するようにした。 【0023】また、本発明は、上記マンホールポンプシステムの誘導電動機の始動方法において、前記マンホール内にマンホール内の水位を検出する機械式水位検出手段を設け、該水位検出手段によりマンホール内の水位が上昇したことを感知して前記発電機の運転を開始するようにした。 【0024】さらに、本発明は、上記マンホールポンプシステムの誘導電動機の始動方法において、前記誘導電動機の保護回路を設け、前記発電機の出力が定格に達した後に該保護回路を動作させるようにした。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。 【0026】図1は本発明を説明するためのマンホールポンプのシステム構成を示す図を、図2は本発明によるマンホールポンプシステムの自家発電装置による始動時のPAD図を、図3は発電機のV/F特性を示す図をそれぞれ示している。 【0027】図1に示すように、本発明にかかるマンホールポンプシステムは、誘導電動機11と、誘導電動機11によって駆動されるポンプ12と、水位検出手段51と、機械式水位計52と、電力貯蔵手段41と、スタータモータ42と、原動機45と、発電機47と、開閉器33と、開閉器35と、開閉器37と、保護回路39とを有して構成される。 【0028】誘導電動機11は、商用電源または発電機47から電力が供給されて動作する。 【0029】ポンプ12は、誘導電動機11によって駆動され、マンホール50内の排水・下水を送水管57へ送出する。 【0030】制御回路31は、電力貯蔵手段41から電力が供給されて動作する。制御回路31は、商用電源の停電時に、機械式水位計52がマンホール50内の水位が規定の高さを超えたことを検出したときに、電力貯蔵手段41からスタータモータ42へ電力を供給して原動機45を起動する。また、制御回路31は、機械式水位計52が、マンホール50内の水位が規定の高さを超えたことを検出したときに誘導電動機11に電力を供給するように動作し、マンホール50内の汚水がほとんどなくなったときに誘導電動機11への電力供給を断つように動作する。さらに、制御回路31は、誘導電動機11へ供給される電圧が定格電圧に達したのちに保護回路39に電力を供給するように動作する。 【0031】開閉器33は、電力貯蔵手段41を電源として動作し、商用電源の停電時に、発電機11が発電を開始した後出力が定格に達する以前に、誘導電動機11と発電機47を閉路する発電機閉路用開閉器として働く【0032】開閉器35は、商用電源を電源として動作し、商用電源の健常時にマンホール50内の水位が規定値以上になったとき商用電源を誘導電動機11に閉路する商用電源閉路用開閉器として働く。 【0033】開閉器37は、発電機47が定格運転になり制御電源が確立した後、保護回路39に電力を供給するための開閉器として働く。 【0034】保護回路39は、誘導電動機11の過負荷時に誘導電動機11への電力供給を停止して誘導電動機11を保護する働きを有している。 【0035】電力貯蔵手段41は、電力を貯蔵する能力を有しており、商用電源などから常時充電されるバッテリーなどから構成される。この電力貯蔵手段41は、スタータモータ42へ駆動電力を供給するとともに、制御回路31と開閉器33へ動作電力を供給する。 【0036】スタータモータ42は、停電時に機械式水位計52が閉路すると、電力貯蔵手段41から電力が供給されて駆動され、原動機45を起動させる【0037】原動機45は、停電時にスタータモータ43に駆動されて運転を開始し、発電機47を駆動する。 【0038】発電機47は、商用電源が停電のとき原動機45により駆動され誘導電動機11を駆動する電力を発生する。 【0039】水位検出手段51は、商用電源の健常時に、マンホール50内の水位を感知して、開閉器35を閉路するように働く。 【0040】機械式水位計52は、商用電源の健常時に水位検出手段51がマンホール50内の水位が規定の水位を超えたことを検出できなかったときに、開閉器35を閉路するように働く。さらに、機械式水位計52は、停電時にマンホール50内の水位を感知して、スタータモータ42の起動スイッチとして働く【0041】このようなマンホールポンプシステムにおいて、商用電源が停電している場合を考える。商用電源が停電しているときには、開閉器33および開閉器35ならびに開閉器37は開路している。マンホール50内の水位が上昇し、規定の高さを超えると機械式水位計52が動作する。制御回路31は、この機械式水位計52の動作と商用電源が停電していることを条件として、スタータモータ42を使って原動機45を駆動して発電機47の運転を開始指せる。開閉器33は発電機47が運転を開始した直後に閉路する。 【0042】このような構成を有する、マンホールポンプシステムの自家発電による始動時の制御を図2を用いて説明する。まず、機械式水位計52の動作を監視してマンホール50内の水位が規定の高さを超えたか否かを判断する(S1)。マンホール50内の水位が規定の高さを超えたときには、商用電源が停電中であるか否かを判定する(S2)。商用電源が停電中であるときには、電力貯蔵手段41から電力を供給してスタータモータ42を始動する(S3)と、回転型原動機45が始動する(S4)。これによって、原動機45に直結された発電機47が始動する(S5)。 【0043】発電機47が始動した直後に開閉器33を閉路して発電機11から誘導電動機47へ電力を供給する(S6)。これにより誘導電動機11が始動する(S7)が、発電機47の出力周波数Fと出力電圧Vはともに低いので、誘導電動機11の電流は発電機47の定格電流値以下に維持されるとともに、トルクは一定に保たれる。 【0044】発電機47の運転が確立したか(定格電圧・定格周波数となったか)否かを監視し(S8)、運転が確立したときには、開閉器37を閉路して保護回路39に電力を供給する(S9)。 【0045】ステップS2において、商用電源が停電していないときには、開閉器35が閉じて(S10)、誘導電動機11を始動する(S11)とともに、開閉器37を閉路して保護回路39に電力を供給する(S12)。 【0046】発電機47の出力電圧Vと周波数Fは、図3に示すようにV/F一定で加速する。すなわち、起動時には出力電圧は低く速度が高くなるに従って(周波数が上がるに従って)一定の比で出力電圧が上昇し、所定時間が経過して定格速度に達した時点で定格電圧を出力する。ところで、誘導電動機11の電流は、電源の電圧に比例する。一方、誘導電動機11のトルクは、電源の電圧と周波数の比の2乗に比例する。 【0047】したがって、発電機47の起動直後の回転速度(周波数)は低くの出力電圧は低いので、誘導電動機11は滑りSが最大であるにもかかわらず電流は発電機11の定格を超えることがなく、発電機47の速度が上がるに従って出力電圧が上昇するが、誘導電動機11の滑りSが減少しているので電流は低下し始めており発電機11の定格を超えることがない。しかも、発電機47の出力電圧Vと周波数Fは一定であるので、誘導電動機11のトルクは落ちることがなくポンプ12を駆動することができる。 【0048】このように、本発明によれば、発電機47の加速時のV/F特性を用いることにより誘導電動機11のトルクを落とすことなく始動電流のみ低減することができる。 【0049】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば原動機と発電帰途からなる自家発電機を備えたマンホールポンプシステムにおいて、発電機の始動時に自家発電装置の定格出力に達する以前に誘導電動機を始動させることにより、発電機の出力電圧V/周波数Fが一定で加速する特性を利用して、低い出力電圧のときに誘導電動機を始動することができ始動電流を発電機の定格以内に押さえることができる。したがって、誘導電動機の始動電流を定格電流以下に抑制することができ自家発電装置の容量を小さくすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年11月1日(1999.11.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095913 【弁理士】 【氏名又は名称】沼形 義彰 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−132648(P2001−132648A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−310840 |
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