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【発明の名称】 エンジンの吸気装置
【発明者】 【氏名】加藤 佳彦

【要約】 【課題】エンジンの吸気装置で一部を合成樹脂化したものにおいて、安価な構成で熱による樹脂の変形を防止するとともに、スロットルボデーや吸気管等、金属製の上流側吸気装置の支持剛性を高める。

【解決手段】エンジンの吸気装置が、エンジン1に下流側が接続される合成樹脂製の吸気装置本体3と、吸気装置本体3の上流側に接続され排気還流装置を構成する吸気側EGRパイプ10が接続される金属製の排気導入部4と、排気導入部4の上流側に接続され吸気口からの新気を吸入する金属製の上流側吸気装置の一例としてのスロットルボデー6とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンに下流側が接続される合成樹脂製の吸気装置本体と、該吸気装置本体の上流側に接続され前記排気還流装置が接続される金属製の排気導入部と、該排気導入部の上流側に接続され吸気口からの新気を吸入する金属製の上流側吸気装置とを有することを特徴とするエンジンの吸気装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンの吸気装置に係わり、特に合成樹脂により形成された吸気装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来から、軽量化やコスト低減のため、吸気マニホルドやサージタンク等エンジンの吸気装置を樹脂化する試みが行われている。また、一般に吸気装置には、燃焼温度を下げてエンジンから排出されるNOx量を低減する目的で、排気還流装置(以下EGR装置と称す)が接続されている。
【0003】このような技術として、例えば図2に示す構造のものが従来から用いられている。図2は、ポートインジェクション(以下PIと称す)ガソリンエンジンの全体構成を示している。エンジン1には、吸気装置本体30および排気マニホルド5が接続され、吸気装置本体30の上流側に上流側吸気装置の一例としてスロットルボデー6が接続されている。スロットルボデー6には図示しないスロットルバルブやバルブシャフト、各種センサ等が取りつけられている。また、排気マニホルド5の下流側には排気管7が接続される。EGR装置は、排気管7から分岐してエンジン1に取り付けられる排気側EGRパイプ8、エンジン1内に形成されて排気側EGRパイプ8に連通するエンジン内EGR通路9、エンジン1に取り付けられてエンジン内EGR通路9に連通し、下流側が吸気装置本体30に接続される吸気側EGRパイプ10、および排気側EGRパイプ8に設けられて通路の開度を調整するEGRバルブ11から構成されている。これらの構成において、吸気装置本体30は剛性樹脂により成形されているが、エンジン1や排気マニホルド5、排気管7やスロットルボデー6は金属製とされている。また、EGRパイプ8,10もまた、耐熱性の観点から金属製とされている。また、EGRパイプ8,10もまた、耐熱性の観点から金属製とされている。また、スロットルボデー6には、エンジン1とスロットルボデー6とを連結して、スロットルボデー6の支持剛性を高めるための支持ブラケット13が取り付けられている。
【0004】上記の構成において、図示しない吸気口、エアクリーナを通過した新気Iは、スロットルボデー6にて流量を調整され、吸気装置本体30で後述する還流してきた排気Eと混合され、エンジン1の図示しない吸気ポートで図示しないインジェクタから噴射されるガソリンと混合された後、シリンダ2内に吸入され、燃焼される。その後排気Eは排気マニホルド5、排気管7を通り、さらには図示しない触媒装置、消音器を通って排出される。また、排気Eの一部は排気管7に取り付けられた排気側EGRパイプ8に分流され、EGRバルブ11にて流量を調整された後、エンジン内EGR通路9、吸気側EGRパイプ10を通って再び吸気装置本体30に導入される。
