| 【発明の名称】 |
可変容量型斜板式液圧回転機 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 剛
【氏名】鍵和田 均
【氏名】新留 隆志
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| 【要約】 |
【課題】容量の異なる液圧回転機を製作するときの作業性を向上させる。
【解決手段】斜板13の裏面側に位置する当接面を、継手14の位置を境として、ケーシング側の第1の支持面4Aに当接する第1の当接面13Cと、ケーシング側の第2の支持面4Bに当接する第2の当接面13Dとにより構成し、これら第1,第2の当接面13C,13Dを斜板13の平滑面13Bに対して傾斜した凸形状に形成する。これにより、斜板13の第1,第2の当接面13C,13Dを加工するだけで、斜板13の傾転角度を異ならせることができる。このため、容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作するときに、第1,第2の支持面4A,4Bの傾斜角度を異ならせた複数種類のケーシングを製作する必要がなく、このケーシングに比較して軽量で取扱いの容易な斜板13を加工することにより、作業性を向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、表面側に該各シューが摺動する平滑面が形成されると共に裏面側に当接面が形成され、所定の支点を傾転中心として傾転可能に設けられた斜板と、該斜板を傾転させる傾転制御ピストンと、前記斜板の当接面に対向して前記ケーシングに設けられ、前記支点の位置を境として前記斜板の当接面を支持する第1の支持面と第2の支持面とが凸形状に形成された傾転制御面とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機において、前記斜板の当接面は、前記支点の位置を境として前記第1の支持面に当接する第1の当接面と、前記第2の支持面に当接する第2の当接面とにより構成し、前記第1,第2の当接面のうち少なくとも一方の当接面を前記平滑面に対して傾斜させることにより、前記第1,第2の当接面を凸形状に形成する構成としたことを特徴とする可変容量型斜板式液圧回転機。 【請求項2】 前記斜板の第1,第2の当接面間の傾斜角度は、前記傾転制御面の第1,第2の支持面間の傾斜角度よりも大きく設定する構成としてなる請求項1に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。 【請求項3】 前記支点は前記各ピストンの押圧合力の作用点よりも該ピストンの縮小側に位置して前記斜板と前記傾転制御面との間に設け、前記傾転制御ピストンは前記支点よりも前記ピストンの伸長側に位置して設ける構成としてなる請求項1または2に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。 【請求項4】 前記斜板の第1,第2の当接面は前記平滑面に対して0.05〜1.0度毎に異なる傾斜角度をもって形成する構成としてなる請求項1,2または3に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に油圧ポンプ、油圧モータ等として好適に用いられる可変容量型斜板式液圧回転機に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械に油圧ポンプ、油圧モータ等として用いられる可変容量型斜板式液圧回転機は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、表面側に該各シューが摺動する平滑面が形成されると共に裏面側に当接面が形成され、所定の支点を傾転中心として傾転可能に設けられた斜板と、該斜板を傾転させる傾転制御ピストンと、前記斜板の当接面に対向して前記ケーシングに設けられた傾転制御面とにより大略構成されている(例えば、特開平6−213140号公報等)。 【0003】そして、この種の可変容量型斜板式液圧回転機は、傾転制御ピストンによって斜板を傾転させることにより、油圧ポンプとして用いる場合には吐出容量を可変とし、油圧モータとして用いる場合にはトルク、回転数を可変とすることができる構成となっている。 