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【発明の名称】 内燃機関用の燃料噴射弁
【発明者】 【氏名】ゲアハルト ギルリンガー

【氏名】マンフレート ハックル

【氏名】シュテファン ライジンガー

【要約】 【課題】燃料噴射弁において、接続孔と供給孔との交わり部において弁体に大きな負荷がかかることを回避し、弁体に十分な耐久性を保証する。

【解決手段】内燃機関用の燃料噴射弁において、接続孔74と供給孔70とが、弁体10の長手方向軸線11の方向でリング室49に対してずらされた領域において、互いに鈍角αをなして交わっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関用の燃料噴射弁であって、弁体(10)と軸方向シフト可能に案内された噴射弁部材(20)とが設けられていて、該噴射弁部材(20)によって少なくとも1つの噴射開口(26)が制御され、噴射弁部材(20)が、圧力室(22)を制限する圧力肩部(24)を有しており、圧力室(22)に、圧力下にある燃料が燃料高圧源から供給され、該燃料によって、噴射弁部材(20)が閉鎖力に抗して、少なくとも1つの噴射開口(26)を開放するために弁座(30)から持ち上げ可能であり、噴射弁部材(20)の運動に影響を与える電気式の制御弁(40)が設けられていて、該制御弁(40)が、制御圧室(47)に存在していて噴射弁部材(20)を少なくとも間接的に該噴射弁部材(47)の閉鎖方向に負荷する圧力を制御し、制御圧室(47)が燃料高圧源と接続されていて、制御弁(40)によって少なくとも1つの噴射開口(26)を開放するために放圧室と接続可能であり、制御圧室(47)が、弁体(10)に挿入された挿入体(42)のスリーブ状区分(43)内において、噴射弁部材(20)に作用する中間部材(38)によって制限されており、挿入体(42)のスリーブ状区分(43)と弁体(10)との間にリング室(49)が形成されており、挿入体(42)がフランジ(44)を有しており、該フランジ(44)によって挿入体(42)が弁体(10)の長手方向軸線(11)の方向で該弁体(10)に接触し、制御圧室(47)が、挿入体(42)における少なくとも1つの開口(51)を介してリング室(49)と接続されており、弁体(10)に、少なくともほぼ該弁体(10)の長手方向軸線(11)に沿って延びる供給孔(70)が設けられており、該供給孔(70)が圧力室(22)を、燃料噴射弁における燃料高圧源の接続部(72)と接続しており、さらにリング室(49)が、弁体(10)に設けられた接続孔(74)を介して供給孔(70)と接続されている形式のものにおいて、接続孔(74)と供給孔(70)とが、弁体(10)の長手方向軸線(11)の方向でリング室(49)に対してずらされた領域において、互いに鈍角(α)をなして交わっていることを特徴とする、内燃機関用の燃料噴射弁。
【請求項2】 弁体(10)が孔(16)を有しており、該孔(10)が、挿入体(42)のフランジ(44)が配置されている孔区分(163)と、挿入体(42)のスリーブ状区分(43)が配置されかつリング室(49)が形成されていて小さな直径を有する孔区分(162)とを備えており、両孔区分(162,163)の移行部に、弁体(10)の長手方向軸線(11)の方向に向いたリング肩部(46)が形成されており、該リング肩部(46)に隆起したリングウェブ(76)が配置されていて、該リング肩部(76)に挿入体(42)のフランジ(44)が接触しており、接続孔(74)がリング肩部(46)においてリングウェブ(76)の内側で開口していて、フランジ(44)とリング肩部(46)との間に設けられた軸方向間隙を介してリング室(49)と接続されている、請求項1記載の燃料噴射弁。
【請求項3】 接続孔(74)が供給孔(70)よりも小さな直径を有している、請求項1又は2記載の燃料噴射弁。
