| 【発明の名称】 |
内燃機関用燃料噴射弁及び燃料噴射弁装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 直樹
【氏名】松本 修一
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】燃料噴射弁Vは、ハウジング20の着座部23がハウジング10のダイアフラム12に着座して両ダイアフラム室21、22を区画形成している。圧電素子30は、ハウジング10の凹所11内に貼着されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関に設けられるハウジング(10、20)と、このハウジングの壁の一部にその厚さ方向に弾性変形可能に形成されたダイアフラム(12)と、前記ハウジング内にて前記壁のうち前記ダイアフラムに対向する壁部から突出されて前記ダイアフラムにその内面側から着座して前記ハウジング内を両ダイアフラム室(21、22)に区画する着座部(23)と、前記ダイアフラムにその外面側から固着されて、電圧の印加に応じて歪み、当該電圧の印加停止により原形状に復帰する少なくとも1つの圧電素子(30、30A)とを備え、前記両ダイアフラム室の一方は燃料タンク内に連通する流入孔(21a)を備え、他方のダイアフラム室は内燃機関のインテークマニホールドに連通する流出孔(22a)を備え、前記ダイアフラムは、前記圧電素子の歪みに伴い弾性変形して前記着座部から解離して前記両ダイアフラム室の容積を増大させ、前記圧電素子の原形状への復帰に伴い原形状に復帰して前記着座部に着座して前記両ダイアフラム室の容積を減少させ、前記他方のダイアフラム室は、前記容積の増大により前記燃料タンクから前記流入孔及び前記一方のダイアフラム室を通して燃料を吸入し、前記容積の減少により前記流出孔から前記インテークマニホールド内に燃料を噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁。 【請求項2】 内燃機関に設けられるハウジング(10、20)と、このハウジングの壁の一部にその厚さ方向に弾性変形可能に形成されたダイアフラム(12)と、前記ハウジング内にて前記壁のうち前記ダイアフラムに対向する壁部から突出されて前記ダイアフラムにその内面側から着座して前記ハウジング内を両ダイアフラム室(21、22)に区画する着座部(23)と、前記ダイアフラムにその外面側から設けられて、電圧の印加に応じて前記ダイアフラムを弾性変形させ、前記電圧の印加停止により前記ダイアフラムを原形状に復帰させる電気アクチュエータ(30、30A)とを備え、前記両ダイアフラム室の一方は燃料タンク内に連通する流入孔(21a)を備え、他方のダイアフラム室は内燃機関のインテークマニホールドに連通する流出孔(22a)を備え、前記ダイアフラムは、前記弾性変形により前記着座部から解離して前記両ダイアフラム室の容積を増大させ、前記原形状への復帰に伴い前記着座部に着座して前記両ダイアフラム室の容積を減少させ、前記他方のダイアフラム室は、前記容積の増大により前記燃料タンクから前記流入孔及び前記一方のダイアフラム室を通して燃料を吸入し、前記容積の減少により前記流出孔から前記インテークマニホールド内に燃料を噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁。 【請求項3】 前記ダイアフラムの熱膨張率は前記圧電素子の熱膨張率とほぼ一致することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射弁。 【請求項4】 前記ダイアフラム及び前記着座部の間の各対向面の少なくとも一方は、高硬度材料でコーティングされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射弁。 【請求項5】 前記着座部の前記ダイアフラムに対する対向面には、少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射弁。 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の燃料噴射弁を多数集積化してなる内燃機関用燃料噴射弁装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に採用するに適した燃料噴射弁及び燃料噴射弁装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の燃料噴射弁としては、米国特許第5647574号明細書に開示したものがある。この燃料噴射弁は、内燃機関の燃焼室へ向けて間欠的に燃料を噴射する燃料噴射システムに採用されており、この燃料噴射弁は、電気制御される電気アクチュエータにより駆動されて燃料の噴射量を制御する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記燃料噴射弁は、加圧された燃料の噴射量を開閉動作により制御する構成であるため、燃料噴射弁とは別に燃料を加圧するためのポンプが必要である。