| 【発明の名称】 |
圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】池原 正親
【氏名】関屋 宣三
【氏名】古谷 勝昭
【氏名】岩本 康孝
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| 【要約】 |
【課題】油分等の異物を含有するガスについても、長期に亘って良好なシール機能を発揮、維持しうる静圧形のガスシールと高圧のシールガス、パージガス供給設備の小容量化と消費量が削減された圧縮機を提供する。
【解決手段】シールケースと回転軸との間に、複数の環状溝とこれに突入する複数の環状板とからなるラビリンスシールが設けられ、このラビリンスシールにより、シールケース内における密封端面の外径側領域と機内領域とが区画され、シールケースには、環状溝の底部に連通し且つ機内領域に開口する返戻通路と、外径側領域に機内領域より高圧のパージガスを供給するパージガス供給路と、外径側領域に開口すると共に該領域と同圧に保持された異物回収タンクに連通する異物回収路とが設けられている。又、運転条件により機内圧力変動を圧力スイッチにより検出し、機内圧力上昇時において外径側領域に高圧シールガスを供給してシール不良を防止し、また、複数のシールガス及びパージガス圧力源を選択することにより、高圧のシールガス、パージガス供給設備を小容量化すると共に、N2ガス消費量を削減する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転機器に、その機内領域に一端部を開口させた水平状態で取着された筒状のシールケースと、該シールケースの他端部に相対回転不能に且つ軸線方向に移動自在に保持された静止密封環と、該静止密封環よりも前記機内領域側に配置され、前記シールケース及び静止密封環を洞貫する回転軸に固定された回転密封環と、前記静止密封環を前記回転密封環へと押圧附勢する附勢部材と、前記両密封環の対向端面たる密封端面間に、これを非接触状態に保持すべく静圧を発生させる静圧発生機構とを具備してなる非接触形メカニカルシールを備えるとともに、前記シールケースと回転軸との間に、該シールケースの一端部の内周部に軸線方向に並列状に設けた複数の環状溝と回転軸の外周部に軸線方向に並列に且つ各環状溝に突入する状態で設けた複数の環状板とで構成されるラビリンスシールを設けた軸封部であって、前記ラビリンスシールにより前記シールケース内における前記非接触形メカニカルシールの密封端面の外径側領域を機内領域と区画する軸封部を備えたことを特徴とする圧縮機。 【請求項2】 前記シールケースに、前記複数の環状溝の底部に連通し且つ前記機内領域に開口する返戻通路を設けると共に、該返戻通路の下面が、その機内領域への開口部に向かって下方に傾斜するテーパ面に構成されていることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。 【請求項3】 前記シールケースに、前記外径側領域に機内領域より高圧のパージガスを供給するパージガス供給路を設けたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。 【請求項4】 前記シールケースに前記外径側領域に開口する異物回収路を設けると共に、該異物回収路に前記外径側領域と同圧に保持された異物回収タンクを接続したことを特徴とする請求項3記載の圧縮機。 【請求項5】 前記回転軸を水平に配置し、前記返戻通路を該回転軸の下方に配置するとともに、前記異物の回収路を該回転軸の直下位置において前記外径側領域に開口したことを特徴とする請求項4記載の圧縮機。 【請求項6】 前記異物回収タンクへの捕集物は、圧縮機の吸入孔もしくは吸入圧管へ、ポンプ及び吐出ガス切換弁を介したガス圧力より該圧縮機のロータ室へ戻し、吐出ガスとともに排出するように構成されてなることを特徴とする請求項4記載の圧縮機。 【請求項7】 回転機器の機内領域とラビリンスシールを介して連通された外径側領域と機外領域との間に、前記回転機器の回転軸に固定されて前記外径側領域に臨む回転密封環と、該回転密封環の端面に附勢部材により押圧される端面を有し、前記回転軸の軸方向に移動可能な静止密封環と、該回転密封環と静止密封環の前記押圧端面間にシールガスを供給することにより形成される静圧発生機構とを備えた非接触形メカニカルシール機構を設けた圧縮機であって、高圧ガス源と前記外径側領域とを接続し、該閉弁を備えた高圧ガス管路と、前記機内領域の圧力の上限値が設定され、該機内圧力が上限値に達したとき作動して、前記高圧ガス管路の開閉弁を開弁して前記高圧ガス源からのガスを前記外径側領域に導入する圧力スイッチとを備えたことを特徴とする圧縮機。 