| 【発明の名称】 |
自動進角/遅角点火時期制御機能を備えた容量放電式エンジン点火システム |
| 【発明者】 |
【氏名】マーティン エヌ アンダーソン
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| 【要約】 |
【課題】エンジンスタート速度と通常動作速度の間の自動的なスパークを進行させ、トリガタイミングを遅延させて過剰エンジン動作速度で動作を制限すること。
【解決手段】充電コイルL1は、点火用電荷蓄積容量C2を充電する充電信号を発生し、トリガコイルL2は、点火コイルL2を介して容量の放電をトリガするトリガ信号を発生する。抵抗R5と第2の容量C1からなるRC回路は、充電コイルL1および第2の電子スイッチQ1の制御電極に作動的に接続して、充電信号の発生中、トリガ信号が前記第1の電子スイッチの制御電極に印加されるのを阻止し、それによってエンジン速度の関数として第1の電子スイッチQ2の制御電極にトリガ信号が印加されるタイミングを制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容量放電式エンジン点火システムであって、一次巻線及びエンジン点火手段に結合する二次巻線を有する点火コイル手段と、前記一次巻線に結合され第1の容量である点火用電荷蓄積容量と、前記点火用電荷蓄積容量および前記一次巻線と回路で接続された一次電流導通電極と、トリガ信号に応答し、前記一次巻線を介して放電する前記点火用電荷蓄積容量と作動的に接続される制御電極を有する第1の電子スイッチ手段と、エンジンの動作に同期して周期的信号を発生する充電/トリガコイル手段にして、前記点火用電荷蓄積容量を充電する充電信号を発生する充電コイル手段と前記トリガ信号を発生するトリガコイル手段を含むものと、エンジン速度の関数として前記トリガ信号のタイミングを制御する手段にして、制御電極と前記第1の電子スイッチ手段の制御電極に作動的に接続された一次電流導通電極を備えた第2の電子スイッチ手段、および抵抗と第2の容量を含み、前記充電コイルと前記第2の電子スイッチ手段の前記制御電極に作動的に接続して、前記充電信号の発生中、前記トリガ信号が前記第1の電子スイッチ手段の前記制御電極に印加されるのを阻止するRC回路とを備え、それによってエンジン速度の関数として前記第1の電子スイッチ手段の前記制御電極に前記トリガ信号が印加されるタイミングを制御するようにしたことを特徴とする前記容量放電エンジン点火システム。 【請求項2】 前記トリガ信号のタイミングを制御する手段は、増大するエンジン速度の関数として前記トリガ信号のタイミングを進める手段を備え、前記充電信号の発生中の前記トリガ信号の抑制によって前記充電信号の発生に続く前記トリガ信号の発生を自動的に進める、請求項1に記載のシステム。 【請求項3】 前記トリガ信号のタイミングを制御する前記手段は、過剰エンジン速度での前記トリガ信号のタイミングを遅らせる手段を備え、前記第2の容量に蓄積された充電信号エネルギは、前記第2の電子スイッチ手段を介して、前記トリガ信号が前記第1の電子スイッチ手段の前記制御電極に印加されるのを遅らせるように作用することを特徴とする請求項2に記載のシステム。 【請求項4】 前記トリガ信号のタイミングを制御する手段は、過剰エンジン速度での前記トリガ信号のタイミングを遅延させる手段を備え、前記第2の容量に蓄積された充電信号エネルギは、前記第2の電子スイッチ手段を介して、前記トリガ信号が前記第1の電子スイッチ手段の前記制御電極に印加されるのを遅らせるように作用することを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項5】 前記充電/トリガコイル手段は一つの前記充電信号と該充電信号の前後の二つの前記トリガ信号をエンジンの各動作サイクルに発生するようになっており、前記トリガ信号のタイミングを制御する前記手段は、前記トリガ信号を抑制する前記充電信号に応答することを特徴とする請求項1に記載のシステム。 【請求項6】 前記充電/トリガコイル手段は、強誘電体コアの別々の脚に配置された別個の充電/トリガコイルを備え、前記トリガ信号に続いて前記充電信号が発生するようになっていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンソーや芝刈り機の分野で用いられる小型の2および4ストロークエンジン用の容量放電エンジン点火システムに関する。