しかし、このようにポンプを燃料噴射弁とは別途必要とすることは、燃焼噴射システムとしての構成部品の増大やコストの増大を招くという不具合がある。 【0004】また、上記燃料噴射弁を小型化するために、小型化に伴う駆動力の不足を補う目的で、弁体が圧力に対抗できるように圧力バランスを保持する構造となっている。しかし、このような弁体構造とすることは、燃料噴射弁としての構造が複雑となるという不具合がある。 【0005】そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、ポンプ機能を統合してなる簡単な弁構造を備えた燃料噴射弁及び燃料噴射弁装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあたり、請求項1に記載の発明に係る内燃機関用燃料噴射弁は、内燃機関に設けられるハウジング(10、20)と、このハウジングの壁の一部にその厚さ方向に弾性変形可能に形成されたダイアフラム(12)と、ハウジング内にてその壁のうちダイアフラムに対向する壁部から突出されてダイアフラムにその内面側から着座してハウジング内を両ダイアフラム室(21、22)に区画する着座部(23)と、ダイアフラムにその外面側から固着されて、電圧の印加に応じて歪み、電圧の印加停止により原形状に復帰する少なくとも1つの圧電素子(30、30A)とを備える。 【0007】また、両ダイアフラム室の一方は燃料タンク内に連通する流入孔(21a)を備え、他方のダイアフラム室は内燃機関のインテークマニホールドに連通する流出孔(22a)を備える。 【0008】また、ダイアフラムは、圧電素子の歪みに伴い弾性変形して着座部から解離して両ダイアフラム室の容積を増大させ、圧電素子の原形状への復帰に伴い原形状に復帰して着座部に着座して両ダイアフラム室の容積を減少させる。 【0009】また、他方のダイアフラム室は、容積の増大により燃料タンクから流入孔及び一方のダイアフラム室を通して燃料を吸入し、容積の減少により流出孔からインテークマニホールド内に燃料を噴射する。 【0010】これにより、ダイアフラムが着座部と共に弁部を構成して圧電素子の歪みの有無によりポンプ作用を果たし、このポンプ作用のもとに燃料タンク内の燃料をインテークマニホールド内に噴射する。従って、別途、従来のように燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁に圧送するためのポンプが不要となり構成部品の低減やコストの低減につながる。また、ダイアフラムと着座部とにより弁部を構成するようにしたので、燃料噴射弁の弁構造が非常に簡単となり、小型化につながる。 【0011】また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、圧電素子に代えて、ダイアフラムにその外面側から設けられて、電圧の印加に応じて当該ダイアフラムを弾性変形させ、電圧の印加停止により当該ダイアフラムを原形状に復帰させる電気アクチュエータ(30、30A)を備える。 【0012】これによっても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。なお、電気アクチュエータとしては、例えば、圧電素子の他に、静電力によりダイアフラムに弾性変形を与えるものがある。 【0013】また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、ダイアフラムの熱膨張率は圧電素子の熱膨張率とほぼ一致することを特徴とする。 【0014】これにより、請求項1に記載の発明の作用効果を達成できるのは勿論のこと、ダイアフラムが着座部により着座されているときに周囲温度の変動があっても、ダイアフラム及び圧電素子は共にほぼ同一の熱膨張をするので、ダイアフラムが着座部から解離することはなく、従って、両ダイアフラム室間で燃料の漏れが生ずることはない。 【0015】また、請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1つの記載の発明において、ダイアフラム及び着座部の間の各対向面の少なくとも一方は、高硬度材料でコーティングされていることを特徴とする。 【0016】これにより、請求項1乃至3のいずれか1つの記載の発明の作用効果を達成できるのは勿論のこと、ダイアフラム及び着座部の間の各対向面の摩耗を防止し得る。 【0017】また、請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の発明において、着座部のダイアフラムに対する対向面には、少なくとも1つの凹部が形成されていることを特徴とする。 