トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F03 液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物
【発明者】 【氏名】行本 卓生

【要約】 【課題】風力と太陽光によるハイブリッド発電システムを最小限の設置面積で短時間に組み立て施工できると共に、高効率で高出力のハイブリッド発電が可能となる自然エネルギー発電構造物を提供する。

【解決手段】基礎5上に立設した3本以上の主柱6を梁7で連結して平面視円形や多角形の塔状構造物1を構築し、この塔状構造物1の南側における東から西までの180°の範囲に、塔状構造物の外側に向かって下り勾配の傾斜角30°程度で傾斜する太陽電池パネル2を上下方向に間隔をおいて複数段ブラインド状に配設し、2本以上の主柱6の塔状構造物上部から突出する主柱延長部分6aに風力発電機3を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基礎上に立設した複数本の主柱を梁で連結して塔状構造物を構築し、この塔状構造物の南側における東から西までの範囲に、塔状構造物の外側に向かって下り勾配の傾斜角で傾斜する太陽電池パネルを上下方向に間隔をおいて複数段で配設し、前記主柱の塔状構造物上部から突出する主柱延長部分に風力発電機を設けて構成されていることを特徴とする風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物。
【請求項2】 塔状構造物の主柱は3本以上であることを特徴とする請求項1に記載の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物。
【請求項3】 各段の太陽電池パネルは東から西までの180°の範囲に設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物。
【請求項4】 太陽電池パネルの傾斜角は30°程度であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物。
【請求項5】 複数本の主柱のうち2本以上の主柱に風力発電機が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物。
【請求項6】 太陽電池パネルは塔状構造物の中間部から上部にかけて配設されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風力と太陽光を組み合わせて発電を行う自然エネルギー発電構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、無公害で環境にやさしいクリーンな自然エネルギーである風力、あるいは太陽光を利用して発電を行う自然エネルギー発電システムが種々提案されており、例えば、単ポール式の風力発電機と太陽電池パネルを個別に設置し、風力発電機と太陽電池パネルからの出力をバッテリーに充電するハイブリッド電源システムが実用化されている。このようなハイブリッド電源システムによれば、風力発電は風がないときは発電しない、太陽電池パネルは雨の日や夜には発電ができない、という互いの短所を補完し、安定的に電力を供給することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような従来のハイブリッド電源システムの場合、風力発電機と太陽電池パネルをそれぞれ独立して設置しているため、設置面積が大きくなり、特に高出力の発電システムを構築する場合には、設置面積が増大すると共に、それぞれの装置の組み立て施工に時間がかかるなど問題がある。また、風力発電と太陽光発電を効率的に行う工夫がなされていない。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑み新たな観点から開発されたものであり、その目的は、風力と太陽光によるハイブリッド発電システムを最小限の設置面積で短時間に組み立て施工できると共に、高効率で高出力のハイブリッド発電が可能となる風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基礎上に立設した複数本の主柱を梁で連結して塔状構造物を構築し、この塔状構造物の南側における東から西までの範囲に、塔状構造物の外側に向かって下り勾配の傾斜角で傾斜する太陽電池パネルを上下方向に間隔をおいて複数段で配設し、前記主柱の塔状構造物上部から突出する主柱延長部分に風力発電機を設けて構成されていることを特徴とする風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物である。塔状構造物の上端面に斜材を設け、この斜材の上にも太陽電池パネルを設置してもよい。