【請求項4】 供給孔(70)から接続孔(74)への移行部が丸く形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用の燃料噴射弁、特に蓄圧式燃料噴射系の構成部分である燃料噴射弁であって、弁体と軸方向シフト可能に案内された噴射弁部材とが設けられていて、該噴射弁部材によって少なくとも1つの噴射開口が制御され、噴射弁部材が、圧力室を制限する圧力肩部を有しており、圧力室に、圧力下にある燃料が燃料高圧源から供給され、該燃料によって、噴射弁部材が閉鎖力に抗して、少なくとも1つの噴射開口を開放するために弁座から持ち上げ可能であり、噴射弁部材の運動に影響を与える電気式の制御弁が設けられていて、該制御弁が、制御圧室に存在していて噴射弁部材を少なくとも間接的に該噴射弁部材の閉鎖方向に負荷する圧力を制御し、制御圧室が燃料高圧源と接続されていて、制御弁によって少なくとも1つの噴射開口を開放するために放圧室と接続可能であり、制御圧室が、弁体に挿入された挿入体のスリーブ状区分内において、噴射弁部材に作用する中間部材によって制限されており、挿入体のスリーブ状区分と弁体との間にリング室が形成されており、挿入体がフランジを有しており、該フランジによって挿入体が弁体の長手方向軸線の方向で該弁体に接触し、制御圧室が、挿入体における少なくとも1つの開口を介してリング室と接続されており、弁体に、少なくともほぼ該弁体の長手方向軸線に沿って延びる供給孔が設けられており、該供給孔が圧力室を、燃料噴射弁における燃料高圧源の接続部と接続しており、さらにリング室が、弁体に設けられた接続孔を介して供給孔と接続されている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような燃料噴射弁は、「Dieselmotorentechnik 2000, Expert Verlag 1999, 第222頁」の文献から公知である。この燃料噴射弁は蓄圧式燃料噴射系(Speicherkraftstoffeinspritzventil)の構成部分である。燃料噴射弁は弁体と軸方向シフト可能に案内された噴射弁部材とを有しており、この噴射弁部材によって少なくとも1つの噴射開口が制御される。噴射弁部材は、圧力室を制限する圧力肩部を有しており、この場合圧力室には、圧力下にある燃料が燃料高圧源から供給され、この燃料によって噴射弁部材は閉鎖力に抗して、少なくとも1つの噴射開口を開放するために、弁座から上昇可能である。燃料噴射弁は電気式の制御弁を有しており、この制御弁によって噴射弁部材の運動に影響が与えられ、この場合制御弁によって、燃料高圧源と接続された制御圧室内における圧力が制御され、この圧力は噴射弁部材を少なくとも間接的にその閉鎖方向に負荷し、この場合制御弁によって制御圧室は放圧室と接続可能である。制御圧室は、弁体に挿入された挿入体のスリーブ状区分において、噴射弁部材の1区分又は該噴射弁部材に作用する中間部材によって制限されている。挿入体のスリーブ状区分と弁体との間にはリング室が形成されている。挿入体はフランジを有しており、このフランジによって挿入体は、弁体の長手方向軸線の方向で該弁体にリング室に向かって接触する。挿入体のスリーブ状区分における制御圧室は、挿入体における少なくとも1つの開口を介してリング室と接続されている。弁体には、少なくともほぼその長手方向に延びていて圧力室を燃料噴射弁における燃料高圧源の接続部と接続している供給孔が設けられている。リング室は、弁体に設けられた接続孔を介して供給孔と接続されている。接続孔はほぼ直角に又は鋭角を成して、供給孔に対して傾けられていて、リング室の周面において開口している。接続孔は、リング室の高さに位置している領域において、供給孔と交わっている。接続孔と供給孔との交わり部において弁体には、リング室及び両孔において生じる高圧と、挿入体と弁体との緊張とに基づいて、極めて高い機械的な緊張もしくは応力が発生する。そこで弁体の十分な耐久性を得るためには、燃料圧を制限すること及び/又は高い強度を有する高価な材料を使用することが必要である。しかしながら今日のまた今後の排ガス規制値を維持できるようにするためには、燃料圧をさらに高めることが望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の燃料噴射弁を改良して、接続孔と供給孔との交わり部において弁体に大きな負荷がかかることを回避し、弁体に十分な耐久性を保証することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明の構成では、接続孔と供給孔とが、弁体の長手方向軸線の方向でリング室に対してずらされた領域において、互いに鈍角をなして交わっているようにした。
【0005】
【発明の効果】本発明のように構成された燃料噴射弁には、公知のものに比べて次のような利点がある。すなわち本発明による燃料噴射弁では、弁体における機械的な緊張もしくは応力を、接続孔と供給孔との交わり部において減じることができかつ/又は強度の低い安価な材料を使用することができ、それにもかかわらず弁体の十分な耐久性を保証することができる。
