| 【発明の名称】 |
燃料噴射装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】船井 賢二
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| 【要約】 |
【課題】精密部品の分解、再組付けを必要とせず、噴射量調整を容易にかつ精度よく行うことができる燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】ハウジング12内に収容したノズルニードル2に閉弁方向の圧力を作用させる作動室3と、作動室3と常時連通するバルブ室5を設けて、バルブ室5内に作動室3を燃料供給通路4またはリターン通路54に選択的に連通させるボール弁51を配設する。燃料供給通路4と作動室3の間に、調圧オリフィス71を介して燃料供給通路4と連通する調圧室7を設ける。調圧ピストン73の長さを変更して調圧室7の容積を変更すると、噴射開始時または噴射終了時の上記作動室の圧力が変化し、噴射開始時期または噴射終了時期を変化させて噴射量を調整できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内に噴孔を開閉するノズルニードルを収容するとともに、上記ノズルニードルに閉弁方向の圧力を作用させる作動室と、上記作動室と常時連通するバルブ室内に配置されシート位置に応じて上記作動室を高圧通路または低圧通路に選択的に導通させる弁体を設けて、上記弁体のシート位置を切替えることにより上記作動室の圧力を増減させる燃料噴射装置において、上記高圧通路と上記作動室とを結ぶ通路途中に、上記高圧通路とオリフィスを介して連通する容積可変の調圧室を設けて、上記調圧室の容積を変更することにより、噴射開始時または噴射終了時の上記作動室の圧力を制御して噴射量を調整することを特徴とする燃料噴射装置。 【請求項2】 上記調圧室を、上記高圧通路と上記作動室を上記バルブ室を経由せずに結ぶ通路の途中に設けた請求項1記載の燃料噴射装置。 【請求項3】 上記調圧室を、上記高圧通路と上記バルブ室を結ぶ通路の途中に設けた請求項1記載の燃料噴射装置。 【請求項4】 上記ハウジング壁に上記調圧室の一端を開口させ、該開口部に外部からピストン部材を挿通固定して上記調圧室を密閉するとともに、上記ピストン部材の長さを変更することにより上記調圧室の容積を可変とした請求項1ないし3のいずれか記載の燃料噴射装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のコモンレール噴射システムに好適に用いられる燃料噴射装置に関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関のコモンレール噴射システムにおいて、コモンレール内の高圧燃料を各気筒に噴射供給するために、例えば、特開平9−184463号公報に開示されるような燃料噴射装置が用いられている。図8(a)は、この燃料噴射装置の全体構成を示す図で、ハウジング100の下半部内に噴孔を開閉するノズルニードル101と油圧ピストン102が収容されており、油圧ピストン102の上方には作動室103が形成されてノズルニードル101と油圧ピストン102に閉弁方向の圧力を作用させている。作動室103は、ボール弁104を収容するバルブ室105に連通し、ピエゾスタック106と作動ピストン107からなるピエゾアクチュエータによりボール弁104を駆動している。 【0003】図8(b)に詳細構成を示すように、バルブ室105は、第1シート105a側の第1バルブボデー108と第2シート105b側の第2バルブボデー109を衝合して形成されており、これら第1、第2バルブボデー108、109内に形成したオリフィス110aを有する通路110によって、作動室103(図8(a))と常時連通している。また、バルブ室105は、第1シート105aを介してリターン通路111に、第2シート105bおよび通路112を介して燃料供給通路113にそれぞれ連通している。 【0004】ピエゾスタック106が収縮している初期状態において、ボール弁104は上方の第1シート105aに押圧されており、燃料供給通路113からバルブ室105を経て作動室103に流入する燃料圧で、ノズルニードル101は閉弁している。