| 【発明の名称】 |
密閉型圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】倉林 孝尚
|
| 【要約】 |
【課題】密閉型圧縮機は密閉容器内に圧縮要素と電動要素が配設されている構造のため、前記密閉容器内は高温,高圧状態の冷媒,オイルに曝され、前記電動要素の固定子に使用されている絶縁紙等の有機材料,巻線等が劣化する。よって前記電動要素の固定子のリサイクル,リユースが困難であった。本発明はこの課題の解決を図る。
【解決手段】密閉容器1内に圧縮要素6a,6bと、電動要素2の回転子4と、前記回転子4の外周に、空隙を隔ててドーム状のキャップ14で前記密閉容器1を構成し、前記ドーム状キャップ14の外周に、前記電動要素2の固定子3を配設した構造である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密閉容器内に圧縮要素と、電動要素の回転子と、前記回転子の外周に、空隙を隔ててドーム状キャップで前記密閉容器を構成し、前記ドーム状キャップの外周に、電動要素の固定子を配設した構造を特徴とした密閉型圧縮機。 【請求項2】 ドーム状キャップの材質を非磁性材料で構成した請求項1記載の密閉型圧縮機。 【請求項3】 密閉容器内の圧縮要素にレシプロ方式を採用した請求項1記載の密閉型圧縮機。 【請求項4】 密閉容器内の圧縮要素に2気筒対向型レシプロ方式を採用した請求項1記載の密閉型圧縮機。 【請求項5】 密閉容器内に2気筒対向レシプロ方式の圧縮要素と、前記圧縮要素の対向する2個のピストンに連結された対向する2個のコンロッドと、前記コンロッドが同一線上、もしくは略同一線上に配設されるよう、前記コンロッドのロッド部を互いに屈折する構造とした請求項1記載の密閉型圧縮機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫等に使用される密閉型圧縮機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、密閉型圧縮機は環境対応としてリサイクル,リユースが求められ、さらに使用される冷媒に対してもHC冷媒,HFC冷媒,アンモニア冷媒等、巾広い冷媒対応が要求されていることは既に知られている。 【0003】従来、密閉型圧縮機は特許公開公報平3−258980に記載されたものが知られている。 【0004】図3,図4に従来の密閉型圧縮機の構造を示しており、図3,図4において、1は密閉容器、2は電動要素で3は固定子、4は回転子、5はクランク軸によって構成され、6は圧縮要素で、7はシリンダーヘッド、8はシリンダー、9はピストン、及び前記クランク軸5の偏芯部10に連結されたコンロッド11によって構成され、圧縮要素6は、スプリング12にて密閉容器1内に弾性支持されている。 【0005】尚、オイル13は密閉容器1の底部に貯溜する潤滑油である。 【0006】以上のように構成された密閉型圧縮機において、電動要素3の回転子4が起動し、クランク軸5が回転すると、その偏芯部10、及びコンロッド11を介して伝達される運動により、ピストン9がシリンダー8内を往復運動し、冷媒ガスは、吸入,圧縮,吐出するものである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の構成では、電動要素が密閉容器内に配設するため、高温,高圧状態の冷媒,オイル、に曝されるため、電動要素の固定子に使用されている絶縁紙等の有機材料,巻線等が劣化するため、前記電動要素の固定子のリサイクル,リユースが困難な課題を有していた。 【0008】本発明は、上記課題を解決しようとするもので、密閉容器内に圧縮要素と電動要素の回転子を配設し前記電動要素の固定子をドーム形状キャップを介在して回転子を回転させる構造のため、電動要素の固定子が高温,高圧状態の冷媒,オイルに曝されることが無い、よって電動要素の固定子に使用されている絶縁紙等の有機材料,巻線等の劣化が著しく軽減されるため、前記電動要素の固定子のリサイクル,リユースが図れる。さらにリサイクル時に前記密閉容器を分解すること無く、前記電動要素の固定子を簡単に分離出来ることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明では、前記密閉容器内に前記圧縮要素と、前記電動要素の回転子と、前記回転子の外周に、空隙を隔てて前記ドーム状キャップで前記密閉容器を構成し、前記ドーム状キャップの外周に、前記電動要素の固定子を配設した構造である。 