| 【発明の名称】 |
発電用プロペラ形風車 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 光功
【氏名】古川 哲郎
【氏名】太田 三千雄
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| 【要約】 |
【課題】低速域であっても発電可能なように性能を向上させる。
【解決手段】水平回転軸2と直交する面内で水平回転軸2からローター1を介して一定角度ごとに複数の風車ブレード3が設けられ、各風車ブレード3のブレード本体4内に、それぞれ先端に向って出退自在に内蔵された先端補助ブレード6と、この先端補助ブレード6を先端側に突出させてブレード全長を増大させる補助ブレード出退装置8を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、各風車ブレードのブレード本体内に、それぞれ先端に向って出退自在に内蔵された先端補助ブレードと、この先端補助ブレードを先端側に突出させてブレード全長を増大させる補助ブレード出退装置を設けたことを特徴とする発電用プロペラ形風車。 【請求項2】水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、各風車ブレードのブレード本体の前縁部に、翼形断面の前縁補助翼を分離可能でかつ前方に出退自在に設け、前記前縁補助翼を回転方向前方に突出させ前縁補助翼とブレード本体間からブレード本体の背面側に気流を案内して前縁補助翼に発生する揚力により回転トルクを増大させる前縁補助翼出退装置を設けたことを特徴とする発電用プロペラ形風車。 【請求項3】水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、前記各風車ブレードのブレード本体に、回転方向後方の縁部から後方にそれぞれ出退自在に設けられた後部補助翼と、この後部補助翼を後方に突出させて翼弦長を増大させる後部補助翼出退装置とを設けたことを特徴とする発電用プロペラ形風車。 【請求項4】水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、各風車ブレードのブレード本体内に、それぞれ先端に向って出退自在に内蔵された先端補助ブレードと、この先端補助ブレードを先端側に突出させてブレード全長を増大させる補助ブレード出退装置を設け、各風車ブレードのブレード本体の前縁部に、翼形断面の前縁補助翼を分離可能でかつ前方に出退自在に設け、前記前縁補助翼を回転方向先端側に突出させて前縁補助翼とブレード本体間からブレード本体の背面側に気流を案内するとともに、前縁補助翼に発生する揚力により回転トルクを増大させる前縁補助翼出退装置を設けたことを特徴とする発電用プロペラ形風車。 【請求項5】前記各ブレード本体に、回転方向後端側の後縁部から後方にそれぞれ出退自在に設けられた後部補助翼と、これら後部補助翼を後方に突出させて翼弦長を増大させる後部補助翼出退装置とを設けたことを特徴とする請求項2または4記載の発電用プロペラ形風車。 【請求項6】先端補助ブレードの出退を案内する出退ガイド装置に、先端補助ブレードのピッチを変更するピッチ変更ガイド部を設けたことを特徴とする請求項1,4,5のいずれかに記載の発電用プロペラ形風車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、風力発電に使用されるプロペラ形風車に関する。 【0002】 【従来の技術】風力発電を行う場合、ヨーロッパなどと異なり日本は山谷が多く一定の風量に恵まれていない。我が国の通常風速は一般的に、その年間平均風速が10m/s以下の領域がほとんどであり、風力発電装置の定格出力をはるかに下回ることが多い。 【0003】風車の発電量については、発電量W∝ρ(密度)×A(受風面積)×V3(風速) の関係にあり、このため従来より風車の発電量を増加させるために、プロペラロータの直径を大きくして大型機を開発する傾向にある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にこのような大型機の定格出力に対応する定格風速は、10m/s以上の大風速であり、このような風速は台風などの暴風時を除けば、通常気象状態でこのような大風速が存在する地域はほとんどまれであり、通常風時では定格出力よりははるかに少ない出力で運転されているのが現状である。このように大形機を設置した場合、発電機をはじめ、構造物が大型となり、設備コストが嵩む割には、低速域での性能の向上は少ない。