【0005】ここで、吸気側EGRパイプ10から吸気装置本体30に導入される排気Eは温度が250℃程度であり、その貫通力により吸気装置本体30におけるEGR装置接続部と対向する内壁面に衝突するが、吸気装置本体30を形成する合成樹脂の耐熱温度は200℃程度であり、吸気装置本体30における排気Eが当たる部分が加熱され、熱変形を生じてしまうという問題がある。この排気Eによる吸気装置本体30の熱変形を防止するため、図2に示すようにこの部分に断熱部材12を設ける技術が、実公平4−5720に開示されている。
【0006】また、この他にも、合成樹脂製吸気通路の排気導入部に、断熱や排気の冷却等熱変形防止を目的とした対策を施すものが種々提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら先行技術においては、吸気装置を合成樹脂により予め形成したうえに、断熱部材の貼付や排気の冷却構造の追加等、変形防止の対策を別途必要とするため、その分コスト高となってしまうという問題がある。
【0008】また、一般に同肉厚・同形状の金属と合成樹脂では、通常は合成樹脂のほうが低強度であるため、図2に示すように合成樹脂製の吸気装置本体30に上流側吸気装置としての金属製のスロットルボデー6(ディーゼルエンジンの場合は金属製の吸気管)を取り付けた場合、吸気装置本体30と上流側吸気装置との取付剛性は、吸気装置本体を金属製とした場合に比べて低くなる。その上、上流側吸気装置の取付・支持においては、主に吸気装置本体との取付部分で支持させる構造が一般的であるため、走行振動等による上流側吸気装置の支持負担は主に吸気装置本体との取付部分にかかる。このため、場合によってはこの取付部分に亀裂を生じ、そこから空気を吸入して正確な吸気量制御ができないという問題があり、これを防止するために、上流側吸気装置の支持剛性を高める支持ブラケット(図2ではスロットルボデー6の支持剛性を高める支持ブラケット13)を取り付けたり、吸気装置本体30を厚肉化して上流側吸気装置との取付剛性を高めたりする必要があり、部品点数や重量が増加してしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑み創案されたものであり、請求項1に示すエンジンの吸気装置では、エンジンに下流側が接続される合成樹脂製の吸気装置本体と、該吸気装置本体の上流側に接続され前記排気還流装置が接続される金属製の排気導入部と、該排気導入部の上流側に接続され吸気口からの新気を吸入する金属製の上流側吸気装置とを有することを特徴としている。
【0010】これによれば、排気還流装置を通った高温の排気は、金属製の排気導入部から吸気装置に還流される。そして排気導入部における排気還流装置接続部と対向する内壁面に排気が衝突した後、すぐに新気と混合され、温度を下げられて吸気装置本体に流れていく。このとき、排気導入部の排気が衝突する部分が高温に加熱される。この部分は排気の還流中は常に高温の排気にさらされている上、その熱が周囲に伝導していくが、排気導入部内を新気が常に通過しており、排気導入部はこの新気によって常に冷却されているため、排気導入部全体が高温になることはない。
【0011】また、排気導入部が金属製であるため、排気還流装置と排気導入部との接続が金属対金属となるとともに、排気導入部と上流側吸気装置との接続も金属対金属となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例について説明する。図1は自動車用エンジン、特にPIガソリンエンジンの全体構成を示している。エンジン1には、吸気装置本体3および排気マニホルド5が接続され、吸気装置本体3の上流側に排気導入部4、排気導入部4の上流側にスロットルボデー6が接続されている。スロットルボデー6には図示しないスロットルバルブやバルブシャフト、各種センサが取り付けられている。また、排気マニホルド5の下流側には排気管7が接続される。EGR装置は、排気管7から分岐してエンジン1に取り付けられる排気側EGRパイプ8、エンジン1内に形成されて排気側EGRパイプ8に連通するエンジン内EGR通路9、エンジン1に取り付けられてエンジン内EGR通路9に連通し、下流側が排気導入部4に接続される吸気側EGRパイプ10、および排気側EGRパイプ8に設けられて通路の開度を調整するEGRバルブ11から構成されている。これらの構成において、吸気装置本体3は合成樹脂により成形されているが、エンジン1や排気マニホルド5、排気管7やスロットルボデー6は金属製とされている。また、EGRパイプ8,10と排気導入部4もまた、耐熱性の観点から金属製とされている。
