| 【発明の名称】 |
ポンプ水車運転制御システム |
| 【発明者】 |
【氏名】成澤 聡
【氏名】吉田 正博
【氏名】牧野 正廸
【氏名】田中 正広
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| 【要約】 |
【課題】揚水発電所の揚水運転から発電運転への運転切り替え又は、揚水運転の停止に関して、電力系統に対して電力衝撃を緩和させる。
【解決手段】可変速型発電電動機に接続されたポンプ水車2台を具備する揚水発電所において、1台のポンプ水車が揚水運転モードであり他方のポンプ水車が発電運転モードである。2つの運転モードが同時に存在する運転制御があり、2台の可変速型発電電動機の入出力合計電力が時間に対して連続に変化するように、もしくは入出力合計電力が時間に対して不連続であっても電力系統のもつ許容され得る電力動揺範囲内であるように各々の可変速型発電電動機の運転を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、揚水運転を行っている1台のポンプ水車を停止する時に、他のポンプ水車を発電運転させ、揚水停止以前の前記ポンプ水車への入力と、発電運転を行っている前記ポンプ水車からの入出力の電力が零となるように構成したことを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項2】請求項1のポンプ水車運転制御システムにおいて、前記揚水運転を行っている1台のポンプ水車が可変速型発電電動機で構成されていることを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項3】請求項1のポンプ水車運転制御システムにおいて、前記複数台のポンプ水車が可変速型発電電動機で構成されていることを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項4】電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、少なくとも1台の前記ポンプ水車が揚水運転から発電運転へと移行するときに、前記電力系統に対して電力入出力状態が零になる状態を設けずに、前記ポンプ水車を揚水運転から発電運転へと移行することを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項5】電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、可変速型発電電動機に接続された2台のポンプ水車のうち1台または2台が揚水運転を行っている状態から発電運転を行う状態への運転切り替えにおいて、上記可変速型発電電動機に接続されたポンプ水車のうち少なくともどちらか1台のポンプ水車が常に電力系統へ接続している状態をつくり、上記ポンプ水車の揚水運転停止または発電運転開始に伴う電力の急変を補償することを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項6】請求項5のポンプ水車運転制御システムにおいて、上記ポンプ水車のうち1台が揚水運転モードであり、且つ、他の1台のポンプ水車が発電運転モードである、2つの運転モードが同時に存在することを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項7】電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、少なくとも1台の前記ポンプ水車が揚水運転から発電運転へと移行するときに、前記電力系統に対して電力入出力状態が停滞する期間を設けずに、前記ポンプ水車を揚水運転から発電運転へと移行することを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項8】電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、少なくとも1台の前記ポンプ水車が揚水運転から発電運転へと移行するときに、該ポンプ水車が揚水運転モードである時に、他のポンプ水車が発電運転モードを行う2つの運転モードが同時に存在することを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項9】電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、発電運転を行っているポンプ水車の発電電力および揚水運転を行っているポンプ水車の入力電力の合計電力を測定する合計電力測定手段と、前記合計電力の変動が前記電力系統のもつ電力動揺許容範囲内であることを特徴とするポンプ水車運転制御システム。 