【0010】これにより、前記電動要素の固定子が、高温,高圧状態の冷媒,オイルに曝されることが無く電動要素の固定子に使用されている絶縁紙等の有機材料,巻線等の劣化が著しく軽減でき、前記電動要素の固定子のリサイクル,リユースが可能となる。さらに前記電動要素の固定子のリサイクル時も前記密閉容器を分解することなく、前記電動要素の固定子を簡単に分離する事が出来る。 【0011】 【発明の実施の形態】発明の請求項1、に記載の発明は、密閉容器内に圧縮要素と、電動要素の回転子と、前記回転子の外周に、空隙を隔ててドーム状キャップで前記密閉容器を構成し、前記電動要素の固定子が、高温,高圧状態の冷媒,オイルに曝されることが無く電動要素の固定子に使用されている絶縁紙等の有機材料,巻線等の劣化が著しく軽減でき、前記電動要素の固定子のリサイクル,リユースを可能にする作用を有する。 【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、一般に前記電動要素の回転子と前記電動要素の固定子との空隙の大きさが前記電動要素のモータ効率に影響を与える。よって、前記ドーム状キャップの板厚を含んだ長さが実際の空隙となり、前記ドーム状キャップの材質が鋼鈑等の磁性材料で構成すると、前記磁性材料の表面に渦電流が発生し、渦電流による損失が生ずる。前記鋼鈑等の磁性材料の代わりにステンレス等の非磁性材料を使用することによって、前記渦電流による損失を大幅に軽減でき前記電動要素のモータ効率向上の作用を有する。 【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、前記ドーム状キャップの板厚は前記電動要素の回転子と前記電動要素の固定子との空隙の一部を構成するため、前記ドーム状キャップの板厚は薄い板厚が要求される。よって前記薄い板厚のドーム状キャップで密閉容器を構成するためには、前記密閉容器内は低圧圧力方式の圧縮方式が要求される。前記密閉容器内が低圧圧力方式としてレシプロ方式を採用することによって、前記ドーム状キャップの板厚は薄い板厚のドーム状キャップの構造が可能となり、前記電動要素のモータ効率向上の作用を有する。 【0014】本発明の請求項4に記載の発明は、前記密閉容器内にレシプロ方式の圧縮要素が要求され、前記レシプロ方式の圧縮要素が前記密閉容器内に係止されると、前記レシプロ方式の圧縮要素のピストンを含む往復運動部分の慣性力により前記圧縮要素が大きな加振力を発生し、前記密閉容器の振動が大きくなる。前記圧縮要素を2気筒対向型レシプロ方式の構造を採用することによって、前記圧縮要素のピストンを含む往復運動部分の慣性力が互いに打ち消し合って加振力が小さくなり、前記密閉容器の振動低減の作用を有する。 【0015】本発明の請求項5記載の発明は、前記圧縮要素を2気筒対向型レシプロ方式の構造を採用することによって、前記圧縮要素のピストンを含む往復運動部分の慣性力が互いに打ち消し合うが前記2気筒対向型レシプロ方式の構造を採用しても、対向するピストンを含む往復運動部分が同一軸線上に配設されてない構造の場合、前記対向する往復運動部分の慣性力が偶力として作用し、前記圧縮要素に加振力が発生する。前記2気筒対向型レシプロ方式の対向する2個のピストンに連結された対向する2個のコンロッドと、前記コンロッドが同一線上、もしくは略同一線上に配設されるよう前記コンロッドのロッド部を互いに屈折する構造を採用することによって、偶力による加振力を減少させ、前記密閉容器の振動低減の作用を有する。 【0016】 【実施例】以下本発明の実施の形態について図1,図2を用いて説明する。尚従来例と同一部品は同一符号を付し、詳細な説明を省略する。 【0017】(実施例1)図1は本発明の請求項1の実施例による密閉型圧縮機の正面図、図2は本発明の側面図、1は密閉容器で、対向する圧縮要素6a,6bと、2個の偏芯部10a,10bを備えたクランク軸5と、電動要素2の回転子4と、前記電動要素2の回転子4と、空隙を隔ててドーム状キャップ14で前記密閉容器1を構成している。 【0018】以上のような構成によって、前記電動要素2の固定子3は前記ドーム状キャップ14の外周を保持する構造で、前記ドーム状キャップの先端部をドーム形状にすることによって、前記密閉容器1の内圧でドーム状キャップ14が変形に耐える剛性と強度向上の作用を有する。 