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【発明の名称】 風力発電装置
【発明者】 【氏名】三宅 正治

【要約】 【課題】風向きに関係なく、発電効率を可及的に高めるようにする。

【解決手段】鉛直方向に立設された回転軸1と、この回転軸1に同芯状にして外嵌合される回転筒軸3の両者に放射方向に多数の羽根2、4がそれらの風受け面2A、4Aを互いに反対向きにして設けられ、前記回転軸1と回転筒軸3の互いに相対向する部位には、一方に発電機5の巻線6が他方に磁界磁石8が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鉛直方向に立設された回転軸と、この回転軸に同芯状にして外嵌合されている回転筒軸の両者に、それぞれ放射方向に多数枚の羽根が風受け面を互いに反対向きにして設けられ、前記回転軸と回転筒軸の互いに相対向する部位には、一方に巻線が、また、他方に界磁磁石が設けられて発電機が形成されていることを特徴とする風力発電装置。
【請求項2】 鉛直方向に立設された回転軸と、この回転軸に同芯状にして外嵌合されている回転筒軸の両者に、それぞれ放射方向に多数枚の羽根が風受け面を互いに反対向きにして設けられ、前記回転軸と回転筒軸の互いに相対向する部位には、一方に巻線が、また、他方に界磁磁石がそれぞれ設けられることによって発電機が形成されると共に、前記回転軸の上端と下端、並びに回転筒軸の下端は共に磁石の反発力で常時浮上させ、かつ、放射方向に非接触となるように構成された軸受を介して、更に回転筒軸の上端は少なくとも放射方向に非接触となるように構成された軸受を介してそれぞれ支持されていることを特徴とする風力発電装置。
【請求項3】 回転軸の上端と下端を支える軸受は、回転軸の上下両端に固定された永久磁石と、この永久磁石に上端側では上方に、また、下端側では下方にそれぞれ対向して機枠側に配された永久磁石の互いの反発力によって回転軸を浮上させて非接触で保持し、またこの回転軸に設けられた前記永久磁石とその周囲を囲撓するようにして機枠に配された永久磁石の反発力によって、回転軸を放射方向にも非接触で保持するようにして構成されている請求項2記載の風力発電装置。
【請求項4】 回転筒軸の下端の軸受は、この回転筒軸の下端に固定された永久磁石と、この永久磁石の下方に対向して機枠側に配された永久磁石の互いの反発力によってこの回転筒軸を浮上させて非接触で保持し、またこの回転筒軸に設けられた前記永久磁石とその周囲を囲撓するようにして機枠に配された永久磁石の反発力によって、この回転筒軸の下端側を放射方向にも非接触で保持するようにして構成されている請求項2記載の風力発電装置。
【請求項5】 回転筒軸の上端を支える軸受は、この回転筒軸に設けられた永久磁石とその周囲を囲撓するようにして機枠側に配された永久磁石の互いの反発力によって、この回転筒軸を放射方向に非接触で支えるようにして構成されている請求項2又は請求項4のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項6】 回転筒軸の上端を支える軸受の上面に固定された永久磁石と、前記軸受のやゝ上方の回転軸部分に固着された平板の下面で、前記軸受の上面の永久磁石に対向する部位に設けられた永久磁石の互いの反発力によって、回転軸の中間部を浮上させて非接触で保持するようにして構成されている請求項2又は請求項4〜5のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項7】 回転軸と回転筒軸それぞれを放射方向に非接触となるように構成された軸受に電磁石が採用されている請求項2記載の風力発電装置。
【請求項8】 回転軸と回転筒軸をそれぞれ軸線方向で浮上させるために機枠側に設けられた磁石並びにこれら各軸を放射方向に非接触で支えるために機枠側に設けられた磁石には超伝導磁石が採用されている請求項2〜4のいずれかに記載の風力発電装置。