次に、ピエゾスタック106が伸長して作動ピストン107がボール弁104を第2シート105bに押圧すると、作動室103がリターン通路111に導通して圧力降下し、ノズルニードル101が開弁する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、コモンレール噴射システムにおいては、内燃機関の運転状態に応じた量の燃料を精度よく各気筒に噴射供給することが要求される。このため、燃料噴射装置の組付け後に、構成部材の製造バラツキによって生じる噴射量のバラツキを調整する必要があり、上記従来の燃料噴射装置では、作動室103へ至るオリフィス110aを形成するオリフィス部材114(図8(b)参照)を組替えることによって、噴射量調整を行っている。 【0006】ところが、オリフィス部材114は、通常、第2バルブボデー109に圧入嵌合されるため、オリフィス110aを組替えるには第2バルブボデー109も交換しなければならない。このため、加工公差により第2シート105bの位置が移動して、ボール弁104のリフト量が変化してしまう。このリフト量の変化がノズルニードル101のリフト特性に与える影響を図9(a)に示す(図中、ピエゾ変位、ボール弁変位は図8下向きの変位を正とする)。また、圧入による変形でオリフィス110a径が変化することも、オリフィス110aを通過する燃料流量を変化させる要因となり、噴射量調整が容易でなかった。 【0007】一方、オリフィス部材114が圧入されていない場合は、オリフィス110aだけでなく、第2バルブボデー109との間隙を通って燃料が流通するために、総流量が変化して、図9(b)のように噴射特性が大きく変化してしまう。さらに、圧入の有無によらず、ハウジング100上端のリテーニングナット116を再度締付けることになり、締付け軸力のばらつきにより、第2バルブボデー109の変形量がばらついて、シート位置が変化するおそれがある。この変形量は数ミクロンのオーダーではあるものの、ボール弁104のリフト量もミクロンオーダーにて設定されているため、噴射特性に与える影響は小さくなかった。 【0008】このように、従来の構成では、オリフィス部材114の組替えを行っても、所望の噴射特性が容易に得られない不具合があった。なお、噴射特性の調整手段としては、他に、油圧ピストン102の長さを変えて作動室103の容積を変化させる方法が考えられ、例えば作動室103容積を大きくすると、噴射開始時期が遅くなるが、同様に噴射終了時期も遅くなるため、噴射量自体はあまり変化しない。また、主要部の分解を必要とする点は上記従来構成と同様であり、噴射量調整に適当な手段ではない。 【0009】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、バルブ部分のような精密部品の分解、再組付けを必要とせず、噴射量調整を容易にかつ精度よく行うことができる燃料噴射装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の燃料噴射装置は、ハウジング内に噴孔を開閉するノズルニードルを収容するとともに、上記ノズルニードルに閉弁方向の圧力を作用させる作動室と、上記作動室と常時連通するバルブ室内に配置されシート位置に応じて上記作動室を高圧通路または低圧通路に選択的に導通させる弁体を設けている。また、上記高圧通路と上記作動室とを結ぶ通路途中に、上記高圧通路とオリフィスを介して連通する容積可変の調圧室を設けており、上記調圧室の容積を変更することにより、噴射開始時または噴射終了時の上記作動室の圧力を制御して噴射量を調整するものである。 【0011】上記構成において、上記弁体を駆動してシート位置を切替えると、上記作動室が高圧通路または低圧通路に連通して圧力が増減し、これに伴ってノズルニードルが開閉弁する。この時、上記高圧通路と上記作動室の間に上記調圧室を設けると、上記オリフィスによって上記高圧通路から上記調圧室への燃料流入に遅れが生じるために、上記調圧室の圧力が低下し、これと連通する上記作動室の圧力を変化させる。この変化量は上記調圧室の容積によって異なり、また、上記調圧室の配置によって噴射開始時期または噴射終了時期のいずれかのみを変化させることができる。