| 【発明の名称】 |
自動車の二股燃料タンク用のデュアル燃料送出モジュールシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】トニー・ジョー・ホイーラー
【氏名】ポール・ウィケット
【氏名】ロルフ・フィッシャーケラー
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| 【要約】 |
【課題】自動車の二股燃料タンク用のデュアル燃料送出モジュールシステムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料システムは、実質的に等しい蒸気圧を持つように互いに連通した第1及び第2のタンク部分(30、34)、これらの第1及び第2のタンク部分のそれぞれに設けられた第1及び第2の燃料ポンプ(58、62)、及び前記第1及び第2のタンク部分内の燃料(74)の相対的レベルで決まるいずれかの移送方向で、燃料を、前記第1及び第2のタンク部分間で移送するためのクロスオーバー燃料ライン(206)を含む。第1及び第2のシャットルバルブ(170)のそれぞれが、一つのクロスオーバーラインを通る燃料の流れ方向を制御し、二股部分の両方での燃料レベルをタンク(18)が空になるまで実質的に等しく維持する。第1及び第2のジェットポンプがクロスオーバー燃料ラインと連通しており、燃料の移送に必要な吸引力を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料システムにおいて、前記燃料システムは、第1及び第2のタンク部分であって、前記第1及び第2のタンク部分が実質的に等しい蒸気圧を有するように互いに連通している、前記第1及び第2のタンク部分と、前記第1及び第2のタンク部分にそれぞれ設けられた、第1及び第2の燃料ポンプと、前記第1及び第2のタンク部分の間においていずれかの移送方向に燃料を移送するためのクロスオーバー燃料ラインであって、前記移送方向は前記第1及び第2のタンク部分内の燃料の相対的レベルによって定まるように構成された、前記クロスオーバー燃料ラインと、を有する、燃料システム。 【請求項2】 請求項1に記載の燃料システムにおいて、前記第1及び第2のタンク部分はサドル・タンクを画成する、前記燃料システム。 【請求項3】 請求項1に記載の燃料システムにおいて、前記燃料システムは、更に、前記第1タンク部分に設けられた第1ジェットポンプであって、前記第1ジェットポンプは、前記クロスオーバー燃料ラインを通して燃料を引き出すために、前記クロスオーバー燃料ラインに連通する、前記第1ジェットポンプと、前記第2タンク部分に設けられた第2ジェットポンプであって、前記第2ジェットポンプは、前記クロスオーバー燃料ラインを通して燃料を引き出すために、前記クロスオーバー燃料ラインに連通する、前記第2ジェットポンプと、を有する、前記燃料システム。 【請求項4】 請求項3に記載の燃料システムにおいて、前記燃料システムは、更に、前記第1タンク部分に設けられた第1燃料リザーバであって、前記第1燃料ポンプは前記第1燃料リザーバから燃料を吸い込むように構成された、前記第1燃料リザーバと、前記第2タンク部分に設けられた第2燃料リザーバであって、前記第2燃料ポンプが前記第2燃料リザーバから燃料を吸い込むように構成された、前記第2燃料リザーバと、を有する、前記燃料システム。 【請求項5】 請求項4に記載の燃料システムにおいて、前記第1及び第2のジェットポンプは、それぞれ、第1及び第2の出口を有し、前記第1及び第2の出口は、それぞれ、前記第1及び第2のリザーバに連通する、前記燃料システム。 【請求項6】 請求項5に記載の燃料システムにおいて、前記クロスオーバー燃料ラインは、前記第1及び第2のタンク部分の内部の燃料の相対的レベルに応じて、燃料を、前記第1タンク部分から前記第2リザーバに移送し、又は、前記第2タンク部分から前記第1リザーバに移送する、前記燃料システム。 【請求項7】 請求項2に記載の燃料システムにおいて、前記燃料システムは、更に、前記第1タンク部分に設けられた第1燃料ピックアップチューブであって、前記第1燃料ピックアップチューブは、第1入口と、前記第1ジェットポンプに連通した第1出口と、前記第1タンク内の燃料のレベルが十分な場合に開放し、また、前記第1タンク内の燃料のレベルが不十分な場合に閉鎖するため、前記第1入口と前記第1出口の間に設けられた、第1バルブとを含む、前記第1燃料ピックアップチューブと、第2タンク部分に設けられた第2燃料ピックアップチューブであって、前記第2燃料ピックアップチューブは、第2入口と、前記第2ジェットポンプに連通した第2出口と、前記第2タンク内の燃料のレベルが十分な場合に開放し、また、前記第2タンク内の燃料のレベルが不十分な場合に閉鎖するため、前記第2入口と前記第2出口の間に設けられた、第2バルブとを含む、前記第2燃料ピックアップチューブと、を有する、前記燃料システム。 