【請求項9】 回転軸と回転筒軸を放射方向で支えるために機枠側に設けられた磁石には超伝導コイルが採用されている請求項2〜6のいずれかに記載の風力発電装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、風力を利用して発電する風力発電装置、更に詳しくは、縦型の羽根車を採用して、風向きに関係なく、しかも出力係数を高めることができる風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の風力発電装置において、縦型羽根車を採用する場合の代表的な構造としては、サボニウム型風車、ダリュウス型風車、更にはジャイロミル型風車やパトル型風車に見られるように、一つのローターだけで構成されている。風力発電の場合、気流のエネルギー密度が薄い上に分布密度も不均一であるので、実用的な発電規模の装置を製作するには、エネルギーを取り込む風車に大型なものを用意することになる。縦型風車装置の場合、大型の風車を支える機構は構造的にプロペラ形より複雑になるため、特殊な目的以外、現状では使用例が少なく大型の装置はプロペラ形が圧倒的に多くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このプロペラ形の装置は非常に大型であるため、小型で容易に設置することができ、しかも小規模の発電を簡便に実施するという目的には馴染まない。そして、このプロペラ形の装置は、一般に風の向きが逆になると、使用できなくなったり、効率が著しく低下してしまうなどの問題を有する。その結果、設置条件が大きく制限される。また、これを小型化して実施しようとしても、常時一方向からの強い風が吹いている場所という設置条件に規制される傾向が強く、弱い風に対して発電効率が著しく低下してしまうという問題を有していた。
【0004】そのため、本発明者は種々検討を重ねた結果、次の条件を満足することによって、上記のプロペラ形の問題点を解決できることを見いだした。先ず、第1に、風向きに関係なく風車を回転できる構成は、縦型風車が望ましいこと。第2に、発電効率を上げるためには、回転部分を支持する構成に可及的に摩擦抵抗を軽減する手段を採用すること、そのためには磁力同士の反発力を利用した構成を採用するのが望ましいこと。そして、第3に、発電効率の更なる効率アップのためには、発電機を効率的に作動させること。
【0005】したがって、この発明の先ず第1の課題は、風向きに関係なく、発電効率を可及的に高める点にある。
【0006】また、第2の課題は、風向きに関係なく、少ない風力でも風車を効率よく回転させ、発電効率を可及的に高める点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係る風力発電装置は、鉛直方向に立設された回転軸と、この回転軸に同芯状にして外嵌合されている回転筒軸の両者に、それぞれ放射方向に多数枚の羽根が風受け面を互いに反対向きにして設けられ、前記回転軸と回転筒軸の互いに相対向する部位には、一方に巻線が、また、他方に界磁磁石が設けられて発電機が形成されていることを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の発明によれば、鉛直方向に立設された回転軸と、この回転軸に同芯状にして外嵌合されている回転筒軸の両者に、それぞれ放射方向に多数枚の羽根が風受け面を互いに反対向きにして設けられ、前記回転軸と回転筒軸の互いに相対向する部位には、一方に巻線が、また、他方に界磁磁石がそれぞれ設けられることによって発電機が形成されるとともに、前記回転軸の上端と下端、並びに回転筒軸の下端は共に磁石の反発力で常時浮上させ、かつ、放射方向に非接触となるように構成された軸受を介して、更に回転筒軸の上端は少なくとも放射方向に非接触となるように構成された軸受を介してそれぞれ支持されていることを特徴とする。