よって、上記調圧室の容積を変化させることにより、噴射開始時期または噴射終了時期を変化させて、噴射量を調整することが可能である。 【0012】請求項2の構成では、上記調圧室を、上記高圧通路と上記作動室を上記バルブ室を経由せずに結ぶ通路の途中に設ける。このように上記調圧室が直接上記作動室に連通する構成では、上記作動室が上記低圧通路に連通する噴射開始時に、上記調圧室から上記作動室へ流入する燃料流量が、上記調圧室の容積によって変化変化する。すなわち、上記調圧室の容積が小さいと急激に圧力低下するために流量が小さくなって、上記作動室の圧力が大きく低下し、噴射開始時期が早くなる。上記作動室が上記高圧通路に連通する噴射終了時には、上記調圧室の容積による大きな差は生じず、また、上記バルブ室から流入する燃料によって上記作動室の圧力が上昇するために、噴射終了時期は変化しない。よって、噴射開始時期のみを変化させて、噴射量を調整することができる。 【0013】請求項3の構成では、上記調圧室を、上記高圧通路と上記バルブ室を結ぶ通路の途中に設ける。この構成では、噴射開始時には、上記高圧通路と上記バルブ室の間が遮断されるので、上記作動室の圧力変化は上記調圧室の容積に影響されず、噴射開始時期は変化しない。一方、噴射終了時には、上記調圧室の圧力低下がその容積によって変化するので、上記調圧室および上記バルブ室を経て上記作動室へ流入する燃料流量が変化する。すなわち、上記調圧室の容積が小さいと急激に圧力低下するために流量が小さくなって、上記作動室の圧力上昇が緩やかになり、噴射終了時期が遅くなる。よって、噴射終了時期のみを変化させて、噴射量を調整することができる。 【0014】具体的には、請求項4のように、上記ハウジング壁に上記調圧室の一端を開口させ、該開口部に外部からピストン部材を挿通固定して上記調圧室を密閉する構成とすることができる。この構成では、上記ピストン部材の長さを変更することにより上記調圧室の容積を容易に変更可能であり、組み替えのために他の部材を取り外したりする必要がなく、噴射量調整が容易にしかも精度良く行える。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図1〜4により本発明の第1の実施の形態を説明する。図1(a)はエンジンのコモンレール燃料噴射システムに用いられる燃料噴射装置の全体構成図、図1(b)はその上視図である。図1(a)中、燃料噴射装置1は、筒状の上部ハウジング11とその下端にねじ固定される下部ハウジング12を有し、下部ハウジング12内に配した油圧ピストンボデー13a、ノズルボデー13bにシリンダを形成して、油圧ピストン21およびノズルニードル2を摺動自在に収容している。油圧ピストン21の上方には作動室3が形成され、油圧ピストン21を介してノズルニードル2に閉弁方向(下向き)の油圧力を作用させている。作動室3内の油圧が低減すると、油圧ピストン21とノズルニードル2が上方へ移動して噴孔22が開放され、ノズルニードル2中間部外周の燃料溜まり23から燃料が噴射される。作動室3内の油圧が上昇し、スプリング24のばね力とノズルニードル2が開弁方向に受ける油圧力とに抗して油圧ピストン21が下降するとノズルニードル2が噴孔22に押圧されて閉弁する。 【0016】上下ハウジング11、12内には、上下方向に高圧通路である燃料供給通路4が形成されており、その下端は燃料溜まり23に、上端は上部ハウジング11上側部の燃料導入管42内に連通している。燃料導入管42は高圧燃料が蓄圧される図略のコモンレールに接続される。また、燃料供給通路4は、下部ハウジング12内で分岐し、連通路41を介してバルブ室5に連通している。バルブ室5は、油圧ピストンボデー13aとその上方のディスタンスピース14との衝合部に形成されて、弁体としてのボール弁51を収容しており、作動ピストン62の移動に伴ってボール弁51のシート位置が切替えられる。作動ピストン62は、上部ハウジング11内に収容されるピエゾスタック61に接して設けられ、ピエゾスタック61の伸縮に伴って移動してその変位をボール弁51に伝達する。これらピエゾスタック61および作動ピストン62は駆動部としてのピエゾアクチュエータを構成する。 