【請求項8】 回転機器の機内領域とラビリンスシールを介して連通された外径側領域と機外領域との間に、前記回転機器の回転軸に固定されて前記外径側領域に臨む回転密封環と、該回転密封環の端面に附勢部材により押圧される端面を有し、前記回転軸の軸方向に移動可能な静止密封環と、該回転密封環と静止密封環の前記押圧端面間にシールガスを供給することにより形成される静圧発生機構とを備えた非接触形メカニカルシール機構を設けた圧縮機であって、高圧ガス源と前記外径側領域とを接続し、開閉弁を備えた高圧ガス管路と、前記機内領域の圧力の下限値が設定され、該機内圧力が下限値に達したとき作動して前記開閉弁を遮断し、高圧ガス管路と外径側領域との間を遮断するとともに、該外径側領域を低圧ガス管路に接続せしめて、該外径側領域に低圧ガスを導入する圧力スイッチを備えたことを特徴とする圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は非接触形メカニカルシールを備えて、油分、水分、スラッジ、粉体等の液状又は固体上の異物を含有するガスを圧縮する圧縮機に関する。 【0002】 【従来の技術】ガスを圧縮する圧縮機に用いられる非接触形メカニカルシールとしては、回転軸側の回転密封環とシールケース側の静止密封環とを、両密封環の対向端面たる密封端面間に静圧を発生させることにより、非接触状態に保持させつつ、圧縮機の内部領域たる機内領域と外部領域たる大気領域とをシールするように構成されたものが公知である。 【0003】係る非接触形メカニカルシールは、密封端面が相対回転摺接する端面接触形のメカニカルシールと異なって、ドライな条件下においても密封端面が焼き付く等の問題を生じることがなく、ガス圧縮機の軸封装置として好適に使用されるものである。又、係る圧縮機において、シールガス及びパージガス供給圧力は、機内圧力の最高圧力を基に決定される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来技術に係る非接触形メカニカルシールを備えた圧縮機には次のような解決すべき課題がある。 (1)シールすべきガスが、油分等の液状異物やスラッジ固体状異物を含有する場合には、係る異物が非接触状態にある密封端面間に侵入したり、密封端面に付着、堆積したりする虞れがある。そして、このような事態が発生すると、密封端面間の静圧を適正にコントロールすることができなくなり、シール機能が低下あるいは喪失する。 【0005】(2)殊にガス圧縮機用としての非接触形メカニカルシールにあっては、非常時又は瞬停時等の過渡的な始動あるいは停止時に機内圧力が吐出ガス圧力まで高くなるのが通例であるが、このため最高機内圧力に応じたシールガス及びパージガス供給のための供給圧力源を設ける必要がある。その結果、高圧のシールガス及びパージガス供給設備の設置を要し、設備が複雑大型化して高コストとなるとともに、通常運転中においてシールガス及びパージガスの消費量の低減が困難となる。 【0006】本発明は前記のような異物含有ガスを圧縮する圧縮機において、上記のようなガス中の異物の密封端面間への侵入を阻止し、長期に亘って良好なシール機能を発揮、維持し得る非接触形メカニカルシールを備えて、運転条件に合わせてシールガス及びパージガス(不活性ガス:N2ガス、Airなど)の供給圧力を選択して、高圧のガス供給設備の小容量化及び低コスト化をなすとともに、シールガス及びパージガスの消費量を低減し得る圧縮機を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は係る課題を解決するため、請求項1記載の発明として、回転機器に、その機内領域に一端部を開口させた水平状態で取着された筒状のシールケースと、該シールケースの他端部に相対回転不能に且つ軸線方向に移動自在に保持された静止密封環と、該静止密封環よりも前記機内領域側に配置され、前記シールケース及び静止密封環を洞貫する回転軸に固定された