【0009】上記の構成において、回転軸の上端と下端を支える軸受は、回転軸の上下両端に固定された永久磁石と、この永久磁石に上端側では上方に、また、下端側では下方にそれぞれ対向して機枠側に配された永久磁石の互いの反発力によって回転軸を浮上させて非接触で保持し、またこの回転軸に設けられた前記永久磁石とその周囲を囲撓するようにして機枠に配された永久磁石の反発力によって、回転軸を放射方向にも非接触で保持するようにして構成することができる(請求項3)。
【0010】また、回転筒軸の下端の軸受は、この回転筒軸の下端に固定された永久磁石と、この永久磁石の下方に対向して機枠側に配された永久磁石の互いの反発力によってこの回転筒軸を浮上させて非接触で保持し、またこの回転筒軸に設けられた前記永久磁石とその周囲を囲撓するようにして機枠に配された永久磁石の反発力によって、この回転筒軸の下端側を放射方向にも非接触で保持するようにして構成することができる(請求項4)。
【0011】更に、回転筒軸の上端を支える軸受は、この回転筒軸に設けられた永久磁石とその周囲を囲撓するようにして機枠側に配された永久磁石の互いの反発力によって、この回転筒軸を放射方向に非接触で支えるようにして構成することができる(請求項5)。
【0012】また、必要に応じてこの上方の軸受の上面と、この軸受のやゝ上方の回転軸部分に固着された平板の下面で、前記軸受の上面に対向する部位とにそれぞれ永久磁石を設け、両永久磁石の互いの反発力によって回転軸の中間部を浮上させて非接触で保持するようにして構成することもできる(請求項6)。
【0013】更に、回転軸と回転筒軸それぞれを放射方向に非接触となるように構成された軸受に電磁石が採用されるようにして構成することもできる(請求項7)。
【0014】回転軸と回転筒軸をそれぞれ軸線方向で浮上させるために機枠側に設けられた磁石並びにこれら各軸を放射方向に非接触で支えるために機枠側に設けられた磁石には超伝導磁石を採用した構成とすることができる(請求項8)。
【0015】回転軸と回転筒軸を放射方向で支えるために機枠側に設けられた磁石には、超伝導コイルを採用した構成とすることができる(請求項9)。
【0016】
【作用】以上のように構成された請求項1記載の発明に係る風力発電装置は、風受け面を互いに反対向きにした羽根によって、風向きがいかなる方向であっても回転軸と回転筒軸とは常に互いに逆方向に回転する。その結果、巻線と界磁磁石を互いに逆方向に回転させるように働く。
【0017】また、請求項2記載の発明に係る風力発電装置によれば、風受け面を互いに反対向きにした羽根によって、風向きがいかなる方向であっても回転軸と回転筒軸とは互いに逆方向に回転し、その結果、巻線と界磁磁石を互いに逆方向に回転させるように働く。また、前記回転軸の上端と下端、並びに回転筒軸の下端を共に磁石の反発力で常時浮上させ、かつ、放射方向に非接触となるように構成された軸受を介して、更に回転筒軸の上端を少なくとも放射方向に非接触となるように構成された軸受を介してそれぞれ支持させる構成は、回転軸や回転筒軸が磁力の反発力によって、軸芯方向にも放射方向にも固定の機枠部分に非接触で支持されるように働く。
【0018】更に、回転軸や回転筒軸の磁力の反発力を利用した軸受としては、永久磁石を採用するのが望ましい。装置を簡単な構成で廉価に製造できるからである。
【0019】また、回転軸並びに回転筒軸それぞれの上下両端の軸受には、永久磁石を用いてこれら両軸を軸線方向にも、放射方向にも非接触で支持する構成が採用されるのが望ましい。装置を簡単な構成で廉価に製造できるばかりでなく、ベアリングなどの摩擦を伴う機械的な軸受による支持の手段に比べ、両軸の回転を格段に円滑にすることができるからである。
【0020】特に、回転筒軸の上端を支持する軸受の上面と、このやゝ上方で回転軸に設けられた平板の下面に、互いに対向する永久磁石を設け、両永久磁石の反発力で、回転軸の中間部を軸線方向に非接触で支持するようにするのが望ましい。重量が負荷される回転軸の支持が確実になり、その回転を格段にスムース、かつ、滑らかに行えるからである。
【0021】回転軸と回転筒軸それぞれを放射方向に非接触となるように構成された軸受に電磁石が採用された構成は、電磁石が自動制御されて、優れた回転特性が得られるように働く。
