| 【発明の名称】 |
内燃機関用点火装置および点火制御回路装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】安蔵 洋一
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、小型でかつ安価な内燃機関用点火コイルを提供することにある。
【解決手段】点火コイルに内蔵する樹脂モールドタイプの点火制御回路装置にラジオノイズ吸収用コンデンサを一体化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】点火コイルの一次巻線に電流を通流したり遮断する半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に流れる電流のピーク値を制限する電流制限回路とを樹脂材でモールド成形した回路チップを取り付けた回路基板上で、前記回路チップのグランド端子と前記点火コイルへ電流を供給する電源線から分岐した電源線を近接させ、当該近接位置において両者間に雑音除去用のコンデンサチップを挿入し電気的に接続した内燃機関用の点火制御回路装置。 【請求項2】エンジンのプラグホール内に収納された筒状のケースと、当該ケースに収納された一次および二次コイルを備えた点火コイルと、前記ケースの上端に取り付けられた点火ユニットとを備えており、当該点火ユニットは点火制御信号入力端子、グランド端子、電源端子を備えたコネクター部を有し、かつ、前記点火ユニットは点火コイルの一次巻線に電流を通流したり遮断する半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に流れる電流のピーク値を制限する電流制限回路と、ノイズ除去用のコンデンサと、前記点火制御信号入力端子と前記半導体スイッチング素子の制御信号端子とを電気的に接続する回路基板側信号端子と、前記点火コイルの一次コイルと前記半導体スイッチング素子の電源入力端子とを接続する回路基板側コイル接続端子と、前記グランド端子と前記半導体スイッチング素子のグランド端子とを電気的に接続する回路基板側グランド端子と、前記半導体スイッチング素子のグランド端子に電気的に片側端が接続された前記コンデンサの他端と前記電源端子とを接続する回路基板側電源端子を備えた回路基板を有する内燃機関用点火装置。 【請求項3】請求項1乃至2において、雑音除去用のコンデンサチップは弾性部材内部に設置されていることを特徴とする内燃機関用の点火制御回路装置あるいは点火装置。 【請求項4】請求項1乃至3において、前記コンデンサチップは絶縁部材をはさんで回路基板上に取り付けられていることを特徴とする内燃機関用の点火制御回路装置あるいは点火装置。 【請求項5】請求項1乃至請求項1を引用する請求項3乃至4において、点火コイルは、点火プラグ二ケ毎に配置される同時着火方式の点火コイルであることを特徴とする内燃機関用の点火制御回路装置あるいは点火装置。 【請求項6】請求項1乃至5において、前記コンデンサチップは、半導体スイッチング素子及び電流制限回路と共に樹脂材によりモールド成形されていることを特徴とする内燃機関用の点火制御回路装置あるいは点火装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関用点火制御回路装置及び点火装置に係わり、特に点火制御回路装置を内蔵する電子制御点火システム用点火装置における雑音除去用のコンデンサ設置に伴う省スペース配置に関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関用点火コイルにおいて、雑音除去のためのコンデンサ設置が必須となっている。このコンデンサの配置に関し、従来の内燃機関用点火装置は、特開平11−111544号で開示されているように、雑音防止用のコンデンサを点火制御回路収容ケースの外部あるいはその内部に収容スペースを設け該コンデンサを組み込んでいた。 【0003】あるいは、特開平7−253073号では、雑音防止用のコンデンサを内燃機関用配電器の回路取付基板上に各種回路素子とともに平面的に分散して取り付ける方法が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技術では、雑音除去用のコンデンサを点火装置の一部に専用のスペースを設けて設置するか、あるいは回路取付基板上に各種回路素子と共に平面的に分散した配置で取り付けていた。しかし、雑音除去用のコンデンサは耐電圧が100V以上と大きいためサイズも大柄となり点火回路も内蔵する最近の点火装置では、小型化・高集積化のネックになっていた。 【0005】また、リード付きのコンデンサの場合、コイル側端子との接続にもある程度のスペースが必要となり、これも小型化の妨げとなっていた。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、点火装置に内蔵する点火コイルの一次巻線に電流を通流したり遮断する半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に流れる電流のピーク値を制限する電流制限回路とをあらかじめ樹脂材でモールド成形し、その回路基板上において、前記回路チップのグランド端子と前記点火コイルへ電流を供給する電源線を近接させ、当該近接位置において両者間に雑音除去用のコンデンサチップを挿入し電気的に接続させ、当該コンデンサを一体化することでコンデンサを含めた回路の収容スペースを最小限とすることができる。 【0007】上記のあらかじめ樹脂成形を行う方法は後工程を必要とせず生産効率を向上することができる。 