| 【発明の名称】 |
気化器の燃料供給装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】上田 稔
【氏名】鈴木 祥介
【氏名】鈴木 健輔
【氏名】加藤 光雄
【氏名】池田 健一郎
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| 【要約】 |
【課題】始動時に、始動用燃料溜め内の不純物や劣化燃料を始動用燃料供給装置にできるだけ導かないようにした気化器の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】フロート室体3の主燃料溜め24と始動用燃料溜め25とは、高い第1仕切部22と、低い第2仕切部23とで仕切られ、前記始動用燃料溜め25より始動用燃料供給装置に通じる始動用燃料通路26の上流端が前記第2仕切部23の上面に開口したことを特徴とするものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】フロート室内の燃料を主吸気通路に供給する主燃料溜めに対し、フロート室の燃料液面の下降に対応し該フロート室に燃料を供給する燃料供給口の下方に位置して底の浅い始動用燃料溜めが併設され、該始動用燃料溜め内の燃料を始動用燃料供給装置によって始動用吸気通路に供給する気化器の燃料供給装置であって、前記主燃料溜めと始動用燃料溜めとは、高い第1仕切部と、低い第2仕切部とで仕切られ、前記始動用燃料溜めより始動用燃料供給装置に通じる始動用燃料通路の上流端が前記第2仕切部の上面および上方のいずれか一方または両方に開口したことを特徴とする気化器の燃料供給装置。 【請求項2】前記第1仕切り部の上縁で前記燃料供給口直下付近の部分が上方へ立ち上った形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の気化器の燃料供給装置。 【請求項3】前記第2仕切部の上面は幅広く形成され、前記始動用燃料溜め内の燃料が前記主燃料溜めに向って流れる流動方向に対し交叉する方向に位置した個所に前記始動用燃料通路の上流端が開口したことを特徴とする請求項1記載の気化器の燃料供給装置。 【請求項4】フロート室の燃料液面の下降に対応し該フロート室に燃料を供給する燃料供給口の下方に位置して始動用燃料溜めが設けられ、該始動用燃料溜めの底部は、主燃料溜めの底部よりも上方に位置し、該始動用燃料溜めの底部から、メインジェットおよびスロージェットのいずれか一方または両方の下方に位置した主燃料溜め底部に向って傾斜した燃料通路が形成されたことを特徴とする気化器の燃料供給装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、始動時に、始動用燃料溜め内の不純物や劣化燃料を始動用燃料供給装置にできるだけ導かないようにした気化器の燃料供給装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の長期間運転停止後で、フロート室内の燃料が蒸発し、フロート室内の燃料が不足した状態であっても、気化器の始動系に直ちに燃料を供給することができるように、フロ−ト室に燃料を供給する燃料供給口の下方に位置して、始動燃料を溜めるための補助室を設けたものがあった(実開昭63−71458号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】実開昭63−71458号公報に記載の気化器では、補助室の底部に、始動用燃料室に通じる始動用連通路と、フロ−ト室に通じる主連通路が設けられているため、燃料供給口から補助室に供給された燃料が始動用連通路とフロート室とに同時に流れるが、始動直後に発進しようとした場合に、補助室内の油面上昇からあふれた燃料による発進の為の燃料供給には時間がかかり、また発進性を早めるためフロート室との連通路を大きくすると燃料の大部分がフロート室へ流れて、補助室内の燃料が始動用連通路を介して始動用燃料室に供給されず、始動性は期待したほど向上しない。 