トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F04 液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ




【発明の名称】 容量制御弁
【発明者】 【氏名】荻原 雅人

【要約】 【課題】圧縮機を最小容量へ強制的に移行させた際に弁体が常時開いた状態になることを防止した容量制御弁を提供すること。

【解決手段】クランク質圧力変動に応じて容量が変化するタイプの可変容量型圧縮機の吐出領域をクランク室に連通させる第1のガス通路17a,17bと、この第1のガス通路の開度を調整するための弁体18と、この弁体を駆動する弁駆動機構12,21と、弁体に対し第1のガス通路を閉じる向きにガス圧を作用させるための第2のガス通路11aとを有する容量制御弁10において、圧縮機の吸入領域の圧力とクランク室の圧力との圧力差により第2のガス通路を開閉する差圧弁27と、差圧弁が閉じたときに吐出領域の圧力を弁体に対し第1のガス通路を閉じる向きに作用させるための微細通路とを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランク室の圧力変動に応じて容量が変化するタイプの可変容量型圧縮機に用いられる容量制御弁であって、前記圧縮機の吐出領域を前記クランク室に連通させる第1のガス通路と、前記第1のガス通路の開度を調整するための弁体と、前記弁体を駆動する弁駆動機構と、前記弁体に対し前記第1のガス通路を閉じる向きにガス圧を作用させるための第2のガス通路とを有する容量制御弁において、前記圧縮機の吸入領域の圧力と前記クランク室の圧力との圧力差により前記第2のガス通路を開閉する差圧弁と、前記差圧弁が閉じたときに前記吐出領域の圧力を前記弁体に対し前記第1のガス通路を閉じる向きに作用させるための微細通路とを設けたことを特徴とする容量制御弁。
【請求項2】 前記ガス圧は前記クランク室の圧力である請求項1記載の容量制御弁。
【請求項3】 前記ガス圧は前記吸入領域の圧力である請求項1記載の容量制御弁。
【請求項4】 前記微細通路は、前記吐出領域の圧力を前記弁体に直接に作用させるものである請求項1−3のいずれかに記載の容量制御弁。
【請求項5】 前記弁駆動機構は、前記弁体に対向しこれを前記第1のガス通路を閉じる向きに押庄するための可動なソレノイドロッドを有し、前記微細通路は、前記吐出領域の圧力を前記ソレノイドロッドを介して前記弁体に作用させるものである請求項1−3のいずれかに記載の容量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用空調装置等に用いられる可変容量型圧縮機の容量を制御するための容量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の容量可変型圧縮機として、ピストンを有するタイプのものがある。このタイプの圧縮機は、公知のように、クランク室、吸入室、及び吐出室を備え、ビストンのストロークがクランク室の圧力に応じて制御されるように設計されている。したがって、この種の圧縮機においては、容量が可変でかつそのピストンストロークにしたがって決まる値をもつ。
【0003】クランク室の圧力を変動させるために、容量可変型圧縮機に容量制御弁が組み付けられる。従来、様々な容量制御弁が知られている。
【0004】例えば特開平9−268973号公報では、ソレノイド室を吐出圧領域またはクランク室に連通させ、吐出圧力またはクランク室圧力をソレノイド室に導入するように構成している。
【0005】また、例えば特開平11−107929号公報には、容量可変型圧縮機の吐出領域をその圧縮機のクランク室に連通させる第1のガス通路と、この第1のガス通路の開度を調整するための弁体と、この弁体を外部信号等により駆動する弁駆動機構と、弁体に対し第1のガス通路を閉じる向きにガス圧を作用させるための第2のガス通路とを有する容量制御弁が開示されている。なお弁体は開放バネにより開く向きに常時付勢されている。
【0006】ところで、この種の圧縮機を自動車のエンジンにて駆動する場合は、自動車の発進や追い越し等の加速時の性能、即ち、加速性能を阻害する虞がある。そこで、車輛の加速状態を検知して必要時に強制的に圧縮機を最小容量へと移行・維持させ、これにより圧縮機の消費動力を低減させることが、加速性能を向上するために求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の容量制御弁では、加速時に外部信号を断って圧縮機を最小容量へ移行させると、上述した開放バネにより、弁体が常時開いた状態になり、高圧の吐出冷媒がクランク室に多量に導入されてしまう。この結果、クランク室の圧力が急上昇して吸入室の圧力とクランク室の圧力との差が過大になり、圧縮機の耐久信頼性が悪化するという問題があった。