【0022】また、回転軸や回転筒軸の磁力の反発力を利用した軸受に採用される磁石に超伝導磁石が採用された構成は、回転軸と回転筒軸の磁力の反発力による軸線方向並びに放射方向の非接触な支持が一層効果的に達成できるように働く。
【0023】回転軸と回転筒軸を放射方向で支えるために機枠側に設けられた磁石に超伝導コイルを採用した構成は、この超伝導コイルに交流の電流を流すことによって、この超伝導コイルの極性が順次変化し、回転軸や回転筒軸に設けられた磁石とリズムがとられて、両軸は無風状態でも強制的に回転して発電機を作動させるように働く。
【0024】
【発明の効果】このように、請求項1記載の発明に係る風力発電装置によれば、縦型の風車を採用し、しかも回転軸と回転筒軸を互いに逆方向に回転させて、巻線と界磁磁石を互いに逆方向に回転できるので、従来のプロペラ形と違って、風向がどのような方向であっても、回転軸と回転筒軸は常時うまく回転し、発電効率が格段に高まる。
【0025】また、請求項2記載の発明に係る風力発電装置によれば、縦型の風車を採用し、しかも回転軸と回転筒軸を互いに逆方向に回転させて、巻線と界磁磁石を互いに逆方向に回転できるので、従来のプロペラ形と違って、風向きがどのような方向であっても、回転軸と回転筒軸は常時うまく回転し、発電効率が格段に高まる上に、これら回転軸と回転筒軸とを磁力同志の反発力を利用した軸受を介して、機枠部分に対して非接触で支持するようにしたので、これら回転軸と回転筒軸の機枠部分に対する摩擦抵抗を無くなる。その結果、少ない風力でも風車は確実に回転し、発電効率が可及的に高まる。
【0026】回転軸や回転筒軸の軸受に永久磁石を用いて回転軸の上下両端並びに回転筒軸の下端、必要に応じて上端を、軸線方向にも、また、放射方向にも非接触で支持するようにすることによって、装置を簡単な構成で廉価に製造できる。また、回転軸並びに回転筒軸の支持手段として、スラストベアリングなどの摩擦を伴う機械的な軸受により場合に比べて、摩擦抵抗によって風車が受けた風エネルギーの多くが無為に逸損されるおそれがなくなり、両軸の回転を格段に円滑にでき、発電効率を飛躍的に高めることができる。
【0027】回転軸の中間部も、軸線方向に非接触で支持するようにすることによって、比較的大重量が負荷される回転軸の支持を一層確実にでき、併せてその回転を格段にスムース、かつ、滑らかに行え、発電効率の一層に向上に役立つ。
【0028】回転軸と回転筒軸のそれぞれを放射方向に非接触となるように構成された軸受に電磁石が採用することによって、優れた回転特性が得られるので、軸受けの摩擦が全くなく、併せて格段に回転エネルギーを節約でき、一層効率の良い発電が可能になる。
【0029】回転軸並びに回転筒軸の各軸受に採用される永久磁石を超伝導磁石に代えることによって、回転軸並びに回転筒軸の磁力の反発力による軸線方向並びに放射方向の非接触な支持が一層効果的に達成される。その結果発電効率を一層好ましく向上できる。
【0030】回転軸と回転筒軸を放射方向で支えるために機枠側に設けられた磁石に超伝導コイルを採用することによって、回転軸と回転筒軸を強制的に回転させて発電機を作動させることができるから、無風状態でも発電を可能にする。この場合、使用電力は起動時のみ必要とするに止まり、経済的な発電を可能にする。
【0031】
【実施例】以下にこの発明を更に詳細に説明する。図1は、この発明に係る風力発電装置の全体構成を示す外観図、図2は発電及び蓄電の系統図を含んだ一部切欠き全体説明図である。
【0032】(第1実施例)これらの図において、1は軸線を鉛直方向に沿わせて配置された回転軸である。この回転軸の上半部には多数枚(図例では4枚)の羽根2が放射状に取り付けられている。この回転軸1は下半部が中空筒状の回転筒軸3内を貫通している。また、この回転筒軸3の外周面には多数枚(図例では4枚)の羽根4が、その風受け面4Aを前記回転軸1に設けられた羽根2の風受け面2Aとは逆方向に向けて設けられている(図3,図4)。これら縦型の風車を採用したことと、風受け面2A,4Aが逆の羽根2,4を採用したことによって、回転軸1と回転筒軸3はどのような方向の風によっても、互いに逆方向に常時うまく回転できる。