【0004】そして、補助室内から主連通路を介してフロート室に流れる始動直後の燃料流量を抑制すると、補助室内に残った不純物が流量の少ない始動系で詰まり易くなり、また、揮発分が蒸発した劣化燃料が始動時に燃焼室に送られて充分な燃焼状態が得られない不具合があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような不具合を解消した気化器の燃料供給装置の改良に係り、請求項1記載の発明は、フロート室内の燃料を主吸気通路に供給する主燃料溜めに対し、フロート室の燃料液面の下降に対応し該フロート室に燃料を供給する燃料供給口の下方に位置して底の浅い始動用燃料溜めが併設され、該始動用燃料溜め内の燃料を始動用燃料供給装置によって始動用吸気通路に供給する気化器の燃料供給装置であって、前記主燃料溜めと始動用燃料溜めとは、高い第1仕切部と、低い第2仕切部とで仕切られ、前記始動用燃料溜めより始動用燃料供給装置に通じる始動用燃料通路の上流端が前記第2仕切部の上面および上方のいずれか一方または両方に開口したことを特徴とするものである。 【0006】請求項1記載の発明は、前記したように構成されているので、内燃機関の長期間運転停止で、フロート室内の燃料が蒸発して、燃料液体の液面が低下していても、内燃機関始動時に、燃料供給口から底の浅い燃料溜めに供給されて、該始動用燃料溜め内に、燃料は直ちに充填されて低い第2仕切部を越流し、始動用燃料通路の上流端開口から該始動用燃料通路を介し始動用燃料供給装置に急速に供給され、また始動用燃料溜めは底が浅いことにより短時間のうちに主燃料溜めに新規燃料が供給され、始動性・発進性向上が可能となる。 【0007】また、長期間運転停止で揮発蒸発による始動用燃料溜め内の劣化燃料や不純物は、始動時に供給される燃料によって洗い流されて低い第2仕切部を越え、主燃料溜めに導かれるため、詰りを起し易い始動用燃料供給系にこれら劣化燃料や不純物が供給される可能性が低くなり、安定して確実に始動が遂行されうる。 【0008】さらに、請求項2記載のように発明を構成することにより、燃料供給口から底の浅い始動用燃料溜めに供給された燃料が飛散しても、この燃料供給口近くの第1仕切部の上方へ立ち上った部分でこの飛散燃料がせき止められるため、燃料供給口からの燃料供給開始後、直ちに始動用燃料供給装置に燃料が供給されうる。 【0009】さらにまた、請求項3記載のように発明を構成することにより、底の浅い始動用燃料溜めに残留した不純物や劣化燃料の大部分は、第2仕切部を越流して主燃料溜めに流れるので、この越流に対して交叉する方向へ流れて始動用燃料供給装置に供給される燃料には、不純物や劣化燃料が少なく、始動用燃料供給系の閉塞が未然に阻止される。 【0010】しかも、請求項4記載のように発明を構成することにより、始動時に、燃料液面の下降でもって燃料供給口から始動用燃料溜めに燃料が供給された際に、該始動用燃料溜めに供給された新しい燃料が、燃料通路を介して主燃料溜め底部に向って勢良く流込んで、該主燃料溜め底部に溜った劣化燃料を跳ね飛ばし、メインジェットおよびスロージェットのいずれか一方または両方の下方に前記新鮮な燃料が到達して、該メインジェットおよびスロージェットに供給されるため、始動直後に新鮮で良質な燃材が充分に供給されて、始動性が著しく向上する。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図1ないし図5に図示された本出願の請求項1ないし請求項3記載の発明の一実施形態について説明する。 【0012】図1に図示される気化器1は、自動2輪車に搭載される内燃機関に付設される気化器であり、気化器本体2と、該気化器本体2の下部に組み付けられたフロート室体3とを備え、該気化器本体2の下部とフロート室体3とでフロート室4が構成されている。 【0013】また気化器本体2には、主吸気通路5が形成されるとともに、該主吸気通路5の上流部と下流部に始動用吸気通路6の両端が連通された図2に図示の始動用吸気通路6が該主吸気通路5に対し並列に形成され、該主吸気通路5の略中央部に、これを横切って略直交する方向に移動しうるように、ピストン型の絞り弁7が配設され、該絞り弁7は圧縮コイルスプリング8の弾性復元力により主吸気通路5を閉じる方向に付勢され、図示されないスロットルグリップに一端が連結されたワイヤ(図示されず)の他端は、絞り弁7に連結されており、スロットルグリップの操作に対応して絞り弁7は主吸気通路5を横切って昇降し、主吸気通路5を通過する吸気量が調節されるようになっている。 【0014】さらに、絞り弁7の直下に位置し気化器本体2からフロート室4に向って突出する筒状部9には、ニードルジェット10が挿入されるとともに、その下方にメインジェット11が螺着され、該ニードルジェット10より下流側に位置して並行にスロージェット12が螺着され、絞り弁7の底壁にジェットニードル13が下方へ突出して取り付けられており、ニードルジェット10に対するジェットニードル13の挿入長さに応じて、ニードルジェット10とジェットニードル13との隙間が増減され、絞り弁7の開度変化に対応した量の燃料が、絞り弁7の下壁と主吸気通路5の下壁との間に形成されるベンチュリ部に供給されるようになっている。