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【発明の名称】 内燃機関の燃料供給圧力を調整するための改良型ソレノイド・バルブ
【発明者】 【氏名】バンツハッフ ヴェルナー

【要約】 【課題】内燃機関の燃料供給圧力を調整するための改良型ソレノイド・バルブを提供すること。

【解決手段】ソレノイド・バルブ(5)は、燃料供給管路(7a、7b、7c)と、電磁石によって制御されるとともに管路(7a、7b、7c)に配設される円錐形弁座(13)と協働するボール・シャッター(12)とを有する。管路は、燃料圧力の過度の低下を生じることなく、汚れの粒子が弁座(13)とシャッター(12)との間に侵入するのを防止するための燃料濾過手段(22、24;29、31;36、38)を有し、この燃料濾過手段は、いくつかの開口(24、32、38)を備える円筒形の壁(22、29、36)を有する。円筒形の壁(22、29、36)の厚さは、1mm未満であり、開口(24、32、38)の幅は0.25mm未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料供給管路(7a、7b、7c)と、電磁石によって制御されるとともに前記管路(7a、7b、7c)に配設される弁座(13)と協働するシャッター(12)とを備えた内燃機関の燃料供給圧力を調整するためのソレノイド・バルブにおいて、燃料圧力の過度の低下を生じさせることなく、汚れの粒子が前記弁座(13)と前記シャッター(12)との間に侵入することを防止するいくつかの開口(24、32、38)を有する壁(22、29、36)を備える燃料濾過手段(22、24;29、31;36、38)が、前記管路(7a、7b、7c)内に配置され、前記壁(22、29、36)の厚さが1mm未満であり、前記開口(24、32、38)の幅が0.25mm未満であることを特徴とするソレノイド・バルブ。
【請求項2】 前記壁(22、29、36)が円筒形であり、前記開口(24、32、38)が幅0.05〜0.08mmであることを特徴とする請求項1に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項3】 前記壁(22、29、36)が厚さ0.5〜0.8mmであり、前記開口が円形に形成された穴(24、32)で構成され、前記穴(24、32)がレーザ穴あけ装置を使用して形成されるとともに、その数が500個よりも多いことを特徴とする請求項2に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項4】 前記円形の穴(24、32)の直径が約0.06mmであり、その数が約2000個であることを特徴とする請求項3に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項5】 前記円筒形の壁(22)の一端(23)が、前記管路(7a)の一端と一体になっており、前記管路(7a)の他端(26)が、当該他端(26)内部に挿入されるプラグ(27)によって閉じられることを特徴とする請求項4に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項6】 前記円筒形の壁(29)が前記管路(7b)から分離されて、カップ形状本体(28)の底部壁(31)と一体になっており、前記円筒形の壁(29)が、前記管路(7b)の肩部(34)に嵌合する部分(33)を備えることを特徴とする請求項4に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項7】 前記円筒形の壁が、0.05〜0.08mm四方のメッシュ(38)を有する網(36)からなり、前記網(36)が、前記管路(7c)に嵌合するフレーム(37)によって支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項8】 前記フレーム(37)が、底部壁(39)と、前記管路(7c)に嵌合するリング(41)と、前記底部壁(39)および前記リング(41)と一体になっている少なくとも2つの円筒形セクター(42)とを備え、前記円筒形セクター(42)が前記網(36)を支持することを特徴とする請求項7に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項9】 前記網(36)が金属からなり、2つの支持用リング(45)を有し、前記フレーム(37)がプラスチック材料からなり、前記網(36)に合わせて成形され、それにより前記支持用リング(45)が、前記フレーム(37)のリング(41)内、および底部壁(39)内に埋め込まれ、前記網(36)の2つの部分(43)が、前記フレーム(37)の円筒形セクター(42)内に埋め込まれていることを特徴とする請求項8に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項10】 前記フレーム(37)のリング(41)が、前記管路(7c)にある溝(46)内にクリック止めされる環状突起(47)を備えていることを特徴とする請求項9に記載のソレノイド・バルブ。