【0033】前記回転軸1の下端は回転筒軸3の下端よりも更に下方まで延設されていて、その下端部には発電機5の巻線6が一体的に設けられている。また、前記回転筒軸3の下端には筒状フレーム7が一体に連設されていて、その内面には永久磁石で構成された界磁磁石(マグネット)8が設けられている。そして、この巻線6と界磁磁石8が互いに逆回転することによって、発電するように構成されている。
【0034】このように、この発明では、風受け面を互いに逆にした羽根2,4を備えた回転軸1と回転筒軸3の逆転作用によって、巻線6と界磁磁石8を互いに逆回転させることができ、この発電機5の発電効率を飛躍的に高めることができた。
【0035】また、発電機5で得られた電気は、図2に示されるように、安定器9を介して変圧器10に送電されて変圧され、更に蓄電装置11に送られ蓄電され、適宜需要目的、場所に送られて使用される。しかし、発電機5による発電が困難となった場合には、需要者は変換器12により通常の売電の配線に切り替えて電気を使用することができる。
【0036】更に、図5〜6に示されるように、この発明では前記回転軸1や回転筒軸3が、磁力の反発力によって、固定の機枠部分に対して、上下方向(軸線方向)にも、また、放射方向にも非接触となるような軸受で支持されている点にも特徴がある。
【0037】先ず回転軸1はその上端が、四方に設けられた支柱13によって支持される。この支柱13の上端からは中心に向かう支え腕14が一体的に延設され、その互いの延設端部分に軸受フレーム15が一体的に設けられている。この軸受フレーム15には、図5に示されるように、回転軸1の上端を嵌入できる凹入穴16が設けられ、この凹入穴16の周囲の軸受フレーム15部分には永久磁石17が回転軸1の上端を囲撓するようにして配置されている。また、回転軸1の上端よりやゝ下方に偏位した部位には前記永久磁石17に対して上下方向でわずかの間隔を開けて永久磁石18が固定されている。軸受フレーム15部分の永久磁石17と回転軸1の上端部分の永久磁石18とは、その極性を互いに反発する方向で設けられる。具体的には、軸受フレーム15部分の永久磁石17と回転軸1の上端部分の永久磁石18は、それぞれその軸芯側がS極で、外周側がN極となるように配され、互いに磁力が反発し合うようにして設けられる。その結果、回転軸1は上下方向でこの軸受フレーム15に接触することなくこれに支持されることになる。
【0038】また、この回転軸1の上端部分の永久磁石18の外周部分に対向する凹入穴16内面には上方、つまりこの永久磁石18の外周部分に対峙する部位をN極にして永久磁石19が配されている。すなわち、上方側がN極で、下方側がS極になるようにして配されている。その結果、前記永久磁石18の外周側のN極と、この縦方向に配された永久磁石19の上方側のN極が互いに対峙して、磁力が反発し合い、回転軸1は放射方向でも軸受フレーム15に非接触で支持されることになる。
【0039】更に、この回転軸1の下端も上端と同じようにして、永久磁石による非接触の軸受構造で支持される。具体的には、図6に示されるよう、基礎20に設けられた下方の軸受フレーム21にも、回転軸1の下端を嵌入できる凹入穴22が設けられる。そして、この凹入穴22の周囲の軸受フレーム21部分には永久磁石23が回転軸1の下端を囲撓するようにして配置されている。また、回転軸1の下端よりやゝ上方に偏位した部位には、前記軸受フレーム21側の永久磁石23に対して上下方向でわずかの間隔を開けて、永久磁石24が固定されている。軸受フレーム21部分の永久磁石23と回転軸1の下端部分の永久磁石24とは、その極性を互いに反発する方向で設けられる。具体的には、軸受フレーム21部分の永久磁石23と回転軸1の下端部分の永久磁石24は、それぞれその軸芯側がS極で、外周側がN極となるように配され、互いに磁力が反発し合うようにして設けられる。その結果、回転軸1は上下方向でこの軸受フレーム21に非接触で支持されることになる。
