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【発明の名称】 内燃機関における燃料供給装置
【発明者】 【氏名】斎藤芳夫

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料タンク内の燃料を昇圧して吐出する燃料ポンプと、燃料ポンプから吐出される昇圧された燃料を、第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に調圧し、第1燃料通路を介してディマンド式燃料圧力制御弁に供給する第1燃料圧力制御弁と、ディマンド式燃料圧力制御弁にて第2の所定圧力B(kgf/cm2 )に低減され、吸気管内に臨む燃料噴射弁が装着された燃料分配管に燃料を供給する第2燃料通路とを備える内燃機関における燃料供給装置において、ディマンド式燃料制御弁DRの弁座25より上流側の第1燃料通路F1と、前記弁座より下流側の第2燃料通路F2とを弁座25を介することなくバイパス通路BPにて連絡するとともに該バイパス通路を開閉する開閉弁Vを設け、燃料噴射弁Jの燃料カット時において、バイパス通路BPを開閉弁にて開放したことを特徴とする内燃機関における燃料供給装置。
【請求項2】 前記開閉弁を電磁弁SVとし、燃料噴射弁Jの燃料カット時において、前記電磁弁を電気的に駆動操作したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関における燃料供給装置。
【請求項3】 前記電磁弁及びディマンド式燃料圧力制御弁DRが燃料分配管Dに取着され、バイパス通路BPを燃料分配管Dに形成したことを特徴とする請求項2記載の内燃機関における燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク内の燃料を燃料ポンプによって昇圧し、この昇圧された燃料が第1燃料圧力制御弁にて第1の所定圧力に調圧されてディマンド式燃料圧力制御弁に供給され、次いでディマンド式燃料圧力制御弁にて第2の所定圧力に調圧されて低減された燃料が燃料分配管に装着された燃料噴射弁を介して機関に連なる吸気管内に向けて噴射供給される内燃機関における燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関における燃料供給装置について図2により説明する。Tは内部に燃料が貯溜される燃料タンクであり、Pは燃料タンクT内の燃料を吸入して吐出する電動式の燃料ポンプであり、燃料ポンプPによって昇圧されて吐出される燃料は第1燃料通路F1を介して後述するディマンド式燃料圧力制御弁DRに供給される。Rは第1燃料圧力制御弁であり、弁本体10とカバー11との間にダイヤフラム12が挟持され、ダイヤフラム12と弁本体10の凹部とにより燃料室13が形成され、カバー11の凹部とダイヤフラム12とによりスプリング室14が形成される。燃料室13にはリターン通路15と燃料導入路F3とが開口するもので、燃料導入路F3の上流側は第1燃料通路F1に連なり、リターン通路15の下流側は燃料タンクT内に開口する。スプリング室14内には第1スプリングS1が縮設されるもので、これによるとダイヤフラム12及びダイヤフラム12と一体的に形成されるとともにリターン通路15の開口に臨んで配置された弁体16は燃料室13側に付勢される。尚、スプリング室14は開口11Aを介して燃料タンクT内へ連絡される。又Mは第1燃料通路F1に配置されたメインフィルタであり、燃料ポンプPから第1燃料通路F1を流下する燃料中に含まれる異物を除去する役目をなす。ディマンド式燃料圧力制御弁DRは以下よりなる。弁本体20とカバー21との間にダイヤフラム22が挟持され、ダイヤフラム22と弁本体20の凹部とにより燃料室23が形成され、カバー21の凹部とダイヤフラム22とによりスプリング室24が形成される。燃料室23内には弁座25を介して弁孔26が開口するとともに第2燃料通路F2が開口するもので、前記弁孔内には第2スプリングS2によって弁座25に向けて押圧される弁体27が移動自在に配置される。又、第2燃料通路F2の下流は燃料噴射弁Jを備える燃料分配管Dの燃料分配路D1に接続されるもので、燃料噴射弁Jから噴射される燃料は吸気管Kの吸気路K1を介して図示せぬ機関に供給される。又、前記スプリング室には第3スプリングS3が縮設されるもので、これによるとダイヤフラム22、ダイヤフラム22に一体的に取着されて弁体27に臨む押圧杆28は燃料室23側に付勢される。そして前記第3スプリングS3のバネ力が第2スプリングS2のバネ力より強く設定されることから燃料室23、スプリング室24に何等の圧力が作用しない状態において、弁体27は押圧杆28によって下方へ押圧され、弁体27は弁座25を開放保持する。尚、29はディマンド式燃料圧力制御弁DRのスプリング室24と吸気管Kとを連絡する第3負圧通路であり、この第3負圧通路29は吸気管Kの吸気路K1内に生起する負圧をディマンド式燃料圧力制御弁DRのスプリング室24に導入するものであり、燃料噴射弁Jの噴射雰囲気である吸気管Kの吸気路K1内圧力に対して常に設定圧力分高くなるよう燃料圧力を保持することができる。又、前記第1燃料通路の下流側はディマンド式燃料圧力制御弁DRの弁孔26に連絡される。
