| 【発明の名称】 |
水力発電所の案内羽根開閉装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 和夫
【氏名】菅井 博
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、電動源として電動サーボモータを使用した水力発電所の案内羽根開閉装置において、電動サーボモータの非同期状態を改善することにある。
【解決手段】本発明の案内羽根開閉装置は、案内羽根とリンク機構を介して連結されたガイドリングに、個別に連結された複数台の電動サーボモータを同期させ、動作させる為の同期制御回路を前記電動サーボモータの制御回路に設けることにある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水力発電所の流量を制御する案内羽根をリンク機構を介してガイドリングに取付け、ガイドリングを回動して案内羽根を開閉する電動サーボモータをガイドリングに取付け、電動サーボモータの駆動を制御する制御回路を有する案内羽根開閉装置において、上記ガイドリングに複数台の電動サーボモータを取付け、上記複数台の電動サーボモータの出力値を同期制御する同期制御回路を、上記制御回路に設けることを特徴とする水力発電所の案内羽根開閉装置。 【請求項2】水力発電所の流量を制御する案内羽根をリンク機構を介してガイドリングに取付け、ガイドリングを回動して案内羽根を開閉する電動サーボモータをガイドリングに取付け、電動サーボモータの駆動を制御する制御回路を有する案内羽根開閉装置において、上記複数台の電動サーボモータの電機子電流又は回転子の回転速度の平均値又は予め設定された電機子電流の比率に対し、その偏差が予め設定された偏差量を超えた場合、あるいは上記偏差量の条件に電動サーボモータの台数,継続時間,回転数の条件を加味しその条件が成立した場合、水力発電時の案内羽根を閉側あるいは現状開度保持に電動サーボモータを制御する保護回路を設けることを特徴とする水力発電所の案内羽根開閉装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動サーボモータを駆動源とした水力発電所の案内羽根開閉装置に係り、特に複数台の電動サーボモータにて案内羽根を操作するのに好適な水力発電所の案内羽根開閉装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の装置は、実開昭61−29983 号公報に記載のように、電動サーボモータを用いた案内羽根開閉装置について提案されているが、複数台の電動サーボモータを用いることおよびそれらを同期制御させることについては提案されてなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来技術は、複数台の電動サーボモータを同期制御する点について配慮がなされておらず、案内羽根を複数台の電動サーボモータにて操作した場合、案内羽根を操作する時に過渡状態において、電動サーボモータが非同期の為、案内羽根の操作力を計画通りに各電動サーボモータに分散することができず、電動サーボモータが過負荷現象を発生すると言う問題があった。従って、従来技術では案内羽根を複数台の電動サーボモータにて操作することは不可能であった。 【0004】本発明の目的は、複数台の電動サーボモータを同期制御し、計画通りに案内羽根の操作力を各電動サーボモータに分散する水力発電所の案内羽根開閉装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に、本発明の案内羽根開閉装置は、案内羽根とリンク機構を介して連結されたガイドリングに、個別に連結された複数台の電動サーボモータを同期させ、動作させる為の同期制御回路を前記電動サーボモータの制御回路に設けることにある。 【0006】又、電動サーボモータの同期化に必要な要素は、電動サーボモータの出力トルク及び速度である。ここで、前記電動サーボモータの出力トルクは電機子電流によって決定されるものであり、速度は回転子の回転速度で決定されるから、各々電動サーボモータの電機子電流および回転子の回転速度を検出し、電機子電流に関しては平均値あるいは予め設定された比率との偏差を、回転子の回転速度に関しては平均値との偏差を各電動サーボモータへ補正させる同期制御回路とした。 【0007】尚、速度に関しては最終的に加速トルクすなわち電機子電流に置きかえることができるので電機子電流だけの補正でも本目的を達成することはできる。 