【0008】また、エンジンのプラグホール内に収納された筒状のケースと、当該ケースに収納された一次および二次コイルを備えた点火コイルと、前記ケースの上端に取り付けられた点火制御回路装置とを備えたペンシル型点火装置においてはコイル側端子との接続にもある程度のスペースが必要となっており、この接続関係を最適化することにより、雑音除去用のコンデンサを含めた回路の収容スペースを最小限とすることができる。 【0009】その他の方法としては、あらかじめ樹脂材でモールド成形した前記半導体スイッチング素子と、前記電流制限回路の一部にコンデンサを付加するための電極を設けておきコンデンサの一体化を容易にすることもできる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態について、図面を参照し説明する。 【0011】図1は、本発明の一実施例であるペンシル型内燃機関用点火装置本体の構成を示す断面図である。 【0012】図1において、本発明の点火装置本体100はプラグホール(図示せず)内に収納されペンシル型点火装置を構成する。この本体は、一次コイル11、一次ボビン12、二次コイル13、二次ボビン14、センタコア15、マグネット16、サイドコア19、弾性部材24で構成される点火コイルがスプリング20とともに筒状のケース25に装着され、その上に点火制御回路装置2が配置されている。 【0013】一次ボビン12は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)や変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO),あるいはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で形成されており、線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層あたり数十回から百数十回ずつ、数層にわたり合計100〜300回程度積層巻きする一次コイル11が巻層されている。 【0014】二次ボビン14は、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO),あるいはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で形成され、線径0.03〜0.1mm程度のエナメル線を用いて合計5000から30000回程度分割巻記された二次コイル13が巻層されている。 【0015】センタコア15は、板厚0.2〜0.7mmの珪素鋼板をプレス積層しており、二次ボビン14の内側に挿入される。センタコア15の断面形状は、円形に近づけた多角形状とし、二次ボビン14の内径に対する占有率を向上させている。 【0016】センタコア15と二次ボビン14の間には、センタコア15と二次ボビン14との線膨張係数差で発生する応力を吸収する可とう性エポキシ樹脂やシリコンゴム等の絶縁性の弾性部材24が充填されている。 【0017】そして、センタコア15の一端もしくは両端には、一次コイル11で発生する磁束と反対方向の磁束を発生させるマグネット16を備えているマグネット12による磁束は、センタコア15にマイナスの磁束を与えるため、コアの磁化曲線の負側から出発して正側まで利用できるため、見かけ上飽和磁束密度の高いコア材料を用いたようになり、コイルの高出力化が期待できる。 【0018】サイドコア19は、板厚0.2〜0.7mmの珪素鋼板を管状に丸めて1〜3枚重ねている。ただし、磁束の1ターンショートを防ぐため、サイドコア19の円周上の1ヶ所は切れ目を設けている。 【0019】ケース25はポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンオキサイド(PPO)等の熱可塑性合成樹脂で形成されており、コイル部を収容、固定し絶縁用のエポキシ樹脂を注入できるようにしている。 【0020】二次コイル13で発生した高電圧は、スプリング20を介して点火プラグ(図示せず)に供給される。点火プラグが挿入されるプラグシール21は、シリコンゴムで構成されており、点火プラグの硝子部をゴムで締め付けて高電圧を絶縁している。 【0021】シリンダヘッドカバーと接する部分にはプラグホールへの水の浸入を防ぐためプラグホールシールゴムが設けられている。 【0022】点火コイル上部に設置される点火制御回路装置2内では、パワートランジスタチップあるいはIGBTなどの半導体スイッチング素子と電流制限回路が回路チップ2Aとして樹脂9で一体モールドされている。さらに、そのモールド内に雑音除去用のコンデンサも内蔵されている。そして該コンデンサ3は、回路チップのグランド端子(図示せず)を介して回路チップと電気的に接続されている。前記半導体スイッチング素子と点火制御回路端子6との接続は、アルミなどのワイヤボンディング5が用いられており、コイル側のコネクタ端子7との接続には、接続強度が高く、作業効率の良い溶接が用いられている。そして、前記回路チップ、前記コンデンサ3などは熱伝導性の良い銅などで構成されたヒートシンク8上に配置され放熱性を高めている。 【0023】上記実施例は、プラグホール内に装着する点火コイルを例に挙げて説明したが、プラグホール上部に点火コイル部を配置し、点火コイルから点火プラグへの高電圧接続にブーツを用いるプラグトップコイル(コイルオンプラグとも呼ばれる)や2気筒毎に1コイルを配置する同時着火コイルにおいても同様の点火制御回路装置2を内蔵するが可能である。 【0024】図2は本発明の点火装置上部の詳細を示す断面図である。本図では前記半導体スイッチング素子は電流制限回路とともに回路チップ2Aとしてワンチップ化されており、より小型化が図れる構成となっている。 【0025】モールド樹脂9は、耐熱性のあるエポキシ樹脂等で構成しヒートシンク8との熱応力を低減するため線膨張係数をヒートシンク8の材料である銅に近づけている。 