回転密封環と、前記静止密封環を前記回転密封環へと押圧附勢する附勢部材と、前記両密封環の対向端面たる密封端面間に、これを非接触状態に保持すべく静圧を発生させる静圧発生機構とを具備してなる非接触形メカニカルシールを備えるとともに、前記シールケースと回転軸との間に、該シールケースの一端部の内周部に軸線方向に並列状に設けた複数の環状溝と回転軸の外周部に軸線方向に並列し且つ各環状溝に突入する状態で設けた複数の環状板とで構成されるラビリンスシールを設けた軸封部であって、前記ラビリンスシールにより前記シールケース内における前記非接触形メカニカルシールの密封端面の外径側領域を機内領域と区画する軸封部を備えたことを特徴とする圧縮機を提案する。 【0008】係る発明において、具体的には請求項2記載のように構成するのが好適である。即ち請求項2においては、前記シールケースに、前記複数の環状溝の底部に連通し且つ前記機内領域に開口する返戻通路を設けるとともに、該返戻通路の下面が、その機内領域への開口部に向かって下方に傾斜するテーパ面に構成されていることを特徴とする。 【0009】請求項3においては、前記シールケースに、前記外径側領域に機内領域より高圧のパージガスを供給するパージガス供給路を設けたことを特徴とする。請求項4においては、前記シールケースに前記外径側領域に開口する異物回収路を設けるとともに、該異物回収路に前記外径側領域と同圧に保持された異物回収タンクを接続したことを特徴とする。 【0010】請求項5においては、前記回転軸を水平に配置し前記返戻通路を該回転軸の下方に設置するとともに、前記異物回収路を該回転軸の直下位置において前記外径側領域に開口したことを特徴とする。 【0011】係る発明によれば、前記密封端面の外径側領域であるパージガス領域が、ラビリンスシールにより機内領域と区画され該パージガスが充填されていることにより、機内ガスのパージガス領域への侵入が阻止される。 【0012】又、機内ガスはラビリンスシールの蛇行状通路を通過中にラビリンスの環状板部の遠心力の作用を受け、これにより機内ガス中の異物は返戻通路から機内領域に排出される。即ち、機内領域とパージガス領域との境界部分においては、機内ガスがラビリンスの蛇行状通路と返戻通路との間で循環され、機内ガス中の異物が蛇行状通路を通ってパージガス領域に侵入するのが阻止される。 【0013】又、異物がラビリンスシールを通過してパージガス領域に侵入した場合においては、該パージガス領域から異物排出機構により外部に排出され、パージガス領域での異物の堆積が回避される。 【0014】従って、係る発明によれば油分、水分等の液状異物かスラッジ、粉体等の固状異物を含有するガスのシールをこれら異物の機内への侵入を防止して確実になすことができる。 【0015】請求項6においては、前記異物回収タンクへの捕集物は、圧縮機吸入孔もしくは吸入圧管へ、ポンプ及び吐出ガス切換弁を介したガス圧力により該圧縮機のロータ室へ戻し、吐出ガスとともに排出するように構成されてなることを特徴とする。 【0016】請求項7記載の発明は、回転機器の機内領域とラビリンスシールを介して連通された外径側領域と機外領域との間に、前記回転機器の回転軸に固定されて前記外径側領域に臨む回転密封環と、該回転密封環の端面に附勢部材により押圧される端面を有し、前記回転軸の軸方向に移動可能な静止密封環と、該回転密封環と静止密封環の前記押圧端面間にシールガスを供給することにより形成される静圧発生機構とを備えた非接触形メカニカルシール機構を設けた圧縮機であって、高圧ガス源と前記外径側領域とを接続し、開閉弁を備えた高圧ガス管路と、前記機内領域の圧力の上限値が設定され、該機内圧力が上限値に達したとき作動して、前記高圧ガス管路の開閉弁を開弁して前記高圧ガス源からのガスを前記外径側領域に導入する圧力スイッチとを備えたことを特徴とする。 【0017】請求項6、7の発明によれば、圧縮機の減速あるいは停止時に機内領域の圧力が急上昇した際には圧力スイッチにより、高圧のシールガス(N2ガス等)を非接触形ガスシール部の外径側領域に供給してシール部の焼付きを防止できる。 【0018】請求項8記載の発明は、請求項7と同様な非接触形メカニカルシールを備えた圧縮機において、高圧ガス源と前記外径側領域とを接続し、開閉弁を備えた高圧ガス管路と、前記機内領域の圧力の下限値が設定され、該機内圧力が下限値に達したとき作動して前記開閉弁を遮断して高圧ガス管路と外径側領域との間を遮断するとともに、該外径側領域を低圧ガス管路に接続せしめて、該外径側領域に低圧ガスを導入する圧力スイッチを備えたことを特徴とする。 