また受圧面積が大きい分、暴風時の対策がとりにくく危険が伴うという問題もあった。 【0005】本発明は上記問題点を解決して、低速域であっても発電性能を向上させることができる発電用プロペラ形風車を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、各風車ブレードのブレード本体内に、それぞれ先端に向って出退自在に内蔵された先端補助ブレードと、この先端補助ブレードを先端側に突出させてブレード全長を増大させる補助ブレード出退装置を設けたものである。 【0007】上記構成によれば、通常風時は先端補助ブレード出退装置により先端補助ブレードを突出した状態で風車ブレードの全長を長くして翼の揚力を増大させ、回転トルクを向上させて効率良く発電することができる。また定格出力が得られるほどの高風速時や暴風時には、先端補助ブレードを後退してブレード本体内に収納することにより、風車ブレードに生じる抗力を減少させて構造物に無駄な負荷をかけず、破損を防止することができる。 【0008】また請求項2記載の発明は、水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、各風車ブレードのブレード本体の前縁部に、翼形断面の前縁補助翼を分離可能でかつ前方に出退自在に設け、前記前縁補助翼を回転方向前方に突出させ前縁補助翼とブレード本体間からブレード本体の背面側に気流を案内して前縁補助翼に発生する揚力により回転トルクを増大させる前縁補助翼出退装置を設けたものである。 【0009】上記構成によれば、流入する気流の速度が低速であっても、前縁補助翼により、前縁補助翼に揚力を発生させて回転トルクを増加することができ、低風速域での発電可能範囲を拡大することができる。さらに請求項3記載の発明は、水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、前記各風車ブレードのブレード本体に、回転方向後方の縁部から後方にそれぞれ出退自在に設けられた後部補助翼と、この後部補助翼を後方に突出させて翼弦長を増大させる後部補助翼出退装置とを設けたものである。 【0010】上記構成によれば、後部補助翼により、翼弦長および/または翼の反りを増大させ、結果的に風車ブレードに発生する揚力を増大させて回転トルクを向上させることができ、低速な気流であっても効率良く発電することができる。さらにまた請求項4記載の発明は、水平回転軸と直交する面内で回転軸からローターを介して一定角度ごとに複数の風車ブレードが設けられた発電用プロペラ形風車において、各風車ブレードのブレード本体内に、それぞれ先端に向って出退自在に内蔵された先端補助ブレードと、この先端補助ブレードを先端側に突出させてブレード全長を増大させる補助ブレード出退装置を設け、各風車ブレードのブレード本体の前縁部に、翼形断面の前縁補助翼を分離可能でかつ前方に出退自在に設け、前記前縁補助翼を回転方向先端側に突出させて前縁補助翼とブレード本体間からブレード本体の背面側に気流を案内するとともに、前縁補助翼に発生する揚力により回転トルクを増大させる前縁補助翼出退装置を設けたものである。 【0011】上記構成によれば、先端補助ブレードと前縁補助翼とにより、流入する気流の速度がより低速であっても、先端補助ブレードと前縁補助翼に揚力を発生させて回転トルクをさらに増加することができ、低風速域での発電可能範囲をより拡大することができる。また請求項5記載の発明は、請求項2または4において、前記各ブレード本体に、回転方向後端側の後縁部から後方にそれぞれ出退自在に設けられた後部補助翼と、これら後部補助翼を後方に突出させて翼弦長を増大させる後部補助翼出退装置とを設けたものである。 【0012】上記構成によれば、前縁補助翼と後部補助翼による翼弦長および/または翼の反りを増大させることによる揚力、または先端補助ブレードにより生じる揚力と前縁補助翼および後部補助翼による翼弦長および/または翼の反りを増大させることによる揚力により、風車ブレードに発生する揚力をさらに増大させて回転トルクを向上させ、さらに低速な気流であっても効率良く発電することができる。 【0013】さらにまた請求項6記載の発明は、先端補助ブレードの出退を案内する出退ガイド装置に、先端補助ブレードのピッチを変更するピッチ変更ガイド部を設けたものである。上記構成によれば、ピッチ変更ガイド部により、翼本体と先端補助ブレードのピッチを連続させることができ、性能の良い翼体が形成できる。 