【請求項10】請求項9のポンプ水車運転制御システムにおいて、前記発電運転を行っているポンプ水車、または前記揚水運転を行っているポンプ水車を可変速型発電電動機で構成した場合に、前記合計電力の変動が該可変速型発電電動機のもつ入出力許容範囲内であることを特徴とするポンプ水車運転制御システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車の運転制御システムに係り、特に揚水運転から発電運転への運転切り替えを行う時に生じる電力系統への電力衝撃を緩和させるポンプ水車の運転制御システムに関する。 【0002】 【従来の技術】ポンプ水車の揚水運転を停止させる際、揚水運転停止・電力系統からの解列に伴う電力系統への衝撃を可変速型発電電動機の特性を利用して減じるまたは吸収する停止・解列方法は、例えば特開平1−44905号公報や特開平7−145775 号公報に開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、可変速型発電電動機に接続されたポンプ水車を揚水運転から発電運転への運転切り替えを行うときに生じる電力系統への衝撃を減じた運転制御方法についての記載は見当らない。 【0004】本発明の目的は、揚水運転から発電運転へ運転の切り替えを行う際、電力系統に対して電力衝撃を緩和させるようにしたポンプ水車の運転制御システムの提供にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、揚水運転を行っている1台のポンプ水車を停止する時に、他のポンプ水車を発電運転させ、揚水停止以前の前記ポンプ水車への入力と、発電運転を行っている前記ポンプ水車からの入出力の電力が零となるようにしたものである。 【0006】また、上記目的を達成するために、本発明は電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、少なくとも1台の前記ポンプ水車が揚水運転から発電運転へと移行するときに、前記電力系統に対して電力入出力状態が零になる状態を設けずに、前記ポンプ水車を揚水運転から発電運転へと移行するようにしたものである。 【0007】また、上記目的を達成するために、本発明では電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、可変速型発電電動機に接続された2台のポンプ水車のうち1台または2台が揚水運転を行っている状態から発電運転を行う状態への運転切り替える時に、上記可変速型発電電動機に接続されたポンプ水車のうち少なくともどちらか1台のポンプ水車が常に電力系統へ接続している状態をつくり、上記ポンプ水車の揚水運転停止または発電運転開始に伴う電力の急変を補償するようにしたものである。また、上記目的を達成するために、本発明では電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、少なくとも1台の前記ポンプ水車が揚水運転から発電運転へと移行するときに、電力系統に対して電力入出力状態が停滞する期間を設けずに、ポンプ水車を揚水運転から発電運転へと移行するようにしたものである。 【0008】また、上記目的を達成するために、本発明では電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、少なくとも1台の前記ポンプ水車が揚水運転から発電運転へと移行するときに、該ポンプ水車が揚水運転モードである時に、他のポンプ水車が発電運転モードを行うようにしたものである。 【0009】また、上記目的を達成するために、本発明では電力系統に接続された複数台のポンプ水車を備えたポンプ水車運転制御システムにおいて、発電運転を行っているポンプ水車の発電電力および揚水運転を行っているポンプ水車の入力電力の合計電力を測定する合計電力測定手段を備え、この合計電力の変動が電力系統のもつ電力動揺許容範囲内であるようにしたものである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施例を図面を用いて説明する。 【0011】図2は本実施例の概要を示したもので、一般的な2台のポンプ水車を具備する揚水発電所を示したものである。図2において、同期器を用いた定速型発電電動機211,212は各々ポンプ水車213,214に連結されている。また、制御装置201,206はそれぞれ定速型発電電動機211,212に設けられている。 【0012】開閉器202,207,208は電力系統209と定速型発電電動機211,212の間に接続されている。 【0013】システムコントローラ203は定速型発電電動機211,212に対して電力系統209の要求に応じた最適な運転状態を決定し、各々を制御する働きをする。 