【0019】かかる発明によれば、圧縮機の停止時に高圧のシールガス供給設備に切り換えた後、圧縮機吐出開閉弁を閉止するとともに、放出弁を開操作することにより系内ガスを逃がす。そして、圧縮機の機内領域の圧力を設定圧まで減圧させ、圧力スイッチが下限値を検出して、高圧のシールガスを遮断し、低圧シールガス供給源に切換えさせる。従ってかかる発明によれば、高圧のシールガス及びパージガス供給設備を、小容量化することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。 【0021】図1は本発明の実施形態に係る圧縮機の非接触形メカニカルシール部の回転軸線に沿う上半分の断面図、図2は下半分の断面図、図3は図2のIII− III線に沿う断面図、図4は上記非接触形メカニカルシールの静止密封端面を示す正面図、図5は上記非接触形メカニカルシールの変形例を示す図2相当断面図、図6は上記非接触形メカニカルシールを備えた給油式スクリュー圧縮機の配管、制御系統図である。 【0022】図1〜図4において、この実施形態に係る非接触形メカニカルシールは、水分、油分等の液状異物又はスラッジ、粉体等の固体状異物を含有するガス(以下「機内ガス」という)を扱うスクリュー圧縮機の回転機器1の軸封部11に装着されて、該回転機器1の内部領域たる機内領域Aと回転機器1の外部たる機外領域(大気領域)Bとを遮断シールする静圧形のガスシールであり、シールケース2と静止密封環3と回転密封環4と附勢部材5と静圧発生機構6とラビリンスシール7と返戻通路8とパージガス供給機構9と異物回収機構10とを具備する。 【0023】前記回転機器1の回転軸12は、気外領域Bに設置された駆動装置(図示せず)から軸封部11を洞貫して機内領域Aへと水平に延びるものである。なお、以下の説明において、前、後というときは図1又は図2における左、右を意味する。 【0024】前記シールケース2は、回転機器1の軸封部11に水平に取付けられた筒状のものである。即ち、該シールケース2は、図1及び図2に示す如く、軸封部11の前端面に衝合取着された円筒状の本体部21と、その後端部に一体形成されて、前記軸封部11の内周面にOリング26を介して嵌合取着された円筒状の取付部22と、本体部21の前端部に固着された円筒状の第一保持部23と、その前端部に固着された環状の第二保持部24と、その内周部から後方に突出形成された円筒状の第三保持部25とからなる。 【0025】前記シールケース2の内部は、その一端部(後端部)を構成する前記取付部22において機内領域Aに開口している。なお、この例では、取付部22の内周部22aを円筒状の別部材で構成してある。又、前記回転軸12はシールケース2を同心状に洞貫しており、該シールケース2内に位置する回転軸部分の外周部12aは円筒状の別部材(スリーブ)によって構成されている。 【0026】前記静止密封環3は、回転軸12に同心状に遊嵌された状態で、シールケース2の他端部(前端部)を構成する保持部23、24、25に相対回転不能且つ軸線方向に移動自在に保持されている。即ち、該静止密封環3は、図1及び図2に示す如く、その外周面を所定間隔を隔てて並列する前後一対の第一Oリング27、27を介在させた二次シール状態で、第一保持部23の内周面に保持させるとともに、その介在させた二次シール状態で第三保持部25の外周面に保持させることにより、シールケース2に軸線方向に移動自在に保持されている。 【0027】又、前記静止密封環3は、図2に示す如く、その前端部に穿設した係合凹部32に第二保持部24に植設した回り止めピン29を係合させることによって、一定範囲での前後移動が許容された状態で、シールケース2による保持形態は、図1及び図2に示す如く、当該静止密封環3の外周面における密封端面側(後端縁部側)の極く僅かな部分のみが後述するパージガス領域Cに露出するように工夫されている。 【0028】前記回転密封環4は、図1及び図2に示す如く、前記静止密封環3よりも機内領域A側(後方側)に配置されて、回転軸12に固定されている。