【請求項8】 請求項7に記載の燃料システムにおいて、前記第1及び第2のバルブは、それぞれ、第1及び第2の遮断部材を含み、前記第1及び第2のバルブは、燃料が存在する状態でそれぞれの遮断部材が上昇位置にあるときに、開放位置にあって、燃料がそれぞれの入口に入ることを可能にし、前記第1及び第2のバルブは、燃料が存在しない状態でそれぞれの遮断部材が下降位置にあるときに、閉鎖位置にあって、空気及び空気蒸気がそれぞれの入口に進入することを防止するように構成された、前記燃料システム。 【請求項9】 請求項8に記載の燃料システムにおいて、前記第1及び第2のバルブは、前記燃料システムが作動していない場合にも閉鎖位置にある、前記燃料システム。 【請求項10】 請求項8に記載の燃料システムにおいて、前記クロスオーバー燃料ラインは、前記第1又は第2のバルブのいずれか一方が閉鎖位置にあるとき、燃料を前記第1及び第2のタンク部分間で移送する、前記燃料システム。 【請求項11】 請求項10に記載の燃料システムにおいて、前記クロスオーバー燃料ラインは、前記第2バルブが閉鎖位置にあるとき、前記第1タンク部分から前記第2タンク部分に燃料を移送する、前記燃料システム。 【請求項12】 請求項10に記載の燃料システムにおいて、前記クロスオーバー燃料ラインは、前記第1バルブが閉鎖位置にあるとき、前記第2タンク部分から前記第1タンク部分に燃料を移送する、前記燃料システム。 【請求項13】 全圧がHtotal1の第1燃料移送ユニットと、全圧がHtotal2の第2燃料移送ユニットとを有する、燃料システムにおいて、前記燃料システムは、第1及び第2のタンク部分であって、前記第1及び第2のタンク部分は、実質的に等しい蒸気圧を有し、かつ、圧力Hf1とHf2をそれぞれ発生する第1及び第2の燃料レベルを含むように、互いに連通する、前記第1及び第2のタンク部分と、前記第1及び第2のタンク部分にそれぞれ設けられた、第1及び第2の燃料ポンプと、前記第1及び第2のタンク部分の内部の燃料の相対的レベルによって定まるいずれかの移送方向に、前記第1及び第2のタンク部分間で燃料を移送するための、クロスオーバー燃料ラインと、前記クロスオーバー燃料ラインに連通した前記第1タンク部分内に設けられ、かつ、圧力Hs1を発生する、第1ジェットポンプと、前記クロスオーバー燃料ラインと連通した前記第2タンク部分内に設けられ、かつ、圧力Hs2を発生する、第2ジェットポンプと、前記第1タンク部分に設けられた第1燃料ピックアップチューブであって、前記第1燃料ピックアップチューブは、第1入口と、前記第1ジェットポンプに連通した第1出口と、前記第1タンク内の燃料のレベルが十分な場合に開放し、また、前記第1タンク内の燃料のレベルが不十分な場合に閉鎖するため、前記第1入口と前記第1出口の間に設けられた、第1バルブとを含み、前記第1バルブは、開放位置まで上昇させるためには圧力Hb1が必要であるように較正された、第1遮断部材を含む、前記第1燃料ピックアップチューブと、前記第2タンク部分に設けられた第2燃料ピックアップチューブであって、前記第2燃料ピックアップチューブは、第2入口と、前記第2ジェットポンプに連通した第2出口と、前記第2タンク内の燃料のレベルが十分な場合に開放し、また、前記第2タンク内の燃料のレベルが不十分な場合に閉鎖するため、前記第2入口と前記第2出口の間に設けられた、第2バルブを含み、前記第2バルブは、開放位置まで上昇させるために圧力Hb2を必要とするように較正された第2遮断部材を含む、前記第2燃料ピックアップチューブと、前記第1燃料移送ユニットについての全圧は、【式1】
であり、前記第2燃料移送ユニットについての全圧は、【式2】
である、燃料システム。 【請求項14】 請求項13に記載の燃料システムにおいて、【式3】
のとき、燃料が前記クロスオーバーラインを通って、前記第1タンク部分から前記第2タンク部分まで移送される、前記燃料システム。 【請求項15】 請求項13に記載の燃料システムにおいて、【式4】
のとき、燃料が前記クロスオーバーラインを通って、前記第2タンク部分から前記第1タンク部分まで移送される、前記燃料システム。 【請求項16】 請求項13に記載の燃料システムにおいて、【式5】
であり、かつ、【式6】
であるとき、前記第1及び第2のバルブが開放位置にあり、燃料をそれぞれの入口に進入でき、【式7】