【0004】ところで、上述した従来技術による可変容量型斜板式液圧回転機は、斜板の平滑面と当接面とを平行に形成し、斜板の当接面に対向してケーシングの壁面に設けた傾転制御面に、斜板の当接面を支持する第1の支持面と第2の支持面とを所定の傾斜角度をもって凸形状に形成し、この第1,第2の支持面の傾斜角度に応じて斜板の傾転角度が定まる構成となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ここで、上述の従来技術による可変容量型斜板式液圧回転機は、ケーシングの壁面に設けた傾転制御面の第1,第2の支持面の傾斜角度に応じて斜板の傾転角度が定まる構成であるため、容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作する場合には、第1,第2の支持面の傾斜角度を異ならせる必要がある。 【0006】しかし、第1,第2の支持面は重量の大きなケーシングの壁面に設けられているため、これら第1,第2の支持面を加工する作業が難しく、その作業性が悪いという問題がある。 【0007】また、微妙に容量が異なる複数種類の液圧回転機を製作する場合には、第1,第2の支持面の傾斜角度を、例えば0.1度程度の一定角度毎に変更するといった高精度な加工を行う必要があるが、第1,第2の支持面はケーシングの壁面に設けられているため、使用できる加工機が限られてしまい、高精度な加工を行うのが難しいという問題がある。 【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、容量の異なる液圧回転機を製作するときの作業性を向上することができるようにした可変容量型斜板式液圧回転機を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、表面側に該各シューが摺動する平滑面が形成されると共に裏面側に当接面が形成され、所定の支点を傾転中心として傾転可能に設けられた斜板と、該斜板を傾転させる傾転制御ピストンと、前記斜板の当接面に対向して前記ケーシングに設けられ、前記支点の位置を境として前記斜板の当接面を支持する第1の支持面と第2の支持面とが凸形状に形成された傾転制御面とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機に適用される。 【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記斜板の当接面は、前記支点の位置を境として前記第1の支持面に当接する第1の当接面と、前記第2の支持面に当接する第2の当接面とにより構成し、前記第1,第2の当接面のうち少なくとも一方の当接面を前記平滑面に対して傾斜させることにより、前記第1,第2の当接面を凸形状に形成したことにある。 【0011】このように構成したことにより、斜板側の第1,第2の当接面のうち少なくとも一方の当接面を加工するだけで、斜板の傾転角度を異ならせることができる。このため、容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作するときに、第1,第2の支持面の傾斜角度を異ならせた複数種類のケーシングを製作する必要がなくなり、重量の大きなケーシング側の第1,第2の支持面を加工する場合に比較して作業性を向上させることができる。 【0012】請求項2の発明は、斜板の第1,第2の当接面間の傾斜角度は、傾転制御面の第1,第2の支持面間の傾斜角度よりも大きく設定する構成としたことにある。 【0013】請求項3の発明は、支点はピストンの押圧合力の作用点よりも該ピストンの縮小側に位置して斜板と傾転制御面との間に設け、傾転制御ピストンは前記支点よりも前記ピストンの伸長側に位置して設ける構成としたことにある。 【0014】このように構成したことにより、例えば傾転制御ピストンによる押圧力が小さいときには、各シリンダから斜板に作用する押圧合力によって、斜板を最大傾転位置に保持することができる。また、傾転制御ピストンによる押圧力が大きくなると、各シリンダから斜板に作用する押圧合力に抗して、斜板を最小傾転位置に保持することができる。 【0015】請求項4の発明は、斜板の第1,第2の当接面は平滑面に対して0.05〜1.0度づつ異なる傾斜角度をもって形成する構成としたことにある。 【0016】このように構成したことにより、斜板の傾転角度を0.05〜1.0度単位で変化させることができ、微妙に容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明による可変容量型斜板式液圧回転機の実施の形態を、油圧モータに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図7を参照しつつ詳細に説明する。 【0018】図中、1は油圧モータのケーシングで、該ケーシング1は、筒部2Aと底部2Bとにより有底筒状に形成されたケーシング本体2と、該ケーシング本体2の開口端側を施蓋するリアケーシング3とにより構成されている。