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【発明の名称】 移送装置
【発明者】 【氏名】安延 哲

【氏名】鈴木 隆男

【氏名】山田 克己

【氏名】小池 一郎

【氏名】長 拓治

【要約】 【課題】ホッパに投入された厨芥等の被移送物を、破砕しながら、高圧で押し出すことができ、しかも、被移送物の水分量を調整できる移送装置を提供する。

【解決手段】移送装置1を、ホッパ2に連通する供給口3aを前側上部に形成したシリンダ3に、往復摺動するピストン4を挿入して、前記ホッパ2内の被移送物Sを前記シリンダ3前方に接続した移送管6内に圧送するように形成すると共に、前記シリンダ3の前方に、前記ピストン4で押圧された被移送物Sを破砕しながら通過させる破砕部材5を設け、更に、前記シリンダ3の前方のシリンダ室3dと前記ホッパ2に連通する連通路7を設けて形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホッパに連通する供給口を前側上部に形成したシリンダに、往復摺動するピストンを挿入して、前記ホッパ内の被移送物を前記シリンダ前方に接続した移送管内に圧送する移送装置であって、前記シリンダの前方に、前記ピストンで押圧された被移送物を破砕しながら通過させる破砕部材を設けたことを特徴とする移送装置。
【請求項2】 前記シリンダの前方のシリンダ室と前記ホッパに連通する連通路を設けたことを特徴とする請求項1記載の移送装置。
【請求項3】 前記連通路を、前記ピストンの周囲の前方上側に形成され、該ピストンの前方に開口し、前記供給口に連通する連通溝で形成したことを特徴とする請求項2記載の移送装置。
【請求項4】 前記連通路を、前記ピストンの上側が摺接する前記シリンダの内面側に形成され、該シリンダの吐出口近傍と前記供給口に連通する連通溝で形成したことを特徴とする請求項2記載の移送装置。
【請求項5】 前記破砕部材を多孔板で形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の移送装置。
【請求項6】 前記ピストンが油圧シリンダによって駆動されるピストンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の移送装置。
【請求項7】 前記移送管に逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の移送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品加工業等から排出される厨芥等の廃棄物を処理する装置において、厨芥等の流動性のある混合物用の移送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】仕出し弁当や食堂などの多くの食品加工工場や食品店やファーストフード、ファミリレストラン等では、加工食品の余材や不良品や残飯など多くの厨芥を含む廃棄物が排出されている。
【0003】これらの廃棄物を処理する装置の一つに、ご飯やおかずや汁物等が混合して流動物状となって排出される厨芥(生ごみ等)を処理する図9に示すような真空油温脱水装置30がある。
【0004】この装置30の概要を説明すると、残飯等の厨芥Sはシンク(溜槽)31に投入され、貯留槽32に貯留した後に、この厨芥をバキュームタンク33を使用して脱水処理装置34に移送し、含水率の高い厨芥の水切りを行ない、水切りされた厨芥を油と共に、この脱水処理装置34の下部に設けた予備処理タンク35で貯留する。
【0005】次に、この貯留した厨芥に油を混入した混合物を、真空油温脱水機36に送り、厨芥に含まれている水分を油の熱により蒸発させて脱水する。この真空油温脱水機36から蒸発した水蒸気は、サイクロン37に導かれ、水蒸気以外のものを分離した後、コンデンサ38で水蒸気を凝縮して水に戻す。また、真空油温脱水機36で脱水された厨芥は遠心分離機39で油を分離した後に排出される。この排出された厨芥Sは既に乾燥処理されたものであるので、飼料や肥料として再利用でき、また、再利用されない場合には、焼却処理や埋立処理によって処分されるが、乾燥した後であるので処分が簡単となる。