であり、かつ、【式8】
であるとき、前記第1及び第2のバルブは閉鎖位置にあり、空気及び空気の蒸気がそれぞれの入口に進入しないように構成された、前記燃料システム。 【請求項17】 請求項13に記載の燃料システムにおいて、【式9】
で、かつ、【式10】
のとき、それぞれのタンク部分内の燃料レベルが不十分である場合、前記第1及び第2のバルブは閉鎖位置にある、前記燃料システム。 【請求項18】 請求項13に記載の燃料システムにおいて、前記第1及び第2の遮断部材は所定の重量/面積値を有し、重量/面積値を変化させることによりHb1とHb2は較正される、前記燃料システム。 【請求項19】 請求項13に記載の燃料システムにおいて、前記燃料システムが作動していない場合には、【式11】
で、かつ、【式12】
であり、前記燃料システムが作動していないときに、【式13】
で、かつ、【式14】
である場合には、前記第1及び第2バルブが閉鎖位置にある、前記燃料システム。 【請求項20】 燃料システムにおいて、実質的に等しい蒸気圧を有するように互いに連通した、第1及び第2のタンク部分と、前記第1及び第2のタンク部分にそれぞれに設けられた、第1及び第2の燃料ポンプと、前記第1タンク部分に設けられた第1燃料リザーバであって、前記第1燃料ポンプが前記第1燃料リザーバから燃料を吸い込むように構成された、前記第1燃料リザーバと、前記第2タンク部分に設けられた第2燃料リザーバであって、前記第2燃料ポンプが前記第2燃料リザーバから燃料を吸い込むように構成された、第2燃料リザーバと、前記第1及び第2のタンク部分内の燃料の相対的レベルで決まるいずれかの移送方向に、燃料を前記第1及び第2のタンク部分間で移送するためのクロスオーバー燃料ラインと、前記第1タンク部分に設けられた第1ジェットポンプであって、前記第1タンク部分は、前記クロスオーバー燃料ラインを通して燃料を引き出すように前記クロスオーバー燃料ラインに連通し、前記第1ジェットポンプは前記第1リザーバに連通する第1出口を有する、前記第1ジェットポンプと、前記第2タンク部分に設けられた第2ジェットポンプであって、前記第2タンク部分は、前記クロスオーバー燃料ラインを通して燃料を引き出すように前記クロスオーバー燃料ラインに連通し、前記第2ジェットポンプは前記第2リザーバに連通する第2出口を有する、前記第2ジェットポンプと、前記第1タンク部分に設けられた第1燃料ピックアップチューブであって、第1入口と、前記第1ジェットポンプに連通した第1出口と、前記第1タンク内の燃料のレベルが十分な場合に開放し、また、前記第1タンク内の燃料のレベルが不十分な場合に閉鎖するように、前記第1入口と前記第1出口の間に設けられた第1バルブを含み、前記第1バルブは第1遮断部材を含み、前記第1バルブは、燃料が存在する状態で前記第1遮断部材が持ち上げ位置にあるとき、燃料を入口に流入させることができる開放位置にあり、前記第1バルブは、燃料が存在しない状態で前記第1遮断部材が下降位置にあるとき、空気と空気蒸気が入口に流入することを防止する閉鎖位置にあるように構成された、前記第1燃料ピックアップチューブと、前記第2タンク部分に設けられた第2燃料ピックアップチューブであって、第2入口と、前記第2ジェットポンプに連通した第2出口と、前記第2タンク内の燃料のレベルが十分な場合に開放し、また、前記第2タンク内の燃料のレベルが不十分な場合に閉鎖するように、前記第2入口と前記第2出口の間に設けられた第2バルブを含み、前記第2バルブは第2遮断部材を含み、前記第2バルブは、燃料が存在する状態で前記第2遮断部材が持ち上げ位置にあるとき、燃料が入口に流入することができる開放位置にあり、前記第2バルブは、燃料が存在しない状態で前記第2遮断部材が下降位置にあるとき、空気及び空気蒸気が入口に流入することを防止する閉鎖位置にある、前記第2燃料ピックアップチューブと、を有する、燃料システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用燃料送出システムに関し、更に詳細には、二股燃料タンクのデュアル燃料ポンプ送出システムに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に「サドル・タンク」とも呼ばれる二股燃料タンクを一個の燃料ポンプを備えた燃料送出システムと関連して使用することが周知である。このようなシステムでは、リザーバが燃料ポンプを取り囲んでおり、このリザーバは、燃料がポンプに常に供給されるように常に充填される。