【請求項11】 前記弁座(13)が円錐形であり、前記管路(7a、7b、7c)の一端に配置され、前記シャッターが、前記円錐形弁座(13)と協働するボール(12)を備え、前記壁(22、29、36)が、圧力の過度の低下を防止するような、前記開口(24、32、38)の長さと全断面積との比を有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のソレノイド・バルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供給圧力を調整するための改良型ソレノイド・バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】現代のエンジン燃料供給システムでは、高圧ポンプが、ディストリビュータまたはいわゆる「コモン・レール」に燃料を供給し、それが、様々なエンジン・シリンダ・インジェクタに燃料供給する。通常、圧力センサによって制御されるソレノイド・バルブが備えられ、ディストリビュータ内の燃料圧力を制御して一定に保ち、高圧ポンプによって供給された余剰な燃料をタンクに排出する。ソレノイド・バルブは、高圧ポンプの送出管路と連通する供給管路と、電磁石によって制御され供給管路に配設される弁座と協働するシャッター(弁体)とを備えている。
【0003】ラジアル・ピストン・ポンプ内に組み込まれる公知の圧力調整ソレノイド・バルブでは、シャッターは、電磁石のアーマチュアのバルブステムの端部によって制御されるボールで構成されており、供給管路の一端で円錐形シーリング弁座と協働している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のソレノイド・バルブには以下のような問題がある。すなわち、上述したソレノイド・バルブは、汚れ、例えば金属粒子が、ボールと円錐形シーリング弁座との間に付着することにより、ボールと弁座とのシーリングの問題が起こり、その結果、圧力の低下を生じ、供給システムの全体的な機能不良をもたらす。さらに、例えば約1.4×108Pa(1400bar)の非常に高い動作圧力により、供給管路内の通常の濾過手段が、同様に供給管路に沿って圧力の低下をもたらすという問題もある。
【0005】そこで、本発明の目的は、非常に簡単で、信頼性が高く、しかも公知のソレノイド・バルブに通常関連する前述の欠点をなくすことができる圧力調整ソレノイド・バルブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以下のソレノイド・バルブによって達成される。本発明によれば、燃料供給管路と、電磁石によって制御されるとともに前記管路に配設された弁座と協働するシャッターとを備えた内燃機関の燃料供給圧力を調整するためのソレノイド・バルブにおいて、燃料圧力の過度の低下を生じさせることなく、汚れの粒子が前記弁座と前記シャッターの間に侵入することを防止するいくつかの開口を有する壁を備える燃料濾過手段が、前記管路内に配置され、前記壁の厚さが1mm未満であり、前記開口の幅が0.25mm未満であることを特徴とするソレノイド・バルブが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のいくつかの好ましい、限定を加えない実施形態を、添付図面を参照しながら例として説明する。
【0008】図1の符号5は、全体として、内燃機関の燃料供給圧力を調整するためのソレノイド・バルブを示す。ソレノイド・バルブ5は、バルブ本体6の第1の円筒部8に沿って軸方向に延びる供給管路7aを有するバルブ本体6を備えている。供給管路7aは、較正直径部分9(calibrated−diameter portion)を備えるとともに、図示されていない高圧燃料供給ポンプの送出側と連通している。円筒部8は、適切なシール10によってポンプの本体に液密に嵌合されている。
【0009】円筒部8は、ポンプ本体内の排出管路(図示せず)と連通する一連の半径方向に向かうラジアル穴11を有する。供給管路7aとラジアル穴11の間には、円錐形弁座13に係合するシャッターが設けられている。このシャッターはボール12で構成されており、較正直径部分9の端部で供給管路7aを閉じている。ソレノイド・バルブ5は電磁石を備えており、この電磁石の本体15にバルブ本体6が公知の方法で嵌合している。そして、電磁石はアーマチュアを制御し、これによりアーマチュアのバルブステム16が電磁石本体15の穴17内部で摺動するとともに、ボール12を制御する。
【0010】供給管路7a内の燃料は、少なくとも1.0×108Pa(1000bar)の動作圧を維持しなければならないが、動作圧は約1.4×108Pa(1400bar)とすることが好ましい。供給管路7aの内径は、約2.5mmであることが有利な場合がある。
