トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F03 液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 風力発電機
【発明者】 【氏名】ホセ、プラツ、ムスタロス

【氏名】ペレ、ビウラドミウ、グアルロ

【要約】 【課題】主伝達軸を細長くすることができ、経済的で、かつ作動中に生じるピーク荷重や他の周期的な荷重を小さくすることができ、増速機のギヤーにとって有利で、かつ運転効率の高い風力発電機を提供すること。

【解決手段】この風力発電機は、ハブ(3)およびそれに取付けられた複数のブレードを有するロータと、動力発生手段(5、6)に回転を伝達する主伝達軸(4)とを備え、このハブが支持シャーシ(8)上に回転可能に取り付けられており、さらに、ハブ(3)に固定されたブレーキディスク(11)と、支持シャーシ(8)に取り付けられた少なくとも1つのブレーキキャリパ(12)とを有する、ロータを制動する手段(10)も備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ハブ(3)およびそれに取り付けられた複数のブレードを有するロータと、前記ロータの前記ハブ(3)に回転連結され回転を動力発生手段(5、6)に伝達する機能を有する主伝達軸(4)と、前記ロータを制動する手段とを備え、前記主伝達軸(4)と前記動力発生手段(5、6)とが支持シャーシ(8)上に取り付けられている風力発電機において、前記ロータの前記ハブ(3)が前記支持シャーシ(8)上に回転可能に取り付けられ、前記制動する手段(10)が、前記ハブ(3)に固定されたブレーキディスク(11)と、前記支持シャーシ(8)に取り付けられた少なくとも1つのブレーキキャリパ(12)とを有することを特徴とする風力発電機。
【請求項2】前記支持シャーシ(8)が少なくとも部分的に管状であり、前記ロータの前記ハブ(3)が前記支持シャーシ(8)の一方の端部に取り付けられ、前記主伝達軸(4)が前記支持シャーシ(8)内を延び、前記ハブ(3)と前記主伝達軸(4)とが弾性連結手段(9)を介して互いに連結されていることを特徴とする請求項1記載の風力発電機。
【請求項3】前記ブレーキキャリパ(12)が、前記支持シャーシ(8)と一体的に設けられた半径方向外側突出部(8d)に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の風力発電機。
【請求項4】前記制動する手段が、前記支持シャーシ(8)の上半分の半円周上に配置された5つのブレーキキャリパ(12)を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の風力発電機。
【請求項5】前記動力発生手段が、動力の等しい2つの発電機(6)を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の風力発電機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハブおよびそれに取り付けられた複数のブレードを有するロータと、ロータのハブに回転連結されるとともに回転を動力発生手段に伝達する機能を有する主伝達軸と、ロータを制動する手段とを備え、前記主伝達軸と前記動力発生手段とが支持シャーシ上に取り付けられた種類の風力発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】上述したような一般的な構造を備えた従来の風力発電機においては、ロータが伝達軸の自由端に取り付けられ、伝達軸がブレードの回転を増速機に、そしてそこから発電機に伝達することができるようになっている。ここで伝達軸は、ロータやブレードの重量による、かなりの大きさの周期的な屈曲応力に耐えられるものでなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このためになされた試みでは、ロータが支持シャーシの管状の延長部に取り付けられる。これにより、ロータの重量による屈曲力は風力発電機のシャーシとタワーとに直接伝達されるので、主伝達軸はねじり力を伝達するためにだけ用いられることになり、その結果、原則的に伝達軸は断面積をより小さく、長さをより長く、そして重量をより軽くすることができる。このような特徴は、経済的な見地からばかりでなく、この伝達軸によって作動中に生じるピーク荷重や他の周期的な荷重を小さくできるということからも、望ましいものである。
【0004】ここで説明しておくと、風力発電機の受ける周期的な応力の多くは風力発電機の構造に応じて生じるものであり、回転速度にロータのブレード枚数をかけた数に相当する振動数を伴う。
【0005】しかしながら、断面積がより小さく、かつ長さがより長い伝達軸には、公知の風力発電機の設計構造を適用することができないという大きな欠点がある。
【0006】風力発電機の作動中に欠陥が生じてロータを制動しなければならなくなったとき、主伝達軸上もしくはパワートレイン(伝達軸、増速機および発電機)の全長に沿って制動操作がかかることになる。というのは、ブレーキディスクが伝達軸に取り付けられるとともに、ブレーキキャリパがパワートレインに取り付けられているからであって、その結果、伝達軸や他の連結部品、変換部品も、ブレーキや発電機によって生じた高いトルクを受けることとなる。結局、伝達軸の寸法はこの点を考慮して決めなければならないということである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上述したような欠点を解決することである。この目的に従って、本発明による風力発電機は、冒頭に記載されているような種類のものであって、ロータのハブが支持シャーシ上に回転可能に取り付けられ、制動する手段が、ハブに固定されたブレーキディスクと、支持シャーシに取り付けられた少なくとも1つのブレーキキャリパとを有することを特徴とする。
