トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F03 液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 蓄電システム
【発明者】 【氏名】小林 敏樹

【氏名】田中 邦英

【要約】 【課題】クリーンで安全な蓄電システムを提供する。

【解決手段】本願発明にかかる蓄電装置101は、大気中を移動する移動体102を含む。移動体102には、移動体の移動により生じる風力により回転子が回転して発電するよう形成された発電装置103が載置される。発電装置103によって発電された電気エネルギは、充電装置108によって移動体102に着脱自在に載置された蓄電池110に充電される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大気中を移動する移動体、前記移動体の移動により生じる風力により回転子が回転して発電するよう形成された発電手段、および前記発電手段で発電された電気エネルギを前記移動体に着脱自在に載置された蓄電池に充電する充電手段を含む、蓄電システム。
【請求項2】 前記発電手段は、固定軸と、前記固定軸に固定される電機子と、前記固定軸を中心とする前記電機子の周囲の円周上を周面が回動するよう設けられる筒状体と、前記筒状体の内周面に固定される永久磁石と、前記筒状体の外周面に固定され、風力を回転力に変換する羽根とを備える発電機を含む、請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】 前記電機子は前記固定軸の軸方向に複数配列され、前記永久磁石は前記電機子に対応して複数設けられた、請求項2に記載の蓄電システム。
【請求項4】 前記羽根は、圧力を正面側から受けて背面側へ倒れる前向き羽根であることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項5】 前記発電機の直径方向の半分を風防で覆い、残りの半分に前記移動体の移動により発生する風を流入させ、該流入風で前記羽根を正面側から背面側へ倒すようにして前記発電機の回転子を回転させる、請求項4に記載の蓄電システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は蓄電システムに関し、特にたとえば、風力などの自然エネルギを電気エネルギに変換して蓄電池に充電する蓄電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、路線バスなどには、化石燃料を用いる補助エンジンで回転される発電機を載置したものがある。発電機により発電された電気エネルギは、路線バスの室内灯やエアコンディショナを駆動させるために用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、環境保全の要請が高まり、排気ガス規制などが強化されている。また、停車時のアイドリングの停止を要請される地域も増えている。このような時勢下、大気汚染ができるだけ少ない蓄電システムの需要が高まっている。
【0004】それゆえに、本願発明の主たる目的は、クリーンで安全な蓄電システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明にかかる蓄電システムは、大気中を移動する移動体と、移動体の移動により生じる風力により回転子が回転して発電するよう形成された発電手段と、発電手段で発電された電気エネルギを移動体に着脱自在に載置された蓄電池に充電する充電手段とを含む、蓄電システムである。本願発明では、移動体が大気中を移動することにより風力が生じる。この風力により発電手段の回転子を回転させることにより発電される。発電された電気エネルギは、充電手段によって、移動体に着脱自在に載置された蓄電池に充電される。
【0006】さらに、本願発明にかかる蓄電システムにおいて、発電手段は、固定軸と、固定軸に固定される電機子と、固定軸を中心とする電機子の周囲の円周上を周面が回動するよう設けられる筒状体と、筒状体の内周面に固定される永久磁石と、筒状体の外周面に固定され、風力を回転力に変換する羽根とを備える発電機とを含むことが好ましい。この発電機は、羽根によって流体の圧力が回転力に変換され、その回転力により、発電機の一部である筒状体が直接回動される。回転子としての筒状体には永久磁石が固定されており界磁として作用する。筒状体は電機子の周囲を回動するので、中心部に設けた回転子を回動させることに比べて、同一回転速度であれば電機子が界磁の磁束を切る速度が速い。そのため、発電効率を向上させやすく、小径化を図り易い。かかる発電機を用いることにより、風力エネルギを電気エネルギに効率よく変換することができる。また、回転子となる筒状体が発電機の外側に配置されるので、羽根を取り付けやすい。
