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【発明の名称】 内燃機関用点火コイル
【発明者】 【氏名】村田 滋身

【氏名】小岩 満

【要約】 【課題】従来の点火コイルに比べて高さ、幅ともに小型化として、従来複数あった機種を1機種で代用できるとともにさらに高さも幅も制約を受けるさらに厳しいレイアウトの内燃機関に対しても装着が可能となり、以て、製品種類の低減によりケース等の金型種の低減と設備等の投資を抑えつつ製造時の段取り代えの工数も低減ができ、さらに一機種当たりの生産数を大幅に増やし、コストを大きく低減することができる内燃機関用点火コイルを得る。

【解決手段】内燃機関の点火プラグ軸線と直交する軸線を有し、周囲に一次巻線2を巻回した鉄芯1の励磁部1bと、励磁部1bの軸線に垂直に励磁部1bの端部に配置され、一次巻線2に流れる一次電流を通電、遮断するスイッチングユニット4とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関の点火プラグ軸線と直交する軸線を有し、周囲に一次巻線を巻回した鉄芯の励磁部と、該励磁部の軸線に垂直に該励磁部の端部に配置され、上記一次巻線に流れる一次電流を通電、遮断するスイッチングユニットとを備えたことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
【請求項2】 上記鉄芯の断面積は50平方ミリメートル以上であることをことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項3】 上記励磁部と上記スイッチングユニットを内蔵するケースを備え、該ケースの上記励磁部軸線方向の長さが60mm未満であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項4】 上記鉄芯の素材は上記励磁部の軸線の方向に方向性を有する電磁鋼板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項5】 上記スイッチングユニットの素子は7.5A以上の電流にて遮断するスイッチング素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項6】 上記鉄芯はギャップを有する閉磁路鉄芯であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項7】 上記閉磁路鉄芯のギャップは上記励磁部の外に形成されることを特徴とする請求項6記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項8】 上記閉磁路鉄芯の一部で上記励磁部に連結し、該励磁部と上記スイッチングユニットの間に位置し断面積が励磁部断面積と略等しいサイド鉄芯部を備え、該サイド鉄芯部の断面形状が励磁部軸線方向に短い長方形形状であることを特徴とする請求項6または7記載の内燃機関用点火コイル。
【請求項9】 上記鉄芯は開磁路鉄芯であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のエンジンなどの内燃機関の点火プラグに火花放電を生じさせるための内燃機関用点火コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、実用新案登録第3039423号公報に示されている従来の内燃機関用点火コイルを示す断面図である。図において、1は閉磁路を成す鉄芯、1aは閉磁路中に形成されるギャップ、1bは一次巻線2、二次巻線3が周囲に巻回されている鉄芯の励磁部、1cは鉄芯励磁部の軸線である。一次巻線2は一次ボビン2aに巻回され整列されている。二次巻線3は二次ボビン(図示せず)に巻回され整列されている。
【0003】4は励磁部1bと平行に配置されるスイッチングユニットで、内部にはバイポーラトランジスタやIGBTなどのスイッチング素子4aが内蔵されている。一次巻線2とコネクタ5のターミナル5aとは導体6により電気的接続がされている。7は二次巻線3に発生した高電圧を外部に出力する高圧端子である。上記各部品はケース8の内部に配置された後、ケース8の開口部8aより注型樹脂9を真空含浸し、炉内で硬化させ一体化させる。
【0004】図7は、図6にて説明した点火コイルの内燃機関への搭載例を示す図である。図において、10は図6にて説明した点火コイル、11は内燃機関、11aは点火プラグ、11bは点火プラグを内燃機関にねじ込む方向にあたる点火プラグの軸線、10aは点火コイル10に接続されるアダプタで、内部に高電圧を導く導体10bを内蔵しており、プラグホール11c内部に配置され点火コイル10と点火プラグ11aを接続する。点火コイル10は内燃機関の各気筒11dごとに点火プラグの直上に励磁部軸線1cがプラグ軸線11bと直交して配置されている。
