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【発明の名称】 内燃機関用リコイルスタータ
【発明者】 【氏名】村上 真之

【氏名】山下 貴志

【要約】 【課題】センター軸がブレーキバネの着座のための補助軸と内部品の固定のためのセンター主軸とに分けて構成された新規の内燃機関用リコイルスタータを提供することを目的とする。

【解決手段】スタータケース内にセンター主軸を設け、このセンター主軸にリングの形状を呈する補助軸を嵌着すると共に同センター主軸の先端にリテーナを取付け、このリテーナと補助軸との間にブレーキ用コイルバネを圧縮の状態として挟入したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スタータケース内にセンター主軸を設け、このセンター主軸にリングの形状を呈する補助軸を嵌着すると共に同センター主軸の先端にリテーナを取付け、このリテーナと補助軸との間にブレーキ用コイルバネを圧縮の状態として挟入したことを特徴とする内燃機関用リコイルスタータ。
【請求項2】 リコイルスプリングのフック掛け部を補助軸に設けたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用リコイルスタータ。
【請求項3】 補助軸をプラスチック成形製としたことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関用リコイルスタータ。
【請求項4】 補助軸をセンター主軸よりも薄い金属板の絞り加工により製したことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関用リコイルスタータ。
【請求項5】 補助軸をスタータケースの壁面に当接し且つ当該当接する両面に回転止め機能を果す係合突起および係合孔を設けて相互に嵌着したことを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関用リコイルスタータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタータケース内に設けたセンター軸に対してリコイルスプリングにより巻き戻るロープ巻戻しリールを支承した構成の、リールに巻かれたロープを引き出すことによって内燃機関を始動させるための内燃機関用リコイルスタータに関し、詳しくはブレーキバネの着座のための補助軸と内部品の固定のためのセンター主軸とに分けて構成したセンター軸をもつ、内燃機関用リコイルスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば図8に示すように、1枚の金属薄板に圧絞加工を施して得たセンター軸32をスタータケース31内にスポット溶着等により止着し、このセンター軸32の外周にフック掛け部33を設けて当該フック掛け部33にリコイルスプリング34の内端を掛け止めると共に同センター軸32の外周面にリール35を回転自在に支承し、またセンター軸32の先端にリテーナ36を取付け且つこのリテーナ36とセンター軸32との間にテーパー状の着座部38を利用してブレーキ用コイルバネ37を圧縮の状態として挟入した形式のものは知られていた。
【0003】この従来形式のものは、センター軸32の先端寄り個所に絞り加工等を施すことによってブレーキ用コイルバネ37の着座部38をテーパー状に形成したもので、所謂浅い絞り加工で得ることができていたものである。
【0004】しかし乍ら、本発明品のようにブレーキバネの平らな着座面およびフック掛け部を一体にもつ段つき形状の完成品を得ようとして、またはC形止め輪やネジ等の固定部分をより強い構造にしようとして、もし仮に、これを肉の厚い板材を以て平らな着座部を成形しようとすると、所謂深い絞り加工が必要となって絞り加工の工程回数が増えたり、高度の技術が必要となったり、金型代が高価となったり、また形状によっては成形できないことになったりするという問題点が生じてしまう。
【0005】そこで、本発明者は、ブレーキバネの着座と内部品の固定(ネジ等)を1枚の金属板で一体に成形した従来形式のセンター軸に鑑み、上記したような問題点を改善するために種々の工夫・改良手段を試みるうちに、本発明に係る内燃機関用リコイルスタータを見出したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブレーキバネの着座のための補助軸と内部品の固定のためのセンター主軸とに分けて別々に製作することによって、上記問題点を解消するようにした新規の内燃機関用リコイルスタータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明に係る内燃機関用リコイルスタータは、スタータケース内にセンター主軸を設け、このセンター主軸にリングの形状を呈する補助軸を嵌着すると共に同センター主軸の先端にリテーナを取付け、このリテーナと補助軸との間にブレーキ用コイルバネを圧縮の状態として挟入したものであり、そして、リコイルスプリングのフック掛け部を補助軸に設けたものであり、また、補助軸をプラスチック成形製もしくは金属板の絞り加工製としたものであり、そして、補助軸をスタータケースの壁面に当接し且つ当該相互に当接する両面に回転止め機能を果す係合突起および係合孔を設けて嵌着したものである。
【0008】