【0008】このような構成には、上述したような多くの利点がある。ここで、伝達軸はロータの重量による屈曲応力を支持しないので、断面積を小さくすることができる。これにより、この構成は、ピーク荷重や他の周期的な荷重を取り除くとともに、これらの荷重を増速機に伝達しないようにするために用いられることとなり、結果的に増速機のギヤーにとって有利となる。ただし、ブレーキをハブ上に直接連結した設計構造のときにのみ、このような伝達軸の設計構造が可能となる。
【0009】本発明では、風力発電機の総合的な動作状況を利用して周期的な荷重を減少させることができる。これにより、大変重いロータから、必要な慣性モーメントが提供され、伝達軸の耐屈曲性と組み合わさって、励起振動数よりもかなり低い共鳴振動数を設定することができ、その振動数における振幅を大幅に減少させることができる。
【0010】支持シャーシが少なくとも部分的に管状であり、ロータのハブが支持シャーシの一方の端部に取り付けられ、主伝達軸が支持シャーシ内を延び、ハブと主伝達軸とが弾性連結手段を介して互いに連結されていることが好ましい。
【0011】このような構成にすると、特に長い主伝達軸を用いることができるので、風力発電機のナセルの全長を有効に用いることができ、これにより動作状況を調整することができるようになる。
【0012】本発明の好適な態様によれば、ブレーキキャリパが、支持シャーシと一体的に設けられた半径方向外側突出部に固定される。この方式は、物理的に単純でかつ頑丈であり、この方式により、ブレーキから直接シャーシに、そしてシャーシからタワーに屈曲荷重が確実に伝達されるようになる。
【0013】さらに、この態様の特定の具体例によれば、制動システムは、シャーシの上半分の半円周上に配置された5つのブレーキキャリパを有している。
【0014】本発明による風力発電機の1つの態様によれば、動力発生手段は動力の等しい2つの発電機を有している。この特徴により、風力が中程度の場合の風力発電機の効率を上げることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以上述べてきたこと全てをよりよく理解するために、本発明の実施の形態の具体例を概略的に示した図面を添付する。ただし、これらの具体例は単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0016】風力発電機は、ナセルが取り付けられたタワーからなり、このナセルはシャーシ内で構成され、さらにこのシャーシ上には、風力を用いる動力発生システムの種々の部品が取り付けられている。ナセルは方向付けが可能なようにタワー上に取り付けられ、風に対して常に最適な方向に向けられるようになっている。
【0017】図1は、本発明による風力発電機のタワー2上に取り付けられたナセル1を概略的に示したものである。ナセルをタワー上に取り付けるためのシステム、およびこれらの機構の保護用ハウジングは従来どおりの部品であるので、わかりやすくするために、この図では省略してある。
【0018】風力発電機は、本質的に、風で回転する複数枚のブレード(図示せず)が取り付けられたハブ3によって形成されたロータと、ロータの回転を増速機5に伝達するための主伝達軸4と、増速機の副伝達軸7により駆動される発電機6とを備えている。
【0019】動力が互いに等しくかつ一台のみが設置されたような発電機よりもその動力が小さい2つの発電機6を取り付けることも考えられるが、この場合、増速機も平行な2本の副伝達軸を有することになる。発電機が2つあれば、弱い風力のときにはどちらか一方の発電機のみが基準速度に近い速度で作動することになるので、効率が上がる。
【0020】ロータと増速機との間に動力を伝達する主伝達軸4は、増速機の副伝達軸7よりもかなり遅い速度で回転するので、遅速伝達軸と呼ばれるのが普通である。
【0021】上述した種々の部品を支持するシャーシ8は、全体的に管状の構成であり、その断面は全長にわたって四角形になっている。
【0022】発電機6はシャーシ8の外側に固定されており、ロータのハブ3は、この管状のシャーシ8の前方端部上で回転できるように取り付けられている。シャーシ上でのハブ3の取り付け状態をよりはっきり示すために、図1ではこれらの2つの部品の間の取り付け区域を部分断面にしている。これから分かるように、ハブは2つの適切なベアリングを間にはさんでシャーシに載っている。
【0023】同じ断面でさらに、シャーシの内部に遅速伝達軸4が収納されており、この遅速伝達軸の端部が弾性連結部9を介してロータのハブに連結されていることが分かり、また増速機はシャーシ8の後方端部に取り付けられている。
【0024】弾性連結部9は公知の種類のものであり、詳細は図示していないが、2枚のプレートが互いに向き合い、嵌まりあう突出部と凹部とを有し、トルクの伝達にあるゆとりを持たせるために、その凹部には弾性ブッシングが設けられている。
【0025】シャーシ8は、例えばボルト継手8cを介して互いに取り付けられる2つの部品8a、8bからなっている。シャーシの2つの部品に関して構造上要求されることは全く異なるものであり、前方部品8aは鋳鉄から、そして後方部品8bは溶接構造物からなっていることが好ましい。
【0026】シャーシ全体としては、シャーシがタワー2上で回転できるようにクラウンホイールを有するプラットホーム(図示せず)に固定されている。