【0005】点火コイル10に内蔵された、スイッチングユニット4は、例えば、図8に示すDOHCエンジンのようにカムカバー50の吸、排気用の山の間の狭い隙間に点火コイル10を搭載する場合は、図9に示すように、スイッチングユニット4を励磁部軸線1cと平行に、励磁部1bの上部に配置する。点火コイルの全幅はスイッチングユニット4の寸法を含まぬため最小寸法LWとすることができる。
【0006】次に、図10に示すように、点火コイル10をボンネットフード51の低い車輛の内燃機関に搭載するためにはIGコイルの全高を下げる必要があるため、図11に示すように、スイッチングユニット4を励磁部1bをはさんで鉄芯の対向部1dとは反対側に励磁部軸線1cと平行に配置する。これで点火コイルの全高はスイッチングユニット4の寸法を含まぬため最小寸法LHとすることができる。
【0007】次に、図12を用いて、点火コイルの動作について説明する。エンジンコントロールユニット20から出力される点火信号のON−OFF動作にあわせ、スイッチング素子4aは一次巻線2に一次電流の通電、遮断を繰り返す。一次電流は通電を開始すると、磁気回路のインダクタンスにより、一気に電流は流れ出さず通電時間に比例したほぼ三角波状に電流が増加し、点火信号のOFF動作により一次電流は一気に遮断する。一次巻線2には一次電流の遮断時逆起電力が発生し、二次巻線3には一次巻線2と二次巻線3の巻数比倍の高電圧が発生する。この高電圧は二次巻線3から高圧端子7、アダプタ導体10bを経て、点火プラグ11aに供給される。
【0008】点火プラグ11aの先端には点火コイルより高電圧が印加される中心電極と接地された側方電極が配置され、電極間の混合気が印加高電圧により絶縁破壊すると、放電が開始する。この放電は誘導放電と呼ばれ、点火コイルの一次コイルから注入され磁気回路に蓄積されたエネルギーが点火コイルの出力エネルギーとして内燃機関各気筒内の混合気に注入され、放電経路に火種を形成、成長させ着火する。点火コイルの出力電圧および出力エネルギーは一次電流の遮断電流値にほぼ比例するので、結果的に通電時間にほぼ比例する。
【0009】一次コイル2からの注入されたエネルギーは鉄芯の磁気エネルギーへ変換される過程で、鉄芯1の磁束飽和の制限を受ける。鉄芯1の最大磁束は鉄芯に使用する珪素鋼板等の磁性体の飽和磁束密度×鉄芯の断面積である。現在、特に大きな点火コイルの出力エネルギーを必要としないエンジンにおいて要求されるエネルギーで23mJ程度であり、近年登場してきているリーンバーンエンジンや筒内噴射エンジンで45mJ程度のエネルギーが必要とされている。現状、点火コイルに使用される鉄芯をベースにし検討すると、励磁部の鉄芯の断面積が50平方ミリメートル以上必要であることがわかっている。当面積で23mJのエネルギーが実現できる。
【0010】また、ギャップに一次コイルの励磁方向と逆向きの極性で磁石を配置し、励磁方向と逆方向に鉄芯が飽和した状態から励磁して使用することで2倍のエネルギーを磁気回路に蓄積できるため、45mJ程度のエネルギーを実現できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】点火コイルの軸方向長を決定する主な要素としては一次巻線の巻線長がある。これは図6の寸法L0にあたる。例えば従来例においては、最大仕上り外形が0.5mm程度の一次巻線2を150T程度巻線しているが、巻線は一次ボビン2aにおいて巻き始めと巻き終わりが位置が一致させる必要があるので、かならず2層、4層といった複数層になる。従来の点火コイルでは、2層とし、巻線長L0は0.55mm×(150T/2層)=37.5mmとなり、ケース長L1は45mm程度であることから、90%近くが一次コイルの寸法であることがわかる。
【0012】1500cc程度の乗用車用の内燃機関の気筒間スパンLK(図7)は90mm前後であるので、図6に示す従来の点火コイルを図7に示す状態に搭載すると、ケース長L1+鉄芯取付け部寸法L2:16mm+コネクタ寸法長L3:22mm+コネクタ相手側抜き差し寸法余裕:10mm程度を考えると、まったく余裕が無いことがわかる。
【0013】気筒間スパンの大きいエンジンを仮定し、105mm程度の気筒間スパンLK対応で設計したとしても、ケース長L1は60mm以内に納める必要がある。一次巻線を細くすると巻線長L0は短縮されるが、一次巻線の抵抗値が上昇し、内燃機関の始動時にバッテリーの電圧が低い場合に一次電流が抵抗により制限され、必要な性能を得られるだけの遮断電流が得られぬ場合があり、よって適切な一次巻線径が存在する。
【0014】以上から、各気筒の点火プラグ直上に点火コイルを配置する独立着火システムにおいては、内燃機関の気筒間スパンの制約から、点火コイルの軸方向長に制限が生じ、スイッチングユニット4を内蔵する点火コイルの場合は、内蔵位置を鉄芯の励磁部1bの軸線1cと平行に配置せざるを得ない。