【0008】それ故に本発明の課題は、圧縮機を最小容量へ強制的に移行させた際に弁体が常時開いた状態になることを防止した容量制御弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、クランク室の圧力変動に応じて容量が変化するタイプの可変容量型圧縮機に用いられる容量制御弁であって、前記圧縮機の吐出領域を前記クランク室に連通させる第1のガス通路と、前記第1のガス通路の開度を調整するための弁体と、前記弁体を駆動する弁駆動機構と、前記弁体に対し前記第1のガス通路を閉じる向きにガス圧を作用させるための第2のガス通路とを有する容量制御弁において、前記圧縮機の吸入領域の圧力と前記クランク室の圧力との圧力差により前記第2のガス通路を開閉する差圧弁と、前記差圧弁が閉じたときに前記吐出領域の圧力を前記弁体に対し前記第1のガス通路を閉じる向きに作用させるための微細通路とを設けたことを特徴とする容量制御弁が得られる。
【0010】前記ガス圧は前記クランク室の圧力であってもよい。
【0011】前記ガス圧は前記吸入領域の圧力であってもよい。
【0012】前記微細通路は、前記吐出領域の圧力を前記弁体に直接に作用させるものであってもよい。
【0013】前記弁駆動機構は、前記弁体に対向しこれを前記第1のガス通路を閉じる向きに押圧するための可動なソレノイドロツドを有し、前記微細通路は、前記吐出領域の圧力を前記ソレノイドロッドを介して前記弁体に作用させるものであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照して、まず、本発明に係る容量制御弁を有する可変容量圧縮機を説明する。
【0015】この可変容量圧縮機は自動車用空調装置に使用するものであり、筒状のケーシング31と,ケーシング31の軸方向一端を閉塞したフロントハウジング32と,ケーシング31の軸方向他端に弁板アセンブリ33を介して配されたシリンダヘッド34とを含む。ケーシング31,フロントハウジング32,及びシリンダヘツド34はボルト35により互いに固定されている。
【0016】ケーシング31は内部にシリンダブロック36を一体に有する。ケーシング31の中央にはシャフト37が軸方向にのびている。シャフト37はフロントハウジング32及びシリンダブロツク36に回転可能に支持されている。
【0017】フロントハウジング32にはプーリ38が回転可能に支持されている。プーリ38は自動車のエンジンにて回転駆動される。一方、シャフト37の外端にはゴム部材39を介してリング状のアーマチュア41が軸方向に可動に支持されている。
【0018】アーマチュア41はプーリ38の軸端面に対向し、電磁吸着装置42によりプーリ38への接離を制御される。即ち、電磁吸着装置42に通電されたときには、アーマチュア41がプーリ38に電磁力により吸着され、エンジンの回転力がシャフト37に伝わり、また電磁吸着装置42の通電が断たれたときには、アーマチュア41がゴム部材39の復元力でプーリ38から離され、エンジンの回転力がシャフト37には伝わらない。
【0019】フロントハウジング32とシリンダブロック36との間にはクランク室43が形成されている。クランク室43において、シャフト37にロータ44が固定されている。ロータ44には、ヒンジ機構45を介して斜板46が連結されている。ヒンジ機構45は,シャフト37の軸心に対する斜板46の傾斜角を可変にするためのものである。なお斜板46はロータ44と一緒に回転する。
【0020】斜板46の周辺部には、複数のピストン47がそれぞれシュー48を介して軸方向で係合されている。これらのピストン47は、シリンダブロック36に形成した複数のシリンダボア48にそれぞれ軸方向に摺動可能に挿入されている。斜板46が回転すると、その斜板46の傾斜角に応じたストロークをもってピストン47がシリンダボア48内で往復動する。
【0021】シリンダヘッド34には、周辺部に吸入室51が、また中央部に吐出室52が形成されている。吸入室51と吐出室52との間には、公知の冷凍回路が接続される。
【0022】弁板アセンプリ33は,シリンダボア48の各々を吸入室51及び吐出室52に連通させる吸入孔53及び吐出孔54,及びこれらに対応した弁機構を備えている。
【0023】今、シャフト37が回転すると、ピストン47がシリンダボア48内で往復動する。ピストン47の往復動にしたがい、冷凍回路の冷媒ガスが吸入室51からシリンダボア48内に吸入され、かつ吐出室52から冷凍回路に吐出される。
【0024】この可変容量圧縮機の圧縮容量は、斜板46の傾斜角で決まるピストン47のストロークに依存する。斜板46の傾斜角を制御するため、この可変容量圧縮機はさらに、シリンダヘツド34に形成した制御弁室55に容量制御弁10を備えている。