【0014】 【発明の実施の形態】ここで、本発明に係る発電用プロペラ風車の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。このプロペラ形風車は、発電装置に連結される水平回転軸2に設けられたローター1からたとえば120゜ごとに3枚の風車ブレード3が半径方向に設けられており、これら風車ブレード3は、ローター1に取付けられたブレード本体4と、このブレード本体4の先端部に取付けられた主エンドプレート5と、ブレード本体内に主エンドプレート5から先端側に出退自在に内蔵されて先端エンドプレート7を有する先端補助ブレード6と、この先端補助ブレード6を出退させる先端補助ブレード出退装置8とを具備し、この先端補助ブレード出退装置8には、先端補助ブレード6の出退を案内するとともにそのピッチを与える出退ガイド部9が設けられている。 【0015】先端補助ブレード6は連続的に変化する小さいピッチφが与えられており、基端側で前縁と後縁が平行な平行部6aと、この平行部6aの先端側でブレード本体4に連続して前縁と後縁が先端側ほど狭い幅となるテーパー部6bと、テーパー部6bの先端面に取付けられた先端エンドプレート7とで構成されている。また、ブレード本体4内では平行部6aに連結されたスライド支持部6dがブレード軸心方向に設けられている。 【0016】前記補助ブレード出退装置8は、図2,図3に示すように、ローター1に設けられた出退駆動モータ21と、この出退駆動モータ21によりベベルギヤ機構22を介して回転駆動される出退用ねじ軸23と、スライド支持部材6dの基端側に設けられて出退用ねじ軸23に嵌合される雌ねじ部材24により構成される。なお、ピッチ変更ガイド部9aによる捻じりは1゜前後と極めて小さいため、ガイドフレーム17の捩じれを持って追従させることができ、また出退用ねじ軸23には基端側に複数の自在継手23aが介在されるとともに、軸受25が追従可能に構成されている。 【0017】ところで、これら風車ブレード3の全体として、先端補助ブレード6を伸ばした状態で、基端側でピッチφが大きく(たとえば20゜程度)、先端側ほどピッチφが小さくなり、先端部では0゜に近似するように捻じりが与えられており、また断面形状も連続的に変化されている。しかし、先端補助ブレード6が内蔵されるブレード本体4の先端部はピッチφの変化は小さいため、先端補助ブレード6を出退自在に収納可能な空間が確保されるが、先端補助ブレード6の基端側の平行部6aは断面積が大きいため、ブレード本体4の空間内に余裕がない。そのため、平行部6aを断面形状に沿って直進状に出退させると、平行部6aとブレード本体4の連結部分でピッチが連続しなくなるという問題がある。この対策として、この実施の形態では、先端補助ブレード6の中間から先端部までのテーパー部6bは直進状に突出させ、その後先端補助ブレード出退装置8の出退ガイド部9により平行部6aを突出させる際に僅かに回転変位を与えることにより、先端補助ブレード6の突出完了後にブレード4,6全体にわたってピッチが連続的になるようにしている。 【0018】すなわち、出退ガイド部9は、ブレード本体4内の先端部で平行部6aを案内するとともにピッチ付加するピッチ変更ガイド部9aと、前記スライド支持部材6dを案内するスライドガイド部9bとで構成されている。ピッチ変更ガイド部9aは、図4に示すように、平行部6aをブレード軸心Oを中心に先端補助ブレード6に回転変位を付加するために、対向面にブレード軸心Oを中心とする円弧ガイド面11aがそれぞれ形成された一対の捻じりガイド11A,11Bがブレード本体4内に取付けられている。そしてこの捻じりガイド11A,11B間に捻じり部材12が円弧ガイド面11aに沿って回動自在に配置され、さらにこの捻じり部材12に平行部6aを案内するスライド凹部12aが形成されている。また平行部6aには、前縁部適所にボールガイド体13が突設されており、捻じりガイド11Aには、ボールガイド体13を案内する捻じりガイド溝14が形成されている。この捻じりガイド溝14は、図5に示すように、上部ほど所定の回転変位となるように所定方向に所定量δ傾斜されている。 【0019】したがって、先端補助ブレード6が突出移動されて突出限に近づくと、平行部6aが捻じり部材12のスライド孔12aに案内されるとともに、ボールガイド体13が捻じりガイド溝14に嵌入されて移動し、突出限に接近すると、捻じりガイド溝14の傾斜により、先端補助ブレード6が平行部6aを介して捻じり部材12と共にブレード軸心Oを中心に所定の回転変位だけ捩じるように構成される。 