【0006】本発明の別の有利な構成は請求項2以下に記載されている。請求項2記載のように構成されていると、供給孔に対してわずかに傾けられた接続孔の平らな配置形式が可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0008】図1及び図2には、内燃機関有利には自己点火式の内燃機関用の燃料噴射弁が示されており、この燃料噴射弁は特に、蓄圧燃料噴射系の1構成部分である。蓄圧燃料噴射系は高圧ポンプを有しており、この高圧ポンプによって燃料は、レールの形のアキュムレータ(Speicher)に圧送され、このアキュムレータからは、内燃機関のシリンダに配置された燃料噴射弁に通じる導管が延びている。アキュムレータはこの場合、燃料噴射弁が接続されている燃料高圧源を形成している。
【0009】燃料噴射弁はほぼ円筒形の弁体10を有しており、この弁体10は有利には鋼製である。弁体10には、一端で弁ケーシング部分12が緊締ナット14を用いて緊締されており、弁ケーシング部分12及び緊締ナット14は有利には同様に鋼から成っている。弁体10には、該弁体の長手方向軸線11に対してほぼ同軸的に延びる孔16が形成されており、弁ケーシング部分12には、孔16に対してほぼ同軸的に延びる孔18が形成されていて、この孔18の直径は弁体10における孔16の直径よりも小さい。弁ケーシング部分12の孔18内には、ピストン状の噴射弁部材20が軸方向シフト可能に配置されている。弁ケーシング部分12における孔18は半径方向の拡大部を有しており、この拡大部によって圧力室22が形成されている。噴射弁部材20は直径を段付けされて形成されていて、圧力室22の領域において小さな直径に移行しており、これによって圧力室22には噴射弁部材20に圧力肩部24が形成されている。弁ケーシング部分12は内燃機関のシリンダの燃焼室に向けられた端部領域に、少なくとも1つの有利には複数の噴射開口26を有している。噴射弁部材20は燃焼室に向けられた端部領域に、例えばほぼ円錐形のシール面28を有しており、このシール面28は、弁ケーシング部分12に形成された弁座30と共働する。弁ケーシング部分12には、圧力室22を起点として燃焼室に向かって配置された孔18の区分と、噴射弁部材20との間に、リング室32が形成されており、このリング室32は圧力室22と接続されており、これは後で詳しく述べるように、燃料高圧源としての蓄力器と接続されている。圧力室22における圧力によって、噴射弁部材20にはその圧力肩部24を介して、開放方向21に作用する力が生ぜしめられる。噴射弁部材20は、燃焼室とは反対側に位置していて大きな直径を有する端部領域で、圧力室22を起点として延びていて燃焼室とは反対側に位置する、弁ケーシング部分12の孔18の区分において、密につまりシール作用をもって案内されている。
【0010】噴射弁部材20の、燃焼室とは反対側の端部は、弁体10の孔16内に入り込んでおり、この孔16は弁ケーシング部分12に向けられた端部区分において、弁ケーシング部分12における孔18よりも大きな直径をもって形成されている。弁部材20の、孔16に入り込んでいる端部には、ばね受34が配置されており、このばね受34は弁部材20と一体的に形成されていても、又は別体の部分として弁部材20と結合されていてもよい。孔16の端部区分には予負荷された圧縮ばね35が配置されており、この圧縮ばね35は一端でばね受34に支持され、かつ他端で、小径の区分への孔16の移行によって形成されたリング肩部36に支持されている。圧縮ばね35によって噴射弁部材20はその閉鎖方向に負荷され、シール面28で弁座30に押し付けられる。
【0011】弁体10の孔16内においては押圧ロッド38がシフト可能に案内されており、この押圧ロッド38は燃焼室に向けられた端部で、圧縮ばね35を貫通し、かつ端面で皿ばね34に接触している。弁体10の孔16は、弁体10の、燃焼室とは反対側の端部に向かって、階段状に複数回増大している。弁体10の、燃焼室とは反対側の端部において、弁体10には電気制御式の弁40が挿入されており、この弁40は電磁弁又は圧電式弁として構成されている。
