| 【発明の名称】 |
燃料ポンプの駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横橋 克巳
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| 【要約】 |
【課題】スピル弁の閉弁に起因する打音の発生を緩和して燃料ポンプの作動音を低減することのできる燃料ポンプの駆動装置を提供する。
【解決手段】高圧燃料ポンプ30は、シリンダ31とプランジャ32との相対移動に基づき加圧室33への燃料の吸入及び該吸入した燃料の蓄圧配管14への圧送を行う。加圧室33から燃料を流出させるスピル通路54と加圧室33との間に設けたスピル弁35の閉弁期間に応じて蓄圧配管14への燃料圧送量を調量する。高圧燃料ポンプ30と排気バルブ18aとは排気カムシャフト19aを挟んで対向する位置に配設される。ポンプカム20の位相を、同ポンプカム20の上死点がこれに隣接する排気バルブカム19aにより開閉駆動される排気バルブ18aの最大リフト点と一致するように設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シリンダに対するプランジャの相対移動に基づき加圧室への燃料の吸入及び該吸入した燃料の高圧燃料噴射系への圧送を行うとともに、前記加圧室から燃料を流出させるスピル通路と同加圧室との間に設けられたスピル弁の閉弁期間に応じて前記高圧燃料噴射系への燃料圧送量が調量される燃料ポンプに適用され、内燃機関の機関バルブを開閉するバルブカムと同一のカムシャフトに設けられたポンプカムを通じて前記シリンダに対するプランジャの相対移動を行わしめる燃料ポンプの駆動装置において、前記ポンプカムと同ポンプカムに隣接するバルブカムとから前記カムシャフトに対して最大応力が同時に且つ、相反する方向で印加されるように、前記ポンプカムの位相を設定したことを特徴とする燃料ポンプの駆動装置。 【請求項2】請求項1記載の燃料ポンプの駆動装置において、前記燃料ポンプと機関バルブとは前記カムシャフトを挟んで対向する位置に配設され、前記ポンプカムの位相は、同ポンプカムの上死点がこれに隣接するバルブカムにより開閉駆動される機関バルブの最大リフト点と一致若しくは略一致するように設定されることを特徴とする燃料ポンプの駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクに貯留された燃料を内燃機関の高圧燃料噴射系に圧送供給する燃料ポンプの駆動装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の内燃機関においては、クランクシャフトの回転がタイミングベルト等を介して伝達されることで回転するカムシャフトを備え、この回転するカムシャフトに設けられたバルブカムによって吸気バルブや排気バルブが開閉駆動される。また、例えば内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射するタイプのエンジンシステムにあっては、上記カムシャフトに、吸排気バルブ駆動用のバルブカムの他、同機関の上記高圧燃料噴射系に燃料を圧送供給する燃料ポンプを駆動するためのポンプカムが設けられることもある。 【0003】こうしたポンプカムにより駆動される燃料ポンプは、ポンプカムの回転によりシリンダ内で往復運動するプランジャと、このプランジャ及びシリンダによって区画形成される加圧室とを備えている。そして、シリンダ内でのプランジャの往復運動により加圧室の容積を変化させて、加圧室に燃料を吸入するとともに同加圧室から燃料を圧送するようになっている。また、燃料ポンプには加圧室の内外を連通・遮断するスピル弁が設けられる。すなわち、燃料圧送時には、このスピル弁を開弁して燃料を加圧室外に流出させた後、所定の時期に同弁を閉弁して高圧燃料噴射系に圧送される燃料量を調量するようにしている。 【0004】ところで、内燃機関のカムシャフトには、プランジャを往復運動させるのに必要なトルクや吸排気バルブを開閉させるのに必要なトルクが回転方向について働くこととなる。しかし、プランジャの移動に要する力、及び吸排気バルブの開閉に要する力は一定でないことから、カムシャフトに働く上記各トルクがカムシャフトの回転位相に応じて変動することとなる。 