【0020】前記スライドガイド部9bは、図3,図6に示すように、スライド支持部材6dが中空の長方形断面に形成されており、一方、ブレード本体4に支持されたガイドフレーム17がブレード軸心Oに沿って設けられ、このガイドフレーム17にコーナー部材18を介してスライド支持部材6dがスライド自在に外嵌されている。 【0021】図8は上記構成の発電用プロペラ風車において、風速と発電量の関係を示すグラフであり、風速約3〜4m/secのカットインラインから風車ブレード4が回転を開始し、短時間で一定の回転数に達する。そして、その発電量はその風速により得られる回転トルクに応じて発電量が増大される。すなわち、たとえば定格出力(発電量)が600KWの風車では、aに示すように、風速に応じて発電量が増加し、定格風速(12m/sec程度)になると定格出力が得られ、それ以上風速が増大しても発電量は増加しない。また定格発電量(出力)が1200KWの風車では、bに示すように、風速の増大に応じて急速に発電量が増加し、同様に定格風速(13m/sec程度)になると定格出力が得られる。たとえば本発明では、先端補助ブレード6を収納した定格発電量が600KWに設定され、先端補助ブレード6を使用した時の定格発電量が約1200KWに設定された場合、曲線cに示すように、低風速時には先端補助ブレード6が突出されているため、定格発電量が1200KWの風車と同様の軌跡をたどって高回転トルクが得られ発電量が増大する。そして、たとえば風車ブレード4の強度などに基づいて設定された規定風速が10m/secになると、先端補助ブレード6が後退されてc−1に示すように、定格の600KWまで発電量が低下し、後は定格発電量600KWが維持される。この規定風速が12m/secの場合は、c−2で示すように、600KWまで発電量が低下する。さらに規定風速が定格風速13m/secの場合も、c−3で示すように600KWまで出力が低下する。このように何れの場合でも、風速が6〜13m/secの範囲で定格出力が600KWの風車に比べて、ハッチング部分だけ発電量が増加される。 【0022】なお、カットアウト風速として約25m/secを越える暴風が吹いた場合には、風車ブレード4の回転は強制的に停止されて破損が防止される。上記構成によれば、建設規模および費用は小形の設備で、先端補助ブレード6を使用して、低風速時に大きい揚力と回転トルクを得て、高い発電能力を発揮できる。また定格風速では、先端補助ブレード6を収納することにより、定格出力を維持することができる。これにより、発電量を増加させることができる風速域を低速域にまで及ぶ広い範囲で設定することができる。さらに、出退ガイド装置9にピッチ付加手段11を設けたので、ブレード本体4内の狭い空間から先端補助ブレード6の突出時に、一定の回転変位を付与することができ、揚力と回転トルクをより効率良く得ることができる。 【0023】図9,図10は補助ブレード出退装置とピッチ付加手段の変形例を示す。すなわち、ブレード本体4内で先端補助ブレード6の基端部は、主エンドプレート5にピッチ変更軸受33を介して旋回部材34が配設され、この旋回部材34の保持穴35に嵌脱自在に嵌合されている。この先端補助ブレード6にはブレード軸心に沿うピッチ変更軸30が基端方向に取付けられ、このピッチ変更軸30を介して、先端補助ブレード6のピッチを変更する補助ブレードピッチ変更装置(ピッチ付加手段)31と、先端補助ブレード6を出退駆動する補助ブレード出退装置32とが設けられている。 【0024】前記ピッチ変更軸30は、先端側で円形軸部30aと、この円形軸部30aの基端側にフランジ30bを介して連結された矩形軸部30cとから構成されている。また補助ブレードピッチ変更装置31は、矩形軸部30cに軸心方向にスライド自在に外嵌された受動ギヤ31aとこの受動ギヤに噛み合う駆動ギヤ31bからなる伝動ギヤ部31cと、中間軸31dを介して駆動ギヤ31bを駆動する減速用ギヤボックス31eと、ステップモータ31fにより減速用ギヤボックス31eに直接、またはラックおよび入力用ピニオンを介して入力するピッチ変更入力部31gとで構成されている。 【0025】また補助ブレード出退装置32は、先の実施の形態とほぼ同一構成であるが、上下一対の雌ねじ部材28を有するスライド部材32aに、ガイド部とガイド溝からなる回り止め機構32bを有する伝動アーム32cが設けられており、これら伝動アーム32cにピッチ変更軸30の円形軸部30aが回転のみ自在に連結されている。