【0018】これにより、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成できるのは勿論のこと、ダイアフラム及び着座部の各対向面間の固着や凝着を防止して、弁としての開閉を円滑にし得る。 【0019】請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の燃料噴射弁を多数集積化してなる内燃機関用燃料噴射弁装置が提供される。これにより、燃料噴射弁装置としての小型化をより一層向上できる。 【0020】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。 【0022】(第1実施形態)図1は、本発明に係る燃料噴射弁装置が自動車の内燃機関用燃料噴射システムに適用された例を示している。この燃料噴射システムは、当該自動車の燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁装置により内燃機関のインテークマニホールド内に噴射するようになっている。また、インテークマニホールド内に噴射された燃料は、内燃機関の吸気管内への吸入空気流と混合されて混合気として内燃機関の燃焼室内に供給される。 【0023】燃料噴射弁装置は、図1にて示すごとく、複数の燃料噴射弁層Lを積層してなるもので、これら各燃料噴射弁層Lは、それぞれ、複数の燃料噴射弁Vを備えている。これにより、全燃料噴射弁Vが集積化された構造となっている。本第1実施形態では、説明の便宜上、図1にて示すごとく、燃料噴射弁層Lの層数を4層とし、各燃料噴射弁層Lが備える燃料噴射弁Vの数を4個としているが、本実施形態の燃料噴射弁装置では、燃料噴射弁層Lの層数及び燃料噴射弁Vの各燃料噴射弁層Lでの個数は、もっと多い。 【0024】各燃料噴射弁層Lは、共に同一の構成を有するので、一燃料噴射弁層Lの構成について説明する。燃料噴射弁Lは、図1にて示すごとく、上下両ハウジング10、20を備えており、これら両ハウジング10、20は、その各対抗面外周部にて、相互に接着剤等の接着材により接合されている。 【0025】ハウジング10は4個の凹所11を備えており、これら各凹所11は、図1及び図2にて例示するごとく、ハウジング10の表面に、図示左右方向に配列して形成されている。ここで、ハウジング10の各凹所11の底壁は、それぞれ、各燃料噴射弁Vの薄肉状ダイアフラム12(図5参照)を構成する。なお、ハウジング10は弾性材料により形成されている。 【0026】下側ハウジング20は、図3にて示すごとく、各両ダイアフラム室21、22及び各着座部23を備えている。各両ダイアフラム室21、22は、両ハウジング10、20の接合により対応の各着座部23により両ハウジング10、20内に区画形成されている。 【0027】ここで、各両ダイアフラム室21、22及び各着座部23はハウジング20の内面に各対応のダイアフラム12に対向して形成されている。また、各着座部23は、対応の各ダイアフラム12と共に、対応の各燃料噴射弁Vの弁部Vaを構成する。そして、弁部Va毎に、着座部23は、その対応のダイアフラム12に対する対向面にて、当該ダイアフラム12の裏面中央部に密着する(図5参照)。これにより、各弁部Vaは、ダイアフラム12の裏面の着座部23に対する着座により閉じ、ダイアフラム12の着座部23の裏面からの解離により開く。 【0028】また、各ダイアフラム室21は、その流入孔21aを介し、ハウジング20の内面に形成した共通の燃料流入室24内に連通している。一方、各ダイアフラム22は、その流出孔22aを介し上記インテークマニホールド内に連通している(図3参照)。但し、流出孔22aの内径は流入孔21aの内径よりも小さく、上記インテークマニホールド側から流出孔22aを通りダイアフラム室22内に逆流することはない。なお、燃料流入室24は、上記燃料タンク内にその底部にて燃料供給路(図示しない)を介し連通している。 【0029】圧電素子30は、図1及び図2にて示すごとく、ハウジング10の各凹所11内に収容装着されている。各圧電素子30は、共に同一の構成を有するので、一圧電素子30を例にとりその構成について説明する。圧電素子30は、図5にて例示するごとく、上下両側板状電極31、32の間に板状圧電体33を挟持して構成されており、この圧電素子30は、その下側電極32にて、ハウジング10の凹所11内にてその底壁に貼着されている。 【0030】しかして、圧電素子30においては、圧電体33は、両電極31、32間への電圧の印加により、板厚方向及び面方向に歪む。このため、圧電体33と両電極31、32との膨張差により、圧電素子30がその板厚方向に歪む。なお、一燃料噴射弁層Lの各圧電素子30においては、その上側電極31は、共通の上側端子31aを備えており、この上側端子31aは、ハウジング10の表面に沿い図1及び図2にて図示右方へ長手状に貼着形成されている。一方、下側電極32は、共通の下側端子32aを備えており、この下側端子32aは、ハウジング10の表面のうち各凹所11の境界を介し図1及び図2にて図示右方へ長手状に延出形成されている。 