【0015】従来の製品はスイッチング素子4aを内蔵するスイッチングユニット4を鉄芯の励磁部1bの軸線1cと平行に配置するため、図8に示す点火コイルの全幅LWを縮小する必要がある内燃機関レイアウトの場合と図10に示す点火コイルの全高LHを低減する必要がある内燃機関レイアウトの場合とそれぞれに対し、マッチした位置にスイッチングユニット4を配置する、2種類の製品を用意せねばならなかった。これから製品種が増えるためケース等の金型や、多品種に対応する設備等の投資が増え、コストの低減に不利であると言う問題点があった。
【0016】この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、点火コイルの全幅を縮小する必要がある内燃機関レイアウトの場合においても、点火コイルの全高を低減する必要がある内燃機関レイアウトの場合においても1種類の製品において対応できる点火コイルを得、さらに高さも幅も制約を受けるさらに厳しいレイアウトの内燃機関に対しても装着が可能な製品を供することができ、結果的には、製品種類の低減によりケース等の金型種の低減と設備等の投資を抑えつつ製造時の段取り代えの工数も低減ができ、次に一機種当たりの生産数を大幅に増やすことができるので、コストを大きく低減することができる内燃機関用点火コイルを得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る内燃機関用点火コイルは、内燃機関の点火プラグ軸線と直交する軸線を有し、周囲に一次巻線を巻回した鉄芯の励磁部と、該励磁部の軸線に垂直に該励磁部の端部に配置され、上記一次巻線に流れる一次電流を通電、遮断するスイッチングユニットとを備えたものである。
【0018】請求項2の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項1の発明において、上記鉄芯の断面積は50平方ミリメートル以上であるものである。
【0019】請求項3の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項1または2の発明において、上記励磁部と上記スイッチングユニットを内蔵するケースを備え、該ケースの上記励磁部軸線方向の長さが60mm未満であるものである。
【0020】請求項4の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項1〜3のいずれかの発明において、上記鉄芯の素材は上記励磁部の軸線の方向に方向性を有する電磁鋼板であるものである。
【0021】請求項5の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項1〜4のいずれかの発明において、上記スイッチングユニットの素子は7.5A以上の電流にて遮断するスイッチング素子であるものである。
【0022】請求項6の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項1〜5のいずれかの発明において、上記鉄芯はギャップを有する閉磁路鉄芯であるものである。
【0023】請求項7の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項6の発明において、上記閉磁路鉄芯のギャップは上記励磁部の外に形成されるものである。
【0024】請求項8の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項6または7の発明において、上記閉磁路鉄芯の一部で上記励磁部に連結し、該励磁部と上記スイッチングユニットの間に位置し断面積が励磁部断面積と略等しいサイド鉄芯部を備え、該サイド鉄芯部の断面形状が励磁部軸線方向に短い長方形形状であるものである。
【0025】請求項9の発明に係る内燃機関用点火コイルは、請求項1〜5のいずれかの発明において、上記鉄芯は開磁路鉄芯であるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関用点火コイルを示す上視断面図、図2はその側方視断面図である。図1において、1は閉磁路を成す鉄芯、1aは閉磁路中に形成されるギャップ、1bは一次巻線2、二次巻線3が周囲に巻回されている鉄芯の励磁部、1cは鉄芯励磁部の軸線である。鉄芯1は、励磁部の軸線1cの方向に方向性を有する電磁鋼板を素材としている。また、鉄芯1の断面積はここでは50平方ミリメートル以上であり、これにより、エンジンにおいて要求されるエネルギーに対応した点火コイルの出力エネルギーが容易に得られる。ギャップ1aは鉄芯励磁部1bの外に配置され、ギャップ1a中には磁石15が一次コイル2による鉄芯の励磁方向と逆向きの極性となる方向で配置されている。