【0006】この真空油温脱水機36は、真空ポンプ41によって真空にされると共に、ボイラ42から送られる高温の蒸気によって高温に保たれる。また、コンデンサ38で厨芥から蒸発した水蒸気を冷却して昇温した冷却水はクリーニングタワー43で冷却される。そして、これらの一連の操作は、制御装置40によって制御される。
【0007】従来技術においては、この厨芥の移送は、臭気や周囲を汚染するので、密閉方式で行なわれ、図9に示すようなバキュームタンク33を使用して吸引して行なったり、あるいは、スクリューポンプやモノポンプで移送していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この厨芥には、残飯や汁物や惣菜などの水分量や形状が大きく異なるのものが混合され、しかも、この混合の割合がその時々で一定ではなく大きく変化するので、従来の移送装置においては、次のような問題がある。
【0009】先ず、第1の問題は、処理物の大きさと破砕に関するものである。
【0010】つまり、厨芥においては、まるごと1個のスイカ、キャベツ等やマグロの頭等の大きな塊状の野菜、根菜、芋類、魚、肉等がそのまま破砕されることなく投入されることが多いので、バキューム方式においては、これらがそのまま移送管内を移送されるために、移送装置より後流部分の移送ラインや各処理装置で詰まってしまって、処理できなくなるという問題がある。
【0011】また、スクリューポンプでは、スクリューのピッチが小さいと、このピッチ幅より大きな物は、このスクリューの間に入り込むことができず、ホッパ内に滞留して移送できないという問題があり、モノポンプでは軸とシリンダ壁との間に入らないと移送できないという問題がある。
【0012】そして、移送可能な処理物の大きさはスクリューポンプでは、スクリューのピッチとシリンダの径によって決まり、モノポンプも、シリンダ径によって決まるので、大きな塊状の物体を移送するためには、これらのポンプのシリンダの径を大きくする必要があり、大型化し駆動装置も大きくなるという問題がある。
【0013】そのため、処理物を小さくして移送装置に送ることが必要となるが、移送装置とは別に破砕機を移送装置の前段階の上流部分に設けると、その分、処理システムが複雑になり、コストアップとなるという問題が生じる。
【0014】第2の問題は、移送の困難性である。
【0015】つまり、移送装置の上流側に、破砕機を設けても、繊維質のものを完全に裁断して細かくすることは難しく、これらの繊維がスクリューポンプのスクリューやモノポンプの軸に絡むので、これらのポンプの作動及び移送機能が停止してしまうという問題がある。
【0016】また、これらの巻き付いた繊維状のものは、取り除きが困難で、メンテナンスに多くの時間がかかるという問題がある。
【0017】第3の問題は、処理物を移送するための圧力である。
【0018】バッキューム方式では、負圧を利用するために最大でも0.1MPa(1気圧)の圧力しか発生できず、また、スクリューポンプやモノポンプで発生できる圧送用の圧力は比較的低い上に、厨芥等の被移送物は粘性が高いので、流通抵抗が大きく圧損が大きいので長距離の移送ができず、また、短距離であっても詰まり易いという問題がある。
【0019】そして、第4の問題は、被移送物の性状が不均等であるために、後流側の処理の制御が難しいという問題である。
【0020】厨芥等を処理または移送する場合には、ご飯が一時的に多量に廃棄されたり、同じ種類の惣菜が集中したり、汁物等の液状物が投入されたりするので、処理物の性状が著しく変化し、水分量や粘性等が時間的に大きく変動するので、時間的に不均一な水分量の処理物を移送装置の後流側に送り出すことになる。
