トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構
【発明者】 【氏名】磯島 宏明

【要約】 【課題】調速レバー等との干渉を回避し、点火プラグの点検作業が容易で、エンジンの組立性を改善できる点火用高圧コードの配線機構を提供する。

【解決手段】クランクケース(1)の上面から傾斜シリンダブロック(3)の上面にかけて遠心式ガバナ(10)の調速操作レバー(11)と揺動アーム(12)とを配置し、上記クランクケース(1)の一側面にファンカバー(18)を設け、当該クランクケース(1)の上側に燃料タンク(23)を付設配置して傾斜エンジンを構成する。上記ファンカバー(18)用のカバー組付壁(8)より点火用高圧コード(26)を導出し、この点火用高圧コード(26)を上記調速レバー(11)と揺動アーム(12)とを迂回させてクランクケース(1)と燃料タンク(23)との空間に通し、その先端装着部(26a)を点火プラグ(27)に接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランクケース(1)の上面から傾斜シリンダブロック(3)の上面にかけて遠心式ガバナ(10)の調速操作レバー(11)と揺動アーム(12)とを配置し、上記クランクケース(1)の一側面にファンカバー(18)を設けるとともに、当該クランクケース(1)の上側に燃料タンク(23)を付設配置して構成した傾斜エンジンにおいて、上記ファンカバー(18)用のカバー組付壁(8)より点火用高圧コード(26)を導出し、この点火用高圧コード(26)を上記調速レバー(11)と揺動アーム(12)とを迂回させて上記クランクケース(1)と燃料タンク(23)との空間に通し、その先端装着部(26a)を点火プラグ(27)に接続した、ことを特徴とする傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構。
【請求項2】 請求項1に記載した傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構において、上記傾斜シリンダブロック(3)の上面に導風カバー(30)を設け、この導風カバー(30)に装着したコードクランプ(35)で上記点火用高圧コード(26)を支持することにより、当該点火用高圧コード(26)が上記揺動アーム(12)を跨ぐようにした、ことを特徴とする点火用高圧コードの配線機構。
【請求項3】 請求項2に記載した傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構において、上記導風カバー(30)のクランプ着座面(31)に形成した一対の規制突起(32・32)により、上記コードクランプ(35)の組付方向を規制した、ことを特徴とする点火用高圧コードの配線機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構に関し、特に点火プラグに接続される点火用高圧コードの配線機構に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明が適用される傾斜エンジン(E)は、例えば図5に示すように、クランクケース(1)の上面から傾斜シリンダブロックの上面にかけて遠心式ガバナ(10)の調速操作レバー(11)と揺動アーム(12)とを配置し、上記クランクケース(1)の一側面にファンカバー(18)を設けるとともに、当該クランクケース(1)の上側に燃料タンク(23)を配置して構成されている。ここで図5は従来例に係る傾斜エンジンの平面図であり、この傾斜エンジンの上側に付設配置された燃料タンク(23)と排気マフラー(24)とを取り除いた状態を示す。
【0003】上記ファンカバー(18)内には、図示しないフライホィールファンと点火装置を構成するイグナイタが収容されており、上記イグナイタから点火用高圧コード(26)が導出されている。この点火用高圧コード(26)は、図5中の仮想線で示すように、上記ファンカバー(18)からシリンダヘツド(3)寄りに導出され、上記遠心式ガバナ(10)の調速レバー(11)や揺動アーム(12)との干渉を回避しつつ、最短距離で点火プラグに接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例に係る上記配線機構によれば、ファンカバー(18)からシリンダヘツド(3)寄りに導出された点火用高圧コード(26)が、遠心式ガバナ(10)の調速レバー(11)や揺動アーム(12)との干渉を回避しつつ、最短距離で点火プラグに接続されており、その配線寸法に余裕がないため、点火プラグの火花チェック等の点検作業が困難でエンジンの組立性も良くない。この場合において、点火用高圧コード(26)の配線寸法に余裕を持たせると、弛みが生じて調速レバー(11)や揺動アーム(12)と干渉する。