【0040】また、この回転軸1の下端部分の永久磁石24の外周部分に対向する凹入穴22内面には、下方、つまりこの永久磁石24の外周部分に対峙する部位をN極にして、永久磁石25が配されている。すなわち、下方側がN極で、上方側がS極になるようにして配されている。その結果、この永久磁石24の外周側のN極と、この縦方向に配された永久磁石25の下方側のN極が互いに対峙して、磁力が反発し合い、回転軸1は放射方向でも軸受フレーム21に非接触で支持されることになる。
【0041】次に回転筒軸3の軸受手段について説明する。この回転筒軸3もやはり磁力の反発力を利用して、固定機枠に対して接触することなく支持されるように構成されている。具体的には、まずその上端は、図5に示されるように、全周にわたって永久磁石26が一体的に設けられる。この永久磁石26は、その極性を上方がN極に、また、下方がS極となるようにして配される。他方、この永久磁石26の外周には、放射方向でやゝ隙間を開けて固定側の永久磁石27が対峙するようにして配されている。この固定側の永久磁石27は、前記支柱13の中間部分より中心に向かって延設された、支持腕枠28の延設端に一体に設けられた軸受フレーム29に極性を上下方向にして、つまりN極が上で、S極が下になるようにして配されている(逆にS極が上で、N極が下になるようにしても良い)。その結果、回転筒軸3の上端の永久磁石26と、この固定側の永久磁石27との磁力が互いに反発し合い、回転筒軸3の上端は、放射方向でこの軸受フレーム29に非接触で支持される。
【0042】また、この回転筒軸3の下端は以下のようにして支持される。先ず、図6に示されるように、基礎20に設けられた、前記下方の軸受フレーム21の回転軸1の下端を嵌入する凹入穴22の上方側に連なって、回転筒軸3の下端を嵌入できる大径の凹入穴30が形成されている。この凹入穴30の底面31には全周にわたって永久磁石32が設けられている。他方回転筒軸3の下端の全周にわたって、前記固定の永久磁石32に上下方向でわずかの間隔を開けて永久磁石33が固着されている。この軸受フレーム21部分の永久磁石32と回転筒軸3の下端部分の永久磁石33とは、その極性を互いに反発する方向で設けられる。具体的には、軸受フレーム21部分の永久磁石32と、回転筒軸3の下端部分の永久磁石33は、それぞれその軸芯側がS極で、外周側がN極となるように配され、互いに磁力が反発し合うようにして設けられる。その結果、回転筒軸3は上下方向でこの軸受フレーム21に非接触で支持されることになる。
【0043】そして、この回転筒軸3の下端部分の永久磁石33の外周部分に対向する凹入穴30内面には下方、つまりこの回転筒軸3の下端部分の永久磁石33の外周部分に対峙する部位をN極にして永久磁石34が配されている。すなわち、下方側がN極で、上方側がS極になるようにして配されている。その結果、この回転筒軸3の下端部分の永久磁石33の外周側のN極と、この縦方向に配された軸受フレーム21側の永久磁石34の下方側のN極が互いに対峙して、磁力が反発し合い、回転筒軸3は放射方向でも軸受フレーム21に非接触で支持されることになる。
【0044】(第2実施例)また、図7に示される構造は、下方の軸受フレーム21の別の手段を示す。図6に示される実施例では、回転軸1は完全に永久磁石の反発力によって、支持される構成を採用しているが、本第2実施例では、回転軸1の重量の一部を下方の軸受フレームにも負担させる構成を採用することによって、一層確実にこの回転軸1の支持を達成できるようにしようとする点に特長がある。具体的な構造を以下の説明する。すなわち、前記回転軸1の尖端化された下端部1Aが、この下方の軸受フレーム21の凹入穴22の断面逆山形凹所35内に遊嵌合され、この軸受フレーム21は回転軸1に掛かる重量の一部を点状態に支持する。これにより、軸受フレーム21で回転軸1を一部支えるから、両者の摩擦抵抗の軽減が好ましく図れ、併せてこの回転軸1の確実な支持が達成できる。