【0014】電力量検出器204,205は、定速型発電電動機211,212の入出力電力量を検出して、この検出値をシステムコントローラ203に送る。 【0015】図3は本実施例のシステムの全体構成を示したものである。 【0016】本実施のシステムは上池306,下池303の間に設けられ、上池306からの流水が共有の導圧管路310を介して運ばれ、発電電動機211,212への直前で分岐管路301,302を介して導水されている。そして、ポンプ水車213,214を過ぎて、ケーシング304,305を介し、放水路を経由して下池303に放水される構成となっている。 【0017】図1は揚水運転及び発電運転する各々のポンプ水車の時間に対する入出力チャートを示したものである。本実施例では、定速型発電電動機211は、図1(a)の揚水運転機に示す入出力チャートに従って運転され、定速型発電電動機212は図1(b)の発電運転機に示す入出力チャートに従って運転される。また、図1(c)の合計電力とは揚水運転機と発電運転機の入出力電力の合計であり、電力系統209から見たシステムの電力入出力状況を示している。 【0018】ところで、或る時点(図1のT0)において、定速型発電電動機211は入力P0により電動機として運転し、定速型発電電動機212は運転停止している。定速型発電電動機211及びポンプ水車213が揚水運転を停止制御に入る前に、図1のT1において、定速型発電電動機212は発電運転の動作を制御装置206を介して起動する。そして、図1のT2において、定速型発電電動機212は発電電力はP0となり、合計電力は零となる。 【0019】図1のT3より定速型発電電動機211は揚水運転停止制御に入り、時間と共に定速型発電電動機211への入力を減じる。定速型発電電動機211の入力変化は電力検出器204を通じてシステムコントローラ203に送られ、システムコントローラ203では定速型発電電動機211,212の合計電力が零を保持するように制御命令を制御装置206に与え、定速型発電電動機212の発電量を調整する。 【0020】定速型発電電動機211への入力を減じ、図1のT4において開閉器208を開くことにより、定速型発電電動機211,212を同時に電力系統209から解列することができる。また、電力系統209から解列するとき、定速型発電電動機211,212の合計電力が零であるから、電力系統209への衝撃は生じない。 【0021】以上の実施例は2台の発電電動機が共に定速型発電電動機であったが、本発明ではどちらか片方が可変速型発電電動機である場合、また、2台とも可変速型発電電動機である場合でもよい。更に、上述の実施例では、2台のポンプ水車を具備する揚水発電所に適用したものであったが、3台以上のポンプ水車を具備する揚水発電所に適用することもできる。 【0022】図4,図5は図2の発電電動機211に可変速型発電電動機を採用した例を示している。そして図4は可変速型発電電動機の制御回路を示したものであり(尚、電力制御のための交流励磁回路についての詳細は本発明に直接関係しないので図示していない。)システムコントローラ203からの電力指令PO とその時の総落差HST(ポンプの上下貯水槽の単純な水位差を示す。これに対し実揚程Hは総落差HSTと該揚水系統の水路損失を加算したものと定義される。該揚水系統の立地条件により運転時の水位変動(HST変動)がない場合は、このHSTを省略してもよい。以下入力信号として定義するHSTは同様である。)を入力としてその時の適正回転速度NOPTを演算する回転速度回数発生器252からの出力信号OPTと実際の回転速度Nを比較する比較器268と電力制御補正信号発生器256 ,電力制御器247,電力周波数変換器243,電動機251,慣性モーメントGD2よりなる第1の周波数変換器制御手段の制御ループを負帰還回路に構成し、電動機251の電力入力状態は、システムコントローラ203へ伝達される。 【0023】尚GD2 は電動機とポンプが有する慣性モーメントの作用を示すためのブロックで特別な別個の装置がある訳ではない。又NOPT とNの偏差をゼロにするために電力制御補正信号発生器256には積分要素が含まれる。電力制御補正信号発生器256の出力である補正信号εは電力指令PO と加算されこの合成信号PO+εと実際の電動機出力PM が比較される。 【0024】電力制御器247,電力変換器243,発電電動機251及び実際の電動器出力PM の復元回路よりなる第2の周波数変換器制御手段の電力制御ループは負帰回路に構成され電力制御器247には(PO +ε)とPM の偏差をゼロにするため積分要素が含まれる。