【0005】こうしたカムシャフトに働くトルクの変動はタイミングベルトに加わって同ベルトの張力変動となるため、上記トルクの過度な変動はタイミングベルトの耐用年数の低下に繋がる。そのため、例えば特開平10―176608号公報に記載された燃料ポンプの駆動装置のように、タイミングベルトに働く張力変動(カムシャフトに働くトルク変動)が最も小さくなるよう、ポンプカムの位相を設定することなども提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記燃料ポンプにおいては、燃料を圧送すべくポンプカムによりプランジャを移動させる際、プランジャ側からカムシャフト側にポンプカムを介して大きな応力が働く。特に、上記スピル弁が閉弁されたときには加圧室の圧力が急激に高まり、プランジャを移動させるのに必要な力が大きくなるため、この力の応力としてカムシャフトに加わる力も急激に大きくなる。 【0007】そして、こうした大きな応力によりカムシャフトが自身の軸線と直交する方向(プランジャと反対の方向)に変位すると、カムシャフトを回転可能に支持する軸受けの内周面と同カムシャフトの外周面とのクリアランスにおいて、その一部が過度に小さくなる。すなわちこの状態では、回転するカムシャフトが軸受けに衝突して打音が発生し、燃料ポンプの駆動に伴う作動音も大きなものとなる。特に、アイドル運転時などの低負荷運転時においては、内燃機関自体の作動音が小さいために、こうした作動音が相対的に大きなものとなる。 【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記打音の発生を緩和して燃料ポンプの作動音を低減することのできる燃料ポンプの駆動装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。請求項1に記載の発明は、シリンダに対するプランジャの相対移動に基づき加圧室への燃料の吸入及び該吸入した燃料の高圧燃料噴射系への圧送を行うとともに、前記加圧室から燃料を流出させるスピル通路と同加圧室との間に設けられたスピル弁の閉弁期間に応じて前記高圧燃料噴射系への燃料圧送量が調量される燃料ポンプに適用され、内燃機関の機関バルブを開閉するバルブカムと同一のカムシャフトに設けられたポンプカムを通じて前記シリンダに対するプランジャの相対移動を行わしめる燃料ポンプの駆動装置において、前記ポンプカムと同ポンプカムに隣接するバルブカムとから前記カムシャフトに対して最大応力が同時に且つ、相反する方向で印加されるように、前記ポンプカムの位相を設定したことを要旨とする。 【0010】上記構成によれば、ポンプカムがプランジャをリフトさせ且つ、スピル弁が閉弁される際、カムシャフトには、このポンプカムを介して加わる応力だけでなく、同ポンプカムに隣接するバルブカムが機関バルブ(吸排気バルブ)をリフトさせる際の最大応力も同時に加わる。そして、これら各最大応力は、カムシャフトに対して相反する方向から加わるために、上記スピル弁の閉弁に伴ってポンプカムがカムシャフトを強く押圧する場合であっても、同カムシャフトの自身の軸線と直行する方向への変位は緩和され、ひいては打音の発生も抑制されるようになる。すなわち、ポンプ作動音の低減が図られるようになる。 【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の燃料ポンプの駆動装置において、前記燃料ポンプと機関バルブとは前記カムシャフトを挟んで対向する位置に配設され、前記ポンプカムの位相は、同ポンプカムの上死点がこれに隣接するバルブカムにより開閉駆動される機関バルブの最大リフト点と一致若しくは略一致するように設定されることを要旨とする。 【0012】上記構成によれば、スピル弁を閉弁したときのポンプカムに隣接する軸受でのカムシャフトの軸心が機関バルブの上方向に位置することになり、軸受内のクリアランスが機関バルブ側で拡大されたものとなる。