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【発明の名称】 コモンレール
【発明者】 【氏名】平野 富保

【氏名】石川 鎮夫

【氏名】丹羽 哲也

【要約】 【課題】コモンレールを主管長方向にコンパクト化し、エンジン搭載スペースを削減してエンジンの多気筒化に対応する。

【解決手段】コモンレール1の主管10にレール穴と該レール穴に開口する一次岐穴とを形成し、主管10から分岐した一次分岐接続部22に一次分岐穴から延びる一次連通穴と該一次連通穴に開口する二次分岐穴とを形成し、一次分岐接続部22から分岐した二次分岐接続部27に二次分岐穴から延びる二次連通穴を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主管にレール穴と該レール穴に開口する一次岐穴とを形成し、前記主管から分岐した一次分岐接続部に前記一次分岐穴から延びる一次連通穴と該一次連通穴に開口する二次分岐穴とを形成し、前記一次分岐接続部から分岐した二次分岐接続部に前記二次分岐穴から延びる二次連通穴を形成したことを特徴とするコモンレール。
【請求項2】 前記主管と一次分岐接続部と二次分岐接続部とを一体形成した請求項1記載のコモンレール。
【請求項3】 前記レール穴の内径よりも一次連通穴の内径を小さくした請求項1又は2記載のコモンレール。
【請求項4】 前記レール穴を内径が相対的に小さい主通路部と内径が相対的に大きい内容積調整部とから構成し、前記一次分岐穴を前記主通路部に開口して前記内容積調整部には開口しないように配置した請求項1、2又は3記載のコモンレール。
【請求項5】 前記一次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とし、前記二次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とした請求項1、2、3又は4記載のコモンレール。
【請求項6】 前記一次分岐接続部を圧力制御弁又は圧力センサの接続部とし、前記二次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とした請求項1、2、3又は4記載のコモンレール。
【請求項7】 前記一次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とし、前記二次分岐接続部を圧力制御弁又は圧力センサの接続部とした請求項1、2、3又は4記載のコモンレール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのコモンレール式燃料噴射装置におけるコモンレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9及び図10は従来のコモンレール式燃料噴射装置におけるコモンレール50を示し、主管51に主管長方向に延びるレール穴52が形成されている。主管51の一端は圧力センサ7の接続部53となっており、主管51の他端は圧力制御弁6の接続部54となっている。主管51の管側面の1箇所にはレール穴52に交差開口する分岐穴55が形成され、主管51の同箇所から分岐した分岐接続部56には分岐穴55から延びる連通穴57が形成され、該分岐接続部56が燃料吸入パイプ3の接続部となっている。また、主管51の管側面の他方側の複数箇所にはレール穴52に交差開口する複数の分岐穴58が形成され、主管52の同箇所から分岐した分岐接続部59には各分岐穴58から延びる連通穴60が形成され、該分岐接続部59が燃料排出パイプ5の接続部となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のコモンレール50は、エンジンの気筒数に応じた数の分岐接続部59が、主管長方向に所定間隔をおいて直列に形成されているため、エンジンの多気筒化(例えば4気筒から6気筒〜12気筒へ)に伴って分岐接続部59の数が多くなると、コモンレール50が主管長方向に大型化し、エンジン搭載スペース上、困難となる。
【0004】また、本出願人は先に、コモンレールの高圧化対応として、主管のレール穴の細径化を提案しているが(特願平11−196987:本出願時において未公開)、同案においてはレール穴の細径化により内容積調整部(貯留室)の設置が必要となるため、やはりコモンレール50が主管長方向に大型化する。