【0011】本発明によれば、供給管路7aは、燃料濾過手段、すなわち、その一端が供給管路7aと一体になっている円筒形の壁22を具備する濾過器を備えている。この壁22は、いくつかの円形の穴24からなる開口を備えているが、図1では見やすいようにそのうちのいくつかのみが示されている。また、この穴は、レーザ穴あけ装置を使用して形成される。なお、穴あけした後、円筒形の壁22の他端26には、公知の方法でプラグまたはプレート27が挿入されて閉じられる。
【0012】壁22は、厚さが1mm未満、例えば0.5〜0.8mmであり、穴24は、直径が0.25mm未満、例えば0.05〜0.08mmであり、壁22の表面には、少なくとも500個の穴24が形成されている。好ましくは、穴の直径は約0.06mmであり、穴24の数は約2000個である。
【0013】このようにして穴が形成されると、壁22により、汚れの粒子、通常は微小金属粒子が円錐形弁座13とボール12との間に侵入するのが防止され、その結果、燃料供給システムの動作を全体的に悪化させる低い圧力まで管路7aの燃料圧力を低下させる可能性があるソレノイド・バルブ5のボールと弁座とのシーリングに関する問題を防止することができる。
【0014】一方、穴24によって、供給管路7aの燃料圧力の過度の低下が発生することなく、しかも油圧キャビテーション・エロージョン現象(hydrauliccavitation erosion phenomenon)を回避することができる。実際、圧力の過度の低下は、穴あき壁22が、穴24の長さと全断面積(total passage section)との適切な比を有することにより防止される。
【0015】図2の実施形態では、濾過手段は、例えば金属からなるカップ形状本体28で構成されている。この本体28は供給管路7bから分離され、底部壁31と一体になっている円筒形の壁29を有する。この壁29には、端部33を除いて、図1の壁22にある穴24とほぼ同じ穴32が形成されている。穴が形成されると、本体28は、その端部33が、管路7bの外側肩部34(outer shoulder)によって構成される台座に位置するように挿入される。この穴が形成された壁29は、図1の壁22と同じ濾過効果を有する。
【0016】図3〜5の実施形態では、濾過手段が、針金または他の材料の網36からなる円筒形の壁を備えている。この網36は、支持用のフレーム37によって管路7cに固定されており、フレーム37は、以下に明示するような網36に合わせて成形されたプラスチック材料から構成されている。
【0017】この網36は、最大1mm厚であり、幅が0.05〜0.08mmのメッシュ38を約2000有している。したがって、網36の厚さも、メッシュ38の長さと全断面積との適切な比を達成するようなものになり、それにより圧力の過度の低下を防止する。
【0018】フレーム37は、底部壁39(図3および図4)と、バルブ本体6の供給管路7cに嵌合するリング41と、底部壁39およびリング41と一体になっている少なくとも2つの円筒形セクター42とを備えている。ここで、円筒形セクターは、円筒を縦割りにした分割体とすることができる。より具体的には、直径方向で対向する2つの円筒形セクター42が設けられている。網36は、フレーム37のリング41および底部壁39に埋め込まれたシート金属からなる2つの支持用リング45に固定され、網36における2つの円筒形の部分43が、フレーム37の円筒形セクター42内に埋め込まれている。
【0019】フレーム37を供給管路7cに嵌合するために、供給管路7cの一端44(図3)に溝46が形成されるとともに、リング41には、溝46内にクリック止めされる環状突起47が形成されている。この網36は、穴あき円筒形壁22、29と同じ濾過効果を有する。
【0020】
【発明の効果】公知のソレノイド・バルブと比較したときの本発明によるソレノイド・バルブ5の利点は、前述の記述から明らかである。濾過壁22、29、36は、一方で、ボール12と円錐形弁座13との間のシーリングに関する問題を、圧力の過度の低下を生じることなく防止し、他方で、円錐形弁座13内部のキャビテーション・エロージョン現象を防止する。
【0021】ただし、本明細書に記述したソレノイド・バルブに、上記の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、さらなる変更および改良を加えることができることは明らかである。例えば、濾過器は、異なる形で形成することができ、或いは供給管路に沿った任意の位置に配設された複数の濾過壁を備えることができる。
【出願人】 【識別番号】500454987
【氏名又は名称】ロバート ボッシュ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Postfach 300220, D−70442 Stuttgart (DE)
【出願日】 平成13年2月15日(2001.2.15)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
【公開番号】 特開2001−254653(P2001−254653A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2001−38243(P2001−38243)