これにより、スピル弁を閉弁したときにポンプカムを機関バルブ側に押圧する急激な力が発生しても、カムシャフトが軸受に衝突し難くなり、この結果、これら衝突音による打音を抑制できて、高圧燃料ポンプの作動音を低減することができるようになる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の燃料ポンプの駆動装置を具体化した一実施の形態について詳細に説明する。 【0014】図1は、本実施の形態にかかる燃料ポンプの駆動装置を備える高圧燃料噴射装置の概略構成を示している。この高圧燃料噴射装置は、エンジン(本実施の形態では6気筒のエンジンを想定)11の各気筒の燃焼室に高圧燃料を直接噴射供給するための装置であり、高圧燃料ポンプ30、蓄圧配管(デリバリパイプ、コモンレール等)14、及びインジェクタ15等を備えて構成されている。 【0015】ここで、上記高圧燃料ポンプ30は、燃料タンク12から低圧フィードポンプ13及び燃料フィルタ51を介して供給される燃料を高圧に加圧してこれを蓄圧配管14に吐出圧送するためのものであり、シリンダ31と、同シリンダ31内で往復運動するプランジャ32と、シリンダ31の内周壁面及びプランジャ32の上端面により区画形成された加圧室33と、低圧室34と、これら加圧室33及び低圧室34間に設けられたスピル弁(電磁スピル弁)35とを備えて構成される。 【0016】すなわちこの高圧燃料ポンプ30において、上記加圧室33は、スピル弁35及び吸入通路50を介して燃料タンク12に接続されており、この吸入通路50に低圧フィードポンプ13及び燃料フィルタ51が設けられている。低圧フィードポンプ13は、エンジン11の始動に伴って電気的に駆動されるもので、このフィードポンプ13によって燃料タンク12内の燃料が汲み上げられ、上記高圧燃料ポンプ30に移送される。そしてその際、燃料フィルタ51によって燃料内に混入している不純物が取り除かれる。 【0017】また、この吸入通路50を通じて高圧燃料ポンプ30に移送された燃料は上記スピル弁35を介して加圧室33内に導入される。このスピル弁35は電磁弁であり、エンジン11の運転を統括制御する電子制御装置(以下「ECU」という)60の制御によるソレノイドコイル38への通電の有無に基づいて閉弁状態あるいは開弁状態に制御されるものである。ちなみに、このスピル弁35は常開型の電磁弁であり、上記ソレノイドコイル38への通電がなく、図示しないステータが励磁されていないときには、スプリング39の付勢力によって弁体40が加圧室33の開口部33aから離脱する開弁状態に維持される。一方、上記ソレノイドコイル38によってステータが励磁されるときには、アーマチャ41が上記スプリング39の付勢力に抗してステータ側に移動し、この移動により弁体40が開口部33aを閉鎖して閉弁状態になる。 【0018】また、前記吸入通路50において、低圧フィードポンプ13と燃料フィルタ51との間の部分はリリーフ通路52となっており、このリリーフ通路52の途中にはリリーフ弁53が設けられている。同弁53は、吸入通路50内の燃料圧力が所定値以上になった場合に開弁する弁であり、このリリーフ弁53の開弁により、吸入通路50内の燃料が燃料タンク12に戻される。その結果、吸入通路50内の燃料の圧力は略一定に維持されるようになる。 【0019】また、高圧燃料ポンプ30の低圧室34と燃料タンク12との間のスピル通路54にはプレッシャーレギュレータ55が設けられており、スピル弁35の開弁時には、このプレッシャーレギュレータ55の開弁圧を越える圧力の燃料がスピル通路54を介して燃料タンク12に戻される。 【0020】また、高圧燃料ポンプ30の加圧室33には、逆止弁57及び吐出通路56を介して上記蓄圧配管14が接続されている。この蓄圧配管14は、燃料を高圧の状態に保持するとともに、その燃料をエンジン11の各気筒に設けられたインジェクタ15に分配するためのものである。各インジェクタ15は、ECU60からの駆動信号に基づいて開閉することにより、エンジン11の各気筒の燃焼室に対して所定量の燃料を噴射供給する。また、吐出通路56に設けられた逆止弁57は、加圧室33から蓄圧配管14に向かう燃料の流通のみを許容する弁であり、同弁57によって蓄圧配管14から加圧室33への燃料の逆流が規制されている。 【0021】さらに、蓄圧配管14は、途中にリリーフ弁58が設けられたリリーフ通路59により燃料タンク12に接続されている。