すなわち、伝動アーム32cには円形軸部30aに遊嵌する筒部材32dが取付けられ、円形軸部30aにはこの筒部材32dの上部および下部に回転自在な伝動軸受32eがそれぞれ固定されている。これにより、円形軸部30aが回転自在に伝動アーム32cに連結されるとともに、伝動アーム32cの出退駆動力が円形軸部30aに伝達されて先端補助ブレード6が出退駆動される。 【0026】この実施の形態によれば、先の実施の形態と同様の効果を奏することができるとともに、風速に応じてピッチ変更軸30を介して補助ブレードピッチ変更装置31により先端補助ブレード6のピッチを変更し、一定の回転数に保持することができて効率の良い発電が可能となる。次に図11〜図15に基づいて発電用プロペラ風車の第2の実施の形態を説明する。このプロペラ形風車は、ローター40から120°ごとに風車ブレード41を設け、これら風車ブレード41のブレード本体42の前縁部に複数の前縁補助翼43を前方に出退自在に設けるとともに、ブレード本体42の回転方向後部に後部補助翼51を後方に出退自在に設けたものである。 【0027】図11〜図13に示すように、先端部にエンドプレート44が設けられたブレード本体42は翼型断面に形成されるとともに、前縁部から背面にわたって分離可能に形成された前縁補助翼43が長さ方向に複数枚設けられており、これら前縁補助翼43をそれぞれ前方に突出する前縁補助翼出退装置44が設けられている。これら前縁補助翼43はキャンバー付き翼形断面に形成されており、前方に突出された時にブレード本体42から離間してブレード本体42と前縁補助翼43との間にブレード本体42の背面側へ気流を案内する通路45を形成してブレード本体42の背面側に流れる気流を整流するとともに、気流の流入速度が低速であっても前縁補助翼43に揚力と回転トルクが発生するように構成されている。 【0028】前縁補助翼出退装置44は、前縁補助翼43の後面から出退方向に沿ってブレード本体4側に複数のサポートガイド板46が突設され、これらサポートガイド板46がブレード本体42内で複数の溝付きガイドローラ47により出退自在に支持されている。そして、ブレード本体42内に配置された複数の出退駆動装置(たとえば油圧式シリンダや電動ジャッキ)48の出力ロッドがサポートガイド板46に連結されて構成される。 【0029】以下に前縁補助翼43の性能の基本原理について説明する。図15(a)に示すように、風車ブレード41は所定の回転速度で回転され、流速Vwの気流が吹くと、相対的な角度(ブレード取付け角β+迎角α)方向に気流が速度Viで流入される。これにより、流入方向の抗力Dと、流入方向に直角な方向の揚力Lが発生し、この揚力Lの回転方向の分力が回転トルクを発生させる力Trとして風車ブレード41に作用し、この回転トルクを発生させる力Trにより発電機が作動されて発電される。ところで、図15(b)に示すように、気流の流速Vwが小さい場合には、揚力Lが発生せず、発電に寄与しない。 【0030】この時、図15(c)に示すように、前縁補助翼43がブレード本体42から前方に突出されると、気流Vwは前縁補助翼43に案内されて通路45からブレード本体42の背面側に流れ、うず流を整流して剥離流を防止しブレード本体42に揚力Lの発生を促し、さらに前縁補助翼43に向って相対流入速度Vi′により、前縁補助翼43に揚力L′と回転トルクを発生させる力Tr′が発生されてブレード本体42に作用し、低速の気流Vw′であっても風車ブレード41に発電に寄与する回転トルクが発生され、回転速度を加速して所定の速度で回転させ発電が可能となる。 【0031】またブレード本体42には、長さ方向に複数枚の後部補助翼51が内蔵されてブレード本体42の後縁部の出退口52から後方にそれぞれ出退自在に配置され、これら後部補助翼51を後方に突出させて風車ブレード41の翼弦長を拡大する後部補助翼出退装置53が設けられている。これら後部補助翼51は、ブレード本体42の背面板42aの内面に沿ってスライド自在に配置された翼板51aと、これら翼板51aの前面側に突設されて出退方向に沿う補強用リブ51bとで構成されており、後部補助翼出退装置53は、補強用リブ51bを介して翼板51aを出退自在に案内する複数の溝付きガイドローラ54と、ブレード本体42内で出力ロッドが後部補助翼51に連結された複数の出退駆動装置(たとえば油圧式シリンダや電動ジャッキ)55により構成され、出退駆動装置55を伸展することにより後部補助翼51を出退口52から後方にそれぞれ突出させることができる。 