【0003】かかる従来の燃料供給装置によると、燃料タンクT内の燃料は、燃料ポンプPによって昇圧されて吐出されるもので、この昇圧された燃料はメインフィルターMによって異物が除去されるとともに燃料導入路F3を介して第1燃料圧力制御弁Rの燃料室13内へ流入し、弁体16を含むダイヤフラム12をスプリング室14側へ移動させ、設定された第1の所定圧力A(kgf/cm2 )(例えば3.5kgf/cm2 )で第1スプリングS1のバネ力と釣り合って前記第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に調圧する。このとき、燃料室13内の燃料は、弁体16の開口に応じてリターン通路15を介して燃料タンクT内へ排出される。そして前記第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に調圧された燃料が第1燃料通路F1を介してディマンド式燃料圧力制御弁DRに向けて供給される。ディマンド式燃料圧力制御弁DRの弁孔26には第1の所定圧力A(kgf/cm2 )を有する燃料が供給され、この燃料が開口状態にある弁座25を介して燃料室23内へ供給されることによって押圧杆28を含むダイヤフラム22が第3スプリングS3を圧縮して上動するものであり、これによって弁体27が弁座25を閉塞し、第2の所定圧力B(kgf/cm2 )(例えば3kgf/cm2 )に低減して調圧する。そしてこの第2の所定圧力B(kgf/cm2 )を有する燃料が第2の燃料通路F2を介して燃料分配管Dの燃料分配路D1へ供給され、次いで、燃料噴射弁Jから吸気管Kの吸気路K1内に向けて噴射供給される。以上のように、第1燃料圧力制御弁Rによって第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に調圧されて第1燃料通路F1に供給される燃料圧力A(kgf/cm2 )(例えば3.5kgf/cm2 )を有する燃料は、ディマンド式燃料圧力制御弁DRによって第1の所定圧力A(kgf/cm2 )(3.5kgf/cm2 )より低い第2の所定圧力B(kgf/cm2 )(3kgf/cm2 )に調圧されて第2燃料通路F2を介して燃料分配管Dに供給される。そして、燃料噴射弁Jからの燃料消費によって第2燃料通路F2を含む燃料室23内の燃料圧力が第2の所定圧力(3kgf/cm2 )より低下すると、ダイヤフラム22は第3スプリングS3のバネ力によって下方向へ変位し、これによって押圧杆28が弁体27を下方に移動させて弁座25を開放して第1燃料通路F1内の第1の所定圧力(3.5kgf/cm2 )を有する燃料を弁座25を介して再び燃料室23内へ供給するもので、燃料室23内の燃料圧力が第2の所定圧力(3kgf/cm2 )に復帰調圧された状態で再び弁体27が弁座25を閉塞する。従って、弁体27が燃料室23内の圧力に応じて弁座25をくり返して開閉することにより第2燃料通路F2内の燃料圧力を第2の所定圧力B(kgf/cm2 )(3kgf/cm2 )に調圧する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の燃料供給装置において、機関の急減速時等において、燃料噴射弁Jより燃料の噴射が一時的にカット(停止)される。一方燃料噴射弁Jに至る燃料分配管D、第2燃料通路F2は機関の近傍であって且つ車輌のエンジンルーム内に配置されていることから大きく加熱されるもので、これによると第2燃料通路F2内の燃料は膨張し、燃料分配管D、第2燃料通路F2、ディマンド式燃料圧力制御弁DRの燃料室23内の燃料圧力は第2の所定圧力B(kgf/cm2)(3kgf/cm2 )を超えて大きく上昇する。そして、ディマンド式燃料圧力制御弁DRの燃料室23内の燃料圧力が{第1燃料通路F1内の第1の所定圧力A(kgf/cm2 )(3.5kgf/cm2+第2スプリングS2のバネ力(例えば0.5kgf/cm2 )}を超えた圧力状態において、弁体27が第2スプリングS2のバネ力に抗して弁座25を開放することによって燃料室23内の過大な燃料圧力が第1燃料通路F1に向けて戻される。