【0006】この請求項1の発明においては、風力発電機を取り付ける複数本の主柱からなる塔状構造物を利用して太陽電池パネルをブラインド状に配設するため、設置面積を最小限することができると共に、風力発電機と太陽電池パネルを個別に設置する場合に比べて、組み立て施工が簡略化され、施工時間の短縮および省力化が図られる。また、太陽電池パネルを多段に配設でき、かつ風力発電機を複数台設置することができ、高効率で高出力のハイブリッド発電システムが得られる。さらに、太陽電池パネルをブラインド状に配設することで、上下方向に隙間が形成され、構造物に作用する風圧を軽減することができ、また効率良く光を捕らえることができる。さらに、設置目的の消費対象必要電力に応じて、太陽電池パネルの増設および位置の変更を容易に行うことができる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の自然エネルギー発電構造物において、塔状構造物の主柱は3本以上であることを特徴とする。即ち、塔状構造物の平面視形状は、円形あるいは三角形・四角形・六角形・八角形・台形などの多角形を採用することができる。この請求項2の発明では、主柱を3本以上配設することにより、風圧に対して安定した構造物が得られ、また風力発電機を2台以上設置することが可能となる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の自然エネルギー発電構造物において、各段の太陽電池パネルは東から西までの180°の範囲に設置されていることを特徴とする。この請求項3の発明では、午前中には東側の太陽電池パネルが光を捕らえ、午後には西側の太陽電池パネルが光を捕らえるため、一日を通して光を捕らえることができ、南側にのみ設置する場合と比較して太陽光発電効率が向上し、どこの設置地域でも、春夏秋冬一年中効率良く光を捕らえることができ、太陽電池パネルを多段に配設することと相まって太陽光発電効率が向上する。
【0009】請求項4の発明は、請求項1、請求項2または請求項3の自然エネルギー発電構造物において、太陽電池パネルの傾斜角は30°程度であることを特徴とする。この請求項4の発明では、30°程度の傾斜角とすることにより、太陽高度の高い夏と太陽高度の低い冬に対応することができ、また一日のうちの太陽高度の高い昼間と太陽高度の低い朝方や夕方に対応することができ、春夏秋冬一年を通じて効率良く光を捕らえることができる。
【0010】請求項5の発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4の自然エネルギー発電構造物において、複数本の主柱のうち2本以上の主柱に風力発電機が設けられていることを特徴とする。主柱が近接している場合には、風力発電機を設置する主柱の延長部分の高さを調整し、複数台の風力発電機の高さをずらすことで対応することができる。この請求項5の発明では、2本以上の主柱に風力発電機を設けることにより、風力発電効率が向上する。
【0011】請求項6の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5の自然エネルギー発電構造物において、太陽電池パネルは塔状構造物の中間部から上部にかけて配設されていることを特徴とする。この請求項6の発明では、塔状構造物の下部を除いて太陽電池パネルを配設することにより、建物や樹木などにより光が遮られるのを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1〜図3は、本発明の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物の塔状構造物が平面視六角形の場合の第1実施形態を示したものである。図4〜図6は、本発明の風力と太陽光による自然エネルギー発電構造物の塔状構造物が平面視円形の場合の第2実施形態を示したものである。
【0013】図1〜図3に示す第1実施形態において、本発明の自然エネルギー発電構造物は、基礎上に構築された平面視で正六角形の塔状構造物1と、この塔状構造物1の南側半分の側面および上面に設置された多数の太陽電池パネル2と、塔状構造物1の上部から突出するように設置された一対の風力発電機3と、基礎上における塔状構造物1の内部に設置される電力制御用機器や蓄電池などの最終発電用装置4から構成されている。
【0014】塔状構造物1は、基礎5上に所定の高さで立設された鋼管や形鋼等からなる6本の主柱6と、各主柱6,6同士を塔状構造物1の外面において連結する上下方向に多段の横梁7と、塔状構造物1の上端面を構成する斜材8から構成されている。
【0015】主柱6は平面視で正六角形の6つの頂点位置に配置され、横梁7は前記正六角形の各辺位置に配設される(図3参照)。また、横梁7は、上下方向に所定の間隔をおいて複数配設され、図示例では上下方向の4箇所で主柱同士を連結している(図1,図2参照)。斜材8は、平面視で塔中心から各主柱に向かって放射状に配設され(図3参照)、正六角錐を形成するようにされている。
【0016】太陽電池パネル2は、■ 水平方向に関しては、図3に示すように、南を中心として東から西までの180°の範囲に設置され、■ 側面視では、図1,図2に示すように、塔状構造物1の外側に向かって下り勾配で水平面に対して30°程度(取付精度などから±数°の範囲を持つ)の傾斜角で取り付けられ、■ 上下方向に関しては、図2に示すように、所定の隙間をおいてブラインド状に複数段(図示例では5段)で配設され、また、■ 塔状構造物1の地上付近の下部を除き(地表面から5〜6m程度)、塔状構造物1の中間部から上部にかけて配設されている。
【0017】■ 太陽電池パネル2を日本の標準的日照条件を考慮して東から西の180°の範囲に設置することにより、春夏秋冬一年中、晴れの日および曇りの日の光を捕らえることができる。一般的には、南向きにのみ設置されるが、午前中は東向きのパネルで光を捕らえ、午後には西向きのパネルで光を捕らえることにより、1日当たりに得られる太陽光の発電効率を最大限に活用することができる。
【0018】■ 太陽電池パネル2の傾斜角を日本の緯度の関係から30°程度とすることにより、太陽高度の高い夏と太陽高度の低い冬に対応することができ、また一日のうち太陽高度の高い昼間と太陽高度の低い朝方や夕方に対応することができ、春夏秋冬一年を通じて効率良く光を捕らえることができ、一年を通じて効率的な発電が可能となる。