【0021】そのため、移送されてくる処理物の量や水分量等が変動し、後流側の処理装置の負担が大きく変化するので制御が難しくなり、処理効率が悪くなるので、処理装置に必要とされる処理能力が大きくなり、処理システムが大型化するという問題がある。
【0022】本発明は前記したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ホッパに投入された厨芥等の被移送物を、破砕しながら、高圧で押し出すことができ、しかも、被移送物の水分を調整できる移送装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の移送装置は、ホッパに連通する供給口を前側上部に形成したシリンダに、往復摺動するピストンを挿入して、前記ホッパ内の被移送物を前記シリンダ前方に接続した移送管内に圧送する移送装置であって、前記シリンダの前方に、前記ピストンで押圧された被移送物を破砕しながら通過させる破砕部材を設けたことを特徴とする。
【0024】この構造の移送装置によれば、被移送物に混合している塊状物は、破砕部材を通過する際に破砕され、しかも、ピストンにより圧力を高めて移送管内送り出されるので、長距離移送が可能になる。
【0025】更に、前記シリンダの前方のシリンダ室と前記ホッパに連通する連通路を設けたことを特徴とする。
【0026】そして、この連通路は、シリンダ室に溜まる残留空気や、生ごみ等を含む厨芥である被移送物から絞り出されたり、汁物等の液状処理物が一時的に多量に投入されて分離したままとなったりして生じた残留液をピストンの押圧時にホッパ側に戻す機能と、ピストンの戻し時に、この連通路に導入された被移送物に含まれるスラリー状成分によって一時的に略閉塞状態にする機能を有して形成される。
【0027】即ち、ピストンの押圧時には、シリンダ室の残留空気及び残留液を円滑にホッパ側に戻すことができ、ピストンの戻し時には被移送物に対してシリンダ内の負圧を維持できる程度の流通抵抗を有する機能を有して形成される。
【0028】また、連通路により、ピストン押圧時に、残留空気をホッパ側に戻して、残留空気の圧縮性による圧送圧力の低下を防止し、また、被移送物の水分量が多い時に発生する残留液を一時的にホッパ側に戻して、圧送する被移送物の水分量を調整できる。
【0029】そして、この連通路は、ピストン押圧行程の後半では被移送物に含まれるスラリー状成分によって半閉塞状態となるので圧送圧力を維持でき、また、ピストンの戻り行程においては、被移送物によって半閉塞状態となってシリンダ室内の負圧を維持して、ホッパ内から被移送物をシリンダ室内に吸引落下させることができる。
【0030】そして、この連通路は、前記ピストンの周囲の前方上側に形成され、該ピストンの前方に開口し、前記供給口に連通する連通溝で形成したり、あるいは、前記ピストンの上側が摺接する前記シリンダの内面側に形成され、該シリンダの吐出口近傍と前記供給口に連通する連通溝で形成したりできる。
【0031】つまり、ピストンとシリンダの摺接面側に開口した溝をピストン又はシリンダ側に設けて、シリンダ室とホッパに連通するシリンダの供給口とに連通させて形成する。これにより、連通路の被移送物による目詰まりを防止できる。
【0032】また、前記破砕部材は、多孔板や格子板や網状体で形成され、被移送物がピストンにより押圧された時に被移送物に混合した塊状物をこれらの貫通孔や格子の間や網の間を、剪断や破断により破砕しながら、トコロテン状にして通過させる。
【0033】そして、前記ピストンを、油圧シリンダによって駆動されるピストンで形成すると、コンパクトな装置で、大きな押圧力が得られる。
【0034】また、前記移送管にリード弁等の逆止弁を設けることにより、被移送物の戻りを防止でき、ピストン戻り行程におけるシリンダ室の負圧を維持できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下図面に基づき本発明に係る移送装置の実施の形態を説明する。
【0036】〔構成〕この移送装置1は、図1に示すように、ホッパ2とその下部に設けたシリンダ3と、このシリンダ3の前方に設けた破砕部材である多孔板5と、シリンダ3内を往復摺動するピストン4とから形成される。