【0019】また前記ドーム状キャップは前記電動要素2の回転子4と、前記電動要素の固定子3の空隙を構成する一部を占めるため、前記ドーム状キャップ14の板厚は薄く、かつ前記ドーム状キャップの材質をステンレス等の非磁性材料で構成することによって、前記電動要素2のモータ効率向上の作用を有する。 【0020】また、前記ドーム状キャップ14は前記電動要素3のモータ効率を向上させるため、前記ドーム状キャップ14は薄い板厚が要求される。よって前記密閉容器1内は低圧圧力方式の圧縮要素が要求され、前記レシプロ方式の圧縮要素を前記密閉容器内に係止することによって、前記ドーム状キャップ14の板厚は薄い板厚でも剛性と強度に対して良好な作用を有する。 【0021】更に前記レシプロ方式の圧縮要素6a,6bは2気筒対向型レシプロ方式で、しかも対向する2個のピストン9a,9bと、シリンダー8a,8bを同一線上、もしくは略同一線上に配設するよう前記対向するピストン9a,9bに連接する2個の対向するコンロッド11a,11bのロッド部15a,15bを互いに屈折することによって同一線上、もしくは略同一線上に配設することを可能とし、前記圧縮要素6a,6bの対向する往復運動部の慣性力によって生ずる偶力を減少させ、前記密閉容器1の振動低減の作用を有する。 【0022】 【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、密閉容器内に圧縮要素と、電動要素の回転子と、前記回転子の外周に、空隙を隔ててドーム状キャップで前記密閉容器を構成し、前記ドーム状キャップの外周を、前記電動要素の固定子の内径で、前記ドーム状のキャップの外周を保持する構造を採用したことによって、前記電動要素の固定子が、高温,高圧状態の冷媒,オイルに曝されること無く使用されるため、前記電動要素の固定子に使用されている絶縁紙等の有機材料,巻線等の劣化が大幅に軽減される。よって環境対応として前記電動要素の固定子のリサイクル,リユースが可能な密閉型圧縮機が得られる。 【0023】また、請求項2記載の発明によれば、密閉容器内に圧縮要素と、電動要素の回転子と、前記回転子の外周に、空隙を隔てて材質がステンレス等の非磁性材料で出来たドーム状キャップで前記密閉容器を構成し、前記ドーム状キャップの外周に、前記電動要素の固定子の内径で、前記ドーム状キャップの外周を保持する構造を採用することによって、前記ドーム状キャップに発生する渦電流による損失を低減することが出来る。よって前記電動要素のモータ効率の高いリサイクル,リユースが可能な密閉型圧縮機が得られる。 【0024】また、請求項3記載の発明によれば、密閉容器内に圧縮要素として、低圧圧力方式のレシプロ方式を採用することによって、前記ドーム状キャップ14の板厚は薄い板厚が使用可能となる。よって前記電動要素のモータ効率の高いリサイクル,リユースが可能な密閉型圧縮機が得られる。 【0025】また、請求項4記載の発明によれば、密閉容器内に圧縮要素として、2気筒対向型レシプロ方式を採用することによって、前記圧縮要素のピストンを含む往復運動部分の慣性力が互いに打ち消し合って加振力が減少し、前記密閉容器の振動が低減される。よって前記密閉容器の振動が小さいリサイクル,リユースが可能な密閉型圧縮機が得られる。 【0026】また、請求項5記載の発明によれば、密閉容器内に圧縮要素として、2気筒対向レシプロ方式を採用することによって、前記圧縮要素の対向する2個のピストンに連結された対向する2個のコンロッドと、前記コンロッドが同一線上、もしくは略同一線上に配設されるよう、前記コンロッドのロッド部を互いに屈折する構造を採用することによって、前記2個の対向する往復運動部分の慣性力によって生ずる偶力を減少させる。よって前記密閉容器の振動が小さいリサイクル,リユースが可能な密閉型圧縮機が得られる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004488 【氏名又は名称】松下冷機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年10月29日(1999.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−132643(P2001−132643A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−309336 |
|