【0032】上記構成によれば、風車ブレード41は所定の回転速度で回転されており、風車に流入する気流の流入速度が小さい場合には、図11,図13に示すように、前部補助翼出退装置44により前部補助翼43が後方に突出され、さらに後部補助翼出退装置53により後部補助翼51が突出される。この前部補助翼43により揚力L′が発生されその分力により回転トルクを発生させる力Tr′が発生してブレード本体42に作用することにより大きい回転トルクが得られ、また後部補助翼51により風車ブレード42の翼弦長が増大されるか、または翼キャンバ(翼の反り)が増大され、あるいは翼弦長と翼キャンバが増大されて、ブレード本体42の回転トルクを発生させる力Trを増大させる。これらの効果により、気流が低速であっても風車ブレード41を所定の回転数で回転させて大きいトルクが得られ、発電量を増加できる。 【0033】また、気流の流入速度に対応して、前部補助翼43および後部補助翼51の一方のみを突出させて使用してもよい。もちろん、気流の速度が高い場合には、前部補助翼43を後退させてブレード本体42と一体化させ、後部補助翼51を後退させてブレード本体42に収納すればよい。これにより、風車ブレード41の抗力を低下させて暴風による破損などの事故を防止することができる。 【0034】図16は、第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせた第3の実施の形態で、風車ブレード60のブレード本体61内に先端補助ブレード6と前縁補助翼43、後部補助翼51とを出退自在に内蔵したものである。上記構成によれば、第1の実施の形態の作用効果に第2の実施の形態の作用効果を組み合わせて、さらに低速の気流であっても、先端補助ブレード6と前縁補助翼43、後部補助翼51により有効に回転トルクを発生させて発電を行うことができる。 【0035】 【発明の効果】以上に述べたごとく請求項1記載の発明によれば、通常風時は先端補助ブレード出退装置により先端補助ブレードを突出した状態で風車ブレードの全長を長くして翼の揚力を増大させ、回転トルクを向上させて発電量を増加させることができる。また定格出力が得られる高風速時や暴風時には、先端補助ブレードを後退してブレード本体内に収納することにより、風車ブレードに生じる抗力を減少させて構造物に無駄な負荷をかけず、破損を防止することができる。 【0036】また請求項2記載の発明によれば、流入する気流の速度が低速であっても、前縁補助翼により、前縁補助翼に揚力を発生させてその分力である回転トルクを増加することができ、低風速域での発電可能範囲を拡大することができる。さらに請求項3記載の発明によれば、後部補助翼により、翼弦長および/または翼の反りを増大させ、結果的に風車ブレードに発生する揚力を増大させて回転トルクを向上させることができ、低速な気流であっても効率良く発電することができる。 【0037】さらにまた請求項4記載の発明によれば、先端補助ブレードと前縁補助翼とにより、流入する気流の速度がより低速であっても、先端補助ブレードと前縁補助翼に揚力を発生させて回転トルクをさらに増加することができ、低風速域での発電可能範囲をより拡大することができる。また請求項5記載の発明によれば、前縁補助翼と後部補助翼による翼弦長および/または翼の反りを増大させることによる揚力、または先端補助ブレードにより生じる揚力と前縁補助翼および後部補助翼による翼弦長および/または翼の反りを増大させることによる揚力により、風車ブレードに発生する揚力をさらに増大させて回転トルクを向上させ、さらに低速な気流であっても効率良く発電することができる。 【0038】さらにまた請求項6記載の発明によれば、ピッチ変更ガイド部により、翼本体と先端補助ブレードのピッチを連続させることができ、性能の良い翼体が形成できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005119 【氏名又は名称】日立造船株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月11日(1999.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2001−132615(P2001−132615A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−320403 |
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