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【発明の名称】 建設機械のエンジン始動回路
【発明者】 【氏名】小野尾 啓二

【要約】 【課題】建設機械のエンジン始動回路の簡素化を図る。

【解決手段】スタータリレー5の電磁コイル6に半導体スイッチ7を直列接続する。オルタネータ8の出力をコントローラ9へ入力し、コントローラ9がオルタネータ出力に応じて半導体スイッチ7を入切りする。エンジン停止時にスタータスイッチ3をオンすると、コントローラ9が半導体スイッチ7をオンし、電磁コイル6が通電されてスタータリレー5がオンし、スタータモータ4が起動する。オルタネータ回転数が、エンジンが自立回転を始める回転数を越えたときに、コントローラが半導体スイッチ7をオフし、スタータリレー5をオフする。エンジンが自立回転している間は、スタータスイッチ3を再びオン操作してもスタータモータ4が起動せず、スタータモータのピニオンとフライホイールギヤとの衝突を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン始動用のスタータモータと、スタータモータの電源を入切りするスタータリレーと、スタータリレーの電磁コイルの電源を入切りする手動式スタータスイッチとを備えた建設機械のエンジン始動回路において、スタータリレーの電磁コイルに半導体スイッチを直列接続し、エンジンと連動するオルタネータの発電出力を、建設機械に搭載されているコントローラまたはモニタ等のコンピュータへ入力し、コンピュータがオルタネータの交流出力周波数または発電電圧に応じて半導体スイッチを制御するように構成した建設機械のエンジン始動回路であって、オルタネータの交流出力周波数または発電電圧が、エンジンが自立回転を開始するときの値を超えたときは半導体スイッチをオフし、オルタネータの交流出力周波数または発電電圧が、エンジンの最低自立回転数における値以下に低下するまで半導体スイッチをオフに維持する制御プログラムをコンピュータに格納して、コンピュータによりスタータリレーの動作を制御することを特徴とする建設機械のエンジン始動回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建設機械のエンジン始動回路に関するものであり、特に、部品点数の削減を図った建設機械のエンジン始動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンが回転中にスタータスイッチをオン操作した場合に、スタータモータが起動すると、スタータモータのピニオンがエンジンのフライホイールギヤに衝突して異音が発生したり、ギヤ機構が破損する虞れがある。これを防止するために従来の建設機械においては、セフティーリレーを用いてスタータモータの起動制御を行っている。
【0003】セフティーリレーは、エンジンと連動して回転するオルタネータの回転数に応じてスタータリレーの開閉制御を行い、オルタネータの回転数が或る基準回転数(エンジン始動時にエンジンが自立回転を始めたとみなすことができる回転数)を超えた場合は、スタータリレーの電磁コイルへの電源接続を切ってスタータリレーを開く。これにより、エンジンが始動後に再びスタータスイッチをオン操作しても、スタータリレーが開いているのでスタータモータへ通電されず、スタータモータが再起動することがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、エンジン回転中のスタータモータの再起動防止のために、セフティーリレーを用いているが、セフティーリレーのコストがかかるとともに、設置場所を確保しなければならないという問題がある。
【0005】そこで、スペースとコストを削減するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、エンジン始動用のスタータモータと、スタータモータの電源を入切りするスタータリレーと、スタータリレーの電磁コイルの電源を入切りする手動式スタータスイッチとを備えた建設機械のエンジン始動回路において、スタータリレーの電磁コイルに半導体スイッチを直列接続し、エンジンと連動するオルタネータの発電出力を、建設機械に搭載されているコントローラまたはモニタ等のコンピュータへ入力し、コンピュータがオルタネータの交流出力周波数または発電電圧に応じて半導体スイッチを制御するように構成した建設機械のエンジン始動回路であって、オルタネータの交流出力周波数または発電電圧が、エンジンが自立回転を開始するときの値を超えたときは半導体スイッチをオフし、オルタネータの交流出力周波数または発電電圧が、エンジンの最低自立回転数における値以下に低下するまで半導体スイッチをオフに維持する制御プログラムをコンピュータに格納して、コンピュータによりスタータリレーの動作を制御することを特徴とする建設機械のエンジン始動回路を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1は建設機械のエンジン始動回路を示し、バッテリー1とバッテリーリレー2とスタータスイッチが直列接続されている。