本発明は、特に、エンジン点火タイミングを自動制御して、始動速度と動作速度の間にスパークを進行させ、さらに、タイミングを遅延させて、それによってエンジン速度での動作を制限することに関するものである。 【0002】 【従来の技術】エンジン点火の発生とそのタイミングは、小型の2および4ストロークエンジンなどのエンジンの安定性、出力パワーおよび排気にとって重要である。最適なエンジン点火タイミングは、主にエンジン速度およびエンジン負荷の関数として変化する。排気性能や燃料品質のような二次的因子は、最適なスパークタイミングを決定する上でも重要である。機械的かつマイクロプロセッサを用いた電子タイミングシステムが、自動車エンジンのような大型のエンジン用に提案されたが、コスト、装着の点で小型のエンジンには適していない。すなわち、所望の進行・遅延タイミング特性がマイクロプロセッサにプログラムされている小型のエンジン用にマイクロプロセッサを用いた点火モジュールを利用することが提案されている。しかし、マイクロプロセッサを用いたモジュールのコスト因子は、たいていの小型エンジンで、考慮されていない。 【0003】過剰動作速度では、エンジンの完全性に対する危険があることも認識された。特に、負荷がなかったり、負荷が急に除かれたときは、エンジンの部品が損傷する回転速度にそのエンジンが加速することが起こり得る。エンジンの振動に感応するバネ付勢ボールを有するキャブレータボール型調速機が従来から利用されている。 振動のレベルは、エンジン速度に敏感である。振動によってボールに生じた力がバネ圧力に打ち勝つとき、燃料がエンジンに加えられる。空燃比が急激に増加すると、エンジンが遅くなるが、しかし排気は増大する。例えば、米国特許第5,245,965号に記載されているように、過剰のエンジン速度の場合に、点火を禁止する電子システムが提案されている。しかし、不点火が起こる度に、エンジンにおいて未燃焼の空気・燃料が変化することになる。この未燃焼の燃料はエンジンから脱出し、排気システムに入る。未燃焼の燃料・空気を、排気システムは炭化水素として残すので、大気汚染が増加してしまう。点火を抑制する技術もまた、エンジンの操作ミスを誘い、エンジン振動を増加させ、ユーザに対してエンジンの故障を示唆してしまう。ボール型の調速機も電子スキップスパーク調節機も排気システムに入る燃料空気が生じてしまう。触媒コンバータ搭載のエンジンでは、この燃料はコンバータ内で触媒的に酸化され、コンバータの温度を増大させる。小型のエンジンのコンバータ技術では、サイズ、効率の許容率が制限されるので、燃料の酸化があると、触媒プロセスの効率を大幅に減少させることがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小型のエンジンに特に適しており、始動の間のキックバックを除去し、エンジンの手動スタートを容易し、未燃焼燃料の排気システムへの供給を減少させながらエンジンの過剰速度動作を自動的に防止する装置を備え、比較的安価であり、小型の2および4ストロークエンジンの利用に適している、容量放電点火システムを提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の好適実施例による容量放電式エンジン点火システムは、エンジン点火スパークプラグに結合する一次巻線および二次巻線を有する点火コイルを備えている。第1の電子スイッチは、点火用電荷蓄積容量と点火コイルの一次巻線と回路で接続された一次電流導通電極と、トリガ信号に応答し、点火コイルの前記一次巻線を介して放電する前記点火用電荷蓄積容量と作動的に接続される制御電極を備えている。充電/トリガコイルは、エンジンの動作に同期して周期的信号を発生する。充電コイルは、点火用電荷蓄積容量を充電する充電信号を発生し、トリガコイルは、点火コイルを介して容量の放電をトリガするトリガ信号を発生する。エンジン速度の関数として前記トリガ信号のタイミングを制御する電子回路は、制御電極と前記第1の電子スイッチの制御電極に作動的に接続された一次電流導通電極を備えた第2の電子スイッチを有している。抵抗と第2の容量からなるRC回路は、充電コイルおよび第2の電子スイッチの制御電極に作動的に接続して、前記充電信号の発生中、前記トリガ信号が前記第1の電子スイッチの前記制御電極に印加されるのを阻止し、それによってエンジン速度の関数として前記第1の電子スイッチの制御電極に前記トリガ信号が印加されるタイミングを制御する。 