【0012】燃焼室とは反対側の端部から弁体10には、有利には鋼製の挿入体42が挿入されており、この挿入体42はスリーブ状区分43を有していて、該区分43は弁体10の孔区分161内に配置されている。スリーブ状区分43は孔区分161に圧入されていることができる。挿入体42はさらに、スリーブ状の区分43に比べて大きな直径を有するフランジ44を有しており、このフランジ44は相応に大きな直径を有する孔区分163に配置されている。フランジ44は半径方向遊びをもって孔区分163に配置されている。孔区分161と163との間には、別の孔区分162が配置されており、この孔区分162の直径は孔区分161の直径よりは幾分大きいが、しかしながら孔区分163の直径よりも小さい。孔区分162と163との間の移行部には、弁体10に、燃焼室とは反対側を向いたリング肩部46が形成されている。挿入体42のスリーブ状区分43は孔48を有しており、この孔48は弁体10の孔16に対して少なくともほぼ同軸的に延びていて、押圧ロッド38の、燃焼室とは反対側の端部領域にシフト可能に配置されている。押圧ロッド38によって挿入体42のスリーブ状区分43の孔48内には、制御圧室47が制限される。
【0013】挿入体42のスリーブ状区分43の外周壁と孔区分162との間には、リング室49が形成されている。リング室49において孔区分161への移行部には、スリーブ状区分43を取り囲むシールリング50が配置されている。挿入体42のスリーブ状区分43は、少なくとも1つの開口51を有しており、この開口51を通して制御圧室47はリング室49と接続されている。挿入体42のスリーブ状区分43における制御圧室47からは、著しく小さな直径を有する孔52がフランジ44を貫いて延びており、この孔52の直径は、フランジ44における、区分43とは反対の側に向かってさらに減じられ、次いでフランジ44におけるその開口に向かって拡大され、ここで孔52は例えばほぼ円錐形の傾斜部53を形成している。孔区分163には、挿入体42のフランジ44の、燃焼室とは反対の側に、有利には鋼製の保持エレメント55が挿入されて、特にねじ込まれており、この場合孔区分163はフランジ44とは反対側の端部領域に雌ねじ山を有していて、保持エレメント55は雄ねじ山を有している。保持エレメント55はフランジ44に係合していて、該フランジ44を弁体10のリング肩部46に押し付けている。
【0014】保持エレメント55は孔56を有しており、この孔56は少なくともほぼ、挿入体42の孔48,52に対して同軸的に配置されており、この孔56を貫いて、電磁弁40の可動子の可動子ピン57が延びている。可動子はさらに可動子プレート58を有しており、この可動子プレート58は、可動子ピン57よりも大きな直径を有していて、可動子の、挿入体42に向かい合っている側に配置されている。可動子ピン57の、挿入体42に向けられた端部には、球59の形の閉鎖部材が固定されており、この球59は孔52の開口及び、挿入体42のフランジ44に設けられていて弁座として働く傾斜部53と共働する。可動子は予負荷された圧縮ばね60によって、球59で弁座53に押し付けられる。電磁弁40はさらに電磁石61を有しており、この電磁石61によって通電時に磁界が生ぜしめられ、この磁界によって可動子の可動子プレート58は、圧縮ばね60の力に抗して引き付けられ、その結果球59は弁座53から持ち上がり、開口52を開放し、これによって制御圧室47は放圧室と接続される。
【0015】弁体10には供給孔70が設けられており、この供給孔70は少なくともほぼ弁体10の長手方向軸線11の方向で延びている。弁体10の供給孔70は、弁ケーシング部分12に設けられた供給孔71に続き、この供給孔71は圧力室22に開口している。弁体10の供給孔70は接続部72と接続されており、この接続部72には、アキュムレータから燃料噴射弁に続く導管が開口していて、この導管を通して燃料が高圧下で供給される。接続部72は図1では図平面にずらされて示されていて、実際には供給孔70に対して周方向でずらされて配置されており、弁体10の長手方向軸線11に対してほぼ接線方向に延びる短い孔を介して供給孔70と接続されている。供給孔70からは弁体10において接続孔74が延びており、この接続孔74を通して制御圧室47は、アキュムレータの形の燃料高圧源と接続されている。
【0016】弁体10のリング肩部46には図2に示されているように、隆起したリングウェブ76が形成されており、このリングウェブ76には挿入体42のフランジ44が、弁体10の長手方向軸線11の方向で接触する。したがってリング肩部46は、リングウェブ76の半径方向内側において凹んで形成されており、その結果このリング肩部46と挿入体42のフランジ44との間には、軸方向間隙が残され、この軸方向間隙はリング室49と接続されている。