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、調速レバーや揺動アームとの干渉を回避しつつ、点火プラグの点検作業が容易で、エンジンの組立性を改善できる傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る傾斜エンジンの点火用高圧コード配線機構は以下のように構成される。即ち、請求項1に記載の発明は、クランクケース(1)の上面から傾斜シリンダブロック(3)の上面にかけて遠心式ガバナ(10)の調速操作レバー(11)と揺動アーム(12)とを配置し、上記クランクケース(1)の一側面にファンカバー(18)を設けるとともに、当該クランクケース(1)の上側に燃料タンク(23)を付設配置して構成(以下、これを「基本構成」という)した傾斜エンジンにおいて、上記ファンカバー(18)用のカバー組付壁(8)より点火用高圧コード(26)を導出し、この点火用高圧コード(26)を上記調速レバー(11)と揺動アーム(12)とを迂回させて上記クランクケース(1)と燃料タンク(23)との空間に通し、その先端装着部(26a)を点火プラグ(27)に接続した、ことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構において、上記傾斜シリンダブロック(3)の上面に導風カバー(30)を設け、この導風カバー(30)に装着したコードクランプ(35)で上記点火用高圧コード(26)を支持することにより、当該点火用高圧コード(26)が上記揺動アーム(12)を跨ぐようにしたことを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載した傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構において、上記導風カバー(30)のクランプ着座面(31)に形成した一対の規制突起(32・32)により、上記コードクランプ(35)の組付方向を規制した、ことを特徴とする。
【0009】
【発明の作用・効果】請求項1に記載の発明では、前記基本構成を備える傾斜エンジンにおいて、ファンカバー(18)用のカバー組付壁(8)より点火用高圧コード(26)を導出し、この点火用高圧コード(26)を上記調速レバー(11)と揺動アーム(12)とを迂回させて上記クランクケース(1)と燃料タンク(23)との空間に通し、その先端装着部(26a)を点火プラグ(27)に接続したことから、調速レバーや揺動アームとの干渉を回避しつつ、その配線寸法に余裕を持たせることができる。これにより、点火プラグの点検作業が容易で、エンジンの組立性も改善できる。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載した傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構において、上記傾斜シリンダブロック(3)の上面に導風カバー(30)を設け、この導風カバー(30)上に装着したコードクランプ(35)で上記点火用高圧コード(26)を支持することにより、当該点火用高圧コード(26)が上記揺動アーム(12)を跨ぐようにしたことから、当該点火用高圧コード(26)を導風カバー(30)で保護してその熱耐久性を高めつつ、上記揺動アーム(12)との干渉を確実に回避することができる。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記載した傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構において、上記導風カバー(30)のクランプ着座面(31)に形成した一対の規制突起(32・32)により、上記コードクランプ(35)の組付方向を規制したことから、このコードクランプ(35)により支持される点火用高圧コード(26)は、その配線寸法に余裕を持ちながらも、その配線姿勢が一定の方向に規制され、その配線姿勢の崩れもなくなる。これにより、上記揺動アーム等との干渉を確実に回避することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る傾斜エンジンの平面図で、この傾斜エンジンの上側に付設配置した燃料タンクと排気マフラーとを取り除いた状態を示す。図2はその傾斜エンジンの正面図である。この傾斜エンジン(E)は、従来例と同様の基本構成を備える。
【0013】即ち、この傾斜エンジン(E)は、図1及び図2に示すように、クランクケース(1)の上面から傾斜シリンダブロック(3)の上面にかけて遠心式ガバナ(10)を構成する調速操作レバー(11)及び揺動アーム(12)を配置し、上記クランクケース(1)の一側面にファンカバー(18)を設け、当該クランクケース(1)の上側に燃料タンク(23)を付設配置し、上記傾斜シリンダブロック(3)、シリンダヘッド(4)及びヘッドカバー(5)の上側に排気マフラー(24)を付設配置して構成されている。