【0027】1eは閉磁路鉄芯の一部で励磁部1bに連結し、励磁部1bとスイッチングユニット4の間に位置し断面積が励磁部断面積と概略等しく励磁部軸線方向に短い長方形形状であるサイド鉄芯部である。2aは一次巻線2を巻回させ整列させている一次ボビン、3aは二次巻線3を巻回させ整列されている二次ボビン、4は励磁部軸線1cに垂直に、励磁部1bの端部に配置したスイッチングユニットで、内部にはバイポーラトランジスタやIGBTなどのスイッチング素子4aが内蔵されている。このスイッチング素子4aとしては例えば7.5A以上の電流にて遮断するスイッチング素子が用いられる。8は各部品を内蔵するケースである。このケース8の励磁部軸線方向の長さは60mm未満であり、これにより、任意の大きさの気筒間スパンのエンジンに適用できる。
【0028】5はコネクタ、5aはコネクタ5のターミナルであり、一次巻線2とコネクタ5のターミナル5a、スイッチングユニット4の接続端子4b間は、導体6により電気的接続がされている。また、図2において、7は二次巻線3にターミナル3bを介して接続される高圧端子、8bはアダプタ10aと接続されるケース8の一部をなす高圧タワーである。アダプタ10aは絶縁ゴム製で、内部に導体10bを内蔵し、点火プラグ(図示せず)に接続している。9は上記の各部品をケース内で固定、電気的絶縁をする注型樹脂である。なお、本実施の形態1の動作については従来例と同じであるので、その説明を省略する。
【0029】次に、本実施の形態における点火コイルの各部品の作用について説明する。図5に方向性と無方向性それぞれの珪素鋼板における、起磁力と磁束密度の関係を示す。本実施の形態における鉄芯は、励磁部の軸線1cの方向に方向性を有する電磁鋼板を素材としている。これにて無方向の電磁鋼板を用いる場合に対し、少ない起磁力により、早く鉄芯の高磁束密度状態に達することができることがわかる。通常、起磁力(A/m)=一次巻線巻数n×一次電流I1であるから、所定磁束密度には一次電流が同じ場合、方向性電磁鋼板を用いた場合のほうが、少ない一次巻線巻数ですみ、一次巻線の巻線長L0が短縮できる。
【0030】本実施の形態のスイッチングユニット4は、7.5A以上の高い遮断電流で使用できるタイプのスイッチング素子を用いる。上述のように、一次巻線の起磁力(A/m)=一次巻線巻数n×一次電流I1であるから、これにより従来の点火コイルの6.5A程度で使用する場合に対し、約15%少ない一次巻線巻数においても同様の起磁力を発生させることができる。これから、少ない一次巻線巻数ですみ、一次巻線の巻線長L0が短縮できる。
【0031】本実施の形態の閉磁路鉄芯のギャップ1aは、励磁部1bの外に形成される。ギャップを励磁部内部に配置した場合は、ギャップでの漏洩磁束の影響により、一次巻線中から磁束が漏れてしまうため、磁気回路の効率が低下し、結果として出力エネルギーが10%以上低下することを実験で確認した。励磁部内部にギャップ1aを配置した場合はより多く一次巻線を巻かなければ外にギャップ1aが有る場合と同等のエネルギーは得られない。本実施の形態ではギャップ1aを励磁部1bの外に形成しているので、より少ない一次巻線巻数ですみ、巻線長L0が短縮できる。
【0032】本実施の形態では、以上の技術を用いることにより、一次巻線の巻数を低減し、従来の点火コイルに対し、一次巻線の巻線長を大幅に短くした上で、空いた軸方向の空間にスイッチングユニット4を配置するものである。スイッチングユニット4を励磁部軸線の端部に配置する場合、一次巻線2の横に閉磁路鉄芯のサイド鉄芯部1eが介在し、スイッチングユニット4を励磁部軸線に垂直に配置することが適切であるが、サイド鉄芯部1eの断面積は励磁部1bの断面積と等しくした上で、その断面形状が励磁部軸線方向に短い長方形形状とすれば、磁気回路の断面積変わらぬ為性能の低下は伴わず、点火コイル全長をさらに短縮することができる。
【0033】表1は、上記図9および図11にて示す2種類の従来例と、本発明において、実際に製作した製品での仕様/性能の比較結果を示す。
【0034】
【表1】

【0035】この表1において、従来例1はスイッチングユニット4は励磁部上部に並行に配置されているため、点火コイル外形は幅LWは狭いものの、高さLHが高くなっている。従来例2はスイッチングユニット4は励磁部側方に並行に配置されているため、点火コイル高さLHは低いものの幅LWは大きくなっている。本実施の形態による点火コイルでは、外形寸法は高さLH、幅LWともに2種の従来の点火コイルのそれぞれ小さな寸法と一致するとともに、長さLLも従来の点火コイルと一致している。
【0036】これから、本実施の形態の点火コイルは従来の点火コイルが装着されていたどちらの内燃機関に対しても装着が可能であり、さらに高さも幅も制約を受けるさらに厳しいレイアウトの内燃機関に対しても装着が可能な製品を供することができることがわかる。結果的には、製品種類の低減によりケース等の金型種の低減と設備等の投資を押さえ、製造時の段取り代えの工数も低減ができ、次に一機種当たりの生産数を大幅に増やすことができるのでコストを大きく低減することができる。
【0037】なお、本実施の形態においては、上述の励磁部軸長(一次コイル巻線長)を低減する技術をすべて同時に採用する必要はない。要求仕様に合わせ、適切な技術の組み合せにて本実施の形態を実現すれば良いことは言うまでもない。