【0006】本発明の好適実施例において、エンジン速度の関数としてトリガ信号のタイミングを制御する電子回路は、エンジンスタート速度と通常動作速度の間の自動的なスパークの進行と、過剰速度でのエンジン点火遅延の両方を得る。各充電信号が充電コイルに発生する毎にその前後でトリガ信号がトリガコイルに発生するように、充電コイルおよびトリガコイルが構成されているが、RCエンジンタイミング回路の容量の電荷は、第1の電子スイッチの制御電極に第2のトリガ信号が印加されるのを阻止するので点火用電荷蓄積容量の電荷が次のトリガ信号列が発生するまで保持される。次の列の先頭トリガ信号のタイミングは、増大するエンジン速度の関数として進行し、スタート速度と通常の動作速度の間の増大するエンジン速度とともに自動的なスパーク進行を得る。この自動的な進行は、20(乃至40(の範囲で最大の進行までほぼ線形に変化する。過剰速度の場合は、RC点火タイミング回路の容量の電荷は完全に放電する機会をもたないので、エンジン点火は自動的に遅延される。しかし、点火は阻止されないので、未燃焼の燃料は、エンジン排気システムに供給されない。また、エンジン点火は逆エンジン操作の場合に阻止される。 【0007】 【発明の実施の形態】図1および図2は、一次巻線L3とエンジンの点火を開始させるためのスパークプラグ18に結合した二次巻線L4を有する点火コイル12を備える本発明の好適実施例による容量放電エンジン点火システム10を図示している。フライホィール20は、エンジンクランクシャフト22に適当に結合されており、またエンジン操作に同期して回転する少なくとも一つの磁石24を担持している。点火システム10は、U字状の積層ステータコア28上に装着されたモジュールの形になっている。このステータコア28は、フライホィール20が矢印の方向に回転するときそのフライホィール20の周辺に隣接して終端する一対の脚を備えている。 【0008】点火システム10は、一端が、ダイオードD1、点火用電荷蓄積容量C2およびコイル12の一次巻線L3に直列に接続されている電荷コイルL1を有している。コイルL1の他端は、ダイオードブリッジBR1の一つのダイオードを介して接地されている。トリガコイルL2は、SCRQ2のゲートに作動的に接続されている。SCRQ2の一次電流導通アノードおよびカソード電極は、それぞれ、容量C2と一次巻線L3の直列接続の両端で該容量C2と大地に接続されている。ツェナーダイオードD4は、SCRQ2のアノード・カソード電極の両端に逆方向接続されている。 【0009】充電コイルL1は、ダイオードブリッジBR1および抵抗R1を介して容量C1および抵抗R2の接合点に接続されている。抵抗R2およびR5は、容量C1の両端に直列に接続され、C1と抵抗R2、R5の組合わせは、トランジスタQ1の動作を制御するRCネットワークを形成する。ツェナーダイオードD3は、容量C1の両端に逆方向接続されている。トランジスタQ1は、抵抗R2,R5の接合点に接続された制御電極すなわちベースと、トリガコイルL2の両端に接続された一次電流導通電極(コレクタおよびエミッタ)を有している。ツェナーダイオードD2は、トリガコイルL2の両端に逆方向接続されている。抵抗R3および抵抗R4からなる分圧器がダイオードD2の両端に直列接続されるとともに、抵抗R3、R4の接合点は、SCRQ2のゲートすなわち制御電極に接続されている。キラースイッチ端子32が、操作者による起動の場合に点火回路の動作を終了させるために、ブリッジBR1と抵抗R1の接合点に接続されている。 【0010】図3(A)、(B)は、フライホィール20(図2)の2サイクルの動作、すなわち2回転の間にコイルL1およびL2にそれぞれ発生した充電信号V1(図1および図3)およびトリガ信号の波形を示している。充電コイルL1に発生する充電信号V1は、二つの負のピークを分離する正のピークを有している。トリガコイルL2に発生するトリガ信号36は、負のピークによって分離される二つの正のピークを有している。好適には、トリガコイルL2と充電コイルL1は、点火コア28(図2)の分離した脚に巻回され、トリガ信号と充電信号の間に位相分離(好適には50°程度)を生じさせる。 【0011】図4(A)乃至(C)において、充電コイルL1によって発生する信号V1はブリッジBR1によって全波整流され、整流信号V2(図1および図4(B)を得る。