【0045】以上詳細に述べたところから理解されるように、本発明は、発電機5の巻線6を回転させる回転軸1、そして界磁磁石8を回転させる回転筒軸3が共に、基本的には永久磁石の磁力の反発力を利用して軸受フレームに、上下方向にも、また、放射方向にも非接触で支持される構成であるため、両軸の回転摩擦抵抗を無くすることができる。その結果、少ない風力であっても、効果的にこれら回転軸1並びに回転筒軸3を回転させることができ、発電効率を格段に高めることができる。
【0046】前記回転軸1並びに回転筒軸3を支持する手段としては、以上詳述してきたような、永久磁石の磁力の反発力を利用した非接触の支持構造が最も望ましい。しかし、必要に応じて、磁力の反発力を利用した構成に代えて、回転軸1の上下両端並びに回転筒軸3の上下両端と、それぞれの軸受フレーム15,21,29との間に、図外のスラストベアリングを配する構成を採用できる。また、各軸1,3の放射方向での支持に、空気軸受を採用できる。この場合、静圧軸受であっても、動圧軸受であってもよいことは言うまでもない。
【0047】なお、図2中36は回転軸1に設けられたコミュテーター(整流子)、37はこのコミュテーター(整流子)36の外周に接触するブラシで、安定器に接続されている。
【0048】(第3実施例)図8に示される構成は、主として大型の風力発電装置に採用される軸受の構造を例示したもので、具体的には、羽根2の下端の支持と回転軸1並びに回転筒軸3の下端の軸受に適用される。先ず、羽根2の下端に平板からなる円板38が一体的に設けられていて、この中央部分に周方向に複数個の永久磁石39が、N極を中心側に、また、S極を外側にして配置されている。この永久磁石39の下方で、これに対向する前記回転筒軸3の上端を支持する軸受フレーム29の上面に凹入穴40が形成されて、ここに周方向に複数個の永久磁石41が、N極を中心側に、また、S極を外側にして配置されている。この構成により、大型化して大重量になる羽根2はその回転軸1、そして発電機5の巻線6共々にこの両永久磁石39,41の反発力によって、軸線方向に非接触で支持されることになる。つまり回転軸1はその上下両端を、また中間部は羽根2を介して直接的に非接触の軸受で支持されることになり、支持精度並びに強度を格段に向上できる。
【0049】また、回転軸1の下端よりやゝ上方には大径で肉厚のボス42が一体に設けられている。このボス42の下面に前記永久磁石24が設けられる。そして、この回転軸1側の永久磁石24の下方でこれに対向するようにして配置されている機枠21側の永久磁石23は、前記凹入穴22の底に設けられた嵌入穴43内に埋設されている。更に、この永久磁石24の外周部分に対向して配置される永久磁石25も、この凹入穴22の内面に穿設された嵌入穴44内に埋設されている。この構成により、回転軸1側並びに回転筒軸3側に設けられる各永久磁石の保持強度をより一層向上でき、各軸の支持精度、そして強度を格段に向上できる。
【0050】尚、上記の各実施例では、磁気軸受に、所謂受動形と言われる、永久磁石が採用されている。廉価に構成できる点で有利である。しかし、必要に応じて、能動形、つまり電磁石を採用して、その磁力を自動制御する手段を採用するのが望ましい。優れた回転特性を示し、回転エネルギーを節約できるからである。
【0051】(第4実施例)上記の各実施例において、上、下の各軸受フレーム15,21,29に設けられた各永久磁石17、19、23、25、27、32、34を超伝導磁石、具体的には超伝導コイルに代えることによって、回転軸1並びに回転筒軸3の磁力の反発力による軸線方向、そして放射方向の非接触な支持が一層効果的に達成され、その結果発電効率を一層好ましく向上できる。
【0052】(第5実施例)次に、図8、図9に示される構造は、回転軸1並びに回転筒軸3の支持手段を上記実施例の永久磁石に代えて超伝導技術を採用した例を示す。超伝導技術を採用する利点は、風のないときには、この回転軸1並びに回転筒軸3を強制的に回転させることができ、発電を得ることができる点で有効である。