【0013】続いて本実施例の作用について説明する。図示しない吸気口、エアクリーナを通過した新気Iは、図1に示すように、スロットルボデー6にて流量を調整され、排気導入部4で後述する還流してきた排気Eと混合され、吸気装置本体3を通って、図示しない吸気ポートで図示しないインジェクタから噴射されるガソリンと混合された後、エンジン1のシリンダ2内に吸入され、燃焼される。その後排気Eは排気マニホルド5、排気管7を通り、さらには図示しない触媒装置、消音器を通って排出される。また、排気Eの一部は排気管7に取り付けられた排気側EGRパイプ8に分流され、EGRバルブ11にて流量を調整された後、エンジン内EGR通路9、吸気側EGRパイプ10を通って、排気導入部4で再び吸気装置に導入される。そして排気導入部4における吸気側EGRパイプ10の接続部と対向する内壁面に排気Eが衝突した後、すぐに新気Iと混合され、温度を下げられて吸気装置本体3に流れていく。このとき、排気導入部4の排気Eが衝突する部分が高温に加熱される。この部分は排気Eの還流中は常に高温の排気Eにさらされている上、その熱が周囲に伝導していくが、排気導入部4内を新気Iが常に通過しており、排気導入部4はこの新気Iによって常に冷却されているため、排気導入部4全体が高温になることはない。
【0014】また、スロットルボデー6は主に排気導入部4との取付部分で支持されているが、この取付部分が金属対金属の接続となる。その上、排気導入部と吸気装置本体3との接続は金属対合成樹脂となるものの、排気導入部4にはエンジン1から伸びる吸気側EGRパイプ10が取り付けられているため、この排気導入部4と吸気側EGRパイプ10とが金属対金属の接続となる。
【0015】このように、本実施例では、排気導入部4を金属製にしたことにより、吸気側EGRパイプ10から導入される高温の排気Eが対向する内壁面に衝突しても、排気導入部4が熱変形を起こすおそれがない。また、その後排気Eはすぐに新気Iと混合され、温度を下げられて合成樹脂製の吸気装置本体3に流れ込むため、吸気装置本体3も熱変形を起こすおそれがない。その上、排気導入部4全体が高温になることがないため、吸気装置本体3と排気導入部4との接続部に特別な断熱対策は不要である。
【0016】その上、排気導入部4とスロットルボデー6との接続が金属対金属とされてこの部分での亀裂の発生を防止するので、スロットルボデー6の支持を補強する支持ブラケット13を廃止することができる。また、排気導入部4はエンジン1から伸びる吸気側EGRパイプ10によっても支持されるため、吸気装置本体3と排気導入部4との接続部に亀裂が発生することがない。
【0017】なお、上述した実施例ではガソリンエンジンを示したが、ディーゼルエンジンを用いてもよい。この場合、ディーゼルエンジンにはスロットルボデーがないため、スロットルボデー6の代わりに吸気管が用いられる。
【0018】また、上述した実施例では自動車用エンジンを示したが、これに限らず、産業用や船舶用等EGR装置を有する全てのエンジンに適用することができる。
【0019】
【考案の効果】以上のように、本発明によれば、合成樹脂製の吸気装置本体を有するエンジンの吸気装置の排気導入部を金属製としたことにより、新たな熱対策を施すことなく排気導入部の熱変形を防止できる。また、その後排気はすぐに新気と混合され、温度を下げられて吸気装置本体に流れ込むため、吸気装置本体も熱変形を起こすおそれがない。その上、排気導入部全体が高温になることがないため、吸気装置本体と排気導入部との接続部に特別な断熱対策は不要である。
【0020】また、支持ブラケット等の補強部材を設けなくても上流側吸気装置の支持剛性を高めることができ、部品点数や重量を減らすことができる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−254652(P2001−254652A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−67941(P2000−67941)