即ち、前記回転密封環4は、シールケース2の本体部21に配して、静止密封環3と直対向した状態で回転軸12の外周部12aに嵌合固定されている。密封環3、4の対向端面たる密封端面31、41(以下、静止密封環3の密封端面31を「静止密封端面」という)は、軸線に直交する平滑面とされている。 【0029】前記附勢部材5は、図1に示す如く、静止密封環3と第二保持部24との間に介挿された一又は複数のコイルスプリングで構成されていて、静止密封環3を回転密封環4へと押圧附勢するものであり、密封端面31、41を閉じる方向に作用する閉力を発生させるものである。 【0030】前記静圧発生機構6は、図1に示す如く、静止密封端面31に形成された静圧発生溝61と、静圧発生溝61にシールガス62を供給する一連のシールガス供給路63、64、65と、該シールガス供給路63、64、65の適所に設けた絞り器66とを具備して、シールガス62を静圧発生溝61に供給させることにより、密封端面31、41間にこれを開く方向に作用する静圧(開力)を発生させるようになっている。 【0031】前記静圧発生溝61は、静止密封端面31と同心状の環状をなして連続又は断続する浅い凹溝であり、この例では後者を採用している。すなわち、静圧発生溝61は、図4に示す如く、静止密封端面31と同心環状をなして並列する複数の円弧状凹溝61a…で構成されている。 【0032】前記シールガス供給路63、64、65は、図1に示す如く、シールケース2及び静止密封環3に形成されたー連のものであり、静止密封環3の外周面と第一保持部23の内周面との間に形成される環状空間であって、第一Oリング27、27によってシールされた連通空間64と、シールケース2の第一保持部23を貫通して連通空間64に至るケース側通路63と、静止密封環3を貫通して連通空間64から静圧発生溝61に至る密封環側通路65とからなる。 【0033】該密封環側通路65の下流端部は分岐されていて、その各分岐部を、図4に示す如く、静圧発生溝61を構成する各円弧状凹溝61aに開ロ65aさせてある。ケース側通路63には、所定のシールガス供給源(図示せず)から導かれたシールガス供給管が接続されていて、シールガス62をシールガス供給路63、64、65から静圧発生溝61に供給するようになっている。シールガス62としては、各領域A、Bに流出しても無害であり且つ機内ガスに悪影響を及ぼさない性状のものを、シール条件に応じて適宜に選定する。この例では、各種物質に対して不活性であり且つ人体に無害である清浄な窒素ガスが使用されている。 【0034】なお、前記シールガス62は、回転機器1の運転中(回転軸12の駆動中)においてのみ供給され、運転停止後には供給を停止される。回転機器1の運転は、シールガス62の供給が開始された後であって、密封端面31、41間が適正な非接触状態に保持された後において開始され、シールガス62の供給停止は、当該回転機器1の運転停止後であって回転軸12が完全に停止した後に行なわれる。 【0035】前記絞り器66は、オリフィス、毛細管、多孔質部材等の絞り機能を有するものであり、図1に示す如く、密封環側通路65の適所(各円弧状凹溝61aへの分岐部分より上流側の部分)に配設されている。 【0036】係る非接触形メカニカルシール装置において、シールガス62をシールガス供給路63、64、65から静圧発生溝61に供給すると、静圧発生溝61に導入された該シールガス62により、密封端面31、41間にこれを開く方向に作用する開力が発生する。この開力は、密封端面31、41間に導入されたシールガス62によって発生する静圧によるものである。 【0037】したがって、前記密封端面31、41は、この開力と密封端面31、41間を閉じる方向に作用する附勢部材5からのスプリング荷重による閉力とがバランスする非接触状態に保持される。すなわち、静圧発生溝61に導入されたシールガス62は密封端面31、41間に静圧の流体膜を形成し、この流体膜の存在によって、密封端面31、41の内外径側領域間が遮蔽シールされる。 【0038】前記シールガス62の圧力及びスプリング5のバネ力(スプリング荷重)は、密封端面31、41間の隙間が適正(一般に、5〜15μmである)となるように、シール条件に応じて適宜に設定される。ところで、シールガス62は絞り器66で絞られた上で静圧発生溝61に導入されることから、密封端面31、41の隙間が変動した場合にも、その隙間が自動的に調整されて適正に保持される。 