【0053】基本的な構造は図1〜7に示されたところと同じである。異なる点は以下のところにある。一例として回転軸1の下方の軸受に採用した場合を示す。まず、図8に示されるように、回転軸1の下端に設けられる永久磁石45は、周方向にS極とN極が交互に存在するようにして、適宜個数(図例では8個)が配置される。そして、これらの永久磁石45に対向する軸受フレーム21の凹入穴22の内周面に超伝導コイル46が配設されている。この超伝導コイル46の数は、回転軸1に設けられた前記永久磁石45の個数と同じ個数が配置される。
【0054】かかる構造を採用すれば、図9に示されるように、この超伝導コイル46に交流の電流を流すことによって、この超伝導コイル46の極性が順次変化するので、回転軸1に設けられた磁石とリズムがとられて、回転軸1は無風状態でも強制的に回転する。この場合、超伝導コイル46が採用されることから、使用電力は起動時のみ必要とするに止まり、やはり経済的な発電を可能にする。
【0055】このように、超伝導技術を採用することによって、無風状態でも発電機5を強制的に回転でき、発電を可能にする。
【0056】また、この強制回転が行われる使用状態では、発電機5の発電作用にとって羽根2、4は回転抵抗とし働くため好ましくない。これを解消するために、各羽根2、4を可動式とし、強制回転時にはその風受け面2A、4Aが回転軸1並びに回転筒軸3の回転方向に可及的に沿うように切り替えることができる構造を採用するのが望ましい。つまり、可動式とは、風受け面2A、4Aが風を受ける、図1〜図5に示される作用姿勢と、風受け面2A、4Aが回転軸1並びに回転筒軸3の回転方向に可及的に沿う非作用姿勢との二位置に切り替え自在に構成された構造を意味する。
【0057】なお、この超伝導コイルを採用した強制回転手段は、回転軸1並びに回転筒軸3の下端の軸受に採用すれば十分であるが、必要に応じて、それぞれの上端の軸受にも適用し、上下両端で強制回転力を各軸1、3に付与するようにしても良い。
【0058】また、上記各実施例に採用される回転軸1、羽根2,4、回転筒軸3、巻線6を巻き付けた鉄心、筒状フレーム7など、主として回転する構成部材は合成樹脂素材で形成されるのが望ましい。軽量化を図って回転をよりスムース、かつ、軽快に行わせて、発電効率の更なる向上が図れるからである。特に羽根2,4、回転筒軸3、巻線6を巻き付けた鉄心、筒状フレーム7に採用するのが望ましい。また、合成樹脂素材としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、ポリアセテート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、変性PPE、フッ素樹脂などが採用される。特にポリアミド、ポリアセテート、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、変性PPE、フッ素樹脂などはより好ましい。基本的に、いずれも金属に比べて遙に軽量であることが第1の理由であるが、更には個々に耐熱性に優れたり、電気絶縁性に優れたり、対衝撃性が高かったり、強鞭であったり、難燃性であったり、更には機械的な性能が優れていたり、耐候性に優れていたり、する点で望ましい。
【0059】更に、上記各実施例で図示される構成は、一例を模式的に示したもので、各部の大きさや形態は、家庭用や業務用など採用される場合に応じて適宜に設定できるものであり、また、各実施例間での組合せも、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で適宜設定できることは言うまでもない。
【出願人】 【識別番号】592210751
【氏名又は名称】三宅 正治
【識別番号】595015797
【氏名又は名称】三宅 一也
【出願日】 平成11年11月1日(1999.11.1)
【代理人】 【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
【公開番号】 特開2001−132617(P2001−132617A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−311000