【0025】制御弁室55は通路56,57,及び58によりクランク室43,吸入室51,及び吐出室52に接続されている。なお吸入室51は狭い通路59を介してクランク室43に連通している。
【0026】さらに、この可変容量圧縮機は容量制御弁10を備えている。容量制御弁10は以下に説明する様々な形態にて実施可能である。
【0027】図2をも参照して、本発明の第1の実施の形態に係る容量制御弁を説明する。
【0028】この容量制御弁はクランク室43の圧力を調整することにより可変容量圧縮機のピストン47のストロークを制御するものであり、弁ケーシング11と,この弁ケーシング11内に配設され、内部を真空にしてバネを配置したベローズ12と、このベローズ12の図中下端を受け、弁ケーシング11に移動可能なように支持されたガイド13と、このガイド13を図中上方に付勢するバネ14と,弁ケーシング11の一部を構成し、バネ14の下端を受けたバネ受け15と,ベローズ12の図中上端に下端を当接して弁ケーシング11に移動可能なように支持された伝達ロッド16と,この伝達ロッド16の上端に当接し、ベローズ12の伸縮に応じて可変容量圧縮機の吐出室52に通じた通路17aとクランク室43に通じた通路17bとの間を開閉する弁体18と、プランジャー室19のプランジャー20とセンターポスト21に上下動可能にガイドされた伝達口ッド22とを介して弁体18を閉弁方向に付勢する電磁力を発生させる電磁コイル29とを含んでいる。通路17a及び17bは合わせて第1のガス通路を構成する。
【0029】弁ケーシング11の内部には上方に圧力室23を形成するガイド24が固定されている。このガイド24にて弁体18が上下動可能に案内されている。
【0030】弁ケーシング11には、横穴25と,圧力室23から横穴25までのびた通路11aと,ベローズ12を収容したベローズ室26を横穴25の奥部に連通させた通路11bとが形成されている。横穴25には図中左右に移動可能な差圧弁27とこれを外方に付勢するバネ28とが装着されている。差圧弁27には、その位置に応じて通路11aと連通したり切り離されたりする通路27aが形成されている。
【0031】なお通路27aはクランク室43に通じ、またベローズ室26は吸入室51に通じている。また弁体18は互いに面積の等しい受圧面18a及び18bを有する。
【0032】次に図3(a)〜(e)をも参照して,図2の容量制御弁の動作について説明する。
【0033】電磁コイル29に通電しない状態では電磁力は発生しないため、圧カバランス状態では弁体18を閉弁方向に付勢する力は無く、また可変容量圧縮機の吸入室51の圧力が高い場合にはベローズ12は収縮するが、バネ14によって図中上方に付勢されているため、弁体18は常時開弁している。この状態で圧縮機を起動した場合、吐出室52のガスが常時クランク室43に導入されクランク室43と吸入室51との庄力差が増加するため、圧縮機は最小容量に維持される。
【0034】さて、高外気温度条件にあるときには電磁コイル29に通電し、図3(a)に示すように弁体18を強制的に閉じた状態に保つ。すると、クランク室43へのガスの導入が断たれるので、クランク室43と吸入室51との圧力差が減少し、圧縮機は大容量に維持される。
【0035】このとき、車両加速性能等を向上させる必要が生じた場合は、電磁コイル29への通電をOFF(0A)にする。すると電磁コイル29による電磁力は失われ、直後にバネ14により弁体18が図中上方に動かされ、図3(b)に示すように開き、吐出冷媒がクランク室43に導入される。次いで、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定の圧力に達すると、クランク室圧力Pcがバネ28の付勢力と通路11bから導入される吸入庄力Psとの和に打ち勝ち、図3(c)に示すように差圧弁27が図中左方へ動いて通路11aを閉じる。この状態では、弁体18とガイド15とのクリアランスよりなる微細通路から吐出冷媒が圧力室16に入り、弁体18の受圧面18bには吐出圧力Pdが作用し、対向する受圧面18aに作用しているクランク室圧力Pcに勝つようになる。したがって、図3(d)に示すように弁体18は閉じるか又は開度が非常に小さくなり、過度の高圧吐出冷媒がクランク室43に導入されることを防止できる。
【0036】その後、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定圧力以下になると、図3(e)に示すようにバネ28により差圧弁27は図中右方に動かされ、通路27aが通路11aに連通することで圧力室23とクランク室43とが連通される。このとき通路11a及び27aは合わせて第2のガス通路を構成する。この結果、圧力室23にはクランク圧力Pcが導入され、弁体18の受圧面18a及び18bにいずれもクランク圧力Pcが作用する。弁体18の受圧面18a及び18bの面積が互いに等しいので、弁可動方向(図中上下方向)の圧力が相殺され、バネ14の付勢力により弁体18が開かれる。