【0038】実施の形態2.なお、上記実施の形態1では閉磁路鉄芯の場合について説明したが、鉄芯が開磁路であっても良い。図3は、本実施の形態における鉄芯が開磁路の場合を示す上視断面図、図4はその側方視断面図である。なお、各部の番号と名称の関係は概略、図1、図2と同様であるのでその説明は省略する。相違点は、1は開磁路の鉄芯、15は一次コイル2による鉄芯の励磁方向と逆向きの極性となる方向で、鉄芯1の左端に配置されている磁石である。なお、本実施の形態における点火コイルの動作については従来例と同じであるので、その説明を省略する。
【0039】次に、本実施の形態における点火コイルの作用について説明する。開磁路の点火コイルは閉磁路の場合に対し、同様の一次巻線の巻数であると、一次電流の立ち上がりが早くなり、出力性能もダウンする。閉磁路と同様の出力性能を得るためには一次巻線の巻線を1.5倍から2倍多く巻く必要がある。近年、筒内の混合気飛花のために少出力エネルギーで複数回点火する方法が検討されているが、このアプリケーションに対しては本実施の形態の点火コイルが適している。
【0040】本実施の形態の点火コイルは上記実施の形態1の製品よりさらに小型化できるため、従来の点火コイルが装着されていたどの内燃機関に対しても装着が可能であり、さらに高さも幅も制約を受けるさらに厳しいレイアウトの内燃機関に対しても装着が可能な製品を供することができることがわかる。結果的には、製品種類の低減によりケース等の金型種の低減と設備等の投資を押さえ、製造時の段取り代えの工数も低減ができ、次に一機種当たりの生産数を大幅に増やすことができるのでコストを大きく低減することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、内燃機関の点火プラグ軸線と直交する軸線を有し、周囲に一次巻線を巻回した鉄芯の励磁部と、該励磁部の軸線に垂直に該励磁部の端部に配置され、上記一次巻線に流れる一次電流を通電、遮断するスイッチングユニットとを備えたので、従来の点火コイルに比べて高さ、幅ともに小型化となり、従来複数あった機種を1機種で代用できるとともにさらに高さも幅も制約を受けるさらに厳しいレイアウトの内燃機関に対しても装着が可能となり、以て、製品種類の低減によりケース等の金型種の低減と設備等の投資を抑えつつ製造時の段取り代えの工数も低減ができ、さらに一機種当たりの生産数を大幅に増やすことができるのでコストを大きく低減することができるという効果がある。
【0042】また、請求項2の発明によれば、上記鉄芯の断面積は50平方ミリメートル以上であるので、エンジンにおいて要求されるエネルギーに対応した点火コイルの出力エネルギーが容易に得られるという効果がある。
【0043】また、請求項3の発明によれば、上記励磁部と上記スイッチングユニットを内蔵するケースを備え、該ケースの上記励磁部軸線方向の長さが60mm未満であるので、任意の大きさの気筒間スパンのエンジンに適用できるという効果がある。
【0044】また、請求項4の発明によれば、上記鉄芯の素材は上記励磁部の軸線の方向に方向性を有する電磁鋼板であるので、無方向の電磁鋼板を用いる場合に比べて少ない起磁力により、早く鉄芯の高磁束密度状態に達することができるという効果がある。
【0045】また、請求項5の発明によれば、上記スイッチングユニットの素子は7.5A以上の電流にて遮断するスイッチング素子であるので、少ない一次巻線巻数ですみ、一次巻線の巻線長を短縮できるという効果がある。
【0046】また、請求項6の発明によれば、上記鉄芯はギャップを有する閉磁路鉄芯であるので、点火コイルの巻数を低減できるという効果がある。
【0047】また、請求項7の発明によれば、上記閉磁路鉄芯のギャップは上記励磁部の外に形成されるので、より少ない一次巻線巻数ですみ、一次巻線の巻線長を更に短縮できるという効果がある。
【0048】また、請求項8の発明によれば、上記閉磁路鉄芯の一部で上記励磁部に連結し、該励磁部と上記スイッチングユニットの間に位置し断面積が励磁部断面積と略等しいサイド鉄芯部を備え、該サイド鉄芯部の断面形状が励磁部軸線方向に短い長方形形状であるので、磁気回路の断面積が変わらぬ為性能の低下は伴わず、点火コイル全長をさらに短縮することができるという効果がある。
【0049】さらに、請求項9の発明によれば、上記鉄芯は開磁路鉄芯であるので、点火コイルをさらに小型化できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年6月15日(2000.6.15)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2001−355557(P2001−355557A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2000−179765(P2000−179765)