【0005】本発明の第一の目的は、上記課題を解決し、コモンレールを主管長方向にコンパクト化し、エンジン搭載スペースを削減してエンジンの多気筒化に対応することにある。また、第二の目的は、分岐穴の穴周囲部に集中する応力を低減し、超高圧化のニーズに対応することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係るコモンレールは、主管にレール穴と該レール穴に開口する一次岐穴とを形成し、主管から分岐した一次分岐接続部に一次分岐穴から延びる一次連通穴と該一次連通穴に開口する二次分岐穴とを形成し、一次分岐接続部から分岐した二次分岐接続部に二次分岐穴から延びる二次連通穴を形成したことを特徴とする。
【0007】ここで、主管と一次分岐接続部と二次分岐接続部とを一体形成することが好ましい。一体形成の方法は、特に限定されないが、鍛造又は鋳造を例示することができる。
【0008】また、レール穴の内径よりも一次連通穴の内径を小さくすることが好ましい。一次連通穴の内径を小さくすると、燃料圧力により負荷される一次連通穴の内周面の応力が小さくなり、二次分岐穴の穴周囲部に集中する応力が低減されるからである。
【0009】また、レール穴を内径が相対的に小さい主通路部と内径が相対的に大きい内容積調整部とから構成し、一次分岐穴を前記主通路部に開口して前記内容積調整部には開口しないように配置することもできる。主通路部と内容積調整部との数及び配置の仕方は、特に限定されず、一つの主通路部と一つの内容積調整部とを単純に並べた配置や、一つの主通路部を二つの内容積調整部で挟むようにした配置を例示することができる。
【0010】一次分岐接続部及び二次分岐接続部の接続相手としては、次の態様を例示できる。
(1)一次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とし、二次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とした態様。
(2)一次分岐接続部を圧力制御弁又は圧力センサの接続部とし、二次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とした態様。
(3)一次分岐接続部を燃料吸入パイプ又は燃料排出パイプの接続部とし、二次分岐接続部を圧力制御弁又は圧力センサの接続部とした態様。
【0011】
【発明の実施の形態】[第一実施形態]図1〜図4は、本発明を6気筒ディーゼルエンジンのコモンレールに具体化した第一実施形態を示している。図4はコモンレール式燃料噴射装置全体の概略を示し、コモンレール1の管側部には、燃料ポンプ2から延びる燃料吸入パイプ3とインジェクタ4へ延びる燃料排出パイプ5とが接続され、コモンレール1の端部には、圧力制御弁(リリーフバルブ)6と圧力センサ7とが接続される。燃料ポンプ2とインジェクタ4は電子制御装置8により制御される。
【0012】図1〜図3に示すように、コモンレール1の主管10には、主管長方向に延びるレール穴11が形成されている。主管10の一端はレール穴11に続く雌ねじ12が形成されて圧力センサ7の接続部13となっており、主管10の他端はレール穴11に続く雌ねじ14が形成されて圧力制御弁6の接続部15となっている。
【0013】主管10の管側面の一方側の1箇所には、レール穴11の途中箇所に交差開口する分岐穴16が形成されている。主管10の同箇所から分岐した分岐接続部17には、分岐穴16から延びる連通穴18が形成されている。分岐接続部17は、端面に連通穴18から続くテーパー状のシール面19が開口するとともに、端部外周に雄ねじ20が形成されることにより、燃料吸入パイプ3の接続部となっている。すなわち、燃料吸入パイプ3の端部に取り付けられたカラー(図示略:但し、後述するカラー31と同様)の凸球面状のシール面をシール面19に密着させ、該カラーに係合する接続部材35の雌ねじ36を雄ねじ20に螺合させて接続する。
【0014】主管10の管側面の他方側の3箇所には、レール穴11の途中箇所に交差開口する3つの一次分岐穴21が形成されている。主管10の同箇所から分岐した(すなわち主管長方向に所定間隔をおいて直列に形成された)3つの一次分岐接続部22には、各一次分岐穴21から延びる一次連通穴23と該一次連通穴23の途中箇所に開口する二次分岐穴24とが形成されている。一次分岐接続部22は、端面に一次連通穴23から続くテーパー状のシール面25が開口するとともに、端部外周に雄ねじ26が形成されることにより、燃料排出パイプ5の接続部となっている。すなわち、燃料排出パイプ5の端部に取り付けられたカラー31の凸球面状のシール面32をシール面25に密着させ、該カラー31に係合する接続部材35の雌ねじ36を雄ねじ26に螺合させて接続する。