蓄圧配管14の燃料圧力が所定値以上にまで上昇したときにリリーフ弁58が開弁することにより、蓄圧配管14内の燃料がリリーフ通路59を通じて燃料タンク12に戻される。これにより、蓄圧配管14内の燃料圧力が過大になることが防止される。 【0022】また、蓄圧配管14には燃圧センサ61が取り付けられており、この燃圧センサ61によって蓄圧配管14内の燃料圧力が検出され、ECU60によってモニタされる。ECU60は、図示しないCPU、RAM、ROM及びIOポート等を備えるマイクロコンピュータを有して構成されている。 【0023】一方、本実施の形態において、上記高圧燃料ポンプ30を駆動する装置は、以下のような構成となっている。すなわち、高圧燃料ポンプ30のプランジャ32の下端に連結部36を介して取り付けられるポンプリフタ37は、図示しないスプリングの付勢力によりポンプカム20に圧接されている。このポンプカム20が回転することにより、プランジャ32がシリンダ31内を往復動して加圧室33内の容積が変化する。 【0024】ポンプカム20は、本実施の形態にあっては排気カムシャフト16aに一体的に設けられている。このカムシャフト16aは、カムキャップ17及び図示しないシリンダヘッドの突部25により回動可能に軸支されている。そしてこのカムシャフト16aには、ポンプカム20の他に排気バルブ18aを開閉駆動する排気バルブカム19aが一体的に設けられている。 【0025】ここで、図2に示すように、上記排気バルブ18aと図1においては図示を割愛した吸気バルブ18bとは、上記エンジン11の吸排気効率を向上させるために、挟角θをなすように配設されている。また、高圧燃料ポンプ30と排気バルブ18aとは排気カムシャフト16aを挟んで対向する位置に配設されるとともに、高圧燃料ポンプ30の軸線mがほぼ鉛直方向となるようにこれを配設している。また本実施の形態では、ポンプカム20は、第5気筒用の排気バルブカムと第6気筒用の排気バルブカムとの間に設けられており、同図2に示すように、その側面形状が略三角形状、すなわち3つのカム山部20aを有する形状となっている。 【0026】また、図3に示すように、上記排気カムシャフト16aの外周面とカムキャップ17及びシリンダヘッドの突部25の内周面との間には、僅かなジャーナルクリアランスが形成されている。このジャーナルクリアランスは、排気カムシャフト16aの外周面とカムキャップ17及び突部25の内周面との間に発生する摩擦力を低減して排気カムシャフト16aの回動を円滑に行うために形成されている。 【0027】さて、本実施の形態にかかる燃料ポンプの駆動装置では上述のように、プランジャ32を往復駆動するポンプカム20として、3つのカム山部20aを備えるカムを用いており、次に、このポンプカム20による高圧燃料ポンプ30の駆動態様と排気バルブカム19aによる排気バルブ18aの駆動態様との関係について、図4を参照して説明する。なお、図4はポンプリフタ37のリフト量及び排気バルブの18aのリフト量との関係を示すタイミングチャートであり、ここでは便宜上、全6気筒のうち第4〜第6気筒に対応する部分のみを示している。 【0028】本実施の形態においては、図4(b)及び(c)に示すように、ポンプカム20の3つのカム山部20aの各上死点T1、T2、T3が排気バルブカム19aにより開閉駆動される排気バルブ18aの各最大リフト点T4、T5、T6と一致するように同ポンプカム20の位相が設定されている。このため、高圧燃料ポンプ30の駆動に際しては、以下のような態様で、それらリフトに伴う応力が排気カムシャフト16aに作用し合うようになる。 【0029】まず、エンジン11の運転が開始されると、上記排気カムシャフト16aの回転に伴ってポンプカム20が回転することにより、プランジャ32はシリンダ31内で上下方向に往復動する(図4(b))。このとき、低圧フィードポンプ13から吸入通路50を介して供給される燃料タンク12内の燃料は、高圧燃料ポンプ30の吸入行程においてプランジャ32が上死点から下動し始めると同時に、開弁状態にあるスピル弁35を介して加圧室33に導入される。またこのときには、同カムシャフト16aの回転に伴って排気バルブカム19aが回転することにより、各排気バルブ18aが開閉駆動されている(図4(c))。 