そして、ケーシング本体2の底部2Bには、後述の回転軸5を挿通するための回転軸挿通穴2Cと、後述の傾転ピストン15が挿嵌されるシリンダ成形部2Dと、後述の継手14が嵌合する半球状の2個の凹陥部2E(1個のみ図示)とが設けられている。 【0019】4はケーシング本体2の底部2B内壁面に形成された傾転制御面で、該傾転制御面4は、後述の斜板13を支持することにより該斜板13の傾転角度を規定するものである。そして、傾転制御面4は、継手14の位置(支点の位置)を境として第1の支持面4Aと第2の支持面4Bとに区分され、これら第1,第2の支持面4A,4Bの境界部が斜板13側に向けて突出した凸形状に形成されている。 【0020】ここで、図5に示すように、第1の支持面4Aと第2の支持面4Bとがなす傾斜角度θ1は、180度よりも僅かに小さい角度となっている。そして、第1の支持面4Aは、継手14の中心Oを通り回転軸5の軸方向と直交する方向に延びる直線A−Aに対して角度α1だけ傾斜し、第2の支持面4Bは直線A−Aに対して角度α2だけ傾斜している。 【0021】5はケーシング1内に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸5の一端側はケーシング本体2の底部2Bに設けられた軸受6によって支持され、他端側はリアケーシング3に設けられた軸受7によって支持されている。 【0022】8は回転軸5にスプライン結合された状態でケーシング1内に設けられ、回転軸5と一体的に回転するシリンダブロックで、該シリンダブロック8は、後述の切換弁板10に摺接する摺接面8Aを有している。また、シリンダブロック8には、周方向に離間して軸方向に伸長する複数(通常は奇数個)のシリンダ9,9,…が回転軸5の周囲に穿設され、各シリンダ9は、シリンダブロック8の摺接面8A側に開口するシリンダポート9Aを有している。 【0023】10はリアケーシング3とシリンダブロック8との間に位置してリアケーシング3に固定された切換弁板で、該切換弁板10は、シリンダブロック8の各シリンダ9と間欠的に連通する一対の給排ポート10A(一方のみ図示)を有し、該給排ポート10Aは、リアケーシング3に形成された給排通路に連通している。 【0024】11,11,…はシリンダブロック8の各シリンダ9内にそれぞれ摺動可能に挿嵌された複数(2本のみ図示)のピストンで、該各ピストン11は、切換弁板10側から給排される圧油によってシリンダ9内を往復動するものである。 【0025】12,12,…はシリンダ9から突出した各ピストン11の突出側の端部に揺動可能に設けられた複数のシューで、該各シュー12は、後述する斜板13の平滑面13B上を摺動するものである。 【0026】13はケーシング本体2の傾転制御面4とシリンダブロック8との間に設けられた斜板で、該斜板13は、図2ないし図4に示すように、中央部に回転軸挿通穴13Aが設けられた中空の円板状に形成され、斜板13の表面側(シリンダブロック8側)には、シュー12が摺動する平滑面13Bが形成されている。 【0027】一方、斜板13のうち平滑面13Bの反対側となる裏面側に形成された当接面は、継手14の位置(支点の位置)を境として傾転制御面4の第1の支持面4Aに当接する第1の当接面13Cと、傾転制御面4の第2の支持面4Bに当接する第2の当接面13Dとにより構成され、これら第1,第2の当接面13C,13Dの境界部が傾転制御面4側に向けて突出した凸形状に形成されている。そして、図5に示すように、第1の当接面13Cと第2の当接面13Dとがなす傾斜角度θ2は、180度よりも僅かに小さく、かつ、傾転制御面4に設けた第1,第2の支持面4A,4Bがなす傾斜角度θ1よりも大きく(θ2>θ1)設定されている。 【0028】また、斜板13の裏面側には、継手14が嵌合する半球状の凹陥部13E,13Eが回転軸挿通穴13Aを挟んで設けられ、さらに、傾転制御ピストン15が当接するピストン当接面13Fが設けられている。 【0029】ここで、斜板13の第1の当接面13Cは、図5に示すように、斜板13の平滑面13B(継手14の中心Oを通り平滑面13Bに平行して延びる直線B−B)に対し角度β1だけ傾斜した傾斜面として形成されている。そして、斜板13は、第1の当接面13Cが傾転制御面4の第1の支持面4Aに当接することにより、最大傾転位置(図2の位置)に保持される構成となっている。 【0030】一方、斜板13の第2の当接面13Dは、図5に示すように、斜板13の平滑面13B(直線B−B)に対し角度β2だけ傾斜した傾斜面として形成されている。