【0037】図4及び図5(a)〜(e)を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る容量制御弁を説明する。図2及び図3(a)〜(e)と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】図4の容量制御弁において、差圧弁27はその位置に応じて通路11a,11b間を連通させたり遮断されたりするように構成されている。即ち、差圧弁27が横穴28の入口部にあるときには通路11a,11b間が横穴28を介して連通し、また差圧弁27が横穴28の奥部にあるときには通路11a,11b間が差圧弁27により遮断される。
【0039】今、図5(a)に示すように高外気温度条件下で庄縮機を駆動しているときに、車両加速性能等を向上させる必要が生じた場合は、電磁コイル29への通電をOFF(0A)とする。すると電磁コイル29による電磁力は失われ、直後にバネ14により弁体18が図中上方に動かされ、図5(b)に示すように開き、吐出冷媒がクランク室43に導入される。次いで、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定の圧力に達すると、クランク室圧力Pcがバネ28の付勢力と通路11bから導入される吸入圧力Psとの和に打ち勝ち、図5(c)に示すように差圧弁27が図中左方へ動いて通路11a,11b間を遮断する。この状態では、弁体18とガイド15とのクリアランスよりなる微細通路から吐出冷媒が圧力室16に入り弁体18の受圧面18bには吐出圧力Pdが作用し、対向する受庄面18aに作用しているクランク室圧力Pcに勝つようになる。したがって、図5(d)に示すように弁体18は閉じるか又は開度が非常に小さくなり、過度の高圧吐出冷媒がクランク室43に導入されることを防止できる。
【0040】その後、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定圧力以下になると、図5(e)に示すようにバネ28により差圧弁27は図中右方に動かされ、通路11bが通路11aに連通することで圧力室23に吸入室51が連通される。このとき通路11a及び11bは合わせて第2のガス通路を構成する。この結果、圧力室23には吸入圧力Psが導入され、弁体18の一方の受圧面18aにクランク圧力Pcが作用する一方、他方の受圧面18bには吸入圧力Psが作用するので、弁可動方向(図中上下方向)の圧力がほぼ相殺され、バネ14の付勢力により弁体18が開かれる。この場合、弁体18の受圧面18a及び18bの面積を互いに等しくするか、または受圧面18bの方を若干大きくすることが望ましい。
【0041】図6及び図7(a)〜(e)を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る容量制御弁を説明する。図2及び図3(a)〜(e)と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0042】図6の容量制御弁において、ソレノイドロッド22は弁体18と一体に形成されている。また、通路11aはセンターポスト21の周囲の通路21aを介してプランジャー室19に連通している。即ち、プランジャー室圧力室19を図2及び図3(a)〜(e)における圧力室23の代わりに用いる。
【0043】今、図7(a)に示すように高外気温度条件下で圧縮機を駆動しているときに、車両加速性能等を向上させる必要が生じた場合は、電磁コイル29への通電をOFF(0A)とする。すると電磁コイル29による電磁力は失われ、直後にバネ14により弁体18が図中上方に動かされ、図7(b)に示すように開き、吐出冷媒がクランク室43に導入される。次いで、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定の圧力に達すると、クランク室圧力Pcがバネ28の付勢力と通路11bから導入される吸入圧力Psとの和に打ち勝ち、図7(c)に示すように差圧弁27が図中左方へ動いて通路11aを閉じる。この状態では、弁体18とセンターポスト21とのクリアランスよりなる微細通路から吐出冷媒がプランジャー室19に入り、弁体18の受圧面18bには吐出圧力Pdが作用し、対向する受圧面18aに作用しているクランク室圧力Pcに勝つようになる。したがって、図7(d)に示すように弁体18は閉じるか又は開度が非常に小さくなり、過度の高圧吐出冷媒がクランク室43に導入されることを防止できる。