なお、主吸気通路5の上流部に向って開口したブリードエア通路14は、ニードルジェット10に設けられた多数のブリード孔15に空気を供給するようになっている。 【0015】さらにまた筒状部9に間隙を存した気化器本体2には、フロート室4に向って突出する筒状部16が形成され、該筒状部16の上部に燃料タンクと連通する燃料導入路17が形成され、該燃料導入路17の下流側に、後記フロート弁21が着座する弁座18が装着されている。 【0016】また、フロート室4内のフロート19は、気化器本体2に設けられた一対の支持腕と一体のフロートピン20に上下へ傾動自在に枢支され、該フロート19の上下係動に連動してフロート弁21が弁室18に接離自在に当着しうるようにフロート19にフロート弁21が取りつけられており、フロート室4内の燃料液体Aが上昇または下降するに伴なって、フロート弁21が弁室18に当接または離れ、燃料液体Aの高低に対応して、燃料導入路17から弁室18を介してフロート室4に供給される燃料供給量が調節されるようになっている。 【0017】さらに、図2に図示されるように、始動用吸気通路6の付近に始動燃料供給装置30が配設され、該始動燃料供給装置30は、上方から下方へ始動用燃料室31に突出する始動用燃料ノズル32と、始動用吸気通路6の開口面積を調節するための摺動絞り弁33と、該摺動絞り弁33に結合されて始動用燃料ノズル32に装入されるジェットニードル34と、前記摺動絞り弁33を駆動する感温駆動手段35と、該感温駆動手段35を加熱するPTCヒータ36とを備えており、内燃機関が停止して、PTCヒータ36が動作していない状態では、感温駆動手段35内に封入された図示されないワックスが収縮して圧縮コイルスプリング37により摺動絞り弁33およびジェットニードル34が上方へ引き上げられ、始動用燃料室31内の始動用燃料が始動用吸気通路6に供給される始動用燃料供給量が大きくなるように、始動燃料供給装置30は構成されている。そして、内燃機関の始動から定常運転に移行してPTCヒータ36が動作した状態では、前記ワックスが膨張して、摺動絞り弁33およびジェットニードル34が前記圧縮コイルスプリング37の弾発力に抗して下方へ押し込まれ、始動用燃料供給量が減少し、始動から一定時間経過後は、始動用燃料供給量は零となるように、始動燃料供給装置30は構成されている。 【0018】さらにまた、図1および図4に図示されるように、フロート室体3の底壁中央部3aは下方へ深く窪んだ形状に形成され、フロート室体3の周壁3bの一側に近い底壁一側部3cは浅く形成され、該底壁一側部3cを囲むように、第1の仕切部たる背が高く幅の狭い堰22と、背が低く幅が広い第2の仕切部たる棚部23とが前記底壁一側部3cから上方へ隆設され、前記堰22では、フロート弁21の直下の近くで上方へ立ち上った突片22aが形成されており、堰22および棚部23により、フロート室4は、底の深い主燃料溜め24と底の浅い始動用燃料溜め25とに仕切られている。 【0019】そして、図2ないし図4に図示されるように、棚部23を挟んで始動用燃料溜め25に相対するフロート室体3の周壁3bに、フロート室4の底部と始動用燃料室31の底部とを連通する連通路26が形成され、該連通路26に燃料ジェット27が圧入される。また、フロート室4の上部と始動用燃料室31の上部とを連通するエアー通路28(図2参照)が形成される。そして、前記連通路26の上流端は図4および図5に図示されるように、棚部23の上面より上方に開口されている。なお、主燃料溜め24の底部には、ドレン29が設けられて、主燃料溜め24内の不純物等が排出されるようになっている。 【0020】図示の実施形態は、前記したように構成されているので、通常の内燃機関運転状態では、感温駆動手段35内のワックスが加熱されて膨張し、摺動絞り弁33およびジェットニードル34が下方へ押されて、始動用吸気通路6へ始動用燃料供給が断たれており、燃料導入路17からフロート弁21を介してその直下の始動用燃料溜め25に供給された燃料の大部分は棚部23を越えて主燃料溜め24内に供給され、絞り弁7の絞りに対応した量の燃料がニードルジェット10より主吸気通路5内に流出し、吸入空気と混合して混合気となる。 