そして、斜板13は、第2の当接面13Dが傾転制御面4の第2の支持面4Bに当接することにより、最小傾転位置(図3の位置)に保持される構成となっている。 【0031】14,14はケーシング本体2と斜板13との間に設けられた支点としての2個の継手(1個のみ図示)で、該各継手14は、例えば鋼球等により構成され、ケーシング本体2側に設けられた凹陥部2E,2Eと、斜板13の裏面側に設けられた凹陥部13E,13Eとに嵌合することにより、斜板13をケーシング本体2に対して傾転可能に支持するものである。 【0032】ここで、図5に示すように、油圧モータの作動時に各ピストン11から斜板13に作用する押圧力の合力(押圧合力)をFとすると、継手14は、この押圧合力Fの作用点よりも各ピストン11が縮小する側に片寄らせた位置に設けられている。 【0033】15はケーシング本体2のシリンダ成形部2D内に摺動可能に挿嵌された傾転制御ピストンで、該傾転制御ピストン15は、各継手14よりも各ピストン11が伸長する側に片寄らせた位置に、斜板13の裏面と対向した状態で設けられ、その先端側は斜板13のピストン当接面13Fに当接している。そして、傾転制御ピストン15は、油通路16を通じてシリンダ成形部2D内に給排される圧油により該シリンダ成形部2D内を摺動し、斜板13を傾転させるものである。 【0034】そして、傾転制御ピストン15がシリンダ成形部2D内に引込んでいるときには、斜板13は、各ピストン11の押圧合力Fにより、第1の当接面13Cを傾転制御面4の第1の支持面4Aに当接させた最大傾転位置(図2の位置)に保持される。 【0035】一方、シリンダ成形部2D内に高圧の圧油が供給され、傾転制御ピストン15がシリンダ成形部2Dから突出したときには、斜板13は、傾転制御ピストン15に押圧されることにより、各ピストン11の押圧合力Fに抗して第2の当接面13Dを傾転制御面4の第2の支持面4Bに当接させた最小傾転位置(図3の位置)に保持される構成となっている。 【0036】本実施の形態による油圧モータは上述の如き構成を有するもので、以下、その作動について説明する。 【0037】まず、切換弁板10の給排ポート10A等を通じてシリンダブロック8の各シリンダ9内に圧油が供給されることにより、シリンダ9内に挿嵌されたピストン11が斜板13側に伸長する。そして、ピストン11に設けたシュー12が、斜板13の平滑面13Bを押圧しつつ該平滑面13Bに沿って周方向に滑動することにより、各ピストン11がシリンダブロック8と共に回転し、このシリンダブロック8にスプライン結合された回転軸5が回転することにより、油圧モータとして作動する。 【0038】ここで、継手14は、油圧モータの作動時に各ピストン11から斜板13に作用する押圧合力Fの作用点よりも、各ピストン11が縮小する側に片寄らせた位置に設けられているため、シリンダ成形部2D内の圧力が低いときには、斜板13に作用する各ピストン11の押圧合力Fにより、斜板13は、図2に示すように、第1の当接面13Cを傾転制御面4の第1の支持面4Aに当接させた状態で安定する。 【0039】これにより、斜板13が最大傾転位置に保持され、このときの斜板13の最大傾転角度γ1は、図5に示すように、傾転制御面4の第1の支持面4Aの傾斜角度α1と、斜板13の第1の当接面13Cの傾斜角度β1との和として下記数1によって表される。 【0040】 【数1】γ1=α1+β1【0041】このように、斜板13が最大傾転角度γ1となることにより、各ピストン11のストロークが最大となって回転軸5が高トルクで低速回転する。 【0042】一方、シリンダ成形部2D内に高圧の圧油が供給され、傾転制御ピストン15がシリンダ成形部2Dから突出したときには、斜板13は、図3に示すように、傾転制御ピストン15に押圧されることにより、各ピストン11の押圧合力Fに抗して第2の当接面13Dを傾転制御面4の第2の支持面4Bに当接させた状態で安定する。 【0043】これにより、斜板13が最小傾転位置に保持され、このときの斜板13の最小傾転角度γ2は、図6に示すように、傾転制御面4の第2の支持面4Aの傾斜角度α2と、斜板13の第2の当接面13Dの傾斜角度β2との差として下記数2によって表される。 【0044】 【数2】γ2=α2−β2【0045】このように、斜板13が最小傾転角度γ2となることにより、各ピストン11のストロークが最小となって回転軸5が低トルクで高速回転する。 【0046】そして、斜板13の最大傾転角度γ1と最小傾転角度γ2との差Δγは、下記数3によって表される。 