【0008】更に、前記電動サーボモータの同期制御が正常に動作しなかった場合、電動サーボモータの過負荷現象,焼損などの故障を発生させ水力発電所の案内羽根が制御不能といった重大事故に発展する可能性が大であることから、同期化の要素である前記電機子電流の偏差,回転子回転速度の偏差を監視をし異常が発見された場合、水力発電所の運用上、安全な方向へ案内羽根を制御する保護回路を設けた。 【0009】水力発電時の案内羽根とリンク機構を介して連結されたガイドリングに複数台の電動サーボモータが個別に連結され案内羽根開閉装置において、同期制御回路は、電動サーボモータの各々の動作状態量、すなわち電動サーボモータの出力トルクと動作速度を電機子電流あるいは電機子電流と回転子の回転速度を検出することにより把握する。続いて、電機子電流の平均値あるいは比率および回転子の回転速度の平均値と各電動サーボモータの検出値との偏差が非同期成分であることから、この偏差量を打ち消す方向に補正信号を出力するので、複数台の電動サーボモータは案内羽根の操作力をほぼ均等あるいは予め設定された比率で分担し、さらに動作速度もほぼ同一に制御する複数台の電動サーボモータの同期制御が可能となる。 【0010】一方、電機子電流あるいは回転子の回転速度の偏差が予め設定された偏差量を超えた場合、複数台の電動サーボモータの同期制御がくずれ出力トルク,動作速度にアンバランスが発生していると判断し、水力発電所運用上最も安全な方向、すなわち案内羽根を閉側あるいは現状開度保持する様電動サーボモータの制御回路に指令を発するので、万一複数台の電動サーボモータの動作が非同期に陥っても水力発電所の重大事故を未然に防止することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1を用いて同一仕様の2台の電動サーボモータを用いた案内羽根開閉装置について説明する。 【0012】案内羽根1とリンク機構2を介し連結されたガイドリング3に個別に2台の電動サーボモータ4及び5が連絡されている。これらの電動サーボモータの動作状態検出信号6及び7は、前記電動サーボモータの制御回路10へ取り込まれると同時に、同期制御回路8へ取り込まれる。ここで、動作状態検出信号6及び7は電動サーボモータ4及び5の電機子電流及び回転子の回転速度信号から構成されている。 【0013】同期制御回路8では、取り込まれた動作状態検出信号6及び7より、電動サーボモータ4及び5の両者の電機子電流及び回転子の回転速度の偏差を求め、偏差を消滅させるのに必要な補正信号9を制御回路10へ出力する。制御回路10では、補正信号9を加味した電動サーボモータ4及び5の制御信号11及び12を出力する。 【0014】これにより、両電動サーボモータ4,5の非同期要素を消滅させることができるので、電動サーボモータの出力トルク及び動作速度とも同期制御が可能となり、案内羽根1の操作力を分散したことによる電動サーボモータの過負荷現象等の問題を防止することができる。 【0015】さらに、同期制御回路8の一実施例を図2,図3を用いて説明する。 【0016】図2は速度指令を入力信号した電動サーボモータ4,5の速度制御ループの一例であり、複数台制御とした場合は、速度制御ループが台数分速度入力信号20に並列に接続される。速度入力信号20と回転子の回転速度帰還利得30を介し帰還された速度帰還信号との偏差が速度利得21を通し増幅される。この速度偏差信号は加え合せ点23にて電機子電流の帰還利得29を介し帰還された電流帰還信号との偏差が演算される。すなわち、速度偏差が電流偏差に変換されたものであります。電流偏差は電流利得24を介し電動サーボモータ4の電機子26に供給され、トルク利得27を介して電動サーボモータ4の出力トルクあるいは加速トルクとして作用する。ここで、回転子が回転すれば回転速度に比例した逆起電圧が電機子に発生し、逆起電圧利得31を介し電機子26への電流入力部に帰還される。 【0017】更に、電動サーボモータ4の出力トルクあるいは加速トルクは、外力と付合せられその偏差が電動サーボモータ4の動作としてパワーシリンダーより出力される。尚、他方の電動サーボモータ5については、上述電動サーボモータ4の同期制御回路と同構造なので、たとえば電機子26′のように附して、説明を省略する。 【0018】この様な電動サーボモータの制御回路において、図3に示す加算器32,除算器33からなる同期制御回路を付加した。