【0037】このホッパ2は、厨芥等のスラリー状成分と塊状物との混合体であり被移送物Sを一時的に貯留し、シリンダ3に送るための貯留槽であり、被移送物Sが落下し易いように逆角錐や逆円錐状に形成され、その上部には、被移送物Sを投入するための投入口2bを、また下部には、シリンダ3に接続する排出口2aを形成する。
【0038】また、シリンダ3は、前側上部に、ホッパ2の排出口2aに接続する供給口3aを形成し、これと接続してホッパ2と連通させると共に、前方に吐出口2bを形成し、破砕部材5を間に挟んで移送管6に接続する。また、シリンダ3の後方には、このシリンダ3内を往復摺動するピストン4が挿入される。
【0039】このピストン4は、図1に示すように、円筒4aの前方に押圧面4bを接合し、この押圧面4bに接続されたピストンロッド4dを、後部4cから引き出し、駆動装置(図示しない)に接続して形成する。この駆動装置に油圧シリンダを使用すると、高い圧力をコンパクトな装置で簡単に得られ、強い力でピストン3を駆動でき、被移送物Sを破砕部材5に押圧して塊状の混合物を破砕できる。
【0040】なお、このピストン4とシリンダ3との間のシールは、図示しないシリンダ3の供給口3aの後方の内周面にOリングを配置して行なう。
【0041】〔破砕部材〕このシリンダ3の前方のシリンダ3と移送管6との間に設けた破砕部材5は、被移送物Sがピストン4で押圧されて、この多孔板5の貫通孔5hから押し出される時に、被移送物S内の塊状の混合物が細かく剪断や破断により破砕され、被移送物Sがトコロテン状になって通過するように構成する。
【0042】また、この破砕部材5は、図2に示すように、本体5aに小径の貫通孔5hを並べて仕切壁5cで区切った多孔板5で形成する。そして、この貫通孔5hのピストン側を拡径して、テーパー部5bを設けることにより、被移送物Sが貫通孔5hに入り易くなると共に、仕切壁5cの先端部分が楔形状となるので、塊状の混合物をこの多孔板5に押圧した時に、この楔形状部分が刃の役割を果すのでより剪断し易くなる。
【0043】この破砕部材5は、図2の多孔板5以外にも、格子板や網状板で形成することができ、ピストン側で押圧された塊状混合物を処理装置側で処理しやすい大きさに剪断や破断等により細かくして、移送管6側に排出できるものであれば良く、必ずしも板形状の部材に限定されない。
【0044】また、この破砕部材5においては、後述する残留空気Aや残留液Wがホッパ2側に戻り、この破砕部材5を通過しないように、上部部分に貫通孔5h等を設けずに形成するのが好ましい。
【0045】〔連通路〕そして、この円筒4aの上部に溝7を往復摺動する方向F−Bに設けて連通路7を形成する。この連通路7の前部7fは、シリンダ3内と連通するようにピストン前方に開口し、後部7bは、シリンダ3の供給口3aに連通するように形成される。
【0046】この連通路7の長さKは、ピストン4が前進する時に、シリンダ3内に滞留している残留空気Aや残流液Wをシリンダ3の供給口3a側に逃がすことができる長さであればよいが、十分に残留空気Aと残留液Wを逃がすためには、ピストン4が最も前進した時においても、連通路7の後端部7bがシリンダ3の供給口3aに連通するように形成するのが好ましい。
【0047】この残留液Wは、被移送物Sから絞り出された水分や液状の被移送物Sが一時的に多量に投入されて分離したままとなったりして生じる。
【0048】この連通路7は、図1や図3(a),(b)に示すようにピストン4,41の最上部に設けた1条の連通溝7やフラットにカットした平坦部71で形成してもよいが、図3(c),(d)に示すように、ピストン42,43の斜め上部に2条設けた連通溝72や更に多数の連通溝73で形成しても良い。
【0049】また、この連通路は、ピストン側ではなく、図4(a),(b)に示すように、ピストン45の上側が摺接するシリンダ3Aの内面側に設けた、シリンダ3Aの吐出口3Ab近傍と供給口3Aaに連通する連通溝85で形成することもできる。また、図4(c)に示すように、シリンダ3Bのピストン46が摺接する内面に設けた2条の連通溝86で形成することもできる。