【0019】■ 太陽電池パネル2をブラインド状に配設することにより、多数のパネルを少ないスペースで密に配設することができると共に、上下方向に複数形成された隙間空間により構造物に作用する風圧を軽減することができる。また、設置目的の消費対象必要電力に応じて、太陽電池パネル2を容易に増減することができ、設置位置も容易に変更することができる。
【0020】■ 太陽電池パネル2を塔状構造物1の中間部から上部にかけて配設することにより、周囲の建物や樹木により光が遮られることがなく、効率の良い発電が可能となる。
【0021】また、太陽電池パネル2は、塔状構造物1の外側面および上端面に設置するが、外側面においては、図2,図3に示すように、例えば、各主柱6,6間に水平取付材10を配設し、各主柱6から外側に向かって傾斜取付材11を突設し、この傾斜取付材11の先端部を支持材12で支持し、水平取付材10および傾斜取付材11などの上に適当な大きさの単位パネルを設置固定する。図3に示すように、例えば、各辺に平面視長方形の単位パネルを配設し、角部に平面視菱形の単位パネルを配設する。上端面においては、隣合う斜材8,8間に平面視三角形の単位パネルを設置固定する。
【0022】風力発電機3は、6本の主柱6のうち最も離れた東側と西側の主柱6,6を上方に延長し、この主柱延長部分6aの上部に設置する。風力発電機3は、プロペラ3aと、発電機等を備えた本体3bと、方向舵3cなどから構成され、本体3bを主柱延長部分6aの上部に水平回転可能に取り付け、効率的に風を受けて発電できようにされている。
【0023】また、図示例では一対の風力発電機3,3を同じ高さにしているが、主柱延長部分6aを任意の長さに調整することにより、複数個の風力発電機3のプロペラ3aが互いにぶつからないように、設置高さを選択することができ、3本主柱等の設置面積の小さい塔状構造物でも複数台の風力発電機3を設置することが可能となる。複数台の風力発電機3を用いることにより、効率的な風力発電が可能となる。
【0024】最終発電用装置4は、電力制御用機器・蓄電池・周波数変換装置(インバーター)・AC出力器などから構成され、太陽電池パネル2および風力発電機3の出力が入力され、直流および交流が出力される。
【0025】次に、図4〜図6に示す第2実施形態においては、塔状構造物1が平面視で円形とされている。即ち、図6に示すように、例えば4本の主柱6を配置し、隣り合う主柱6,6同士を円弧状の横梁7で連結している。この塔状構造物1の外側面に取り付けられる太陽電池パネル2は扇形とし、上端面に取り付けられる太陽電池パネル2は半円状としている。その他の構成は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同じ作用効果が得られる。
【0026】なお、以上は、平面視で六角形と円形の塔状構造物について説明したが、これに限らず、平面視で三角形・台形・八角形など、構造的に安定な3本以上であればよい。また、風力発電機は2台設置する場合について説明したが、3台以上設置することもできることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のような構成からなるので、次のような効果を奏する。
【0028】(1) 風力発電機を取り付ける複数本の主柱からなる塔状構造物を利用して太陽電池パネルをブラインド状に配設するため、設置面積を最小限することができると共に、風力発電機と太陽電池パネルを個別に設置する場合に比べて、組み立て施工が簡略化され、施工時間の短縮および省力化を図ることができ、コストを低減することができる。
【0029】(2) 塔状構造物に太陽電池パネルを多段に配設でき、かつ塔状構造物の主柱に風力発電機を複数台設置することができるため、高効率で高出力のハイブリッド発電システムが得られる。
【0030】(3) 太陽電池パネルをブラインド状に配設することで、上下方向に隙間が形成され、構造物に作用する風圧を軽減することができ、また効率良く光を捕らえることができる。さらに、設置目的の消費対象必要電力に応じて、太陽電池パネルの増設および位置の変更を容易に行うことができる。
【0031】(4) 塔状構造物は3本以上の主柱から構成することにより、風圧に対して安定した構造物が得られ、また風力発電機を2台以上設置することが可能となる。
【0032】(5) 各段の太陽電池パネルを東から西までの180°の範囲に設置することにより、一日を通して光を捕らえることができ、南側にのみ設置する場合と比較して太陽光発電効率が向上し、どこの設置地域でも、春夏秋冬一年中効率良く光を捕らえることができ、太陽電池パネルを多段に配設することと相まって太陽光発電効率が向上する。
【0033】(6) 太陽電池パネルの傾斜角を30°とすることにより、春夏秋冬一年を通じて効率良く光を捕らえることができる。
【0034】(7) 塔状構造物の2本以上の主柱に風力発電機を設けることにより、風力発電効率が向上する。
【0035】(8) 太陽電池パネルを塔状構造物の中間部から上部にかけて配設することにより、建物や樹木などにより光が遮られるのを防止することができ、効率の良い発電が可能となる。
【出願人】 【識別番号】594140993
【氏名又は名称】行本 卓生
【出願日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【代理人】 【識別番号】100070091
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 知 (外1名)
【公開番号】 特開2001−271738(P2001−271738A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−88821(P2000−88821)