【0027】さらに、ロータのハブ3が遅速伝達軸4の端部に直接取り付けられた別の風力発電機もあるが、ここに示された実施の形態では、シャーシ8がハブを回転可能に保持するために前方に延びており、これにより多くの利点がある。
【0028】まず、ロータのかなりの重量により生じる屈曲応力は遅速伝達軸4により支えられることなく、シャーシ自体およびタワー2によって支えられているので、伝達軸4は本来の機能を果たすだけでよく、すなわちトルクと動力とを、増速機と発電機とに伝達するだけでよいということになる。
【0029】遅速伝達軸4は、屈曲応力を支える必要がないためにより細く、かつより長くすることができる。この場合、遅速伝達軸は実際にナセルの全長にわたって配置されることになる。
【0030】伝達軸の断面積がより小さく、かつ長さがより長くなるということは、伝達軸自体の柔軟性を用いて、ロータによってもたらされるトルクの変動を小さくすることができるということであり、すなわちトルクの変動が増速機に伝達されずにすむことを意味する。トルクの変動には、例えば風の勾配(wind inclination)や、地形、タワーの影作用(shadow effect)から生じる変動、そして他の障害等のいくつかの要因があるが、とにかくこれらの変動を増速機に達するままにさせておくと、ギヤーの機構に悪影響を与えるので望ましくない。
【0031】柔軟なパワートレインにすると、空力トルクピークの多くの部分が取り除かれ、その結果、例えば、170〜180kNmという空力トルク振動が、遅速伝達軸において176〜179kNmの小さな振動に変換されるのである。
【0032】周期的な荷重の減少は、風力発電機の全体的な動作状況を用いることにより可能となる。すなわち、重量のあるロータから、必要な慣性モーメントを提供し、伝達軸の柔軟性と組み合わさって、共鳴振動数を励起振動数よりも顕著に下げることができ、その振動数における振幅を大幅に減少させることができる。
【0033】この風力発電機はまた、作動上の欠陥がおきた場合に用いるための、ロータと遅速伝達軸とを制動するシステムを有している。
【0034】従来のブレーキは遅速伝達軸4に連結されているので、制動のときにロータの慣性によって伝達軸が耐えなければならないトルクは非常に高かった。
【0035】しかしながら本発明によると、図2および図3のより詳細な図からも分かるように、制動システム10は、ロータのハブ3に取り付けられたブレーキディスク11と、シャーシ8上に、制動動作のときのトルクに耐えられるように設けられた外側突出部8dに取り付けられたブレーキキャリパ12とを有している。
【0036】シャーシ8上の突出部8dの構造とブレーキキャリパ12の構成とは、図3の断面図から理解することができる。突出部8dは複数の開口部を有しており、それぞれのキャリパ12が各開口部をまたぐように取り付けられている。ここに示された実施の形態においては、5つのブレーキキャリパ12が設けられている。
【0037】図2および図3の示すところによれば、シヤーシ8の断面は四角形で、その内部には強化リブが配置されている。
【0038】そして、ブレーキディスク11は、複数のボルト13を介してハブ3に取り付けられている。
【0039】このブレーキの新規な構成は、パワートレイン上にブレーキを取り付けた通常よくあるものとは逆で、もっともこれは先験的に具体化が困難であるとされていたのであるが、ブレーキの作動中に遅速伝達軸に高いトルク応力がかからないようにするという大きな利点を有するものである。なぜならば、この構成において、遅速伝達軸はロータの制動の結果として制動されたのであって、この点がこれまでのものとは異なっており、そしてロータの全体の慣性に耐えているのがシャーシだからである。
【0040】このようなロータのハブに直接連結された制動システムは、ロータをシャーシに取り付けることとともに、遅速伝達軸が上述したような方式で配置されるようにするために、ひいては上述した利点を提供するのに本質的なことである。
【0041】すなわち、本発明による風力発電機の特徴によって、従来の機器よりも軽量の構造とすること、運転コストを従来の機器よりも低くすることができたのである。
【0042】本発明の特定的な実施の形態について説明してきたが、当業者であれば明らかに、その変形例や修正例を導いたり、詳細部分を技術的均等物で置き換えることは、特許請求の範囲によって定義される範囲から離れることなく可能であろう。
【0043】例えば、図面には示されていないものの、シャーシの前方端部上で遅速伝達軸とシャーシとの間にベアリングを取り付けてもよい。
【0044】同様に、シャーシの配置を、場合ごとの必要性に応じて、図示したものと違うものとしてもよい。シャーシの断面がその全長にわたって四角形でなければならないという理由はなく、実際に、ハブを支えるベアリングを配置できるようにしたい場合には、シャーシの前方部分の断面が丸い方が好ましい。
【出願人】 【識別番号】500548781
【氏名又は名称】エコテクニア、ソシエタート、コオペラティバ、カタラナ、リミターダ
【氏名又は名称原語表記】ECOTECNIA SOCIETAT COOPERATIVA CATALANA LIMITADA
【出願日】 平成12年11月29日(2000.11.29)
【代理人】 【識別番号】100064285
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−200781(P2001−200781A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−363027(P2000−363027)