より具体的に述べると、燃料室23内の燃料圧力が(3.5kgf/cm2 +0.5kgf/cm2)の和である4kgf/cm2 を超えた状態において、燃料室23内の過大な燃料圧力が第1燃料通路F1に向けて放出され、燃料室23内の燃料圧力が4kgf/cm2 を超えて大きく上昇することが抑止される。然しながら、前記状態において、燃料室23、第2燃料通路F2を含む燃料分配管D内の燃料圧力は、4kgf/cm2 を超えて上昇することはないもののディマンド式燃料圧力制御弁DRが通常時において調圧する第2の所定圧力B(kgf/cm2 )(3kgf/cm2 )に比較すると4kgf/cm2 に近いかなり高圧力を有する燃料がそれら配管内に存在することになる。そして前記燃料のカット(供給)が停止される機関の急減速状態が解除されて通常の機関運転状態に復帰されると、燃料噴射弁Jより通常の設定圧力B(kgf/cm2 )より高圧力を有する燃料が吸気管K内に噴射されるもので、これによると混合気濃度が濃化傾向にあって機関の運転性が阻害されるとともに有害排気ガス成分の排出を低減できない。
【0005】本発明は前記不具合に鑑み成されたもので、機関の急減速状態等が解除されて通常の機関運転状態に復帰した際において、燃料噴射弁から噴射供給される燃料を適正に安定的に制御することができ、もって機関の運転性を良好に維持することができるとともに有害排気ガス成分の排出を効果的に抑止することのできる内燃機関における燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明になる内燃機関における燃料供給装置は前記目的を達成する為に、燃料タンク内の燃料を昇圧して吐出する燃料ポンプと、燃料ポンプから吐出される昇圧された燃料を、第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に調圧し、第1燃料通路を介してディマンド式燃料圧力制御弁に供給する第1燃料圧力制御弁と、ディマンド式燃料圧力制御弁にて第2の所定圧力B(kgf/cm2 )に低減され、吸気管内に臨む燃料噴射弁が装着された燃料分配管に燃料を供給する第2燃料通路とを備える内燃機関における燃料供給装置において、ディマンド式燃料制御弁の弁座より上流側の第1燃料通路と、前記弁座より下流側の第2燃料通路とを弁座を介することなくバイパス通路にて連絡するとともに該バイパス通路を開閉する開閉弁を設け、燃料噴射弁の燃料カット時において、バイパス通路を開閉弁にて開放したことを第1の特徴とする。
【0007】又、本発明は前記第1の特徴に加え、前記開閉弁を電磁弁とし、燃料噴射弁の燃料カット時において、前記電磁弁を電気的に駆動操作したことを第2の特徴とする。
【0008】更に、本発明は前記第2の特徴に加え、前記電磁弁及びディマンド式燃料圧力制御弁が燃料分配管に取着され、バイパス通路を燃料分配管に形成したことを第3の特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の第1の特徴によると、機関の急減速運転時等において、燃料噴射弁からの燃料がカットされると、それと同期して開閉弁がバイパス通路を開放し、第1燃料通路と第2燃料通路とが連通される。以上によると、燃料分配路、ディマンド式燃料圧力制御弁の燃料室を含む第2燃料通路内の燃料圧力が大きく上昇しようとした際にあっても、第2燃料通路内の燃料圧力を第1燃料通路内の圧力と同圧に保持でき、これによって急減速運転状態から通常運転状態へ復帰した際における混合気の濃化傾向を安定的に抑止できる。
【0010】又、本発明の第2の特徴によると、開閉弁が電磁弁によって形成され、機関の急減速運転時において、例えばECUから燃料噴射弁に対する燃料カット信号と同期して電磁弁にON信号が出力され、バイパス通路が開放される。
【0011】更に本発明の第3の特徴によると、燃料分配管に電磁弁及びディマンド式燃料圧力制御弁が取着されるので、それらをコンパクトにまとめることができ、更にバイパス通路が燃料分配管に形成されるので、通路形成が簡素化される。
【0012】