【0050】更に、ピストン側の連通溝7等とシリンダ側の連通溝85等を適宜組合わせたり、これらの連通路を対向させたりして形成することもできる。
【0051】また、図示しないが、シリンダ3の外側を通る外部配管で形成したり、ピストン4の内側を通る内部配管で形成することもできるが、これらの配管で形成すると、シリンダ3やピストン4の加工が容易となるが、目詰まりし易いという問題がある。
【0052】要するに、残留空気Aと残水Wを供給口3a側に逃がすことができ、被移送物Sのスラリー状成分に対してはその自由な流動を阻止し、シリンダ3内に負圧を発生できるものであればよい。つまり、ピストン4の押圧行程において、被移送物Sのスラリー状成分が連通路7、85に入り、連通路7、85内を移動する際に流通抵抗が大きくなり、半ば閉塞状態にすることができように、連通路7,85の形状及び寸法を決めて、連通路7を形成する。
【0053】〔清掃板〕そして、ピストン4側に設けられた連通路7を清掃するために、図5に示す、シリンダ3の供給口3aの後端部3abに、連通路7内に突出する清掃板9を上端で軸支して設ける。この清掃板9は、図7から図5の状態に戻る時に、清掃板9を連通溝7が通過する時にこの連通溝7を清掃し、図7から図8のようにピストン3の外周部が通過する時は、上側に回動して通過を許すように形成される。
【0054】また、シリンダ3側に設けられた連通溝85,86を清掃するために、ピストン45,46の前端面に連通溝85,86内に突出する清掃板(図示しない)を固定して設ける。この清掃板を設けた場合には、ピストン45,46の先端が図5から図8の状態に移動する時も、また、図8から図5の状態に戻る時も、連通溝85,86を掃除できる。
【0055】〔逆止弁〕移送管6には、リード弁等で形成される逆止弁7を設け、被移送物Sのピストン3側への逆戻りを防止し、また、シリンダ3内の負圧の発生を助け、被移送物Sのホッパ2からシリンダ3への供給をスムースに行なえるようにする。
【0056】この逆止弁7は、被移送物Sが含水量が少なく固まり易い性状の場合には、逆止弁7を設けなくても逆戻りしにくく、また、シリンダ3内の負圧も立ちやすいので、また、この逆止弁7を設けた場合にはで閉塞する可能性があるので、この逆止弁7を設けなくてもよい。
【0057】〔作動〕次に、この移送装置1の作動について説明する。
【0058】〔押圧開始時〕図5のピストン3が後退した位置の状態では、ホッパ3に投入された厨芥等の被移送物Sはシリンダ室3dの中に落下し充填される。この時、シリンダ室3dには、この直前に押し出した被移送物S内に含まれていた空気や絞りだされた水分が残り、これらの残留空気Aと残留液Wがシリンダ3の前方に滞留している。
【0059】〔押圧行程〕次にピストン4が図6の位置に前進すると、残留空気Aと残留液Wは、シリンダ4の前方を塞ぐ破砕部材5とピストン3の押圧面3によって閉鎖されたシリンダ3内に閉じ込められる。
【0060】更に、ピストン4が図7、図8の位置に前進すると、被移送物Sは前方の破砕部材5から大きな力でトコロテン状に前方に押し出されるので、被移送物Sに混合した塊状の混合物は剪断力により裁断されたり破断され細かく破砕される。
【0061】この時の押圧力は、油圧ピストンを使用するとピストン4を数十kN〜数百kN(数トン〜数十トン)という力で動かすことができるので、40〜50mにも及ぶ長距離移送も可能となる。
【0062】一方、残留空気Aや残留液Wは被移送物Sの上部に浮き上がるので、連通路7を通過して、シリンダ3の供給口3a経由でホッパ2内に排出される。
【0063】そして、ピストン4が図8の位置に前進すると、この残留空気Aと残留液Wが排出された後に、被移送物Sのスラリー状成分がこの連通路7に入り、この連通路7内を移動する被移送物Sのスラリー状成分の流通抵抗が大きいので、半ば連通路7は閉塞状態になり、被移送物Sの殆ど全部を破砕部材5の貫通孔5hから移送管6側に押し出すことができる。
