| 【発明の名称】 |
内燃機関用点火装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長岡 昭宏
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| 【要約】 |
【課題】環境エンジンのように要求される点火エネルギが高いエンジンに対しても、高点火エネルギが確保でき、点火コイルやパワトラの発熱の少ない、点火装置全体が複雑にならない点火装置を提供する。
【解決手段】内燃機関用点火装置は、点火コイルの1次コイルへ供給する電源電圧を14Vを越える電圧に昇圧する昇圧手段を設け、14Vを越える電圧に昇圧した電圧を点火コイルの1次コイルに供給することを解決手段とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】鉄芯と同軸的に配置した1次コイルと、前記鉄芯の磁路に対し同軸的に配置した2次コイルを備えた点火コイルと、1次コイルの通電を制御する点火信号制御回路とを有する内燃機関用点火装置であり、前記点火信号制御回路の特に1個の点火信号制御回路で複数の点火コイルを制御する内燃機関用点火装置において、電源電圧を昇圧する手段を備えたことを特徴とする内燃機関用点火装置。 【請求項2】前記点火コイルに使用する電源電圧を、14Vを越える電圧に昇圧し、当該点火コイルの1次コイルに通電する時間である1次コイル充電時間を早めたことを特徴とする点火方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、点火コイルに高電圧を供給する内燃機関用点火装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の技術を表す内燃機関用点火装置として図3に示す。図4は、従来の技術を適用した内燃機関用点火装置で、点火コイルの1次コイル電流波形の関係の時系列図であり、また図5は、従来の技術を適用した点火装置でかつ高エネルギを必要とする環境エンジンに対応した内燃機関用点火装置、点火コイルの1次コイル電流波形の関係の時系列図である。 【0003】前記従来の内燃機関用点火装置は、1個の点火信号制御回路で多気筒の点火を制御し、ここでは4気筒エンジンに装着される内燃機関用点火装置で、当該点火信号制御回路で複数の点火コイルのスイッチング素子を制御する内燃機関用点火装置である。前記点火コイルは、1個の点火コイルに発生する高電圧を1個の点火プラグに供給する独立点火コイルである。また、エンジンのタイミングベルトのある位置から通常順番に気筒番号が存在し、前記内燃機関用点火装置の点火コイルは、そのエンジンの1番目(以下「#1」と表記)の気筒に1個、2番目(以下「#2」と表記)の気筒に1個というように、各気筒に1個ずつ装着される。 【0004】図3において、71は電源で、前記従来の技術ではその電圧は14Vである。また11は1次コイル、21は2次コイル、41はスイッチング素子、51は点火信号制御回路、61、62、63、64は点火プラグを示す。1次コイル11の一端部は電源71のプラス電極に接続されており、もう一端部はスイッチング素子41のコレクタに接続され、二次コイル21の高圧側の端部は点火プラグ61、62、63、64の一端部に接続される。また、点火信号制御回路51は前記スイッチング素子41の制御を行うタイミングで、一つの連続したパルス波を発生し、パルス波は前記スイッチング素子41のベース端子に入力される。 【0005】ここで、前記点火信号制御回路51により発生した、一つの連続したパルス波の、あるパルスの立ち上がりのタイミングでスイッチング素子41がONされると、図4のように、#1気筒に接続された点火コイルの1次コイル11に通電され、1次コイル11に磁界が発生する。発生した磁界は、鉄芯に保持される。前記パルス波のあるパルスが立ち上がっている間は、点火コイルの1次コイル11に通電されつづけ、前記パルスの立ち下がりのタイミングでスイッチング素子41がOFFされると、#1気筒に接続された点火コイルの1次コイル11に流れている電流を遮断する。遮断時には、保持されている鉄芯の磁界のエネルギが2次コイル21の端部に高電圧となって発生する。 【0006】点火信号制御回路51から発生した次の別のパルスは、そのパルスの立ち上がりのタイミングでスイッチング素子41がONされることにより、#3気筒に接続された点火コイルのスイッチング素子41をONし、これより#3気筒に接続された点火コイルの1次コイル11は通電され、前記別のパルスが立ち上がっている間は、#3気筒の点火コイルの1次コイル11に通電されつづけ、前記別のパルスの立ち下がりのタイミングでスイッチング素子41がOFFされると、#3気筒に接続された点火コイルの1次コイル11に流れている電流を遮断する。このように#3気筒の点火コイルの2次コイル21に高電圧が発生する。 【0007】以上のように前記従来の内燃機関用点火装置は、1個の点火信号制御回路で多気筒の点火を制御するが、点火プラグが必要なエネルギを確保しつつパルスとパルスの間には有余があった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】近時燃費向上や排ガス規制が強まる中、リーンバーンエンジン,ガソリン直噴エンジン等の環境エンジンの需要が年々高まっている。これら環境エンジンは気筒内の希薄燃料を燃焼させ安定燃焼を確保するため、従来の一般的なエンジンに比べ2〜3倍の点火エネルギが必要となる。 【0009】ところで、点火コイルの2次コイルに発生する点火エネルギは、点火コイルの1次コイルに蓄えられる電磁エネルギをE1[J]、1次コイルのインダクタンスをL[H]、1次コイルの遮断電流値I[A]で表すと一般的に次式で表される。 【数1】