【0030】一方、高圧燃料ポンプ30の吐出行程においてプランジャ32が下死点から上昇し始めると、図4(a)に示したような態様でスピル弁35が開弁している期間は、加圧室33の燃料の一部が同スピル弁35を介してスピル通路54に溢流され、プレッシャーレギュレータ55を介して燃料タンク12に戻される。すなわち、吐出行程とはいえ、このスピル弁35が開弁状態にある期間は、加圧室33の燃料が蓄圧配管14に圧送されることはない。 【0031】これに対して、ソレノイドコイル38への通電に伴いスピル弁35が閉弁されると、加圧室33内の燃料が加圧され、この加圧された燃料は吐出通路56及び逆止弁57を介して蓄圧配管14に圧送される。なおこのとき、ECU60は、燃圧センサ61により検出される蓄圧配管14内の燃料圧力が所定圧力になるように、上記スピル弁35の閉弁期間、即ち、ソレノイドコイル38への通電を開始する時期及び通電を停止する時期を調整して蓄圧配管14内への燃料圧送量を制御する。 【0032】ここで、上記高圧燃料ポンプ30の吐出工程において、ポンプカム20によりポンプリフタ37(プランジャ32)を上動させる際には、プランジャ32側からカムシャフト16a側(図3に示す矢印A1の方向)にポンプカム20を介して大きな応力が働く。特に、スピル弁35が閉弁されたときには加圧室33の圧力が急激に高まり、プランジャ32を移動させるのに必要な力が大きくなるため、この応力としてカムシャフト16aに加わる力も急激に大きくなる。そして、こうした大きな応力によりカムシャフト16aが上記矢印A1の方向に変位すると、カムシャフト16aの外周面とカムキャップ17及び上記シリンダヘッドの突部25の内周面とのクリアランスにおいて、その一部が過度に小さくなる。この状態では、回転するカムシャフト16aが突部25に衝突して打音が発生する懸念がある。 【0033】この点、本実施の形態にあっては、上述のようにポンプカム20の位相を設定しているため、排気カムシャフト16aには、上記スピル弁35の閉弁に伴う矢印A1方向の応力に加えて、各排気バルブ18aを最大リフトさせる際の応力が図3中に示す矢印A2の方向にも同時に働く。換言すれば、排気バルブカム19aによって排気カムシャフト16aが上記矢印A2方向に押し上げられている期間に上記スピル弁35の閉弁に伴う矢印A1方向への応力が同カムシャフト16aに印加される。 【0034】このため、スピル弁35の閉弁に起因する応力によってカムシャフト16aが上記矢印A1方向に変位することが抑制され、ひいては同カムシャフト16aと上記シリンダヘッドの突部25との衝突をも抑制することができるようになる。すなわち、高圧燃料ポンプ30の駆動に伴う作動音を低減することができるようになる。 【0035】以上詳述したように、この実施の形態にかかる燃料ポンプの駆動装置によれば、以下に示すような優れた効果が得られるようになる。 (1)高圧燃料ポンプ30と排気バルブ18aとを排気カムシャフト16aを挟んで対向する位置に配設し、ポンプカム20の位相を、同ポンプカム20の上死点が排気バルブカム19aにより開閉駆動される排気バルブ18aの最大リフト点と一致するように設定した。このため、回転するカムシャフト16aと上記シリンダヘッドの突部25との衝突を抑制することができ、高圧燃料ポンプ30の駆動に伴う作動音を低減することができる。 【0036】なお、上記実施の形態は、例えば以下のようにその構成を適宜変更することもできる。 ・上記実施の形態では、スピル弁35によって溢流される燃料をスピル通路54を介して燃料タンク12に戻す構成の燃料ポンプに本発明の駆動装置を適用した例を示したが、これに代えて、例えば吸入通路50をスピル通路とするような構成の燃料ポンプにも本発明は同様に適用することができる。 【0037】・上記実施の形態では、スピル弁35をその内部に一体的に備える燃料ポンプの例を示したが、他に例えばこのスピル弁を外部に備えるタイプの燃料ポンプにも、本発明の駆動装置は同様に適用することができる。 【0038】・上記実施の形態では、ポンプカム20を排気カムシャフト16aに設ける構成としたが、このポンプカム20を吸気カムシャフト16bに設ける構成としてもよい。