【0031】以上のような構成において、互いに対応する弁部Va、両ダイアフラム室21、22及び圧電素子30毎に燃料噴射弁Vを構成する。 【0032】各燃料噴射弁層Lのうち最上層の燃料噴射弁層Lから最下層の燃料噴射弁層Lにかけて順次第1乃至第4の燃料噴射弁層Lと称するとすると、第1及び第3の燃料噴射弁層Lが上述した構成となっている。また、第2及び第4の燃料噴射弁層Lでは、各圧電素子30の上側電極31の共通の上側端子31aが、図7にて示すごとく、ハウジング10の表面の図示下部に沿い右方へ延出形成されている点においてのみ、上記第1及び第3の燃料噴射弁層Lの構成と異なる。これに伴い、第1及び第3の燃料噴射弁層Lの各共通の上側端子31aは、燃料噴射弁装置の側面に形成した導線40に接続されており、第2及び第4の燃料噴射弁層Lの各共通の上側端子31aは、燃料噴射弁装置の側面に形成した導線50に接続されている。なお、第1乃至第4の各燃料噴射弁層Lの共通の下側端子32aは、燃料噴射弁装置の側面に形成した接地導線40に接続されている。 【0033】以上のように構成した本第1実施形態において、燃料噴射弁装置の一燃料噴射弁Vを例にとってその作動を説明する。当該燃料噴射弁Vの圧電素子30に対し電圧が印加されていない状態では、この燃料噴射弁Vは、図8(a)にて示すように弁部Vaを閉じている。 【0034】このような状態において、圧電素子30の両電極31、32間に電圧を印加すると、圧電体33に歪みが発生する。このため、圧電素子30は、当該圧電体33の歪みに伴い両電極31、32を歪ませて、ダイアフラム12を弾性変形させる(図8(b)参照)。但し、圧電素子30がその中央部にて着座部23から離れるような極性にて両電極31、32間に電圧を印加する。 【0035】上述のようなダイアフラム12の弾性変形に伴い、ダイアフラム12が着座部23から解離して弁部Vaを開くと、両ダイアフラム室21、22の容積が拡大する。このため、ダイアフラム室21は流入孔21aから燃料を吸入しようとし、ダイアフラム22は流出孔22aから燃料を吸入しようとする。しかし、上述のように流出孔22aの内径は流入孔21aの内径よりも小さいから、上記インテークマニホールド内から流出孔22aを介しダイアフラム室22内へ燃料が逆流することはない。 【0036】従って、上記燃料タンク内の燃料が上記燃料供給路、燃料流入室24及び流入孔21aを通りダイアフラム室21内に吸入される。このため、上記燃料タンク内の燃料がダイアフラム室21を通りダイアフラム室22内に流入する。なお、上述のごとく、燃料流入室24は、上記燃料タンク内の底部内に上記燃料供給路を介し連通しているので、当該燃料タンク内の燃料が減少してもダイアフラム室21内への燃料の流入が確保される。 【0037】然る後、両電極31、32間への上記電圧印加を停止すると、図8(c)にて示すごとく、圧電素子30は原形状に復帰し、ダイアフラム12が、その弾性により原形状に復帰して、その裏面中央部にて着座部23に密着する。これにより、弁部Vaが閉じる。 【0038】これに伴い、ダイアフラム室22の容積が減少して当該ダイアフラム室22内に流入した燃料が流出孔22aを通り上記インテークマニホールド内に噴出される。換言すれば、ダイアフラム12が圧電素子30の電圧印加による歪みを受けて弾性変形により弁部Vaにてポンプ作用を果たし、このポンプ作用のもとに燃料タンク内の燃料をインテークマニホールド内に噴出する。従って、別途、従来のように燃料タンク内の燃料を燃料噴出弁に圧送するためのポンプが不要となり、構成部品の低減やコストの低減につながる。また、主としてハウジング10のダイアフラム12と着座部23とにより弁部Vaを構成するようにしたので、燃料噴射弁Vの弁構造が非常に簡単となり、小型化できる。 【0039】また、上述のように、各導線50、60にそれぞれ接続する各圧電素子30を第1及び第3の燃料噴出弁層Lと第2及び第4の燃料噴出弁層Lとに分けてグループ化したので、燃料噴射弁装置の複雑な駆動制御が可能となる。 【0040】本実施形態において、例えば、図9(a)にて示す電圧V1を周期Tにて第1及び第3の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30に接地導線40と導線60を介し印加するとともに、図9(b)にて示す電圧V2(<V1)を電圧V1に同期(図9にて符号t1、t2参照)して周期Tにて第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30に接地導線40と接地導線50を介し印加すれば、第1及び第3の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30の歪み量、即ち各弁部Vaの開度は電圧V1に比例して変化するとともに、これに同期して第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30の歪み量、即ち各弁部Vaの開度が電圧V2に比例して変化する。