上記式(1)は、ある通電時間における点火コイルの1次コイルに蓄えられる電磁エネルギで、上式から1次コイルに蓄えられるエネルギは1次コイルのインダクタンスLと1次コイルの遮断電流値Iに比例関係にある。点火エネルギを大きくする為には1次コイルの遮断電流値を大きくするか、1次コイルのインダクタンスを大きくするかのいずれかの必要がある。しかし、1次コイルの遮断電流値を大きくするためには、1次コイルに通電する時間である充電時間を長くしなければならない。さらに1次コイルのインダクタンスを大きくすると、1次電流の立ち上がりが遅くなり所定の電流に到達するまで時間がかかる。そのため、いずれにしても従来の一般的なエンジンに比べ2〜3倍の点火エネルギを確保するためには、1次コイルへの通電時間が長くなる。 【0010】また、従来技術は1個の点火信号制御回路で複数の点火コイルを制御する内燃機関用点火装置であるため、ある点火においてはあるパルスを使用し、またある点火においてはあるパルスを使用するというように1つのパルスで、1つの点火を制御しているので、前述のような長い通電時間をかけて点火コイルの制御を行う場合には、図5のようにパルスとパルスの間には有余がなく重複してしまい、制御できない。したがって1次コイル充電時間を十分にのばすことが出来ず、十分な2次コイルからの点火エネルギの確保ができなかった。 【0011】また各々の点火周期での1次コイル充電時間が重複しても良いように、点火コイルの点火信号制御回路を個々の点火コイルに割り当て、環境エンジンのような高エネルギを必要とする内燃機関用点火コイルでも必要な点火エネルギを確保するという手段も考えられる。 【0012】しかし、点火装置の点火信号制御回路を個々に割り当てることによって、点火信号制御回路を設置するためのスペースが増えたり、配線の引き回し長さが伸びたり、点火信号制御回路へ電源を割り当てることにより点火装置全体が複雑化してしまう。 【0013】そこで、本発明では、リーンバーンエンジン,ガソリン直噴エンジン等の環境エンジンに用いられる高エネルギを必要とする内燃機関用点火装置において、簡単な方法の内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため本発明の内燃機関用点火装置は、点火コイルの1次コイルへ供給する電源電圧を、14Vを越える電圧、好ましくは42Vに昇圧する昇圧手段である昇圧ドライバを設け、14Vを越える電圧、好ましくは42Vに昇圧した電圧を点火コイルの1次コイルに供給することを特徴とする。 【0015】 【作用】本発明では、点火コイルの1次コイルに供給する電源電圧を14Vを越える電圧、好ましくは42Vに昇圧することで、1次電流波形の立ち上がり時間が早まり、従来の14Vの電源電圧で点火コイルを駆動した場合と比べて、同じ2次コイルに発生する点火エネルギを確保するのに、1次コイルへの充電は短時間でよい。したがって、高エネルギを必要とする環境エンジンに対応した点火コイル装置に使用する場合において、パルスの間隔が短くしても十分な1次コイル充電ができ十分な点火エネルギを有する点火スパークを得られ、前記従来の問題を解決することができる。 【0016】また、1次コイル11に通電する時間である1次コイル充電時間が短いので、スイッチング素子41に通電する時間も短く、そのためスイッチング素子41に発生する熱は少ない。 【0017】 【実施例】図1は本発明の技術を適用した内燃機関用点火装置の図面である。図2は本発明の技術を適用した実施例の#1気筒と#3気筒に接続している点火コイルの1次コイル電流波形の図面である。 【0018】実施例を表す図1において説明する。本発明の点火コイルは、図1において、電源71の電圧は14Vを越える電圧になされている。また鉄芯と同軸的に1次コイル11、2次コイル21を配置する。当該1次コイル11一端部は電源71のプラス電極に接続されており、もう一端部はスイッチング素子41のコレクタに接続され、二次コイル21の高圧側の端部は点火プラグ61、62、63、64の一端部に接続される。 【0019】また、点火信号制御回路51は前記スイッチング素子41の制御を行うタイミングの一つの連続したパルス波を発生し、前記スイッチング素子41ベース端子に入力される。さらに、電源71と1次コイル11の間には昇圧ドライバ31を設け、1次コイル11には、14Vを越える電圧に昇圧された電圧が供給される。前記昇圧ドライバ31は、昇圧型(Boost)DC-DCコンバータで、スイッチング・トランジスタ85がONの時にインダクタンスLb81に電磁エネルギを蓄え、OFFの時に電磁エネルギを入力電源に重畳させて、出力に取り出す回路で、入力電圧より出力電圧を高く取り出せる回路である。本発明の技術を適用した点火コイルの構成部品は、14Vを越える電圧に耐えうる設計になされているのは当然のことである。 【0020】このように、本発明の技術を実施例のように適用することで、従来の点火装置と比較して簡単な構成でかつ安易に問題を解決できる。 【0021】 【発明の効果】点火装置に本発明の技術を適用することで、環境エンジンのように要求される点火エネルギが高いエンジンに対しても、必要な高点火エネルギが確保できる。また、点火コイルやパワトラの発熱を少なくできる為、昇圧ドライバを設けるだけの簡単な方法で点火装置全体が複雑にならない点火装置を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000109093 【氏名又は名称】ダイヤモンド電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月16日(2000.6.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−355553(P2001−355553A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−180649(P2000−180649) |
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