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【発明の名称】 自動車の点火系配線構造
【発明者】 【氏名】丹野 史朗

【氏名】山口 正幸

【氏名】薄田 新一

【氏名】近藤 康博

【要約】 【課題】整然化された構成を有し、スペースファクター上も好ましい構成の自動車の点火系配線構造を提供する。

【解決手段】エンジンカバー2の表面に溝部3を形成し、この溝部3内にフラット型電線4を収容するとともに、フラット型電線4の所定の個所に点火プラグ13および点火用電源に接続するための接続プラグ10および12を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】点火プラグと点火用電源の間を接続する自動車の点火系配線構造において、エンジンの上部に設けられたエンジンカバーの表面に溝部を形成し、前記溝部内にフラット型電線を収容し、前記フラット型電線の所定の個所に前記点火プラグおよび前記点火用電源に接続するための接続プラグをそれぞれ形成したことを特徴とする自動車の点火系配線構造。
【請求項2】前記溝部内に収容された前記フラット型電線は、その上部を、金属あるいは磁性材料等より構成される遮蔽層によって覆われていることを特徴とする請求項1項記載の自動車の点火系配線構造。
【請求項3】前記フラット型電線は、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリエステル、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン等の耐熱性ポリマによって絶縁されていることを特徴とする請求項1項記載の自動車の点火系配線構造。
【請求項4】前記エンジンカバーは、その所定の個所に、点火系システムに接続されるセンサ群用配線あるいはコンピュータに接続される制御用配線等を中継するための統轄中継端子部が一体に設けられていることを特徴とする請求項1項記載の自動車の点火系配線構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の点火系配線構造に関し、特に、整然化された構成を有し、スペースファクタ的に好ましい構成の点火系配線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジン周辺においては、イグニッションコイル、ディストリビュータ、プラグコード、点火プラグ用の各コードが配線され、コンピュータ制御によるエンジンコントロールユニットによる点火時期の制御が行われる。高電圧が加えられる点火プラグコード(ハイテンションコード)は、気筒毎に配線され、一方、ガソリンを噴射するインジェクターシステム(FFIあるいはEGI)およびコンピュータ制御系の配線もエンジンの周辺に集中して配線される。
【0003】このように、エンジン周辺における点火系配線を含めた配線コード類は数多く、従って、限られたスペースのエンジン周辺においては、これらのコード類をどのような形態で配線し、コンパクトな状態に収めるかが重要な事柄となり、そのための対策が講じられてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の自動車の点火系配線構造によると、バッテリー電源から各エンジン気筒へと複数のコードをそれぞれの空間のもとにフリーに配線するのを基本構成としているため、煩雑さの傾向が免れないとともに、スペースファクター的にも必ずしも充分な検討が行われているとは言い難いのが実情である。
【0005】従って、本発明の目的は、整然化された構成を有し、スペースファクター上も好ましい構成の自動車の点火系配線構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するため、点火プラグと点火用電源の間を接続する自動車の点火系配線構造において、エンジンの上部に設けられたエンジンカバーの表面に溝部を形成し、前記溝部内にフラット型電線を収容し、前記フラット型電線の所定の個所に前記点火プラグおよび前記点火用電源に接続するための接続プラグをそれぞれ形成したことを特徴とする自動車の点火系配線構造を提供するものである。
【0007】エンジンカバーの溝部内に収容されたフラット型電線の上部には、点火によるノイズ信号の外部発信を防ぐために、銅、鉄、SUS等の金属、あるいは磁性体より構成される遮蔽層を設けることが好ましい。磁性体製の遮蔽層としては、たとえば、酸化鉄粉末等を混入した樹脂シートの使用が好適である。
【0008】フラット型電線としては、エンジンの上部に配線される関係から耐熱性を有していることが好ましく、具体的には、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリエステル、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン等の耐熱性ポリマによって絶縁されたものが使用される。