従って、圧電素子30に対する印加電圧を変えることで、弁部Vaの開度、即ち燃料の噴出量を制御できる。 【0041】図10は上記第1実施形態の一変形例を示している。この一変形例では、上記第1実施形態にて述べた第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30への印加電圧として、電圧V2に代えて、図9(a)の電圧V1に対し図10にて示すごとく(t1−t11)だけ位相を異にする電圧V1が採用されている。 【0042】このため、第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各弁部Vaの開閉タイミングが、第1及び第3の燃料噴出弁層Lの各弁部Vaの開閉タイミングからずれる。これにより、燃料噴出弁を集積化した燃料噴射弁装置全体の共振点を回避すること及び燃料噴射弁装置内での燃料の脈動を抑制することが可能となる。その他の構成及び作用効果は上記第1実施形態と同様である。 【0043】図11は、上記実施形態の他の変形例を示している。この他の変形例では、上記第1実施形態にて述べた第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30への印加電圧として、電圧V2に代えて、図9(a)の電圧V1に対し図11にて示すごとく位相を異にし周期を(T−T1)だけ異にする電圧V1が採用されている。なお、符号t12、t22は、図9の時刻t1、t2とそれぞれ異なる時刻を示す。その他の構成は上記実施形態と同様である。 【0044】これによれば、第1及び第3の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30への印加電圧は、第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30への印加電圧とは、位相及び周波数を異にする。従って、第2及び第4の燃料噴出弁層Lの各弁部Vaの開閉タイミング及び開閉頻度が、第1及び第3の燃料噴出弁層Lの各弁部Vaの開閉タイミング及び開閉頻度からそれぞれずれる。 【0045】これにより、燃料噴出弁を集積化した燃料噴射弁装置全体の共振点を回避すること、燃料噴射弁装置内での燃料の脈動を抑制すること及び燃料の噴出量制御がより一層可能となる。その他の構成及び作用効果は上記第1実施形態と同様である。 【0046】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図12乃至図16に基づいて説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた各燃料噴出弁層Lにおいて、各圧電素子30に代えて、それぞれ4個の圧電素子30Aを採用した構成となっている。 【0047】各4個の圧電素子30Aは、上記第1実施形態にて述べたハウジング10の各凹所11内に各圧電素子30に代えて収容装着されている。各圧電素子30Aは上述した圧電素子30よりも外形寸法は小さいものの当該圧電素子30と同様の構成及び機能を有する。 【0048】本第2実施形態では、一凹所11内の4個の圧電素子30A毎に、当該各圧電素子30A及びその対応構成部分が、上記第1実施形態にて述べた燃料噴射弁Vに相当する(図15参照)。また、凹所11毎の圧電素子の数が上記第1実施形態の場合よりも多いことから、一凹所11を例にとれば、4個の圧電素子30Aは、図12及び図13から分かるように、燃料の流入側から噴出側にかけて配列されており、これら各圧電素子30Aのうち両中央側圧電素子30Aの各対向端部が、ハウジング20の着座部23に対応して位置する(図15参照)。 【0049】また、これら各圧電素子30Aの上側電極31は、共に共通の端子31aに接続されている。また、一燃料噴出弁層Lを例にとれば、図12及び図13にて図示左右方向に対応する4個の圧電素子30A毎に、その各下側電極32は、それぞれ、共通の各端子32aにて、対応の各導線60a乃至60dに接続されている。なお、これら各導線60a乃至60dは、上記各導線50、60に代えて燃料噴射弁装置の側壁に並行に形成されている。その他の構成は上記第1実施形態と実質的に同様である。 【0050】このように構成した本第2実施形態において、燃料噴射弁装置の一燃料噴射弁Vを例にとってその作動を説明する。当該燃料噴射弁Vの各圧電素子30Aに対し電圧が印加されていない状態では、この燃料噴射弁Vは、図16(a)にて示すように弁部Vaを閉じている。 【0051】このような状態において、各圧電素子30Aのうち図16にて図示右側の圧電素子30Aから左側の圧電素子30Aにかけて、各両電極31、32間に電圧を印加すると、図16(b)乃至(d)にて示す順序にて、各圧電素子30Aに歪みが発生する。