【0007】さらに、この場合において、電機子は固定軸の軸方向に複数配列され、永久磁石は電機子に対応して複数設けられることが好ましい。この場合には、電機子と界磁の対を複数設けることができるので、小径であるにもかかわらず大きな起電力を得易くなる。
【0008】さらに、この場合において、羽根は、圧力を正面側から受けて背面側へ倒れる前向き羽根であることが好ましい。この場合には、発電機の固定軸に直交する方向の風を利用して発電することができる。そのため、発電機の筒状体の長さと略同じ長さの羽根を用いることができ、発電機の筒状体を効率良く回転させることができる。
【0009】また、この場合において、発電機の直径方向の半分を風防で覆い、残りの半分に移動体の移動により発生する風を流入させ、該流入風で羽根を正面側から背面側へ倒すようにして発電機の回転子を回転させることが好ましい。この場合には、風防で覆われた羽根の受風面の背面に風圧がかかることにより抵抗力が発生することが防止され、筒状体をさらに効率良く回転させることができる。
【0010】本願発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本願発明にかかる蓄電システムの一例を示す図解図である。図1に示す蓄電システム101は、大気中を移動する移動体を含む。本願発明における移動体とは、自動車、自動二輪車、自転車、飛行機、船舶、列車などの大気中を移動して相対的に風力を生じさせる移動体を全て含む概念であるが、この実施例では自動車を例にとって説明する。
【0012】移動体としての自動車102上には発電装置103が固定される。この発電装置103は発電機10と風防104とからなる。まず、図2ないし図6を参照しながらこの実施例で用いられる発電機10について説明する。図2は図1に示す蓄電システムに用いられる発電機を示す斜視図である。図3は図2に示す線A−Aにおける断面図解図である。図4は図3に示す線B−Bにおける断面図解図である。図5は図3に示す線C−Cにおける断面図解図である。図6は図3に示す線D−Dにおける断面図解図である。
【0013】この発電機10は、風力で界磁を回転させる回転界磁形の3相発電機である。この発電機10は、中心に固定軸12を含む。固定軸12には略T字形状の鉄心14が固定される。鉄心14は、たとえば、けい素鋼板を積層して形成される。鉄心14は、固定軸12の軸方向へたとえば3つ、周方向へたとえば4つ、合計12本形成される。鉄心14には、それぞれ電機子巻線16が巻着される。電機子巻線16は、Y字結線される。鉄心12と電機子巻線16とでこの実施例の電機子18が構成される。
【0014】この発電機10は、回転子として筒状体20を含む。筒状体20は、固定軸12を中心とする電機子18の周囲の円周上を周面が回動するよう設けられる。筒状体20は、たとえば円板状の支持部材22および円環状の軸受部材24を介して固定軸12に支持される。
【0015】回転子としての筒状体20の内周面には界磁を構成する永久磁石26が固定される。永久磁石26は、図4に示すように内周方向に90°離れて4個ずつ、軸方向に電機子18に対応して3組、合計12個固定される。永久磁石の位置関係を説明するため内周方向の永久磁石をそれぞれ26N1,26N2,26S1,26S2とすると、軸方向に隣接する永久磁石は、それぞれ図4、図5、図6に示すように取り付け位置を120°ずらされながら取り付けられる。永久磁石26としては、たとえばバリウムフェライト、サマリウムコバルトなどが選択できるがこれに限るものではなく、本願発明の目的を達成できる範囲で適宜選択できる。
【0016】筒状体20の外周面には、流体としての風力を回転力に変換するための前向き羽根28がたとえば4枚固定される。前向き羽根28の枚数は適宜増減される。この前向き羽根28は、風圧を正面側から受けて背面側へ倒れる断面略U字形状の前向き羽根である。前向き羽根28は、断面略U字の凹面で風圧を受けて回転力に変換する。この前向き羽根28は、固定軸12に直交する方向へ吹く風を受けて発電することができる。この発電機10は、筒状体20の外周面が露出しているので前向き羽根28を取り付け易い。また、回転子としての筒状体20を直接回動させることができ、伝達損失が無く効率が良い。
【0017】この発電機10では、前向き羽根28によって風力が回転力に変換され、その回転力により、発電機10の一部である筒状体20が直接回動される。回転子としての筒状体20には永久磁石26が固定されており界磁として作用する。筒状体20は電機子18の周囲を回動するので、中心部に設けられた回転子を回転させる発電機に比べて、同一外径・同一回転速度であれば電機子18が磁束を横切る周速度が速い。そのため、従来の発電機に比べて発電効率を向上させやすく、小径化を図り易い。