負荷指令PO と総落差HSTを入力としてその時の適正案内羽根開度YOPT を演算する案内羽根開度関数発生器263とその出力信号YOPT と実際の案内羽根開度Yを比較する比較器267と案内羽根制御器259で実際の案内羽根開度Yの復元よりなる制御ループを負帰還回路に構成し、案内羽根制御器259に含まれる積分要素によりYOPT とYの偏差がゼロとなるように案内羽根が制御される。かくして前記回転速度制御回路によりN=NOPT ,前記電力制御回路によりPM =PO +ε,前記案内羽根制御回路によりY=YOPTとすることができる。ここでポンプが要求する入力PP と実際の電動機への入力PM の偏差は電動機及びポンプの慣性モーメント(GD2 )に入力される。ところで慣性モーメントは一種の積分要素と見なせる。 【0025】又前述の通り電力制御補正信号発生器256,電力制御器247,電力周波数変換器243,電動機251,GD2 と実際の回転数Nの復元よりなる回転速度制御回路は負帰還回路に構成されているのでPM とPP の偏差がゼロとなるように制御される。即ちPM =PP 、また前記関数発生器の誤差を無視すればYOPT=PO 相当、であるのでPP は元々PO 相当に、即ちPP =PO に制御されているはずである。以上まとめるとPO =PP =PM =PO +εとなり、電力補正信号εは最終的にはゼロにされる。以上より外部からの電力指令PO に応じて実際の入力PM を制御することができる。 【0026】図4の例に対する上記説明をグラフに示したのが図6である。時点t0 でシステムコントローラ203からの駆動出力指令PO がステップ状に立上がった場合の応答を示す。まず電動機出力PM はわずかの遅れをもってグラフgの如く立上がる。又案内羽根開度回数発生器の出力YOPT や回転速度関数発生器NOPT の出力は関数発生器が個有に持っている時定数や特別に与えた追加時定数によって各々グラフb,cの如く応答する。グラフbのYOPT に対する実際の案内羽根開度Yの応答は比較的速くdの様になる。尚Yの応答に直線部分があるのは案内羽根が案内羽根サーボモーターの開速度制限(これは案内羽根用配圧弁のストローク制限等で与える)によって制限を受けている場合を示す。ポンプの回転速度Nはグラフgの電動機出力PM とグラフeのポンプ入力PP の差によって加速されグラフfの様に上昇し最終的にN=NOPT に達した時点で上昇が止む。尚そのポンプ入力PP は案内羽根開度Yの上昇と回転速度Nの上昇の両方による増分が加算されグラフeの如く増大する。グラフfでは回転速度Nの動きはゆっくりながら安定であるが、これは電力補正信号発信器256に充分なダンピング作用を与えたためである。これは例えば電力補正信号器256を比例要素と積分要素の並列回路で構成し、それらのゲインを適切に選ぶことによって動作速度を変化させることが可能になる。これにより、高速に外部からの駆動出力指令に応答することが可能になるので、図1(a)に示した入力指令に追従した制御が行えるようになる。 【0027】図5は上記図4の制御回路により巻線形誘導機251を可変速電動機として用いた可変速揚水システムの構成を示す一例である。図中同一番号は同一品で示す。巻線形誘導機251の1次側が電力系統209および他の発電電動機に接続され、2次側は電力変換器243に接続される。誘導機251の入力は電力変換器243による交流励磁電流の位相や電圧制御により制御される。実際の入力PMは電力検出器204により検出された比較器242へ又実際の回転速度Nは回転速度検出器255により検出された比較器268へ各々入力され、そして、回転数設定器252,開度設定器263などにより制御装置201を構成する。 【0028】図7,図8は発電電動機212に可変速型発電電動機を採用した例を示している。 【0029】図7において、巻線型誘導機551は回転子に直結された水車によって回転駆動されると共に誘導機の2次巻線551bには電力変換器543により誘導機551の回転速度に応じて所定の位相に調整された交流励磁電流が供給され、誘導機の1次巻線551aからは交流電力系統209と等しい周波数の交流電力が出力されるように可変速運転が行われる。水車特性関数発生器552はシステムコントローラ203から与えられる発電出力指令PO と水位検出信号H(水位変動が少ない場合は入力不要)を入力して最高効率で運転するための最適回転速度指令NOPTを出力する。水車のガイドベーン開度制御装置は最適回転数指令NOPTと回転速度検出器555で検出される実回転速度信号Nを比較したΔNを入力してガイドベーン開度を制御する。 【0030】一方、システムコントローラ203からの発電出力指令P1は水車特性関数発生器552に入力されると共に電力制御装置547,電力変換器543への発電出力指令として入力される。 