【0008】バッテリーリレー2の出力側接点とスタータモータ4とはスタータリレー5を介して接続されていて、スタータリレー5内の電磁コイル6の一端はスタータスイッチ3へ接続され、他端は半導体スイッチ7の入力端子に接続されている。
【0009】8はエンジン(図示せず)によってベルト駆動されるオルタネータであり、交流を整流して直流電流をバッテリー1の+極へ供給するとともに、オルタネータ8の中の一極をコントローラ9またはモニタへ接続して、正弦波交流出力をコントローラ9へ入力する。
【0010】コントローラ9やモニタは、建設機械の各部の制御や監視のために従来から搭載されているものであり、内蔵するマイクロコンピュータの空いている入出力端子を利用し、マイクロコンピュータに後述するスタータ制御プログラムを格納して、半導体スイッチ7を制御する。
【0011】コントローラ9は、オルタネータ8の正弦波出力の周波数からオルタネータ8の回転数を求め、オルタネータ回転数がゼロから基準回転数r1までは半導体スイッチ7をオンし、r1を超えたときに半導体スイッチ7をオフする。ここで基準回転数r1は、エンジン始動時にエンジンが自立回転を始めたとみなすことができるオルタネータ回転数である。
【0012】また、半導体スイッチ7をオフした後に、オルタネータ8の回転数が基準回転数r2以上の場合はスイッチオフを継続し、r2以下に低下したときに半導体スイッチ7をオンする。
【0013】r2はエンジンの最小常用回転数よりも低い値であり、エンジンが自立回転を開始するときのオルタネータ回転数r1はr2よりも高く、r1>r2の関係となっている。
【0014】次に、図1及び図2にしたがってエンジン始動回路の動作を説明する。先ず、バッテリーリレー2がオンでありスタータスイッチ3がオフの状態(ステップ1)から、スタータボタンまたはスタータキーを操作してスタータスイッチ3をオンすると(ステップ2)、エンジンが停止していてオルタネータ回転数がゼロで、オルタネータ回転数ri <r2であり、またri <r1であるから、コントローラ9から半導体スイッチ7の制御端子へHi信号が出力されて半導体スイッチ7がオンする(ステップ3→4→5)。
【0015】これにより、バッテリー1からスタータリレー5の電磁コイル6へ電源が供給され、電磁コイル6が励磁されてスタータリレー5の接点が閉じ、スタータモータ4へ電力が供給されて、スタータモータ4のピニオンがエンジンのフライホイールのギヤに歯合してエンジンが回転される。
【0016】スタータモータ4によって回転されたエンジンが自立回転を始め、オルタネータ回転数ri がr1以上となったときに、コントローラ9の出力信号がHiからLoに変化して半導体スイッチ7はオフする(ステップ4→6)。
【0017】これにより、スタータリレー5の電磁コイル6への電源供給が止まってスタータリレー5の接点が開き、スタータモータ4のピニオンがエンジンのフライホイールのギヤから離れてエンジンは定常回転に入る。エンジン始動後にスタータボタン等の操作を解除してスタータスイッチ3をオフし、エンジンの回転数を所望の回転数に調節して作業に入る(ステップ6→2→6)。
【0018】エンジンが最小常用回転数r2以上で回転している間は、スタータスイッチ3をオン操作しても、ri >r2により、半導体スイッチ7はオフに維持され(ステップ2→3→6)、スタータモータ4へ通電されないので、スタータピニオンとフライホイールギヤとの衝突による異音の発生やエンジン始動機構の破損が防止される。
【0019】尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、図2におけるステップ2を省略してもよい。また、オルタネータの出力周波数により半導体スイッチを制御する方式に代えて、オルタネータの発電電圧により半導体スイッチを制御する方式としてもよく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の建設機械のエンジン始動回路は、建設機械内の既設のコントローラやモニタ等のコンピュータを用いて、スタータリレーの動作を制御し、エンジンが自立回転中はスタータスイッチを操作してもスタータモータへ通電されないようにしたので、従来用いられていたセフティーリレーが不要となり、コスト並びに設置スペースを削減できる。
【出願人】 【識別番号】000183314
【氏名又は名称】住友重機械建機クレーン株式会社
【出願日】 平成12年3月24日(2000.3.24)
【代理人】 【識別番号】100060575
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【公開番号】 特開2001−271730(P2001−271730A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−85331(P2000−85331)