【0021】そして、始動時では、感温駆動手段35内のワックスが周囲の空気に冷却されて収縮し、摺動絞り弁33およびジェットニードル34が上方へ引き上げられて、始動用吸気通路6への始動燃料の供給が可能となっているので、たとえ、長期間の運転停止で、フロート室4の主燃料溜め24および始動用燃料溜め25内の燃料が蒸発して、その残存燃料が著しく少量であっても、始動操作と同時に燃料導入路17内に供給された燃料は、フロート弁21から始動用燃料溜め25内に排出されて、棚部23を越えた燃料は連通路26を介して始動用燃料室31に直ちに供給され、始動用燃料室31内からジェットニードル34を介して始動用吸気通路6内に送られる結果、直ちに内燃機関は運転を開始することができる。 【0022】さらに、始動後、PTCヒータ36への通電により感温駆動手段35内へのワックスが加熱膨張するに対応して、始動用吸気通路6内に送られる始動用燃料供給量は低下し、所定時間後、零となる。 【0023】さらにまた、長期間の運転停止で、燃料中に存在した不純物や、蒸発による劣化燃料が始動用燃料溜め25内に残留しても、燃料導入路17からフロート弁21を介して始動用燃料溜め25内に供給される燃料によって洗い流され、棚部23を超えて主燃料溜め24内に流入し、ドレン29を介して排出されうるため、燃料供給系に詰まりが発生することが未然に防止され、円滑な始動や運転が可能となる。 【0024】そして、連通路26は、始動用燃料溜め25から棚部23を越えて主燃料溜め24内に流れる燃料の流れ方向に対して、側方に開口されているため、棚部23を越えて主燃料溜め24内に流入する燃料中の不純物や劣化燃料が、連通路26に導かれる可能性が極めて低く、始動がより確実に達成できる。 【0025】図1ないし図5に図示の実施形態では、始動用燃料溜めに、フロート室への新鮮な燃料供給を図っていたが、図6ないし図8に図示の請求項4記載の発明の実施形態について説明する。 【0026】この実施形態は、フロート室4へ供給された新鮮な燃料を主燃料溜め24に積極的に導くようにしたもので、図1ないし図5に図示の実施形態における各構成部分と同一の構成部分については、図1ないし図5に図示の実施形態の各構成部分に付された符号と同一の符号が付せられている。 【0027】図6ないし図8に図示の実施形態では、始動用燃料溜め25の底部から主燃料溜め24内におけるメインジェット11の直下の底部に向った燃料通路38が形成されている。 【0028】図6ないし図8に図示の実施形態は、前述したように構成されているので、始動時に、フロート弁21から始動用燃料溜め25内に排出された新鮮な燃料は、棚部(第2仕切部)23を越えて連通路26を介して始動用燃料室31に直ちに供給され、絞り弁7が充分に開かない状態でも、始動に必要な燃料が始動用燃料室31より始動用燃料ノズル32、摺動絞り弁33および始動用吸気通路6を介して主吸気通路5に供給されるが、それと同時に、始動用燃料溜め25内の新鮮な燃料は、燃料通路38を介してメインジェット11の直下のフロート室4の底部に勢い良く流れ込み、フロート室4の底部に溜っている劣化燃料が跳ね飛ばされて、新鮮で良質の燃料がメインジェット11より主吸気通路5内に直ちに供給される結果、始動性がさらに一段と向上する。 【0029】また、始動用燃料溜め25の底部は、図6に示されるように、メインジェット11やスロージェット12の下端よりも、それぞれα,βだけ高く、しかも主燃料溜め24の底部は、メインジェット11やスロージェット12の下端よりも低い位置に形成されており、その結果、燃料通路38は長くなって、始動時に、始動用燃料溜め25の底部から燃料通路38を介して主燃料溜め24の底部に流れる燃料の流れは高速となり、主燃料溜め24の底部に溜まっている劣化燃料は勢い良く跳ね飛ばされ易くなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月28日(2001.2.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067840 【弁理士】 【氏名又は名称】江原 望 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−355516(P2001−355516A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−54654(P2001−54654) |
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