【0044】その後、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定圧力以下になると、図7(e)に示すようにバネ28により差圧弁27は図中右方に動かされ、通路27aが通路11aに連通することで、通路21aを介してプランジャー室19にクランク室43が連通される。このとき通路11a,21a,及び27aは合わせて第2のガス通路を構成する。この結果、プランジャー室19にはクランク室圧力Pcが導入され、弁体18の受圧面18a,18bにクランク圧力Pcが作用するので、弁可動方向(図中上下方向)の圧力が相殺され、バネ14の付勢力により弁体18が開かれる。
【0045】図8及び図9(a)〜(e)を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る容量制御弁を説明する。図6及び図7(a)〜(e)と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】図8の容量制御弁において、差圧弁27はその位置に応じて通路11a,11b間を連通させたり遮断されたりするように構成されている。即ち、差圧弁27が横穴28の入口部にあるときには通路11a,11b間が横穴28を介して連通し、また差圧弁2アが横穴28の奥部にあるときには通路11a,11b間が差庄弁により遮断される。
【0047】今、図9(a)に示すように高外気温度条件下で圧縮機を駆動しているときに、車両加速性能等を向上させる必要が生じた場合は、電磁コイル29への通電をOFF(0A)とする。すると電磁コイル29による電磁力は失われ、直後にバネ14により弁体18が図中上方に動かされ、図9(b)に示すように開き、吐出冷媒がクランク室43に導入される。次いで、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定の圧力に達すると、クランク室圧力Pcがバネ28の付勢力と通路11bから導入される吸入圧力Psとの和に打ち勝ち、図9(c)に示すように差圧弁27が図中左方へ動いて通路11a,11b間を遮断する。この状態では、弁体18とセンターポスト21とのクリアランスよりなる微細通路から吐出冷媒がプランジヤー室19に入り、弁体18の受圧面18bには吐出圧力Pdが作用し、対向する受圧面18aに作用しているクランク室圧力Pcに勝つようになる。したがって、図9(d)に示すように弁体18は閉じるか又は開度が非常に小さくなり、過度の高圧吐出冷媒がクランク室43に導入されることを防止できる。
【0048】その後、クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定圧力以下になると、図9(e)に示すようにバネ28により差圧弁27は図中右方に動かされ、通路11bが通路11aに連通することで、通路21aを介してプランジャー室19に吸入室51が連通される。このとき通路11a,11b,及び21aは合わせて第2のガス通路を構成する。この結果、プランジャー室19には吸入室圧力Psが導入され、弁体18の一方の受圧面18aにクランク圧力Pcが作用する一方、他方の受圧面18bには吸入圧力Psが作用するので、弁可動方向(図中上下方向)の圧力がほぼ相殺され、バネ14の付勢力により弁体18が開かれる。この場合、弁体18の受圧面18a及び18bの面積を互いに等しくするか、または受圧面18bのほうを若干大きくすることが望ましい。
【0049】上述の各実施例においては、弁体18の端面が当接する圧力室23(又はプランジャー室19)とクランク室43(又は吸入室51)とを連通する第2のガス通路を設け、その途中にクランク室圧力と吸入圧力との圧力差により開閉する差圧弁27を設けている。これによると、吐出圧力が高い時に電磁コイル29への通電をOFF(0A)にすると、開弁バネ14により弁体18が開いて高圧吐出冷媒がクランク室43に導入される。クランク室43と吸入室51との圧力差がある一定圧力に達すると差圧弁27は閉じ、圧力室23(又はプランジャー室19)に弁体18とガイド24(又はセンターポスト21)とのクリアランスから吐出冷媒が入り、弁体18の端面に吐出圧力が閉弁方向に作用し、弁体18は閉じるか又は開度が非常に小さくなり、過度の吐出冷媒がクランク室43に導入されることを防止でき、可変容量圧縮機の耐久信頼性が向上する。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、差圧弁の装着により、過度の高圧吐出冷媒がクランク室に導入されるのを防ぐことが可能になり、可変容量圧縮機の耐久信頼性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外2名)
【公開番号】 特開2001−132631(P2001−132631A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−313845