【実施例】以下、本発明になる内燃機関における燃料供給装置の一実施例について図1により説明する。尚、図2と同一構造部分は同一符号を使用して説明を省略する。ディマンド式燃料圧力制御弁DRは、図2と同一の構成によって形成される。燃料分配管Dは、内部に密閉状をなす燃料分配路D1が形成され、この燃料分配路D1内に向けて噴射弁支持孔D2が穿設される。本例においては、燃料分配管Dの一部が図示されるもので、前記噴射弁支持孔D2内に燃料噴射弁Jの上部が液密的に挿入配置されるとともに燃料分配路D1に開口され、下部は吸気管Kの吸気路K1内に向けて開口される。EはECU(Electronic Control Unit)であり、水温センサ、吸気温センサ、スロットルポジョンセンサ、O2 センサ、車速センサ等のセンサからの信号が入力され、各種センサの信号に基づき、機関状態に応じた燃料噴射弁Jの噴射時間を制御する信号を燃料噴射弁Jに向けて出力する。
【0013】燃料分配管Dの右端には、ディマンド式燃料圧力制御弁DRの弁本体20を挿入支持する弁本体挿入凹部1が凹設され、該凹部1の底部の略中心には、外部に向かって開口する燃料導入路2が開口し、さらに該開口の周囲には、略環状をなす燃料排出溝3が凹設される。又、前記燃料排出路3は、連通路4をもって燃料分配路D1とのみ連絡される、そしてディマンド式燃料圧力制御弁DRの弁本体20が弁本体挿入凹部1に向けて液密的に挿入配置されるとともに弁孔26の外周部分が液密的に燃料導入路2に挿入配置され、この状態でディマンド式燃料圧力制御弁DRが燃料分配管DRの右端に固定された。尚、各挿入部において、液密保持する為のゴム材よりなるOリング及びディマンド式燃料圧力制御弁DRを燃料分配管Dの右端への固定手段は省略された。以上によると、弁孔26は燃料導入路2に連絡される。燃料室23は底部の通孔20Aを介して燃料排出溝3に連絡された後連通路4を介して燃料分配路D1に連絡される。そしてディマンド式燃料圧力制御弁DRの外部への開口が第1燃料通路F1に接続される。ここで前記燃料排出路3及び連通路4とが第2燃料通路F2に接続される。
【0014】燃料分配管Dの右端近傍にはバイパス通路BPが穿設される。バイパス通路BPはディマンド式燃料圧力制御弁DRの弁座25より上流側にある第1燃料通路F1と、弁座25より下流側にある第2燃料通路F2とを弁座25を介することなく連通するものであり、本例では燃料導入路2と燃料分配路D1とが弁座25を介することなく連通された。要は、弁座25の上流側に位置する燃料導入路2を含む第1燃料通路F1と、弁座25より下流側に位置する燃料分配路D1、連通路4、燃料排出溝3、燃料室23とが弁座25を介することなく連絡されればよい。
【0015】Vはバイパス通路BPを開閉する開閉弁であり、本例では電磁弁SVが採用された。電磁弁SVは弁体5と電磁装置6とからなり、電磁装置6は固定コア7に対向して可動コア8が配置されるとともにそれらの外周がコイル9によって囲繞され、更に固定コア7と可動コア8との間には第4スプリングS4が縮設される。弁体5はバイパス通路BPに設けた弁座BPVを開閉するもので、本例における弁体5は可動コア8と一体的に形成された。又、前記コイル9にはECU(E)から駆動信号が出力される。
【0016】次にその作用について説明する。機関が運転されて燃料ポンプPが駆動することによって昇圧された燃料が第1燃料圧力制御弁Rの燃料室13内に供給されるや、即座にダイヤフラム12が変位して燃料圧力の調圧作用が行なわれるもので、第1燃料通路F1内の燃料圧力を遅滞なく第1の所定圧力A(kgf/cm2)(3.5kgf/cm2 )に調圧できる。そして、この第1の所定圧力A(kgf/cm2 )を有する燃料は第1燃料通路F1から燃料導入路2、弁孔26、弁座25を介してディマンド式燃料圧力制御弁DRの燃料室23内へ供給されるもので、ディマンド式燃料圧力制御弁DRによって第2の所定圧力B(kgf/cm2 )(3kgf/cm2 )に低減されて調圧された燃料が通孔20A、第2燃料通路F2としての燃料排出溝3、連通路4、燃料分配管Dを介して燃料噴射弁Jに供給され、燃料噴射弁Jから吸気路K1内に燃料が噴射され、もって減速運転以外の機関の運転を良好に行なうことができる。
【0017】次に、吸気路K1を開閉制御する絞り弁が急速に閉塞される機関の急減速運転状態について説明する。かかる機関の急減速運転時において、ECU(E)には絞り弁の閉方向回転速度信号、吸気路K1内の負圧信号等が入力され、ECU(E)から燃料噴射弁Jに向けて急減速状態信号が出力される。以上によると、燃料噴射弁Jにあっては燃料の噴射が一時的にカット(停止)される。