通常は、燃料は、燃料ポンプを収容した二股タンク部分から燃料ポンプに吸い込まれるが、燃料レベルが低いか或いは車輛の挙動により燃料ポンプの入口が燃料を吸い込むことができない場合には、燃料ポンプは燃料を直ちにリザーバから吸い込む。ジェットポンプを使用し、燃料を、クロスオーバーラインを通してタンクの両二股部分から吸い込み、燃料をリザーバに圧送する。リザーバは、通常は溢流し、余分の燃料が、燃料ポンプを収容した二股タンク部分を充填する。これにより、燃料が二股タンク部分のいずれに留まろうとも燃料ポンプで利用できる。 【0003】今日の高性能高出力の自動車は、単一の燃料ポンプで提供できるよりも大きな流量で燃料をエンジンに供給する必要がある。必要な燃料をエンジンに送出するため、並列に作動する二つの燃料ポンプを使用することが必要となった。二股タンクは、デュアル燃料ポンプ送出システムを使用するための適当な環境を提供する。これは、二股タンクの二つの部分の各々に燃料ポンプを一つずつ収容することができるためである。エンジンが両燃料ポンプからの燃料流れを要求するため、両タンク部分及び両燃料ポンプに十分な量の燃料があるということが重要である。自動車の挙動(タンクの二股壁に燃料が衝突し跳ね返ることを繰り返す。)、タンクの充填の度合い、燃料ポンプの流れ特性の変化等のため、二股部分での燃料レベルは、多くの場合、等しくない。 【0004】このような移送を行うための一つの方法は、二股壁を越えて燃料を移送する専用のクロスオーバー燃料ラインを各々有する二つのジェットポンプを使用することである。これは、単一の燃料ポンプ送出システムとともに使用するために上文中に説明したシステムと同様であり、デュアル燃料ポンプを収容するために二重にしてあるだけである。第1クロスオーバー燃料ラインは第1ジェットポンプに連結されており、第2二股部分から第1二股部分のリザーバへの燃料移送専用である。第2クロスオーバー燃料ラインは第2ジェットポンプに連結されており、第1二股部分から第2二股部分のリザーバへの燃料移送専用である。理想的には、互いに独立して作動する両ジェットポンプ及びクロスオーバーラインは、タンクが空になるとき、タンクの二股部分の燃料レベルを等しくする。 【0005】二股タンク内の燃料レベルを等しくするために独立した専用の二つのジェットポンプ−クロスオーバーラインシステムを使用することと関連した問題点は、多くの場合、ジェットポンプの効率が異なるため、一方の二股部分が他方の二股部分よりも前に空になってしまうということである。一方のジェットポンプの効率が他方よりも高いと、効率が高い方のジェットポンプが、そのそれぞれの二股部分を、効率が劣る方のジェットポンプが燃料をそのそれぞれの二股部分から供給できるよりも早く空にしてしまう。このように、効率が劣る方のジェットポンプは、二股部分間の燃料レベルを等しくできない。一方の二股部分が最初に空になり、それぞれの燃料ポンプが燃料を十分に供給できない場合には、燃料流れの中断が起こり、HCエミッション及びNOXエミッションが高くなり、エンジン及び触媒コンバータの信頼性が危険に曝される。エンジンを損傷する危険があることに加え、燃料を全く圧送せずに燃料ポンプを作動させ続けることにより燃料ポンプが損傷する危険がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、両ジェットポンプと連通した単一のクロスオーバー燃料ラインを組み込むことにより、これらの問題点を解決する。 【0007】 【課題を解決するための手段】二つのシャットルバルブが単一のクロスオーバーラインを通る燃料の流れ方向を制御し、タンクが空になるまで両二股部分内の燃料レベルを実質的に等しく維持する。一方の二股部分が他方の二股部分よりも前に空になった場合には、両ジェットポンプは燃料が残っている二股部分から燃料を吸い込むことにより、両二股部分が実質的に空になるまで、両燃料ポンプが燃料をエンジンに提供し続けるようにする。二つの独立した専用のジェットポンプ及びクロスオーバーラインを使用するのとは異なり、燃料は必要な場合にだけ移送される。これは、両タンク部分の間で燃料を常に互いに圧送し合うのとは逆である。 【0008】本発明のこの他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付図面を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。本発明の一実施例を詳細に説明する前に、本発明の用途は、以下の説明に記載され且つ添付図面に例示された構造の詳細及び構成要素の構成に限定されないということは理解されるべきである。