【0031】この様に構成された本実施例の制御装置において、いま時点t0で例えば発電出力Pをステップ状に上昇させようとして発電出力指令PO を図8(a)に示すようにステップ状に上昇させると誘導機551の発電出力Pは図8(g)に示すように発電出力指令PO の変化に追従して上昇する。一方、案内弁開度指令Yaは最適回転速度指令Na が図8(c)に示すようにステップ状に上昇するために図8(b)のようにステップ状に変化する。しかしながら案内弁の開度Yの応答は前述の発電出力指令PO に対する誘導機出力Pの応答速度よりも遅い。このため誘導機出力Pよりも水車出力PT の方が小さくなり回転速度Nは発電出力指令PO の急変後一時的に減速され、その後時点t1で発電出力Pと水車出力PT が等しくなり回転速度Nは極小さなる。なお時点t1では速度偏差ΔNは正なので案内弁開度指令は上昇を続ける。このため案内弁開度Yは上昇を続け、時点t2で回転速度Nは最適回転速度指令Na と等しくなり、案内弁開度Ya は極大となる。その後、案内弁開度Yと回転速度Nは減衰振動しながら回転速度Nは最適回転速度指令Na に整定する。図8の時点t3とt5で水車出力PT と発電出力Pは等しく、時点t4では回転速度Nと最適回転速度指令Na が等しい。 【0032】以上より発電出力指令PO の変化に対して案内弁の応答よりも速く発電出力Pを追従させ、回転速度Nを最適回転速度Na に整定させることが可能である。これは発電出力指令PO の変化に対して発電出力Pを追従させるために最初に回転運動エネルギーを用い、誘導機511の出力Pを発電出力指令PO に保つ一方で最適回転速度指令Na に回転速度Nを調整するに必要な回転運動エネルギーは案内弁を制御して供給することで実現するものである。このように高速に外部からの発電出力指令に高速に応答することが可能になるので、図1(b)に示したように出力指令に追従した制御が行えるようになる。 【0033】次に本発明の他の実施例を図9,図10を用いて説明する。 【0034】この実施例は、図10に示した2台のポンプ水車を具備する揚水発電所に適用したもので、可変速型発電電動機611,612は各々ポンプ水車ランナ613,614に連結される。また、制御装置601,602はそれぞれ可変速型発電電動機611,612に接続され、可変速型発電電動機611,612は発電動作時、揚水動作時に前述の図5、又は図7に示したシステム構成を備えている。そして、電力系統609と可変速型発電電動機611,612の間には開閉器606,607が設けられている。 【0035】システムコントローラ603は可変速型発電電動機611,612に対して電力系統609の要求に応じた最適な運転状態を決定し、各々の装置を制御する。入出力電力検出器604,605は可変速型発電電動機611,612の入出力電力を検出する。合計電力算出器618は、入出力電力検出器604,605によって検出された各々の電力値の合計を算出する働きがある。 【0036】回転速度検出器616,617はポンプ水車ランナ613,614の回転速度を検出する。 【0037】合計電力監視システム615は、回転速度検出器616,617,合計電力検出器618の各出力値及び電力系統周波数620を入力値として、図10に示される揚水発電所の合計電力の変動が、電力系統のもつ許容され得る電力動揺範囲内、もしくは可変速型発電電動機のもつ許容され得る入出力変動範囲内であることを監視する働きがある。 【0038】図9は各々の可変速型発電電動機611,612の時間に対する電力の入出力チャートを示す。図9のPn (nは1≦n≦8なる整数)は可変速型発電電動機の入出力電力の絶対値を示し、揚水運転時の電力すなわち入力電力は(+)、発電運転時の電力すなわち出力電力は(−)の符号を付して表す。 【0039】本実施例では、可変速型発電電動機611は、図9(A)の揚水運転機に示す入出力チャートに従って運転され、可変速型発電電動機612は図9(B)の発電運転機に示す入出力チャートに従って運転される。図9(C)の合計電力とは可変速型発電電動機611及び612の入出力電力の合計であり、合計電力算出器618の出力値である。 【0040】ところで、或る時点(図9のT0)において、可変速型発電電動機611は電力+P1で電動機として運転し、可変速型発電電動機612は電力+P4で電動機として運転している。従って合計電力+P8=+(P1+P4)となる。 【0041】時刻T1において可変速型発電電動機611に接続されたポンプ水車ランナ613が揚水運転を停止制御に入り、可変速型発電電動機611への入力電力を+P2まで減じる。また、可変速型発電電動機612に接続されたポンプ水車ランナ614は揚水運転を継続させる。 【0042】時刻T2において、可変速型発電電動機611を電力系統609より解列するが、前述の図5に示した、揚水システム構成を備えることにより、この時可変速型発電電動機611への入力電力は+P2から零に瞬時に変化させることが可能になる。