【0018】そして、かかる急減速運転時において、燃料噴射弁Jの燃料の供給がカット(停止)されたこと。及び燃料分配管D、第2燃料通路F2が前述の如く加熱されること。によると燃料分配管D、第2燃料通路F2内の燃料圧力が大きく上昇しようとするものであるが、本発明にあっては、機関の急減速運転時において、燃料噴射弁Jの燃料カットが開始されるや、それと同期してECU(E)から開閉弁Vのコイル9に向けて駆動信号が出力される。従って、弁体5を含む可動コア8は、第4スプリングS4のバネ力に抗して固定コア7に向けて上方へ吸引されるもので、バイパス弁座BPVは開放保持される。以上によると、第1燃料通路F1内(具体的には燃料導入路2)を流れる第1の所定圧力A(kgf/cm2)(3.5kgf/cm2 )がバイパス通路BPを介して第2燃料通路F2内(具体的には燃料分配路D1)に導入されるもので、これによって燃料分配路D1、第2燃料通路F2(連通路4、燃料排出溝3)、燃料室23内の圧力を第1の所定圧力A(kgf/cm2 )(3.5kgf/cm2 )と同圧の一定圧力値に維持することができる。そして、燃料噴射弁Jの燃料カット中において開閉弁Vは、バイパス通路BPを開放保持するので、この間において燃料分配路D1、第2燃料通路F2は一定の第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に維持される。
【0019】そして、機関の急減速運転が終了して通常の機関運転に入ると、ECU(E)から燃料噴射弁Jに向けて噴射信号が出力されるとともに開閉弁Vのコイル9に向けての駆動信号の出力が停止され、バイパス通路BPは再び開閉弁Vにて閉塞保持される。以上によると、燃料カット状態からの復帰直後における燃料噴射弁Jは燃料分配管D内の燃料圧力が第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に保持された条件においてその噴射量が算出されるもので、燃料カットから復帰した際の燃料噴射量を正確に制御できる。いいかえると、燃料カットを解除した後の燃料噴射条件を第1の所定圧力A(kgf/cm2 )に合わせて設定できる。従って、機関の良好な運転性を保持できるとともに有害排気ガス成分の排出が増加したりする不具合が解消できたものである。又、過剰な燃料の排出が抑止されたことは燃料の無駄な消費が改善されたもので、これによって燃料経済性の向上も達成できたものである。仮に燃料分配管D内の圧力が一定圧に保持されない場合、圧力変化に応じて噴射量が変化するもので噴射量の正確な制御が困難である。
【0020】又、開閉弁Vとして電磁弁SVを用いたことによると、ECU(E)からの出力信号を使用することができる。これは機関の急減速運転時においてECU(E)から燃料噴射弁Jに向けて出力される燃料カット信号と同期して電磁弁SVに向けて駆動信号を出力できる。
【0021】又、燃料分配管Dに、ディマンド式燃料圧力制御弁DR、開閉弁Vが取着されるとともにバイパス通路BPが穿設されたことによると、それらを燃料分配管Dに対してコンパクトにまとめることができるとともにバイパス通路BPを短くすることができて配置の自由度を大きく向上できた。
【0022】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる内燃機関における燃料供給装置によると、ディマンド式燃料制御弁の弁座より上流側の第1燃料通路と、前記弁座より下流側の第2燃料通路とを弁座を介することなくバイパス通路にて連絡するとともに該バイパス通路を開閉する開閉弁を設け、燃料噴射弁の燃料カット時において、バイパス通路を開閉弁にて開放したので、機関の急減速運転時において、燃料分配管を含む第2燃料通路内の燃料圧力を、第1燃料通路内の第1の所定圧力と同圧に保持することができ、これによって燃料カットから通常運転に復帰した際の燃料噴射量を極めて正確に制御できたもので、混合気の濃化傾向を抑止でき、運転性の悪化、有害排気ガス成分の増加を抑止でき、更には燃料経済性の悪化を改善できる。又、開閉弁として電磁弁を用いたことによると、燃料噴射弁の燃料カットと同期して開閉弁を駆動させることが容易に行なえるものである。更に燃料分配管に電磁弁、ディマンド式燃料圧力制御弁、及びバイパス通路を設けたことによると、それらをコンパクトにまとめることができ、そのうち特にバイパス通路の形成が簡素化される。
【出願人】 【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100076358
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 宏
【公開番号】 特開2001−355529(P2001−355529A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2000−173887(P2000−173887)