【0015】各一次分岐接続部22の途中箇所から分岐した二次分岐接続部27には各二次分岐穴24から延びる二次連通穴28が形成されている。二次分岐接続部27は、端面に二次連通穴28から続くテーパー状のシール面29が開口するとともに、端部外周に雄ねじ30が形成されることにより、燃料排出パイプ5の接続部となっている。すなわち、燃料排出パイプ5の端部に取り付けられたカラー31の凸球面状のシール面32をシール面29に密着させ、該カラー31に係合する接続部材35の雌ねじ36を雄ねじ30に螺合させて接続する。
【0016】なお、主管10と分岐部接続17と一次分岐接続部22と二次分岐接続部27とは、鍛造により一体形成されている。
【0017】以上のように構成されたコモンレール1によれば、一次分岐接続部22にさらに二次分岐接続部27を設けたことにより、主管長方向に直列に形成される一次分岐接続部22の数を気筒数よりも減らすことができるので、コモンレール1を主管長方向にコンパクト化し、エンジン搭載スペースを削減してエンジン多気筒化に対応することができる。
【0018】また、一次分岐穴21と二次分岐穴24とは互いに影響し合わないように離れている。さらに、レール穴11の内径よりも一次連通穴23の内径が小さくなっているため、燃料圧力による一次連通穴23の内周面の応力が小さくなり、二次分岐穴24の穴周囲部に集中する応力が低減される。これにより、超高圧化のニーズに対応することができる。
【0019】[第二実施形態]図5〜図7に示す第二実施形態のコモンレール40は、第一実施形態のコモンレール1に対して、一次分岐接続部22及び二次分岐接続部27(内部の各穴21,23,24,28も含む)の数を一つ増やし、その増やした一次分岐接続部22を(一次連通穴28に続く雌ねじ41を形成することにより)圧力制御弁6の接続部とするとともに、二次分岐接続部27を燃料吸入パイプ3の接続部としたものである。この変更に伴い、主管10の端の雌ねじ14はメクラ雄ねじ42により塞がれ、第一実施形態では形成されていた分岐接続部17(内部の各穴16,18も含む)は形成されていない。なお、該一次分岐接続部22には圧力センサ7を接続するようにしてもよい。
【0020】本実施形態によっても、第一実施形態とほぼ同様の効果が得られる。すなわち、第一実施形態に対して一次分岐接続部22の数は1つ増えるが、圧力制御弁6が主管長方向に突出しなくなるため、コモンレール40を主管長方向にコンパクト化できる。
【0021】[第三実施形態]図8に示す第三実施形態のコモンレール45は、第一実施形態のコモンレールに対して、レール穴11を内径が相対的に小さい主通路部11aと内径が相対的に大きい内容積調整部(貯留室)11bとから構成し、一次分岐穴21を主通路部11aに開口して内容積調整部11bには開口しないように左側に偏在配置したものである。レール穴11の内容積は第一実施形態のレール穴11の内容積と略同一であるが、主通路部11aの内径は第一実施形態のレール穴11より細径化されており、内容積調整部11bの内径は第一実施形態のレール穴11より太径化されている。
【0022】本実施形態によれば、主通路部11aの細径化により内容積調整部11bの設置が必要となるが、第一実施形態と同じく一次分岐接続部22の数を減らすことができるので、結果としてコモンレール45を主管長方向にコンパクト化できる。さらに、主通路部11aの細径化により、加圧燃料による主通路部11aの内周面の応力が小さくなるので、一次分岐穴21の穴周囲部に集中する応力が低減される。よって、超高圧化のニーズに対応することができる。
【0023】なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)一次分岐接続部22及び二次分岐接続部27の数を、気筒数に応じて適宜変更すること。
(2)1つの一次分岐接続部22について二以上の二次分岐接続部27(内部の各穴も含む)を形成すること。
【0024】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のコモンレールによれば、コモンレールを主管長方向にコンパクト化でき、エンジン搭載スペースを削減してエンジンの多気筒化に対応することができる。さらに、請求項3又は4に係る発明によれば、分岐穴の穴周囲部に集中する応力を低減でき、超高圧化のニーズに対応することができる。
【出願人】 【識別番号】000185488
【氏名又は名称】株式会社オティックス
【出願日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【代理人】 【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等
【公開番号】 特開2001−227430(P2001−227430A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−41036(P2000−41036)