本発明は、他の実施例が可能であり、様々な方法で実施できる。更に、本明細書中で使用した言い回しや用語は説明のためのものであって、限定であると見做すべきではないということは理解されるべきである。「含む」及び「有する」及び本明細書中で使用したこれらと同様の用語は、以下に挙げるもの及びその等価物並びに追加のものを含むということを意味する。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は、本発明を具体化した燃料システム10を示す。この燃料システム10は、比較的大きな燃料流量を必要とする内燃エンジン14(即ち過給機付きエンジン)と関連して使用するようになっている。第1タンク部分30及び第2タンク部分34を持つ二股燃料タンク18が図1及び図2に示してある。この種の二股燃料タンクは、その鞍状形状のため、「サドル・タンク」として一般に周知である。壁即ち背部38が第1及び第2のタンク部分30と34とを部分的に分離するが、タンク18を全体に亘って単一の蒸気圧に維持できる。タンク18は必ずしも図示のように二股になっていなくてもよいが、タンク部分30、34に共通の蒸気圧を加えることができる任意の他の方法で二股にされているのがよい。 【0010】第1及び第2のタンク部分30、34は、実質的に同じ第1及び第2の燃料送出モジュール42、46をそれぞれ収容する。第1及び第2の燃料送出モジュール42、46は、頂部が少なくとも部分的に開放した第1及び第2のリザーバ50、54をそれぞれ、及びそれぞれのリザーバ50、54の内側の第1及び第2の燃料ポンプ58、62を含む。これらの燃料ポンプ58、62は、燃料74をエンジン14に第1燃料供給ライン22及び第2燃料供給ライン26のそれぞれを介して供給する。 【0011】燃料ポンプ58、62は実質的に同じであり、当該技術分野で周知のように、二股タンク部分30、34のそれぞれから、又はそれぞれのリザーバ50、54から燃料を直接的に吸い込むことができる。タンク部分30、34に十分な燃料74がある場合には、ポンプ58、62は、燃料をそれぞれのタンク部分30、34から吸い込む。タンク部分30、34内の燃料74の量が不十分である場合、又は車輛の挙動によりポンプ入口(図示せず)のところで燃料74が得られない場合には、ポンプ58、62は、燃料をそれぞれのリザーバ50、54から吸い込む。これにより、燃料ポンプ58、62は、燃料レベルが低い期間中及び車輛の挙動が激しい期間中に燃料74の供給を常に利用できる。 【0012】エンジン14が両燃料ポンプ58、62からの燃料流れを必要とするため、燃料ポンプ58、62のいずれかからの燃料流れが中断すると、エンジン14及び触媒コンバータ(図示せず)が損傷してしまう。これは回避しなければならない。更に、燃料ポンプ58、62は、公称期間中に燃料74なしで作動した場合にも損傷してしまう。このような損傷を回避するため、燃料74を、以下に説明するように、リザーバ50、54に常に供給する。燃料74を常に供給するということは、リザーバ58、62が通常の作動中に実質的に常に一杯であり、それぞれのタンク部分30、34内に溢流しているということを意味する。 【0013】第1及び第2の燃料移送ユニット110、114がそれぞれのタンク部分30、34にそれぞれの燃料送出モジュール42、46と隣接して配置されており、燃料をタンク部分30、34からそれぞれのリザーバ50、54内に移送する。燃料移送ユニット110、114は実質的に同じであり、共通のエレメントには同じ参照番号が附してある。燃料移送ユニット114だけを詳細に説明する。燃料移送ユニット110及び114の構成要素と特徴との区別は、明確に行われる。 【0014】燃料移送ユニット114は、ジェットポンプ118及び燃料ピックアップチューブ126を含む。ジェットポンプ118(図4参照)は、ベンチュリ効果を使用して作動する。このジェットポンプは、高圧燃料74を受け入れて一般に理解されるように圧力を速度に変換するための制限直径部分138を持つ入口134を含む。供給チューブ140が入口134に連結されており、燃料74を、燃料ポンプ62から来入する高圧エンジン供給の逸らされた部分からジェットポンプ118に(図1及び図2参照)供給する。別の態様では、燃料をタンク18に戻す調整戻しライン(図示せず)から燃料をジェットポンプ118に供給できる。 【0015】高速の燃料74が出口142を通ってジェットポンプ118を出る。出口142には出口チューブ144が連結されており、この出口チューブ144はリザーバ54と連通している。