【0017】図2(a)に、バルブ室5近傍の拡大図を示す。作動ピストン62の下端面にはロッド62aが一体に設けられて、ディスタンスピース14を貫通するシリンダ内に延び、ボール弁51の上端に当接している。バルブ室5は、上端部にテーパ状の第1シート5aを、連通路41が接続する下端部にテーパ状の第2シート5bを有し、第1シート5aは、ディスタンスピース14のシリンダ内周壁に沿う図略の通路を介して低圧通路としてのリターン通路54(図1参照)に連通している。リターン通路54は、上部ハウジング11内を上下方向に延び(図1(a))、上部ハウジング11上側部の燃料導出管55(図1(b))に至っている。バルブ室5の側方には、ディスタンスピース14および油圧ピストン13a内に形成される通路52が開口し、通路52はオリフィス53を介して作動室3に連通している。これにより、作動室3は、ボール弁51のシート位置に応じて、リターン通路54または燃料供給通路4に選択的に導通し、ノズルニードル2に作用する油圧力を増減させる。なお、作動ピストン62は、下端面に接して設けた皿ばね63によって、上方へ付勢されており、皿ばね63の下方にはそのセット荷重を調整するためのスペーサが配設してある。 【0018】次に、本実施の形態の特徴部分について、まず、図3の概略構成図を基に説明する。図3は図1を簡略化して示したものでハウジング等の一部構成部材は省略してある。図3において、燃料供給通路4は第1分岐点4aで分岐し、調圧オリフィス71を介して調圧室7に連通している。調圧室7は、また、オリフィス72を介して作動室3と連通している。燃料供給通路4は、第1分岐点4a下流の第2分岐点4bでさらに分岐し、上述した連通路41となってバルブ室5に至っている。調圧室7の上部には、シール部材74を介して調圧ピストン73が挿通され、その長さを変更することで、調圧室7の容積を変更可能となしてある。 【0019】具体的には、図2(a)において、上部ハウジング11およびディスタンスピース14内に上下方向に設けた小径部を調圧室7とし、図2(b)に示すディスタンスピース14の上端面に形成した調圧オリフィス71によって、燃料供給通路4の第1分岐点4aに連通させる。なお、ディスタンスピース14の略中央部には、作動ピストン62のロッド62aが挿通される挿通穴62bが形成され、上端面に設けた溝54aを介してリターン通路54に連通している。図2(a)において、調圧室7の下方にはオリフィス72が形成され、ディスタンスピース14の下端面および油圧ピストンボデー13a内に形成した通路75を経て作動室3に至っている。調圧室7の上端部は、側方に屈曲して拡径し、上部ハウジング11の側面に開口しており、この開口部にシール部材74を介して調圧ピストン73をねじ固定することにより調圧室7が密閉される。そして、調圧ピストン73を長さの異なるものに組替えることで、調圧室7の容積を可変とすることができる。 【0020】上記構成の燃料噴射装置の作動を図4のタイムチャートを用いて説明する。図3に示す状態では、ピエゾスタック61が収縮してボール弁51が上方の第1シート5aを閉鎖しており、バルブ室5を介して燃料供給通路4と作動室3とが連通している。この時、作動室3および調圧室7内の圧力はコモンレール内の圧力と同じで高圧となっており、油圧ピストン21とノズルニードル2が下方に押圧されるため、燃料は噴射されない。次に、図示しない駆動回路によりピエゾスタック61を伸長させると、作動ピストン62のロッド62aがボール弁51を押し下げて第1シート5aを開放し(図4a点:図3下向きの変位を正とする)、次いで第2シート5bを閉鎖する。これにより、作動室3が低圧のリターン通路54に連通して、作動室3の圧力が低下し、所定圧以下となるとノズルニードル2がリフトして燃料が噴射される。 【0021】ここで、作動室3はオリフィス72によって調圧室7と、オリフィス53によってバルブ室5と連通するので、作動室3の圧力降下速度は、オリフィス72から流入する流量とオリフィス53へ流出する流量の差によって決まる。一方、調圧室7と燃料供給通路4との間に調圧オリフィス71が存在するので、第1シート5aが開放された直後に、調圧室7への燃料流入が遅れてその圧力が大きく低下する。