この整流信号は、抵抗R1を介して容量C1に印加され、図4(C)に示された制御電圧V3を得る。容量C1上の正の電圧は、抵抗R2、R5を介して、トリガ信号(図3(B)の信号36を図4(A)の信号V4と比較せよ)の第2の正のサイクルの間、トランジスタスイッチQ1を閉じ、それによって、点火用電荷蓄積容量C2の充電の間にSCRQ2が閉じるのを阻止する。このように、トランジスタQ1によって第2のトリガパルスを抑制すると、図5(A)に示すように、次のサイクルの動作に現れる次のトリガパルスの立上がりが変化する。立上がりトリガ信号パルスの振幅は、エンジン速度の関数として増大する。従って、抵抗R3、R4を介してSCRQ2(図1)に印加されるトリガ信号電圧がSCRゲートトリガレベル39を越えるタイミングはエンジン速度が増大するとともに進行する。こうして、図5(A)、(B)において、低エンジン速度では点火はタイミング40で起こり、高エンジン速度では点火はタイミング42まで進行する。図5Bは、容量C2両端の電圧V5(図1)を示す。要するに、図5(A)の速度依存波形は、本発明のタイミング進行特性を示している。 【0012】高速動作は、図6(A)、(B)に示されている。高エンジン速度では、容量C1は、動作サイクル間に抵抗R2、R5を介して十分に放電する時間がない。該容量C1両端のR2,R5制御電圧Vは次の動作サイクルのトリガパルスV4の初期の間、トランジスタQ1を閉じ続け、それによってスパーク点火信号を遅延させる。トランジスタQ1が最終的に遮断したとき(すなわち、制御電圧V3がトランジスタQ1の閾値43以下に減衰したとき)、トリガパルスV4が点火動作を開始させる電圧まで増大できるようになる。図7は、低速度から通常の動作速度を経て過度の動作速度でのスパーク遅延に至るエンジン速度の関数としてのスパーク進行を示している。トランジスタQ1の型またはパラメータを変更して、図7の曲線部44、46、48および50によって示されるように、高エンジン速度で得られるタイミング遅れの変化率とその量を制御する。加えて、トランジスタQ1とSCRQ2の設計および特性は、本装置の温度安定性を与える。SCRQ2は、点火点を温度上昇の関数として前に移動させるのに対し、トランジスタQ1は、温度上昇に伴う点火点の遅延を生じさせる。最終的な効果は、両者が一緒になって温度の関数としての点火モジュールの点火タイミングのいかなる変化も除去することである。図1の抵抗R3、R4の比を変化させて、図7の52、54で示された異なった進行特性を得ることができる。 【0013】 【発明の効果】ここまで、既述した全ての目的を完全に実現できる、容量放電エンジン点火システムが説明した。自動的にスパークが進行すれば、スタート時点のキックバックを減少させ、エンジンのスタートが容易になる。過剰のエンジン速度でのタイミング遅延によって、エンジンの超過速度が減少し、と同時に未燃焼の排気システムへの放出が遅延するか、防止される。本発明のシステムは、低価格のアナログ部品を用いて実現でき、2または4ストロークのエンジンに利用可能である。幾つかの変形、修正が提案されている。他の修正、変形は当業者にとって明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲の精神の範囲内でこれらの変形、修正を含むものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591012750 【氏名又は名称】ウオルブロ コーポレイシヨン 【氏名又は名称原語表記】WALBRO CORPORATION
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| 【出願日】 |
平成13年4月12日(2001.4.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060690 【弁理士】 【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−355555(P2001−355555A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−113939(P2001−113939) |
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