好ましくは、出口チューブ144は、燃料が飛び散って蒸気圧を上昇させることがないように、燃料74が充填済リザーバ54に燃料表面レベル以下で進入するように、リザーバ54と連通している。図4でわかるように、ジェットポンプ118は、ピックアップチューブ126に連結されており且つこのチューブと連通したピックアップチューブコネクタ部分150を持つ中間部分146を含む。ジェットポンプ118は、ボア153(図4参照)を通して中間部分146と連通したコネクタ部分152(図2参照)を更に有する。 【0016】燃料ピックアップチューブ126は、タンク部分34の底部と隣接した入口154、ピックアップチューブコネクタ部分150に連結されており且つこれと連通した出口162、及び入口154と出口162との間に設けられたシャットルバルブ170を含む。シャットルバルブ170は、好ましくは、入口154と隣接しており、遮断部材178を含む。図3で最もよくわかるように、シャットルバルブ170は、下シート186及び上シート194を更に含む。下シート186は、遮断部材178が下シート186に着座したとき(図3に仮想線で示すように)、入口154が実質的に遮断され、燃料74がピックアップチューブ126に出入りできないように、ピックアップチューブ入口154と隣接している。遮断部材178が下シート186に着座すると、バルブ170が閉鎖される。 【0017】遮断部材178が下シート186上にない場合、又は上シート194に着座している(図3に実線で示す)場合には、シャットルバルブ170は開放されている。上シートタブ202は、遮断部材178と接触するが、燃料74が遮断部材178の周囲で及びピックアップチューブ126を上方に流れることができるようにする。燃料74はピックアップチューブ126に入口154を介して進入し、遮断部材178の周囲を流れ、ジェットポンプ118によってピックアップチューブ126を通して吸い上げられる。 【0018】上シートタブ202は、間隔が隔てられた押縁又は突出部として示してあるけれども、上シートタブ202について他の形体を使用することもできる。遮断部材178は球形部材として示してあるけれども、同じ結果をもたらす平ディスク等の様々な他の形状を使用できる。遮断部材178は、燃料74による劣化に耐えることができる金属又は様々なプラスチック等の任意の適当な材料で製造できる。更に、遮断部材178は、燃料74を吸収しない材料から製造されなければならない。これは、遮断部材178の重量を実質的に一定に保持しなければならないためである。 【0019】遮断部材178は、遮断部材178が下シート186に着座した閉鎖位置から遮断部材178が上シート194に着座した開放位置まで遮断部材178を持ち上げる上で予め決定された特定の圧力水頭Hbを必要とするように較正され又は設計される。燃料移送ユニット110の遮断部材178は、閉鎖位置から開放位置までの移動を行う上で圧力水頭Hb1を必要とし、これに対し、燃料移送ユニット114の遮断部材178は、閉鎖位置から開放位置までの移動を行う上で圧力水頭Hb2を必要とする。圧力水頭Hb1及びHb2は、好ましくは実質的に同じであるが、必ずしも同じでなくてもよい。圧力水頭Hb1及びHb2は、それぞれの遮断部材178の重量と表面積との間の比を変えることによって較正できる。このような較正の理由は、以下で明らかになるであろう。 【0020】ピックアップチューブコネクタ部分150の上方を通過する高速燃料74が、吸引力即ち負のゲージ圧Hsを発生し、この吸引力により燃料74がピックアップチューブ126を通して中間部分146内に吸い上げられ、燃料74がジェットポンプ118をジェットポンプ出口142を通って出て、リザーバ54を充填する。燃料移送ユニット110のジェットポンプ118の効率が、燃料移送ユニット114のジェットポンプ118の効率と同じであることは、それぞれの制限直径部分138の変化及びそれぞれの入口134に供給される燃料圧力の変化のため、あったとしても稀であるということに着目することが重要である。このように、燃料移送ユニット110のジェットポンプ118が発生する吸引圧力Hs1は、燃料移送ユニット114のジェットポンプ118が発生する吸引圧力Hs2と異なる。Hs1とHs2との間の差の大きさを以下に更に詳細に論じる。 【0021】遮断部材178を持ち上げるのに必要な圧力水頭Hbを、ジェットポンプ118が発生する吸引圧力Hsよりも大きいように特定的に較正する。これは、ジェットポンプ118からの吸引力だけでは遮断部材178を閉鎖位置から開放位置まで持ち上げるのに不十分であるということを意味する。