【0047】 【数3】 Δγ=γ1−γ2=2π−(θ1+θ2) 【0048】ここで、本実施の形態では、傾転制御面4の第1,第2の支持面4A,4Bを180度よりも小さい傾斜角度θ1をもった凸形状に形成すると共に、斜板13の第1,第2の当接面13C,13Dを180度よりも小さい傾斜角度θ2をもった凸形状に形成している。 【0049】このため、例えば第1,第2の支持面4A,4B間の傾斜角度θ1を180度以上とした場合、あるいは第1,第2の当接面13C,13D間の傾斜角度θ2を180度以上とした場合に比較して、斜板13の最大傾転角度γ1と最小傾転角度γ2との差Δγを大きくすることができ、斜板13が最大傾転位置にあるときと最小傾転位置にあるときの油圧モータのトルク、回転数等の差を大きく設定することができる。 【0050】ここで、例えば傾転制御面4に設けた第1の支持面4Aの傾斜角度α1を17度とし、第2の支持面4Bの傾斜角度α2を10度とし、斜板13に設けた第1の当接面13Cの傾斜角度β1を0.5度とし、第2の当接面13Dの傾斜角度β2を0.5度とすると、斜板13の最大傾転角度γ1は、上述の数1によりγ1=17.5度となり、斜板13の最小傾転角度γ2は、上述の数2によりγ2=9.5度となる。 【0051】次に、例えば斜板13に設けた第1の当接面13Cの傾斜角度β1を0.6度とし、第2の当接面13Dの傾斜角度β2を0.6度とすると、斜板13の最大傾転角度γ1は、上述の数1によりγ1=17.6度となり、斜板13の最小傾転角度γ2は、上述の数2によりγ2=9.4度となる。 【0052】このように、本実施の形態によれば、斜板13に設けた第1の当接面13Cの傾斜角度β1を変化させることにより、斜板13の最大傾転角度γ1を微妙に調整することができ、同じく第2の当接面13Dの傾斜角度β2を変化させることにより、斜板13の最小傾転角度γ2を微妙に調整することができる。 【0053】従って、斜板13に設けた第1,第2の当接面13C,13Dに対する加工のみを行い、第1の当接面13Cの傾斜角度β1、第2の当接面13Dの傾斜角度β2を変化させるだけで、微妙に容量の異なる複数種類の油圧モータを製作することができ、ケーシング本体2側に設けた傾転制御面4の第1,第2の支持面4A,4Bに対する加工を不要とすることができる。 【0054】この場合、斜板13は、傾転制御面4が形成されたケーシング本体2に比較して全体の形状、重量等が小さく取扱いが容易であるため、加工機等を用いて斜板13の第1,第2の当接面13C,13Dに対する高精度な加工を行うことができ、トルク、回転数等の異なる複数種類の油圧モータを製作するときの作業性を向上させることができる。 【0055】従って、例えば第1の当接面13Cの傾斜角度β1、第2の当接面13Dの傾斜角度β2を、0.05〜1.0度の範囲の微小な角度、例えば0.1度づつ異ならせた複数種類の斜板13を製作しておき、これら複数の斜板13を適宜に交換することにより、微妙にトルク、回転数等の異なる油圧モータを得ることができる。 【0056】そして、例えば第1の当接面13Cの傾斜角度β1を0.1度づつ異ならせ、第2の当接面13Dの傾斜角度β2を一定とした斜板13を形成すれば、斜板13の最大傾転角度γ1が微妙に異なり、最小傾転角度γ2が一定の複数種類の油圧モータを容易に製作することができる。 【0057】一方、例えば第1の当接面13Cの傾斜角度β1を一定とし、第2の当接面13Dの傾斜角度β2を0.1度づつ異ならせた斜板13を形成すれば、斜板13の最大傾転角度γ1が一定で、最小傾転角度γ2が微妙に異なる複数種類の油圧モータを容易に製作することができる。 【0058】また、本実施の形態によれば、斜板13の第1の当接面13Cと第2の当接面13Dとがなす傾斜角度θ2を、傾転制御面4の第1の支持面4Aと第2の支持面4Bとがなす傾斜角度θ1よりも大きく設定することにより、平滑面13Bに対する第1,第2の当接面13C,13Dの傾斜が可及的に小さくなるように構成している。 【0059】これにより、図7に示すように、油圧モータの作動時に斜板13に各ピストン11からの押圧合力Fが作用したときに、斜板13の裏面(例えば、第1の当接面13C)と平行な方向に作用する分力fを小さくすることができる。このため、当該分力fによって継手14に作用する荷重を小さくし、継手14の寿命を延ばすことができるので、長期に亘って斜板13を安定して傾転させることができ、油圧モータの信頼性を高めることができる。 【0060】なお、ケーシング1は、1種類のものを用いることに限らず、第1の支持面4Aと第2の支持面4Bとがなす角度θ1を、例えば5度毎の比較的大きな角度毎に異ならせた複数種類(例えば、2〜3種類)のものを用意することが好ましい。