この圧力低下量は、調圧室7の容積に大きく依存しており、例えば、調圧室7の容積が小さいと、圧力が急激に低下するためオリフィス72を通過する流量は小さくなる。よって、調圧室7の容積が大きい場合と比べて圧力降下が大きく、噴射開始時期(図4b点)は早くなる. 【0022】その後、調圧室7の圧力は上昇し、調圧オリフィス71からの流入量とオリフィス72への流出量が釣り合うサチュレート圧で安定する。このサチュレート圧は、調圧オリフィス71とオリフィス72、オリフィス53の径によって決まり、これら3つのオリフィス径を適宜選択することでコモンレール圧に近づけることができる。なお、調圧オリフィス71の設置により、第1分岐点4aから燃料溜まり23へ至る燃料供給通路4内の燃料圧力の低下を防ぎ、噴射圧力を低下させることなく、ノズルニードル2の背圧調整が可能である。また、調圧オリフィス71の径を選択することにより、調圧室7の容積変化に対する噴射量変化の感度を調整することができ、オリフィス径が小さい程感度が良くなる、すなわち、容積変化に対し噴射量を大きく変化させることができる。オリフィス径が大きいと、感度が悪くなるとともに、噴孔22へ向かう燃料圧力の低下も大きくなるが、オリフィス径が小さすぎると感度が敏感すぎて調整が難しくなる。そこで、調圧オリフィス71の径を選択する場合には、噴射に悪影響を与えない範囲内で、なおかつ必要とされる噴射量調整が可能となる範囲内において、できるだけ大きくなるように設定するのがよい。 【0023】次いで、ピエゾスタック61を再び収縮させると、作動ピストン62が上方に移動し、ボール弁51が、連通路41から流入する高圧燃料の油圧力およびバルブ室5からリターン通路54に流出する燃料圧によって上方に移動して、第1シート5aを閉鎖する(図4c点)。この時、調圧室7の容積が小さいと、調圧オリフィス71を通ってくる燃料により圧力が急激に上昇するので、オリフィス72を通過する流量は大きくなり、調圧室7の容積が大きい場合と大差なくなる。仮に流量が小さくても、連通路41およびバルブ室5を経て流入する燃料によって作動室3の圧力は速やかに昇するので、調圧室7の容積の大小による圧力上昇速度の差はほとんど生じない。つまり、噴射終了時期はほぼ同じで、噴射開始時期のみが変化するので、これを利用して噴射量を調整することができる。 【0024】従って、本実施の形態によれば、作動室3と燃料供給通路4の間に設けた調圧室7の容積を変更することにより、噴射開始時期を変化させて、容易に噴射量調整を行うことができる。また、調圧ピストン73の長さを変更することによって、調圧室7の容積を容易に変更することができ、分解や再組付けを必要としないので、噴射量調整が容易に、しかも精度よく行える。 【0025】図5は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、調圧室7の容積を変化させるための調圧ピストン73の構造を変更している。それ以外の基本構成は上記第1の実施の形態と同様であり図示を略す。図5において、調圧ピストン73は、下端部外周に形成したねじ部にて調圧室7上端開口部のねじ部に螺合される本体部73aと、本体部73aの上半部周りに外挿される筒状の緩み止めナット73bからなる。緩み止めナット73bは、上端部内周のねじ部が本体部73a上端部外周のねじ部と螺合するとともに、弾性部材からなる下半部をシール部73cとして、本体部73aの中間部外周およびハウジング11の逆テーパ状の開口部内壁に密着させている。 【0026】この構成において、調圧室7の容積を変更する場合には、緩み止めナット73bは緩めた状態で本体部73aを回転させ、調圧室7が所望の容積となったところで緩み止めナット73bを締め付ける。これにより、緩み止めナット73bのシール部73cが変形して、逆テーパ状のハウジング11開口部と本体部73aの間に挟持され、確実にシールがなされる。 【0027】上記構成によれば、調圧室7の容積を変更するために、長さの異なる調圧ピストン72に組み替える必要がなくなり、部品点数を少なくできる。また、容積調整の手間が小さくなり、噴射量調整が容易にできる。 【0028】図6に、本発明の第3の実施の形態の概略構成図を示す。