遮断部材178を閉鎖位置から開放位置まで持ち上げようとする任意の他の圧力がない場合には、遮断部材178は下シート186に着座したままであり、燃料はピックアップチューブ126に進入できない。 【0022】更に、燃料74自体が燃料圧力Hfを遮断部材178に発生する。燃料圧力は、それぞれのタンク部分30、34内の燃料のレベル及びタンク18内に存在する蒸気圧に応じて変化する。燃料74のレベルが壁又は背部38の上方にあり、タンク18が平らである場合には、燃料圧力Hf1は両タンク部分30、34で等しい。燃料74のレベル(図1及び図2参照)が背部38よりも下方にある場合には、第1燃料圧力Hf1が燃料移送ユニット110の遮断部材178に加わり、第2燃料圧力Hf2が燃料移送ユニット114の遮断部材178に加わる。第2燃料圧力Hf2は、それぞれの燃料レベルが異なる場合、第1燃料圧力Hf1と異なる。更に、燃料圧力Hfは燃料74をピックアップチューブ126内で押し上げるように作用し、これによって遮断部材178を閉鎖位置から開放位置まで持ち上げる傾向がある。燃料をタンク部分30からリザーバ50に移送するためには、燃料圧力Hf1及び吸引圧力Hs1の組み合わせが、燃料移送ユニット110の遮断部材178を閉鎖位置から開放位置に持ち上げるのに必要な圧力水頭Hb1を越えなければならない。燃料をタンク部分34からリザーバ54に移送するためには、燃料圧力Hf2及び吸引圧力Hs2の組み合わせが、燃料移送ユニット114の遮断部材178を閉鎖位置から開放位置に持ち上げるのに必要な圧力水頭Hb2を越えなければならない。数学的に表現すると、燃料移送ユニット110及び114のそれぞれのシャットルバルブ170は、以下の条件を満たす場合に開放する。 【0023】 【式15】
及び【0024】 【式16】
燃料圧力Hfだけではシャットルバルブ170を開放する上で不十分であるように、遮断部材178を持ち上げるのに必要な圧力水頭Hbを較正しなければならない。換言すると、遮断部材178の密度は、ジェットポンプ118からの吸引圧力Hsが存在しない場合には遮断部材178が常に閉鎖位置に沈んでいるように十分高くなければならない。かくして、燃料システム10が作動していない場合には、シャットルバルブ170は燃料レベルに関わらず閉鎖位置にある。こにより、燃料移送ユニット110、114は、作動期間と作動期間との間で呼び水された状態を維持し、エンジンの始動時に燃料システム10を作動状態にするための応答時間を短くすることができる。 【0025】かくして、それぞれの燃料移送ユニット110、114での作動中の全圧力Htotalは、以下のように数学的に表現される。 【0026】 【式17】
及び【0027】 【式18】
両タンク部分30、34での燃料74のレベルが十分であると仮定すると、燃料移送ユニット110、114は、互いから実質的に独立して作動する。燃料移送ユニット110のジェットポンプ118は、燃料74を第1タンク部分30からピックアップチューブ126に吸い上げ、燃料74を第1リザーバ50に入れる。燃料移送ユニット114のジェットポンプ118は、燃料74を第2タンク部分34からピックアップチューブ126に吸い上げ、燃料74を第2リザーバ54に入れる。 【0028】燃料を、両端210及び214が燃料移送ユニット110及び114のそれぞれのジェットポンプ118のコネクタ部分152(及びかくして中間部分146)と連通した単一の燃料クロスオーバーライン即ち導管206によって、タンク部分30、34間で移送する。燃料クロスオーバーライン206は、燃料システム10の全ての他の導管と同様に、燃料タンク18環境で使用するのに適したプラスチック等の任意の材料から形成できる。 【0029】第1及び第2のタンク部分30及び34のいずれかの燃料レベルが、それぞれの遮断部材178を開放位置から閉鎖位置に移動するのに十分低くなったとき、第1タンク部分30と第2タンク部分34との間で燃料のクロスオーバーが生じる。通常は、タンク部分30、34のうちの一方の燃料レベルは、他方のタンク部分30、34内の燃料レベルが空になる前にこの実質的に空のレベルに至る。これは、ジェットポンプの効率が異なるためであり、燃料ポンプの流れ特性が異なるためであり、タンク18が部分的に不完全に充填されるためであり、或いは車輛の挙動のためである。両燃料ポンプ58、62について必要な燃料供給を維持するため、燃料74を、十分な燃料が入ったタンク部分30、34から燃料が不十分なタンク部分30、34に移送しなければならない。 【0030】図2は、燃料のクロスオーバーが行われる条件の一つを例示する。第1燃料タンク部分30は、燃料74で十分に充填されており、燃料移送ユニット110の遮断部材178は開放位置にある。他方、第2タンク部分34は、燃料74の不十分なレベルで示してある。このことは、Hf2がゼロに近いということを意味する。従って、燃料移送ユニット114の遮断部材178は、吸引圧力Hs2が遮断部材178を開放位置まで持ち上げるのに必要な圧力水頭Hb2よりも小さいため、閉鎖位置にある。それぞれの燃料移送ユニット110及び114内の全圧力についての数学的表現は、以下の通りである。 【0031】 【式19】