【0064】〔戻り行程〕そして、図8の状態から、ピストン4の戻り行程である吸引行程が始まるが、この最初においては、ピストン4の連通路7から、被移送物Sのスラリー状成分の一部がシリンダ3内に負圧に吸引されて戻るので、シリンダ3内の圧力が完全に真空に近い状態になる、ピストン4の押圧面4pと破砕部材5の密着状態を防止でき、ピストン4の戻りに要する力を小さくすることができる。
【0065】そして、この戻り行程では、ピストン4が戻る時に、シリンダ3内が負圧になるので、ホッパ2内の被移送物Sのスラリー状成分が連通路7経由でシリンダ3側に吸引されるが、その流通抵抗が大きく、また負圧も最大0.1MPa(1気圧)であるので、被移送物Sのスラリー状成分は多量に流れず、シリンダ3内に負圧が発生する。
【0066】ピストン4が供給口3aまで後退して図6の状態になった時に、この負圧がホッパ2の下部に急激に作用し、ホッパ2内の被移送物Sを吸引及び引き落とすので、ホッパ3内に被移送物Sのブリッジが生じるのを防止できる。
【0067】〔連通路の機能及び作用・効果〕次に、この連通路7の機能について説明する。
【0068】この連通路7により、ピストン4の前進時の押圧行程の前半では、シリンダ3内の上部に滞留している残留空気Aや残留液Wをホッパ2側に逃がすことができ、空気抜き及び水抜き機能を果たすことができる。
【0069】そして、ピストン4の押圧行程の後半では、シリンダ室3dの被移送物Sのスラリー状成分が流入するが、このスラリー状成分に対する連通路7の流通抵抗が空気や水よりも大きいために、連通路7がスラリー状成分で半ば閉塞された状態となり、シリンダ室3dに発生する高圧を維持できる。
【0070】また、ピストン4の後進時の戻り行程では、ホッパ2側の被移送物Sのスラリー状成分を吸引し、シリンダ室3dに負圧を発生し、この負圧によりホッパ2内の被移送物Sを吸引及び引き落とすことができる。
【0071】また、ホッパ2やシリンダ室3d内に残留液Wが多くなってきた場合には、連通路7は残留液Wで満たされ被移送物のスラリー状成分で閉塞されないので、前進時でも後進時でも、残留液Wが連通路7経由でシリンダ3内とホッパ2内を行き来するので、移送管6側に移送される液Wの量を減少でき、後流側の処理装置30の水分蒸発の負担を少なくできる。
【0072】即ち、この連通路7は、空気抜き及び水抜き管、あるいは空気吸い込み弁を設けて、開閉操作するのと同じ機能を自動的に果たすことができ、しかも、溝形状で形成された場合には、連通路7全体に渡って片側が開放され、しかもピストン4の前進押圧時には、10分の数MPaから数MPa(数気圧から数十気圧)の大きな圧力が連通路7の前方に加わり、連通路7の通路内を残水Wまたは残留空気Aが通過して清掃するので、また、更には清掃板9でピストン4の往復動毎に清掃できるので、空気抜き及び水抜き管、あるいは空気吸い込み弁のように目詰まりすることがない。
【0073】〔効果〕以上の構成による移送装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0074】■シリンダ室3d内に被移送物Sを引き落としてピストン4で圧送するので、シリンダ3の供給口3aに入る大きさの塊状の混合物も移送できる。
【0075】■被移送物Sをピストン4の強い力でシリンダ3の前方の破砕部材5に押圧してトコロテン状に押し出すので、被移送物Sに含まれる塊状混合物を破砕できる。
【0076】■連通路7のピストン4の押圧行程の前半における空気抜き作用により、残留空気Aの圧縮による圧力緩衝作用を防止することができる。
【0077】■連通路7のピストン4の押圧行程の前半における水抜き作用により、残留液Wをホッパ2側に戻して、後から投入される水分量の少ない被移送物Sに混合及び吸収させることができるので、被移送物Sの水分を経時的に調整して、このほぼ水分量を均等化された被移送物Sを後流側の処理装置30に移送できる。