【0014】上記シリンダヘッド(4)の前側面には排気ダクト(6)が延出され、これに上記排気マフラー(24)が接続されている。また、当該シリンダヘッド(4)の後側面から吸気ダクト(7)が延出され、これにエアクリーナ(17)が接続されている。上記遠心式ガバナ(10)の調速操作レバー(11)と揺動アーム(12)との間にはガバナスプリング(13)が架着され、上記揺動アーム(12)の先端部と上記吸気ダクト(7)に設けられたスロットル回動アーム(15)とは連結ロツド(14)で連結されている。
【0015】上記クランクケース(1)の前面にはギヤケース(2)が設けられ、このギヤケース(2)より動力取出軸(9)が突出されている。また、当該クランクケース(1)の後面にはカバー組付壁(8)が一体に形成され、これにファンカバー(18)が組み付けられている。このファンカバー(18)には手動式のリコイルスタータ(20)が組み付けられ、上記ファンカバー(18)内には、点火装置を構成する図外のイグナイタやフライホィールファンが収容されている、そして上記イグナイタの点火用高圧コード(26)は、上記カバー組付壁(8)にあけたコード孔(8a)から導出されている。
【0016】以下、本発明の特徴をなす傾斜エンジンの点火用高圧コードの配線機構について説明する。ここで図3は本発明の一実施形態に係るコードクランプを示し、図3(A)はそのコードクランプの要部を縦断した正面図、図3(B)はそのコードクランプの側面図である。また、図4は本発明の実施形態に係る導風カバーを示し、図4(A)はその導風カバーの平面図、図4(B)はその導風カバーの正面図である。
【0017】上記ファンカバー(18)のカバー組付壁(8)より導出された上記点火用高圧コード(26)は、図1〜図4に示すように、上記調速操作レバー(11)と揺動アーム(12)とを迂回させて上記クランクケース(1)と燃料タンク(23)との空間に通し、その先端装着部(26a)を上記シリンダヘッド(4)の上面に設けた点火プラグ(27)に導電連結してある。これは、上記点火用高圧コード(26)が調速操作レバー(11)や揺動アーム(12)と干渉するのを回避しつつ、その配線寸法に余裕を持たせることにより、点火プラグ(27)の点検作業が容易で、エンジンの組立性をも改善することを意図したものである。
【0018】上記傾斜シリンダブロック(3)の上面には耐熱・合成樹脂製の導風カバー(30)が設けられ、この導風カバー(30)上面の手前寄りにコードクランプ(35)が装着され、このコードクランプ(35)で上記点火用高圧コード(26)を支持することにより、当該点火用高圧コード(26)が上記揺動アーム(12)を跨ぐように構成されている。これは、当該点火用高圧コード(26)を導風カバー(30)で保護してその熱耐久性を高めつつ、上記揺動アーム(12)との干渉を確実に回避することを意図したものである。
【0019】上記コードクランプ(35)は、図3(A)(B)に示すように、上記点火用高圧コード(26)を挿通するリング部(36)と、そのリング部(36)から下方へ一体で左右対象に延出された一対のスカート部(37)と、各スカート部(37)と一体に下方へ延出された一対の脚部(38)と、上記各脚部(38)の各下端を折り返して形成された抜止部(39)とを備え、上記導風カバー(30)のクランプ着座面(31)にあけた脚挿入孔(33)に上記脚部(38)を挿入して抜け止めされる。なお、上記一対の脚部(38)の間には、上記抜止部(39)がすぼまるように窄まり隙間(S)が設けられている。
【0020】また、上記導風カバー(30)のクランプ着座面(31)には、図3及び図4に示すように、一対の規制突起(32)(32)が形成されており、この規制突起(32)(32)の間に一方のスカート部(37)の下端部を位置させることにより、上記コードクランプ(35)の組付方向を規制するように構成されている。これは、上記コードクランプ(35)により支持される点火用高圧コード(26)の配線姿勢を一定の方向に規制して、その配線姿勢の崩れを防止することを意図したものである。これにより、点火用高圧コード(26)の配線寸法に余裕を持たせながら、上記揺動アーム(12)等との干渉を確実に回避することができる。
【0021】上記の実施形態では、点火用高圧コード(26)の中間部の一箇所をコードクランプ(35)で支持したものについて例示したが、これに限定されるものではなく、点火用高圧コード(26)の複数箇所を支持しても差し支えない。また、コードクランプの具体的な形態についても、種々の設計変更を施すことが可能である。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100068892
【弁理士】
【氏名又は名称】北谷 寿一
【公開番号】 特開2001−355561(P2001−355561A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2000−172846(P2000−172846)