【0018】また、この発電機10では、電機子18を固定軸12の軸方向に複数配列し、永久磁石26は電機子18に対応して複数設けられるので、電機子18と界磁の対を複数設けることができ、小径であるにもかかわらず大きな起電力を得やすくなる。
【0019】また、この発電機10では、固定軸12の軸方向に隣接する位置に配置される永久磁石26が、固定軸12を中心とする電機子18の周囲の円周上に120°ずつずらされて固定されるので、固定軸12の軸方向に隣接する電機子18からそれぞれ別の相を交流を得ることができ、3相用の電機子巻線16をそれぞれ同一円周上に配置する必要が無い。
【0020】また、筒状体20の長さを長くすれば電機子18の数すなわち極数を増やすことができ、この理由からも回転子としての筒状体20の直径を大きくする必要はない。この実施例の発電機10の構造によればそれぞれの相の電機子巻線16の線の太さを比較的太くでき、鉄心14の大きさを十分に確保でき、胴損および鉄損を減少させることができる。
【0021】次に、発電装置103の風防104について説明する。風防104は、吸気口104aと排気口104bとを有する。吸気口104aに自動車102の移動により発生する風を流入させ、該流入風で前向き羽根28の受圧凹面を正面側から背面側へ倒すようにして発電機10の回転子としての筒状体20を回動させる。発電機10の構造上、直径方向に対向する一方の前向き羽根28と他方の前向き羽根28とは表裏の関係にあり、一方の前向き羽根28の受圧面に風圧をかける際には他方の前向き羽根28には風圧がかからないようにした方が効率が良くなる。そこで、風防104によって発電機10の直径方向の半分を覆っている。発電機10の直径方向の残りの半分に形成された吸入口104aから流入して発電機10の筒状体20を回動させた風は排気口104bから排出される。風防104内の吸気口104aから排気口104bへ抜ける道が風道となるので効率良く前向き羽根28および筒状体20を回動させることができる。
【0022】また、この蓄電システム101は、AC−DCコンバータ106を含む。AC−DCコンバータ106は発電機10で発電された交流を直流に変換するためのものである。AC−DCコンバータ106の直流出力は、充電装置108によって蓄電池110に充電される。AC−DCコンバータ106、充電装置108、および蓄電池110としては従来公知のものを使用できる。蓄電池110は、充電装置108に着脱自在であり、フル充電された蓄電池110を自動車102から取り外し、自動車102とは関係の無い様々な用途に使用できる。一例を挙げれば、たとえば照明、テレビ、ラジオその他の電気機器の電源として使用できる。放電した蓄電池110は再度、充電装置108に取り付ければ別の媒体を介することなく再充電できる。蓄電池110の数は適宜増減される。蓄電池110としてはニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等の公知のものが使用できる。
【0023】図7は本願発明にかかる蓄電システムの他の例を示す図解図である。図7に示す蓄電システム101は、図1に示した蓄電システムに比べて移動体および発電装置の取り付け方法が異なるが、その他の点については同様である。この蓄電システム101における移動体は、トラック102である。ルーフ部102aを風防の代わりとし、発電機10の直径方向の半分をルーフ部102aの背後に配置し、残りの半分をルーフ部102aから上方へ突出するよう配置される。そして、ルーフ部102aから上方へ突出した前向き羽根28の受圧凹部がトラック102の進行方向へ向かうように配置される。
【0024】なお、上述の実施例では、発電機10の筒状体20を回動させるため多翼前向き羽根を使用したがこれに限るものではなく、正面から風を受けて側方へ倒れるプロペラ状の捩じり羽根によって筒状体20を回動させるようにしてもよい。また、発電機10を移動体のボディの外部に設けることに限らず、ボディ内に収納してもよい。その場合は、ボディの一部に吸気口が設けられる。
【0025】
【発明の効果】本願発明によれば、移動体が移動することにより生じる風力を利用して発電し、発電された電気エネルギを蓄電地に充電するので、発電用の小型補助エンジン等を設ける必要なく蓄電池に再充電することができる。また、生成風力を利用するので発電機構および充電機構を簡略化できる。さらに、蓄電池は移動体に着脱自在に載置されているので、充電された蓄電池を移動体から取り外し、移動体とは関係のない用途に電気エネルギを使用することができる。
【出願人】 【識別番号】500004265
【氏名又は名称】株式会社ジーアンドエム
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
【公開番号】 特開2001−182647(P2001−182647A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−371068