【0009】エンジンカバーには、その所定の個所に、点火系システムに接続されるセンサ群用配線あるいはコンピュータに接続される制御用配線等を中継するための統轄中継端子部を一体に設けておくことが好ましく、この中継端子部の形成は、エンジンカバーの内外部間の配線を整然化するうえで有効となる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明による自動車の点火系配線構造の実施の形態を説明する。図1において、1はエンジン、2はエンジン1の上部に設けられたエンジンカバー(ロッカーカバー)、3はカバー2の表面に所定のパターンに形成された溝部、4は溝部3内に収容されて配線されたフラット型電線を示し、並列に配置された複数の導体5と、これらを上下よりラミネートした絶縁材6より構成されている。
【0011】図2の(a)は、図1のA−A断面図を示す。複数の導体5をポリイミド等の絶縁材6でラミネートすることによって構成されたフラット型電線4は、エンジンカバー2の溝部3に収容され、その上部を溝部3に嵌合させた金属遮蔽層7によって覆われている。この金属遮蔽層7の形成は、点火プラグの作動毎にフラット型電線4から外部へ発信されるノイズ信号を抑制するのに有効であり、多くの場合に採用される。
【0012】図2の(b)〜(e)は、フラット型電線4の他の形態例を示したもので、(b)は、それぞれに複数の導体を並列させた導体群5aおよび5bを絶縁材6aを介して上下に積層し、これらを絶縁材6によって上下から絶縁したマルチジョイナーフレーム形式のフラット型電線を示し、導体数を多く確保できる利点を有する。(c)は、所定の位置に分岐部5cを有する平板状の導体5を絶縁材6で上下よりラミネートしたパワーブスタイプのフラット型電線を示し、機器への組み込みおよび接続作業の容易さを有している。
【0013】(d)は、板状の導体5を屈曲させて配線し、導体5の所定の個所に絶縁材6による導体把持用穴8を形成したものであり、さらに、(e)は、両端に端子部9を有して絶縁した導体5を所定の形状に屈曲させたジャンパーワイヤー形式のフラット型電線を示す。いずれも、導体5を溝部3の形成パターンに合わせられる特質を有している。その他、フラット型電線としては、複数の絶縁線心を並列させて線心相互間の被覆同士を熱融着させたリボンタイプのもの等も適用可能であり、様々なバリエーションを持たせて構成することができる。
【0014】図1において、10は点火プラグに接続するためにフラット型電線4の所定の個所に形成された第1の接続プラグを示し、エンジンカバー2に設けられた、点火プラグを取り付けるための孔部11に隣接して形成されており、孔部11は、エンジン1の気筒数に応じて各気筒の位置に配置されている。12はバッテリー電源との接続のためにフラット型電線4の他の所定の個所に設けられた第2の接続プラグを示し、矢印Dより電源側のプラグ(図示せず)がオスメス係合により組み合わされる。
【0015】図3の(a)は、図1において孔部11に点火プラグを取り付けたときのB−B断面図を示したもので、13は点火プラグ、14はそのペンシルコイル部、15はイグニッションコイル部を示し、その先端には、スパーク部が設けられている。16は第1のプラグ10の接続穴17に挿入されることによってフラット型電線4の導体5に接続されたペンシルコイル部14の接続子を示す。
【0016】図3の(b)は、図1に符号18によって示した統轄中継端子部のc−c断面図を示したもので、この中継端子部18は、エンジンカバー2と一体にモールドされており、エンジン1の冷却水の温度を検出してシリンダー温度が適正かどうかを監視する温度センサ、あるいは排気ガスの酸素濃度を検出して空燃比を知る酸素センサ等からのセンサ用リード線19が導入され、これらがリード線20によって一括引き出された構成を有する。リード線20は、エンジンコントロールシステムに接続される。このようにエンジンカバー2に統轄中継端子部18を一体に取り付けるときには、エンジンカバー2の内外部間の配線を整然化するうえで有効となる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による自動車の点火系配線構造によれば、必要な数の導体を有したフラット型電線をエンジンカバーに設けられた溝部内に収容して所定の配線を行うため、点火系の配線が整然化するとともに、溝部に収容される電線の形状がフラット型であるために全体として限られたスペースに適したスペースファクタの良好な配線とすることができ、また、フラット型電線の所定の個所に接続プラグが形成されているので、点火プラグおよび電源への接続が容易であり、これによる整然化の効果も確保することができる。さらに、溝部内に収容された電線の上部を金属等の遮蔽層によって覆う場合には、外部へのノイズ発信のない実際的な配線構造を構成できるなど、高い応用性も有している。
【出願人】 【識別番号】000005120
【氏名又は名称】日立電線株式会社
【出願日】 平成12年6月12日(2000.6.12)
【代理人】 【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
【公開番号】 特開2001−355560(P2001−355560A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2000−175931(P2000−175931)