【0039】すなわち、回転機器1の振動等により密封端面31、41の隙間が大きくなったときは、静圧発生溝61から密封端面31、41間に流出するシールガス量と絞り器66を通って静圧発生溝61に供給されるシールガス量とが不均衡となり、静圧発生溝61内の圧力が低下して、開力が閉力より小さくなるため、密封端面31、41間の隙間が小さくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。 【0040】逆に、密封端面31、41間の隙間が小さくなったときは、上記と同機の絞り器66による絞り機能により静圧発生溝61内の圧力が上昇して、開力が閉力より大きくなり、密封端面31、41間の隙間が大きくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。 【0041】前記ラビリンスシール7は、図1及び図2に示す如く、シールケース2の一端部である取付部22の内周部22aに軸線方向に並列上に形成された複数の環状溝71…と回転軸12の外周部12aに軸線方向に並列し且つ各環状溝71に突入する状態で一体形成された複数の環状板72…からなり、取付部22と回転軸12との間に、シールケース2内における密封端面31、41の外径側領域(以下「パージガス領域」という)Cと機内領域Aとを連通する蛇行状通路73を形成するものである。なお、蛇行状通路73を構成する取付部22の内周部と回転軸12の外周部との隙間及び環状溝71内に形成される環状板72との隙間は、可及的に微小となるように工夫されている。 【0042】返戻通路8は、図2に示すように、環状溝71…の底部に連通し且つ機内領域Aに開口するものである。この例では、該返戻通路8は、図2及び図に示す如く、回転軸12の下方位において水平に延びる円形断面をなすものであり、最前位の環状溝71aを除く全ての環状溝71…の底部側において蛇行状通路73に開口されている。 【0043】該パージガス供給機構9は、図1に示す如く、シールケース2の本体部21を貫通してパージガス領域Cに開口するパージガス供給路91と、その適所に設けたオリフフィス92とを具備して、パージガス供給路91から機内領域Aより高圧のパージガス93をパージガス領域Cに供給、充満させるように構成されている。パージガス93は、オリフィス92を通過することにより、パージガス領域Cに噴出することなく緩慢に供給され、パージガス領域Cを機内領域Aより高圧のパージガス雰囲気に保持する。 【0044】パージガス93の圧力は、一般に、機内領域Aの圧力つまり機内ガスの圧力より2bar程度高く設定され、シールガス62と同一又は略同一に設定されている。又、パージガス93の性状は、前記シールガス62の選定基準と同一の基準で選定され、この例では、シールガス62と同ー性状の窒素ガスを使用している。 【0045】前記異物回収機構10は、図1及び図2に示す如く、前記シールケース2に設けられた異物回収路101及び圧力保持路102と、シールケース2外に設置された密閉状の異物回収タンク103と、異物回収路101と異物回収タンク103とを連通接続する第1接続管104と、圧力保持路102と異物回収タンク103とを連通接続する第2接続管105と、スクリュー圧縮機の吐出ガス配管と異物回収タンク103とを連通接続する吐出管107と、異物回収夕ンク103とスクリュー圧縮機の吸入口あるいは吸入配管109に接続された異物排出管108とを具備する。 【0046】前記異物回収路101は、図2に示す如く、回転密封環4の直下位においてパージガス領域Cに開口101aされていて、第1接続管104に設けた第1開閉弁104aを開操作することにより、パージガス領域Cに侵入した異物を異物回収タンク103へと排出させるようになっている。なお、シールケース2の本体部21の内周面に、ラビリンスシール7側から異物回収路101の開口部101aへと拡径する(本体部21の内周面における下部側部分については開口部101aへと下り傾斜することになる)テーパ面21aを形成して、パージガス領域Cに侵入した異物の異物回収路101への排出が円滑に行なわれるように工夫してある。 【0047】前記圧力保持路102は、図2に示す如く、シールケース2に設けられて、パージガス領域Cに開放されている。