【0078】即ち、液分が多量にホッパ2に投入され、シリンダ室3dに残留液Wが増加した場合には、ピストン4を前進させても、残留液Wは連通路7からホッパ2側に戻るので、移送管6側に移送される量が少なくなる。また、このホッパ2側に戻った残留液Wは、後からホッパ2に投入される含水率の少ない厨芥等の被移送物Sに吸収又は混合されて、移送管6側に移送されるので、移送管6側への被移送物Sの含水率を調整できる。
【0079】■ピストン4の戻り行程における被移送物Sのスラリー状成分による連通路7の半閉塞状態により、シリンダ室3dの負圧を維持して、ホッパ2の被移送物Sをシリンダ室3dに吸引及び引き落としでき、被移送物Sのブリッジを防止できる。
【0080】即ち、ピストン4が戻る時に、連通路7に被移送物Sのスラリー状成分が入るが、スラリー状成分の流通抵抗が空気Aや水Wに比較して非常に大きいので、シリンダ室3d内に発生する負圧を維持でき、ピストン4が供給口3aまで戻された時に、この負圧が急に供給口3aに作用するので、急激にホッパ2内の被移送物Sをシリンダ室3d側に吸引し、引き落とすことができる。これにより、ホッパにおける被移送物Sのブリッジの発生を防止しながら、円滑に被移送物Sをシリンダ室3d内に供給できる。
【0081】■ピストン4の戻り行程開始時に、僅かではあるが、被移送物Sのスラリー状成分が連通路7からシリンダ室3d内に入るのでシリンダ室3dが真空に近い状態になるのを防止し、ピストン4の戻りに要する力を小さくすることができる。
【0082】従って、大きな塊状の混合物を含んだ被移送物Sを、破砕して細かくしながら、また、水分量を均等化しながら、大きな圧力で、スム−スに移送管6側に圧送することができる。
【0083】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る移送装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0084】シリンダ内にスラリー状成分と塊状の混合物とを含み被移送物を引き落としてピストンで圧送するので、シリンダの供給口に入る大きさの塊状の混合物も移送できる。また、シリンダの前方に多孔板等で形成される破砕部材を設けて、ピストンで被移送物を強い力でこの破砕部材に押圧するので、被移送物を破砕部材の貫通孔等からトコロテン状に押し出してスラリーの塊状混合物を破砕して圧送できる。
【0085】そして、空気抜きおよび水抜き用に連通路をピストンの上部等に設けているので、ピストンの押圧行程の前半で、シリンダ室内の残留空気や残留液をこの空気抜き溝からホッパ側に移動させることができる。
【0086】また、ピストンの押圧行程に後半では、被移送物のスラリー状成分が連通路に入ることにより、スラリー状成分はこの連通路を移動するが、シリンダ室の圧力を維持できるという半閉塞状態として、シリンダ室の高圧を維持できるので、被移送物を高圧で圧送できる。
【0087】さらに、ピストンの戻り行程では、シリンダ室の負圧を維持して、ホッパの被移送物をシリンダ室に吸引及び引き落としできる。
【0088】この連通路の空気抜きおよび水抜き効果により、残留空気の圧縮による圧力緩衝作用を防止することができ、また、残留液をホッパ側に戻して、後から投入される水分量の少ない被移送物に混合及び吸収させることができるので、被移送物の水分を経時的に調整して、このほぼ水分量を均等化された被移送物を後流側の処理装置に移送できる。
【0089】従って、大きな塊状の混合物を含んだ被移送物を、破砕して細かくしながら、また、水分量を均等化しながら、大きな圧力で、スム−スに移送管側に圧送することができる。
【出願人】 【識別番号】000005902
【氏名又は名称】三井造船株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−132622(P2001−132622A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−313745