これにより、本発明では、この複数種類のケーシング1と、第1,第2の当接面13C,13D間の傾斜角度θ2が0.05〜1.0度毎の小さな角度毎に異なる複数種類(例えば、10〜15種類)の斜板13とを適宜に組合わせることにより、斜板13の最大傾転角度γ1と最小傾転角度γ2を大きく変化させることができ、最大トルクと最小トルクとが異なる油圧モータ(吐出容量の異なる油圧ポンプ)を得ることができる。 【0061】また、上述した実施の形態では、斜板13に設けた第1の当接面13Cを、平滑面13Bに対し角度β1だけ傾斜した傾斜面として形成し、第2の当接面13Dを、平滑面13Bに対し角度β2だけ傾斜した傾斜面として形成した場合を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば第1,第2の当接面13C,13Dのうちいずれか一方を、平滑面13Bに対して平行な面として形成する構成としてもよい。 【0062】また、上述した実施の形態では、可変容量型斜板式液圧回転機として油圧モータを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば可変容量型斜板式の油圧ポンプにも適用することができる。 【0063】 【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、斜板の当接面を、支点の位置を境として、ケーシング側の第1の支持面に当接する第1の当接面と、ケーシング側の第2の支持面に当接する第2の当接面とにより構成し、これら第1,第2の当接面のうち少なくとも一方の当接面を斜板の平滑面に対して傾斜させることにより、第1,第2の当接面を凸形状に形成したので、斜板側の第1,第2の当接面のうち少なくとも一方の当接面を加工するだけで、斜板の傾転角度を異ならせることができる。このため、容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作するときに、第1,第2の支持面間の傾斜角度を異ならせた複数種類のケーシングを製作する必要がなく、このケーシングに比較して重量が小さく取扱いの容易な斜板を加工することにより、作業性を向上させることができる。 【0064】また、請求項2の発明によれば、斜板の第1,第2の当接面間の傾斜角度を、傾転制御面の第1,第2の支持面間の傾斜角度よりも大きく設定したので、平滑面に対する第1,第2の当接面の傾斜を可及的に小さくすることができる。これにより、斜板に各ピストンからの押圧合力が作用したときに、斜板の裏面と平行な方向に作用する分力を小さくすることができ、この分力によって支点に作用する荷重を小さくし、該支点の寿命を延ばすことができるので、長期に亘って斜板を安定して傾転させることができる。 【0065】また、請求項3の発明によれば、支点はピストンの押圧合力の作用点よりも該ピストンの縮小側に位置して斜板と傾転制御面との間に設け、傾転制御ピストンは前記支点よりも前記ピストンの伸長側に位置して設ける構成としたので、斜板は、各ピストンから作用する押圧合力と傾転制御ピストンから作用する押圧力とにより、支点を中心として最大傾転位置と最小傾転位置との間で傾転することができる。 【0066】さらに、請求項4の発明によれば、斜板の第1,第2の当接面は平滑面に対して0.05〜1.0度づつ異なる傾斜角度をもって形成する構成としたので、斜板の傾転角度を0.05〜1.0度単位で変化させることができ、微妙に容量の異なる複数種類の液圧回転機を製作することができる。この場合、斜板は、傾転制御面が形成されたケーシングに比較して全体の形状、重量等が小さく取扱いが容易であるため、例えば加工機等を用いて第1,第2の当接面に対する高精度な加工を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005522 【氏名又は名称】日立建機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月8日(1999.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079441 【弁理士】 【氏名又は名称】広瀬 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−132613(P2001−132613A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−317454 |
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