【0026】図3Aは本発明の点火制御回路装置、図3Bは本発明の点火制御回路装置の配線接続関係の詳細を示す平面図である。 【0027】図3A,図3Bにおいて、点火コイル(図示せず)の一次巻線に電流を通流したり遮断する半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に流れる電流のピーク値を制限する電流制限回路とを樹脂材でモールド成形した回路チップ2Aが雑音除去用のコンデンサ3とともに基板22上に設置されている。 【0028】さらに、点火制御信号を発するエンジンコントロールユニット28、電力を供給するバッテリ30が図のように配置され、それぞれのコネクタ端子6及びワイヤボンディング5により図のように接続されている。 【0029】前記コンデンサ3は絶縁シート36上に形成された回路チップグランドランド端子1B2を介し、回路チップ2Aと接続している。 【0030】前記回路チップのグランド端子1b2と、前記点火コイルへ電流を供給する電源線から分岐した電源線34は図示された位置に近接して設置され、両者の間に雑音除去用のコンデンサチップ3が挿入され電気的に接続された構造となっている。かかる構成を取ることにより、点火制御回路装置の小型化が実現している。しかもコイルへの電源端子の近接位置に前記コンデンサを配置したことにより、雑音除去効果が向上している。 【0031】図3Bにおいて、点火制御回路装置2は、コネクター部7として点火制御信号入力端子1c,グランド端子1b,電源端子1aを有している。かつ前記点火制御回路装置2は、前述のごとく、点火コイルの一次巻線に電流を通流したり遮断する半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に流れる電流のピーク値を制限する電流制限回路とを樹脂材でモールド成形した回路チップ2Aが基板上に設置され、前記ノイズ除去用のコンデンサ3も同じ基板22上に設置されている。 【0032】更に、前記点火制御信号入力端子1cと前記半導体スイッチング素子の制御信号端子とを電気的に接続する回路基板側信号端子31と、前記点火コイルの一次コイルと前記半導体スイッチング素子の電源入力端子とを接続する回路基板側コイル接続端子35と、前記グランド端子1bと前記半導体スイッチング素子のグランド端子とを電気的に接続する回路基板側グランド端子33と、前記半導体スイッチング素子のグランド端子に電気的に片側端が接続された前記コンデンサ3のもう一方の端部と前記電源端子とを接続する回路基板側電源端子34が図に示す関係で配置されている。かかる位置関係で点火制御回路の配線接続を行うことにより、点火制御回路装置の配線部スペースをコンパクトにまとめることができる。 【0033】本実施例の点火制御回路装置を、エンジンのプラグホール内に収納された筒状のケース内に収納された一次及び二次コイルの上端に取り付けることにより、コンパクトな内燃機関用点火装置を形成することができた。 【0034】図4は点火プラグ29を含めた前記内燃機関用点火装置の回路図である。図中A及びBは一次コイル11のA及びB端子である。A端子が電源端子に、B端子が回路チップに接続している。 【0035】図5は点火制御回路装置2の前記コンデンサ3が弾性部材26内部に形成された場合の断面の概略を示した図である。回路チップ2Aはモールド樹脂9内部に形成されている。前記弾性部材としては可とう性エポキシ樹脂やシリコンゴムが用いられる。 【0036】図2において、点火制御回路装置は全体としてモールド樹脂9内に形成されていた。しかし、前記コンデンサへの熱応力が問題となる場合には、より好ましくは、図5に示した構造を取ることにより、熱的な歪みに対する強度を向上させることができる。 【0037】また、図3A,図3Bにおいて回路チップグランド端子1b2は絶縁シート36上に掲載されている。かかる構造を取ることにより点火制御回路装置の電気的性能の安定性を向上できる。 【0038】さらに、前記コンデンサチップ3を、半導体スイッチング素子4及び電流制限回路27と共に樹脂材によりモールド成形することにより、点火制御回路装置及び点火装置の一層の小型化を実現できる。 【0039】実施例記載の点火制御回路装置及び点火回路は、点火プラグ二個毎に一個の点火コイルが配置される同時着火式の点火制御回路及び点火回路にも適用できる。 【0040】また、本発明は半導体スイッチング素子及び電流制限回路、更には雑用除去用コンデンサを基板上にあらかじめ樹脂材でモールド成形して用いるため、点火制御回路装置ひいては点火装置の製作作業工程を低減できるという利点も有する。 【0041】本実施例では、半導体スイッチング素子にコンデンサを十分近づけることができるので、ラジオノイズを発生する回路導体を短くできる効果もある。 【0042】 【発明の効果】本発明によれば、雑音除去用のコンデンサを含めた点火回路の収容スペースを低減でき、かつ、雑音防止用コンデンサをコイルに取り付ける作業工数を低減できるため、小型で安価な内燃機関用点火回路及び点火装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成12年3月10日(2000.3.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068504 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−254661(P2001−254661A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−72500(P2000−72500) |
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