この場合、ポンプカム20の上死点と吸気バルブカム19bによる吸気バルブ18bの最大リフト点とが一致するようにポンプカム20の位相が設定される。 【0039】・上記実施の形態では、図4に示したように、同一の排気カムシャフト16aに備えられる全ての排気バルブカム19aによる排気バルブ18aの最大リフト点T4〜T6とポンプカム20の上死点T1〜T3とがそれぞれ一致するようにした。しかし要は、ポンプカム20と隣接する少なくとも一方のバルブカム19aの最大リフト点とポンプカム20の上死点とが一致するように同ポンプカム20の位相が設定されていればよい。 【0040】・上記実施の形態では、6気筒のエンジンの例を示したが、このエンジンの気筒数は任意である。また、カム山部20aを3つ備えるポンプカム20を例示したが、このカム山部20aの数もエンジンの気筒数等に応じて任意に設定可能である。要は、ポンプカムの上死点がこれに隣接するバルブカムにより開閉駆動される排気バルブの最大リフト点と一致するようにポンプカムの位相が設定されればよい。 【0041】・上記実施の形態では、上記ポンプカム20の上死点T1〜T3と各排気バルブ18aのリフト量が最大となる点T4〜T6とが完全に一致するようにポンプカム20の位相を設定した。しかし、実用上はこれらポンプカム20の上死点T1〜T3と各排気バルブ18aの最大リフト点T4〜T6とが略一致するように、ポンプカム20の位相を設定することでも十分である。このようにしても、上記実施の形態に準じた効果を得ることはできる。 【0042】・上記実施の形態では、高圧燃料ポンプ30(プランジャ32)の軸線mが鉛直となるようにこれを配設したが、プランジャ32の軸線mと排気カムシャフト16aの軸線と排気バルブ18aの軸線とが同一平面上にくるように、高圧燃料ポンプ30を傾けて配設するようにしてもよい。このような構成によれば、プランジャ32側からの応力と排気バルブ18a側からの応力とが同一平面上でカムシャフト16aに働くようになるため、それら応力が相殺され易くなり、回転するカムシャフト16aと上記シリンダヘッドの突部25との衝突をより好適に抑制することができるようになる。 【0043】・上記実施の形態では、高圧燃料ポンプ30と排気バルブ18aとをカムシャフト16aを挟んで対向する位置に配設し、ポンプカム20の位相を、同ポンプカム20の上死点が排気バルブカム19aにより開閉駆動される排気バルブ18aの最大リフト点と一致するように設定したがこの構成には限定されない。要は、ポンプカム20とこれに隣接する排気バルブカム19aとからカムシャフト16aに対して最大応力が同時に且つ、相反する方向で印加されるように、ポンプカム20の位相が設定されるものであればよい。 【0044】その他、以上の記載から把握できる技術的思想について、その効果とともに以下に記載する。 (イ)前記燃料ポンプのシリンダ若しくはプランジャの軸線と、前記カムシャフトの軸線と、前記ポンプカムに隣接するバルブカムにより開閉駆動される機関バルブの軸線とはそれぞれ同一平面を共有するかたちで、それら各部材が配設されてなる請求項2記載の燃料ポンプの駆動装置。 【0045】上記構成によれば、プランジャ側からの応力と機関バルブ側からの応力とが同一平面上でカムシャフトに働くようになるため、それら応力が相殺され易くなり、スピル弁を閉弁した際の回転するカムシャフトと軸受との衝突をより好適に抑制することができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月24日(2000.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
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| 【公開番号】 |
特開2001−271725(P2001−271725A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−83913(P2000−83913) |
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