【実施例】図1および図2に示す第1実施例は、機関側のファンケース(図示せず)への取付け孔1の多数個を開口縁に設けた皿形状のスタータケース2を構成し、このスタータケース2の中央個所に太径筒状のセンター主軸3を内向きとして一体に立設し、このセンター主軸3の外周にプラスチック成形製のリング形状補助軸4を嵌着して当該補助軸4をスタータケース2の底面壁に当接し、この当接する両面に回転止め機能を果す係合突起5および係合孔6を一体に設けて相互に嵌着すると共に当該補助軸4の外周面に切欠7を設けてフック掛け部8を形成し、【0009】上記補助軸4の外周にリール10を回転自在に支承し、またセンター主軸3の先端にリテーナ11をC形止め輪12を以て止めると共にこのリテーナ11の内面と補助軸4の平らな天壁(着座面)との間に複数のブレーキ用コイルバネ13を、これ等各ブレーキ用コイルバネ13の半分が補助軸4の平らな天壁に放射配置で予め設けた複数のバネ受け孔14に陥入した状態および圧縮の状態として挟入し、【0010】また、上記リール10のロープ溝15にロープ16を捲回すると共に当該リール10の外側側面にセンター軸3を中心とする円形のバネ室17を設け、このバネ室17内に内・外両端にU字状に折り返して形成した内・外端用フック部(図示せず)をもつリコイルスプリング18を装入し且つ当該リコイルスプリング18のフック部をバネ室17の周壁に予め設けた引掛部(図示せず)と上記フック掛け部8とに掛け止めることによってリール10にロープ16の巻き戻し方向への回転力を付与し、【0011】更に、上記リテーナ11の外周部に機関側のフライホイール(図示せず)に予め設けた係合部19に対して係合する係合爪20を軸孔21およびドッグバネ22を介して設け、フライホイールの回転速度がリール10の回転速度を上回ったときに係合爪20が係合部19から外れるようにしたものである。
【0012】図3に示す第2実施例は、別の部材から成る細径のセンター主軸3をスタータケース2の中央に固定したものであって、他の部分は上記第1実施例と同様のものである。
【0013】図4に示す第3実施例は、リテーナ11をネジ23により取付けたものであって、他の部分は上記第2実施例と同様のものである。
【0014】図5および図6に示す第4実施例は、機関側のファンケースへの取付け孔(図示せず)の多数個を開口縁に設けた皿形状のスタータケース42と取付座43をもつ垂直胴壁44および平らな天壁(着座面)45からなるリング形状の補助軸46とを金属薄板に圧絞加工を施してそれぞれ構成し、またこれ等とは別個に取付座47をもつ細径筒状のセンター主軸48を上記金属薄板よりも厚い金属板に絞り加工を施して構成し、スタータケース42の中央個所にセンター主軸48を配し且つ当該センター主軸48の外周に上記リング形状補助軸46を嵌着してこれ等センター主軸48、補助軸46における取付座43、47をスタータケース42の底面壁にスポット溶接により止着すると共に当該補助軸46の胴壁44に所定の孔49を開設してフック掛け部50を形成し、【0015】上記補助軸46の外周にリール51を回転自在に支承し、またセンター主軸48の先端にリテーナ52をC形止め輪53を以て取付けると共にセンター主軸48におけるリテーナ52と補助軸46の天壁(着座面)45との間の個所にブレーキ用コイルバネ54を当該ブレーキ用コイルバネ54がセンター主軸48の先端部を囲んで圧縮した状態として挟入し、【0016】また、上記リール51のロープ溝56にロープ57を捲回すると共に当該リール51の外側側面にセンター主軸48を中心とする円形のバネ室58を設け、このバネ室58内に内・外両端にU字状に折り返して形成した内・外端用フック部(図示せず)をもつリコイルスプリング59を装入し且つ当該リコイルスプリング59のフック部をバネ室58の周壁に予め設けた引掛部(図示せず)と上記フック掛け部50とに掛け止めることによってリール51にロープ57の巻き戻し方向への回転力を付与し、【0017】更に、上記リテーナ52の外周部に、機関側のフライホイールに予めクランクプーリを介して設けた係合部(図示せず)に対して係合する係合爪60を設け、フライホイール側の回転速度がリール51の回転速度を上回ったときに係合爪60が係合部から外れるようにしたものである。
【0018】図7に示す第5実施例は、リテーナ52をネジ61により固着したものであって、他の部分は上記第4実施例と同様のものである。
【0019】尚、図中符号24、62および25、63は、リールの軸孔内および補助軸の外周面に設けた段部であって、スタータケースの底壁とリールの側面とのクリアランスを一定に保つ機能、およびエンジン始動時の負荷を受けたときのリールの受け作用を果すものである。
【0020】本発明を実施をするときには、補助軸の着座面をテーパー面とすることが可能であり、これにも本発明が及ぶものである。
【0021】
【作用】すなわち、上記の各実施例は、リコイルスプリングの連結、リールの支承、ブレーキ用コイルバネの取付およびリテーナ11の取付を担うセンター軸を、センター主軸と補助軸とに分けて構成してからこれ等を嵌着(合体)する方法によって得るようにしたものである。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関用リコイルスタータは、スタータケース内にセンター主軸を設け、このセンター主軸にリングの形状を呈する補助軸を嵌着すると共に同センター主軸の先端にリテーナを取付け、このリテーナと補助軸との間にブレーキ用コイルバネを圧縮の状態として挟入するようにしたので、センター軸部分の構成を極めて簡単にすることができるものであり、特に補助軸を比較的安価に量産の可能なプラスチック成形製もしくは金属板の絞り加工製としたので、センター軸の構成の低コスト化の達成、加工の容易性の達成等を可能とするものであって、所期の目的を完全に達成できる著効を奏するものであリ、しかも本発明において補助軸はプラスチック成形もしくは薄い金属板の絞り加工によって得るようにしたので、リコイルスプリングのフック掛け部を比較的容易に設けることが可能となる利点があり、またスタータケースの底面壁と補助軸とが当接する両面に回転止め機能を果す係合突起および係合孔を設けて相互に嵌着するようにしたので、スタータケースに対する補助軸の取付を容易に行うことができるようになって極めて作業性がよい等の優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000187013
【氏名又は名称】昭和機器工業株式会社
【出願日】 平成12年3月24日(2000.3.24)
【代理人】 【識別番号】100060896
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 泰三
【公開番号】 特開2001−271728(P2001−271728A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−84414(P2000−84414)