異物回収タンク103は、第2接続管105に設けた第2開閉弁105aを開操作することにより、圧力保持路102及び第2接続管105を介してパージガス領域Cに連通され、パージガス領域Cと同圧に保持されるようになっている。 【0048】又、異物回収タンク103には、吐出管107に設けた第3開閉弁107aを開操作するとともにスクリュー圧縮機の吐出ガス配管106を作動させることにより、所定圧の加圧ガスが供給されるようになっている。又、異物回収路101及び第1接続管104から異物回収タンク103に回収された異物は、異物排出管108に設けた第4開閉弁108aを開操作することにより、異物排出管108から適宜の異物処理部(図示せず)に排出されるようになっている。 【0049】以上のように構成された非接触形メカニカルシールにおいて、密封端面31、41の外怪側領域であるパージガス領域Cがラビリンスシール7により機内領域Aと区画されており、且つパージガス領域Cには機内領域Aより高圧のパージ93が充満されていることから、機内ガスのパージガス領域Cへの侵入が可及的に阻止されることになる。 【0050】又、機内ガスはラビリンスシール7の蛇行状通路73を通過する間において環状板72…の回転による遠心力の作用を受け、機内ガスに含まれる異物は環状構71…から返戻通路8へと排出され、返戻通路8から機内領域Aに排出されることになる。すなわち、機内領域Aとパージガス領域Cとの境界部分においては、機内ガスが蛇行状通路73と返戻通路8との間で循環され、機内ガスに含まれる異物が蛇行状通路73を通過してパージガス領域Cに侵入することが殆どない。 【0051】さらに、異物がラビリンスシール7を通過してパージガス領域Cに侵入した揚合にも、その異物は、テーパ面21aによる開口部101aへの流下作用とも相挨って、異物排出機構10により、異物回収路101からパージガス領域C外に速やかに排出され、パージガス領域Cに異物が堆積して当該メカニカルシールの機能を損なうことがない。しかも、第1〜第4開閉弁104a、I05a、107a、108aを開閉操作させるだけで、当該メカニカルシールの運転を停止することなく大量の異物処理を行なうことができる。 【0052】すなわち、該メカニカルシールを備えたスクリュー圧縮機の運転時においては、第1及び第2開閉弁104a、105aを開放すると共に第3及び第4開閉弁107a、108aを閉塞して、異物回収タンク103をパージガス領域Cと同圧に保持しておく。この状態において、パージガス領域Cに異物が侵入すると、当該異物は異物回収路101及び第1接続間104から異物回収タンク103に回収される。 【0053】このとき、パージガス領域Cと異物回収タンク103とが同圧であるから、異物の異物回収タンク103への排出が速やかに行なわれ、異物がパージガス領域Cに堆積して密封環3、4によるシール機能に悪影響を及ぼすようなことがない。そして、異物回収タンク103に所定量の異物が回収されると第1及び第2開閉弁104a、105aを閉じた上、第3及び第4開閉弁17a、108aを開くと共にスクリュー圧縮機の吐出配管106を連通させ、前記異物回収タンク103内の異物を異物排出管108から前記圧縮機のロータ室へ導入し、吐出ガスとともに吐出孔より排出せしめる。 【0054】このとき前記第1及び第2開閉弁104a、105aを閉じることにより、パージガス領域Cの圧力は影響を受けず、パージガス領域Cないし機内領域Aの圧力は変動しないから、異物回収タンク103からの異物排出を該スクリュー圧縮機の運転を停止することなく行うことができる。而して、異物回収タンク103内の異物が排出されると、第3開閉弁107a及び108aを閉じた後、第1及び第2開閉弁104a、105aを開いて、異物回収タンク103をパージガス領域Cに連通させ、異物回収タンク103からの異物排出を行う前の状態に復帰させる。このような操作を繰り返すことにより、パージガス領域Cへの異物侵入が大量である場合にも、パージガス領域Cからの異物排出を当該スクリュー圧縮機の運転を継続した状態で良好に行うことができる。 【0055】これらのことから、機内ガスに含まれる異物の密封端面31、41間への侵入が極めて効果的に防止され、冒頭で述べた大問題を生じることなく、長期に亘って良好なシール機能が発揮、維持される。 【0056】前記非接触形メカニカルシールを備えた給油式スクリュー圧縮機の配管・制御系統図を図6に示す。