すなわち、本発明では、各電動サーボモータ4,5の電機子電流帰還信号が加算器32により加算され、全電動サーボモータ4,5の電機子電流の総和が求められる。電機子電流の総和は、静的に見れば電動サーボモータ4,5の出力トルクに比例するものである。言い換えれば、案内羽根1の操作力であると考えることができる。従って、電機子電流の総和を除算器33にて1/n(n;電動サーボモータの台数)すれば、電機子電流の平均値すなわち1台当りの電動サーボモータ4,5が出力すべきトルクを求めることができる。このようにして求めた電機子電流の平均値と現状流れている電機子電流との偏差を加え合せ点34にて求め、この偏差を速度利得21を介し入力された速度偏差信号に加え合せ点22で加算することにより、電機子電流を前記平均値に補正することができる。この結果、複数台の電動サーボモータ4,5は案内羽根1の操作力をほぼ均等又は予め設定された比率で分担し、一方の電動サーボモータのみで負担する過負荷現象を防止できる。このため、電動サーボモータの寿命を長くしたり、或いは容量の小さい電動サーボモータを使用できるようになったので、案内羽根開閉装置を小型化できる。 【0019】一方、図4は、加算器37,除算器38からなる回転子の回転速度補正を行う同期制御回路を付加したものである。すなわち、本発明では、各電動サーボモータ4,5の回転子の回転速度が加算器37により加算され、さらに除算器38により1/n(n;電動サーボモータの台数)されるので、各電動サーボモータ4,5の回転子の回転速度の平均値が求められる。平均値と回転子の回転速度との偏差量が電動サーボモータ動作速度の非同期量と考えることができるので、回転子の回転速度の平均値に対する各電動サーボモータ4,5の偏差量を補正すれば、全電動サーボモータの動作速度を同期化することができる。従って、本発明では、除算器38の出力すなわち平均値と回転子の回転速度帰還利得30を介して、速度帰還信号との偏差量を加え合せ点39にて演算し、速度入力信号20に加え合せ点36にて加算し、補正することにより達成している。 【0020】さらに、図5に示す様に、電動サーボモータの電機子電流の平均値と各電動サーボモータの電機子電流との偏差量(加え合せ点34出力)を監視する比較器40と、電動サーボモータの回転子の回転速度平均値と各電動サーボモータの回転子の回転速度との偏差量(加え合せ点39出力)を監視する比較器41を設け、前記電流偏差量あるいは回転速度偏差が予め設定された偏差量を超えた場合、電動サーボモータの制御回路10が各水力発電所の運用に見合った状態、すなわち案内羽根を閉操作あるいは現状開度保持する制御を行う制御指令を、比較器40あるいは41より電動サーボモータの制御回路10へ出力する。この保護方法により非同期量が過大となった場合でも、水力発電所を安全な方向に導くことができる。尚、比較器40あるいは41の出力条件に時間要素,積算回路等を付加できることは当然のことである。 【0021】ここで、同期制御回路において、電機子電流の補正と回転子回転速度の補正を組合せた同期制御回路としても何ら問題はない。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、水力発電所の案内羽根を複数台の電動サーボモータにて操作する場合において、複数台の電動サーボモータの同期制御が可能となり、案内羽根の操作力を計画通りに分散することができ、電動サーボモータ非同期による過負荷現象を防止することができるので、案内羽根開閉装置を小型化できる。 【0023】また、各電動サーボモータの非同期量を監視し、予め設定された非同期量を超えた場合、電動サーボモータの制御回路に適切な制御指令を出力する保護方法を取っているので、電動サーボモータの同期制御回路が故障しても、過負荷現象を未然に防止できると同時に、水力発電所も運用に見合った安全方向に導くことができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成1年11月15日(1989.11.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−271734(P2001−271734A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−41095(P2001−41095) |
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