及び【0032】 【式20】
この時点で、燃料移送ユニット110内の圧力Htotal1は円錐形移送ユニット114内の圧力Htotal2よりも大きい。この圧力差により、燃料74を燃料クロスオーバーライン296を通して第1タンク部分30から第2タンク部分34に(図2に矢印で示すように)移送する。燃料移送ユニット110及び114のジェットポンプ118は、燃料74を燃料移送ユニット110のピックアップチューブ126で吸い上げるため、協働作動する。燃料移送ユニット114の圧力が低いため、燃料移送ユニット110のジェットポンプ118の中間部分146内の燃料74は、第1リザーバ50への通常の経路をとる代わりに燃料クロスオーバーライン206の端部210に進入する。燃料74は、クロスオーバーライン206を通って、燃料移送ユニット114のジェットポンプ118の中間部分146内に、及び第2リザーバ54内に移送される。燃料クロスオーバーは、第2燃料ポンプ62が燃料の適当な供給を維持するように、燃料を第2リザーバ54に供給する。第2リザーバ54が一杯になると、燃料74は第2タンク部分34内に溢流する。溢流は、第2タンク部分34内の燃料レベルが、燃料移送ユニット114の遮断部材178を開放位置に持ち上げるのに適当な圧力Hf2を発生させるのに十分高くなるまで続く。燃料レベルが十分高くなると、圧力差がなくなり、燃料クロスオーバーライン206を通る燃料のクロスオーバーが実質的に停止する。 【0033】上文中に説明した燃料クロスオーバーは、第1タンク部分30内の燃料レベルが不十分であり、第2タンク部分34内の燃料レベルが十分である場合(図2の場合と逆の場合)にも実質的に同じ方法で作用するということに着目することが重要である。唯一の相違点は、燃料が図2に示すのとは反対方向に移送されるということである。従って、燃料が第2タンク部分34から第1タンク部分30に移送される。この場合も、この双方向燃料移送性は一本の燃料クロスオーバーライン206だけで提供される。 【0034】燃料クロスオーバーは、代表的には、タンク部分30、34のうちの一方の燃料レベルが低くなった場合にのみ起こる。クロスオーバーが起こる前の燃料がどれ程低くなければならないのかは、遮断部材178の較正により決まる。遮断部材178を持ち上げるのに必要な圧力水頭Hbが吸引圧力Hsに近ければ近い程、遮断部材178を開放位置に保持するのに必要な燃料圧力Hfを発生するのに必要な燃料が少なくなる。従って、遮断部材178を較正することによって、設計者は、クロスオーバーが起こる前の燃料レベルがどれ程低いのかを決定できる。ジェットポンプの効率の変化、燃料ポンプの流れ容量の変化、及び車輛の挙動の変化は、燃料レベルの利点により、タンク部分30、34間の繰り返し切り換えを生じる。これが起こったとき、シャットルバルブ170がこれに従って開閉し、燃料74を移送し、タンク部分30、34内での燃料レベルを等しくする。明らかに、両タンク部分30、34内の燃料の量が不十分になったとき、クロスオーバーは停止し、エンジンは最終的には停止する。 【0035】本発明の様々な特徴を特許請求の範囲に記載する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599072334 【氏名又は名称】ロバート ボッシュ コーポレーション
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| 【出願日】 |
平成13年2月5日(2001.2.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089705 【弁理士】 【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−254654(P2001−254654A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−28155(P2001−28155) |
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