かかる圧縮機の運転中において、自動式の吸入開閉弁111aを開、リミットスイッチ付の吐出開閉弁112aを開、放出弁113aを閉の状態で、メカニカルシール用ガスは低圧ガス供給源116より供給され、フィルター117を経てパージガス及びシールガスに分岐される。該パージガスは逆止弁118を通り流量計119及びオリフィス120を経由し、配管121を通り、またシールガスは配管124を通ってメカニカルシールケースのそれぞれのガス供給路へ連結される。また異物回収タンク126は該シールケースより低位に設置されパージガス領域と異物排出配管127により接続されている。そしてシールケース内のパージガス領域に異物が侵入すると排出配管を経由して異物回収タンク126へ回収される。 【0057】また、該回収タンク126へ回収された異物は、127a、128a、131a、132aの弁開閉操作により、該回収タンク126へ吐出ガス圧力を導入し、機械を停止することなく、圧縮機110のロータ室へ排出することができる。一方、重故障や停電(含瞬停)が発生し圧縮機110が減速又は停止した場合には、寸時に機内圧力は吐出圧力近傍まで上昇する。このときに機内圧力を圧力スイッチ129により圧力上限値を検出し、N2ガスからなる高圧のパージガス、シールガス供給源114の遮断弁115aを開とさせ非接触形メカニカルシールへの供給ガス流量低下に対してパージガス領域Cの圧力を機内圧力以上としてシール面の焼付きと機内流体の漏洩を防止する。 【0058】圧縮機110が停止した場合には、吸入開閉弁111aを閉止させるとともに吐出開閉弁112aを閉止することにより、放出弁113aを連動して開弁し、圧縮機内ガス圧力を減圧弁113bにより設定圧力まで減圧せしめる。その結果機内圧力は低下し、圧力スイッチ129の下限値を検出して高圧のパージガス、シールガス供給源114の遮断弁115aを閉止させ低圧ガス供給源に切換える。これらの開閉弁の操作は、制御ロジックに組まれ自動的に操作できることが好ましい。以上の操作により瞬停あるいは起動・発停時に要求される高圧のN2ガス供給設備114を小容量の容器あるいはN2ボンベでまかなうことが可能となるとともに、N2ガス消費量を削減できる。 【0059】なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良、変更することができる。例えば、返戻通路8の設置数、形状等は、ラビリンスシール7による機能をそこなわないことを条件として、任意である。特に、回転軸12の果報に配して設けられる返戻通路8にあっては、図5に示す如く、当該通路8内における異物の機内領域A方向への移動(流下)を促進させるべく、当該通路8の下面を開口部(機内領域Aへの開口部)に向かって下り傾斜するような形状としておくことができる。 【0060】 【発明の効果】以上記載の如く、本発明によれば、機内ガスに含まれる異物の密封端面間への侵入を可及的に阻止することができ、長期に亘って良好なシール機能を発揮、維持しうる非接触形メカニカルシール(静圧形のガスシール)を備えた圧縮機を提供することができる。また、特に請求項6〜8のように構成すれば、圧縮機の機内圧力上昇時におけるシール部の焼付きを防止できるとともに、機内圧力低下時にはシールガス量を低圧かつ最小限のガス量、ガス供給設備を小容量化できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000148357 【氏名又は名称】株式会社前川製作所 【識別番号】000002060 【氏名又は名称】信越化学工業株式会社 【識別番号】000229737 【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月2日(1999.11.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083024 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−132640(P2001−132640A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−313062 |
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