基本構成は上記第1の実施の形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。本実施の形態では、燃料供給通路4とバルブ室5を連通する連通路41の途中に、調圧室7を設けるとともに、調圧室7の上流側に調圧オリフィス71を設けている。調圧室7の上部にシール部材74を介して調圧ピストン73が螺挿される構成は、上記第1の実施の形態と同じであり、調圧ピストン73の長さを変更することで、調圧室7の容積を変更可能である。 【0029】上記構成の燃料噴射装置の作動を図7のタイムチャートを用いて説明する。図6に示す初期状態からピエゾスタック61を伸長させると、ボール弁51が下方に移動して第1シート5aが開放され(図7a点)、第2シート5bは閉鎖される。これにより、作動室3内の燃料がオリフィス53を介して低圧のリターン通路54に流出し、作動室3の圧力が低下する。作動室3の圧力が所定圧以下となるとノズルニードル2がリフトを開始して燃料が噴射される(図7b点)。 【0030】ここで、本実施の形態では、燃料供給通路4とバルブ室5の間に調圧室7を設けており、連通路41に至る第2シート5bは閉鎖されているので、作動室3の圧力降下速度は、調圧室7によって影響されず、調圧室7の圧力も変化しない。つまり、噴射開始時期は調圧室7を有しない従来構成と同様で、調圧室7の容積の大小によって変化しない。次に、ピエゾスタック61を収縮させると、ボール弁51が上方に移動して第2シート5bを開放し、第1シート5aを閉鎖する(図7c点)。これにより、作動室3に調圧室7およびバルブ室5を介して燃料が流入し、作動室3の圧力が上昇し始める。 【0031】この際、調圧オリフィス71があるために調圧室7への燃料流入が遅れ、調圧室7の圧力が瞬間的に大きく低下する。この圧力低下量は、調圧室7の容積に依存し、図のように、容積が大きい場合には圧力低下量が小さく、容積が小さい場合には圧力低下量が大きくなる。このため、オリフィス53を通過して作動室3に流入する燃料流量が変化し、調圧室7の容積が大きい場合には作動室3の圧力が速やかに上昇して所定圧に達し、ノズルニードル2が下降を開始する(図7d点)。これに対し、調圧室7の容積が小さい場合には作動室3の圧力上昇が緩やかになってノズルニードル2の下降開始が遅くなる(図7e点)。 【0032】従って、本実施の形態の構成によれば、調圧室7の容積を変更することによって噴射終了時期のみを変化させることができ、容易かつ精度よく噴射量を調整することができる。また、上記第1の実施の形態に比べて構成がより簡単にできる。 【0033】以上のように、本発明によれば、従来のようにオリフィス径を変更するのでなく、作動室3の上流に調圧室7を設けてその圧力を変化させることで見かけの流量を変化させ、作動室3内の圧力を制御することができる。よって、調圧ピストン72の長さを変更して調圧室7の容積を変更する簡単な方法で、噴射開始時期を変化させて、噴射量調整を行うことができる。また、従来のようにオリフィス部材を組替えるための分解、再組付けを伴わないので、噴射量調整が容易で、しかも精度よく行える。 【0034】上記各実施の形態では、ピエゾスタックを備えたピエゾアクチュエータを駆動部として用いたが、これに限らず、ソレノイドを用いたアクチュエータを採用することもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成12年2月21日(2000.2.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067596 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 求馬
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| 【公開番号】 |
特開2001−227429(P2001−227429A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−42493(P2000−42493) |
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