このため、各圧電素子30Aは、その各歪みに伴いダイアフラム12を着座部23から解離した後当該着座部23に着座させるように弾性変形させる。 【0052】このようなダイアフラム12の変形過程において、ダイアフラム12が着座部23から解離して弁部Vaを開くと、両ダイアフラム室21、22の容積が拡大する。このため、ダイアフラム室21は流入孔21aから燃料を吸入しようとし、ダイアフラム22は流出孔22aから燃料を吸入しようとする。しかし、上述のように流出孔22aの内径は流入孔21aの内径よりも小さいこと、及びダイアフラム12の変形が右から左、即ち、燃料吐出方向となっていることから、上記インテークマニホールド内から流出孔22aを介しダイアフラム室22内へ燃料が逆流することはない。 【0053】従って、上記燃料タンク内の燃料が上記燃料供給路、燃料流入室24及び流入孔21aを通りダイアフラム室21内に吸入される。このため、上記燃料タンク内の燃料がダイアフラム室21を通りダイアフラム室22内に流入する。 【0054】然る後、各圧電素子30Aへの上記電圧印加を停止すると、図16(e)にて示すごとく、各圧電素子30Aは原形状に復帰し、ダイアフラム12が、その弾性により原形状に復帰して、その裏面中央部にて着座部23に密着する。これにより、ダイアフラム12の変形のない状態で弁部Vaが閉じる。 【0055】これに伴い、ダイアフラム室22の容積が減少して当該ダイアフラム室22内に流入した燃料が流出孔22aを通り上記インテークマニホールド内に噴出される。換言すれば、ダイアフラム12が上述のような各圧電素子30Aへの順次の電圧印加による歪みを受けて弾性変形により弁部Vaにてポンプ作用を果たし、このポンプ作用のもとに燃料タンク内の燃料をインテークマニホールド内に噴出する。従って、別途、従来のように燃料タンク内の燃料を燃料噴出弁に圧送するためのポンプが不要となる。また、ハウジング10のダイアフラム12と着座部23とにより弁部Vaを構成するようにした。その結果、上記第1実施形態と実質的に同様の作用効果を達成できる。 【0056】なお、上記第1実施形態では、各燃料噴出弁層Lの1層おきに各圧電素子30を同一の導線50或いは60に接続するようにしたが、これに代えて、上側2層の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30を導線50に接続し、下側2層の燃料噴出弁層Lの各圧電素子30を導線60に接続するようにしてもよい。 【0057】また、本発明の実施にあたり、ダイアフラム12の熱膨張率は圧電素子30、30aの熱膨張率とほぼ一致するようにしておけば、ダイアフラム12が着座部23により着座されているときに周囲温度の変動があっても、ダイアフラム12及び圧電素子30、30Aは共に同一の熱膨張をする。よって、ダイアフラム12が着座部23から解離することはなく、従って、両ダイアフラム室21、22間で燃料の漏れが生ずることはない。 【0058】また、本発明の実施にあたり、ダイアフラム12及び着座部23の間の各対向面の少なくとも一方が、高硬度材料でコーティングされているようにすれば、ダイアフラム12及び着座部23の間の各対向面の摩耗を防止し得る。 【0059】また、本発明の実施にあたり、着座部23のダイアフラム12に対する対向面には、少なくとも1つの凹部が形成されていれば、ダイアフラム12及び着座部23の各対向面間の固着や凝着を防止して、弁としての開閉を円滑にし得る。 【0060】また、本発明の実施にあたり、例えば、上記第2実施形態にて述べた導線60aに接続てなる各燃料噴出弁層Lの各圧電素子30Aは、上記第2実施形態とは異なり、第1及び第3の燃料噴出弁層Lと第2及び第4の燃料噴出弁層Lとにグループ化して、別々の導線に電極32を接続するようにしてもよい。なお、残りの各導線60b乃至60dにそれぞれ接続した各燃料噴出弁層Lの各圧電素子30Aについても同様である。 【0061】また、本発明の実施にあたり、ハウジング10のダイアフラム12の形状は、円板状或いは矩形板状等の各種の板形状であってもよい。 【0062】また、本発明の実施にあたり、燃料噴射弁装置の燃料噴出弁の数は、少なくとも1つであればよい。 【0063】また、本発明の実施にあたり、両ハウジング10、20を、1つのハウジングとしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成12年3月24日(2000.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−271721(P2001−271721A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−88577(P2000−88577) |
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