この変化によって電力系統609に与える電力衝撃が同様に前述の図7に示した、発電システム構成を備えることにより可変速型発電電動機612のもつステップ応答による入出力変動の許容範囲内、もしくは電力系統17がもつ電力動揺の許容範囲内であることを合計電力監視システム615にて監視及び確認する。 【0043】時刻T2において、可変速型発電電動機611は開閉器606を開いて電力系統609より解列させる。次に、電力系統609より解列した可変速型発電電動機611の発電運転準備を開始させる。時刻T3に開閉器606を閉じて電力系統609に並列し発電運転させ、発電出力を−P7まで次第に増加させる。 【0044】時刻T5において、可変速型発電電動機612及びポンプ水車614を揚水運転の停止制御に入る。 【0045】時刻T6において、可変速型発電電動機612を電力系統609より解列するが、この時可変速型発電電動機612への入力電力は+P5から零に瞬時に変化する。この変化によって電力系統609に与える電力衝撃が、可変速型発電電動機611のもつステップ応答による入出力変動の許容範囲内、もしくは電力系統609がもつ電力動揺の許容範囲内であることを合計電力監視システム615にて監視及び確認する。 【0046】時刻T6において、可変速型発電電動機612は開閉器607を開いて電力系統609より解列させる。 【0047】上述したように可変速型発電電動機611及び612の運転制御を行った場合、各可変速型発電電動機の合計電力は図9(C)になり、時刻T4までが揚水運転であり、時刻T4以降は発電運転となる。従って、揚水発電所全体としては揚水運転から発電運転への運転切り替えを連続的に行うことが可能となる。 【0048】以上の実施例は、2台の可変速型発電電動機の入出力合計電力が図9(C)に示すように時刻T1からT6まで一次関数的に変化するよう2台の可変速型発電電動機の運転制御を行っているが、図11(A)に示すように入出力合計電力が時間に対して連続であればよい。または、図11(B)に示すように、時刻Tにおいて入出力合計電力が不連続であっても、時刻Tにおける電力系統のもつ許容され得る電力動揺範囲内であればよい。 【0049】また、上述した実施例では可変速型発電電動機に接続されたポンプ水車を2台具備した揚水発電所に適用したものであったが、可変速型発電電動機に接続するポンプ水車を少なくとも2台具備している3台以上のポンプ水車を具備する揚水発電所に適用することもできる。 【0050】さらに、複数台のポンプ水車のうち、1台を可変速型発電電動機を用いたポンプ水車とし、他のポンプ水車を同期器を用いた定速機で構成しても本発明を適用することが可能である。 【0051】そして、上述した実施例では可変速型発電電動機として、二次巻線を電力変換器で交流励磁する可変速型発電電動機を用いて説明したが、一次巻線と電力系統の間に電力変換器を有する可変速型発電電動機を用いても本発明を適用することは可能である。 【0052】 【発明の効果】本発明によれば、ポンプ水車が揚水運転を停止させる時、停止していた他のポンプ水車を発電運転させ、その発電出力と停止させるポンプ水車の入力との合計電力を零に制御しながら電力系統から解列するので、電力系統に衝撃を与えない安定した揚水運転停止が可能になる。 【0053】また、本発明によれば、同じ電力系統に接続された複数台の可変速型発電電動機の入出力合計電力が時間に対して連続に変化するように、もしくは入出力合計電力が時間に対して不連続であっても電力系統のもつ許容され得る電力動揺範囲内であるように各々の可変速型発電電動機の運転を制御するので、電力系統の安定運用が可能になるという効果がある。 【0054】さらに、本発明によれば、同じ電力系統に接続された複数台の可変速型発電電動機の入出力合計電力が時間に対して連続に変化することを可能にしているので、発電所から電力系統への入出力電力を入力電力状態から出力電力状態へと急速に変化させることが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000213297 【氏名又は名称】中部電力株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月27日(2000.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−271736(P2001−271736A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−90694(P2000−90694) |
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