【0017】接続孔74は供給孔70に比べて小さな直径を有している。供給孔70は図1に示されているように、燃焼室から離れる方向で弁体10の長手方向軸線11に対して傾けられていて、供給孔70が弁体10の外周壁に接近するようになっている。接続孔74は、弁体10の長手方向軸線11の方向で見て孔区分161の高さで、つまりリング室49が形成されている孔区分162に対してずらされて、供給孔70と交わっている。接続孔74は供給孔70とは逆向きに傾けられて延びている。すなわち接続孔74は燃焼室から離れる方向で、弁体10の長手方向軸線11に対して傾けられて延びており、この場合接続孔74は弁体10の外周壁から離れるように延びている。接続孔74はしたがって鈍角αをなして供給孔70と交わっている。この角度αは例えば120°〜160°の間である。接続孔74はリングウェブ76の内側において弁体10のリング肩部46に開口している。これによって制御圧室47は開口51、リング室49、フランジ44とリング肩部46との間の軸方向間隙、及び接続孔74を介して、供給孔70と接続されており、ひいては燃料高圧源としてもアキュムレータに接続されている。供給孔70から接続孔74への移行部は有利にはばり取りされていて、丸く成形されており、このことは供給孔70から機械的な工具を用いて簡単に達成することができる。
【0018】リング室49においては、燃料高圧源によって生ぜしめられた高圧が存在しており、この高圧は、孔区分162の領域において弁体10の高い機械的な負荷を生ぜしめる。さらに弁体は予負荷によって負荷され、この予負荷で挿入体42は保持エレメント55によってリング肩部46におけるリングウェブ76に押し付けられる。孔区分161の領域においては高圧は存在していない。それというのは、孔区分161は挿入体42のスリーブ状区分43とシールリング50とによって、リング室49から隔てられているからである。接続孔74と供給孔70とが交わっている領域には、したがって高圧は存在しておらず、かつ弁体10の機械的な負荷はリング室49の領域におけるよりも小さい。
【0019】以下においては本発明による燃料噴射弁の作用形式について述べる。
【0020】燃料噴射弁を閉鎖状態に保ちたい場合には、制御弁40は無電流状態であり、その結果圧縮ばね60によって球59は弁座53に押し付けられ、制御圧室47は放圧室53から切り離されている。制御圧室47には、燃料高圧源によって生ぜしめられた高圧が存在し、この高圧は押圧ロッド38に作用し、押圧ロッド38はさらにばね受34を介して噴射弁部材20を閉鎖方向に負荷する。押圧ロッド38及び圧縮ばね35によって噴射弁部材20に対して閉鎖方向で加えられる力は、噴射弁部材20に対して該噴射弁部材20の圧力肩部24を介して高圧下にある燃料によって開放方向21に加えられる力よりも大きいので、噴射開口26は閉鎖されていて、燃料は燃焼室内に噴射されない。
【0021】燃料噴射弁を開放するためには制御弁40が通電され、その結果制御弁40の電磁石61によって可動子の可動子プレート58が引き付けられ、球59が弁座53から持ち上がり、孔52を開放する。これによって制御圧室47は、例えば燃料タンクである放圧室と接続され、制御圧室47からは燃料が放圧室に流出することができる。小さな直径を有する孔52によって絞り作用が得られ、その結果制御圧室47から流出する燃料量はわずかである。制御圧室47と放圧室との接続によって、制御圧室47における圧力は、燃料高圧源から供給される高圧よりも下がる。燃料高圧源から供給される高圧は、噴射弁部材20の圧力肩部24に作用し、噴射弁部材20に対してその開放方向において作用する力を生ぜしめる。この力は、圧縮ばね35の力と、制御圧室47内における圧力によって押圧ロッド38を介して作用する力との総和よりも大きいので、噴射弁部材20は開放方向21に移動させられる。この際に噴射開口26を通して、燃焼室内への燃料噴射が行われる。燃料噴射弁を閉鎖するためには、制御弁40が再び無電流状態に切り換えられ、その結果制御圧室47は放圧室から切り離され、制御圧室47における圧力が、燃料高圧源から供給される高圧に高まり、そして押圧ロッド38を介して噴射弁部材20を閉鎖方向に移動させる。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【出願日】 平成13年4月5日(2001.4.5)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−355544(P2001−355544A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2001−107639(P2001−107639)