| 【発明の名称】 |
燃料噴射弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 覚
【氏名】加藤 正明
|
| 【要約】 |
【課題】比較的小型の構造でもって、エンジンの全運転状態に応じて要求する噴射率を安定して得られるようにニードルリフトを段階的に制御可能な燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】一つの弁体37より低圧開口部67および第2の開口部65を開閉して第1圧力室50と第2圧力室51の燃料圧力を変化させる簡潔な構成の制御弁とし、かつ第1ピストン21および第2ピストン22を段階的にリフトさせて噴射率を可変可能なのでコンパクトな燃料噴射弁1となる。また、弁体37が第2のリフトをして第1ピストン21のリフト量だけ弁部材23がリフトする場合には、高圧回路60と低圧回路63は第2の開口部65を閉鎖することで遮断され、高圧燃料を圧送する燃料ポンプの無駄な仕事が抑制されて燃費向上効果のある燃料噴射弁1となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 噴孔を開閉する弁部材と、前記噴孔の燃料上流側に弁座を有する弁ボディであって、前記弁部材が前記弁座に着座することにより前記噴孔を閉塞し、前記弁部材が前記弁座から離座することにより前記噴孔を開閉する弁ボディと、前記弁部材を段階的にリフト作動させて噴射される燃料の噴射率を制御する制御手段と、前記制御手段と高圧燃料が導入される高圧通路との連通状態、および前記制御手段と前記高圧燃料が排出される低圧通路との連通状態を切換える制御弁と、噴孔閉塞方向に前記弁部材を付勢する付勢手段と、前記制御手段は、前記弁部材と軸方向に協働する第1ピストンおよび第2ピストンと、燃料圧力を変化させて前記第1ピストンおよび前記第2ピストンを夫々開弁方向にリフトさせる第1圧力室および第2圧力室とを備え、前記制御弁は、内部に一つの弁体を備えるバルブ室と、前記弁体を段階的にリフト駆動する電気駆動装置とを備え、前記バルブ室は、前記第1圧力室と連通する第1の開口部と、前記高圧通路および前記第2圧力室と連通する第2の開口部と、前記低圧通路と連通する低圧開口部とを設けており、前記弁体を段階的にリフトさせて前記第1の開口部および前記第2の開口部と前記低圧開口部との連通状態を切換え、前記第1圧力室および前記第2圧力室の燃料圧力を変化させることを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項2】 前記第1圧力室は、前記第1ピストンと前記第2ピストンの間に設けられ、燃料圧力を変化させて前記第1ピストンを開弁方向にリフトさせ、前記第2圧力室は、前記第2ピストンの上部に設けられ、燃料圧力を変化させて前記第2ピストンを開弁方向にリフトさせ、前記第1ピストンおよび前記第2ピストンは、前記第1ピストンがリフトすると前記第2ピストンに当接し、さらに前記第2ピストンがリフトすることで前記第1ピストンおよび前記第2ピストンがともにリフトするように配置されるとともに、前記高圧通路は、前記第2圧力室に連通されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。 【請求項3】 前記駆動装置により前記弁体がリフトする前は、前記弁体が前記低圧開口部を閉塞し、前記駆動装置により前記弁体が第1のリフトをすると、前記弁体が前記低圧開口部を開放して前記第1圧力室と前記第2圧力室は前記バルブ室を通じて前記低圧通路と連通され、前記駆動装置により前記弁体が第1のリフト以上リフトして第2のリフトをすると、前記第1圧力室は前記バルブ室を通じて前記低圧通路と連通されたままで前記弁体は前記第2の開口部を閉塞して前記第2圧力室は前記低圧通路との連通を遮断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。 【請求項4】 前記付勢手段は、前記弁部材のリフト量に関わらず噴孔閉塞方向に前記弁部材を付勢する第1の付勢手段と、前記弁部材が第1のリフト以上リフトすると噴孔閉塞方向に前記弁部材を付勢する第2の付勢手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項5】 前記弁体が前記駆動装置側にリフトして前記低圧開口部を閉塞することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項6】 前記第2の開口部と前記第2圧力室とを連通する通路に燃料流れを調整する第1の絞り部が配置されており、前記高圧通路と前記第2圧力室を連通する通路は、前記高圧通路を前記第2の開口部と前記第2圧力室とを連通する通路に配置された前記第1の絞り部に対して、バルブ室側の位置で接続することで構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項7】 前記高圧通路と前記第1圧力室の間に燃料流れを調整する第2の絞り部を介して接続することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項8】 前記第1圧力室と前記第2圧力室の間に燃料流れを調整する第4の絞り部を介して接続することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項9】 前記第2の開口部と前記第2圧力室とを連通する通路において、前記バルブ室側に広いテーパ口部を構成したことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項10】 前記低圧通路に第3の絞り部を配置して前記高圧通路と前記第1圧力室の間の燃料流れを調整することを特徴とする請求項1から請求項5および請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項11】 噴孔を開閉する弁部材と、前記噴孔の燃料上流側に弁座を有する弁ボディであって、前記弁部材が前記弁座に着座することにより前記噴孔を閉塞し、前記弁部材が前記弁座から離座することにより前記噴孔を開閉する弁ボディと、前記弁部材を段階的にリフト作動させて噴射される燃料の噴射率を制御する制御手段と、前記制御手段と高圧燃料が導入される高圧通路との連通状態、および前記制御手段と前記高圧燃料が排出される低圧通路との連通状態を切換える制御弁と、前記制御手段は、前記弁部材と軸方向に協働する第1ピストンおよび第2ピストンと、前記弁部材のリフト量に応じ噴孔閉塞方向に前記弁部材を付勢する付勢手段とを備え、前記第1ピストンと前記第2ピストンの間に設けられ、燃料圧力を変化させて前記第1ピストンを開弁方向にリフトさせる第1圧力室と前記第2ピストンの上部に設けられ、燃料圧力を変化させて前記第2ピストンを開弁方向にリフトさせる第2圧力室と、前記第2圧力室の上部に設けられ、前記弁部材のリフトを規制する係止部材と、前記第1ピストンおよび前記第2ピストンは、前記第2ピストンがリフトすると前記係止部材に当接し、前記第1ピストンがリフトすると前記第2ピストンに当接するように配置され、前記高圧通路は、前記第2圧力室に連通され、前記制御弁は、内部に一つの弁体を備えるバルブ室と、前記弁体を段階的にリフト駆動する電気駆動装置を備え、前記バルブ室は、前記第1圧力室と連通する第1の開口部と、前記第2圧力室と連通する第2の開口部と、前記低圧通路と連通する低圧開口部とを設けて、前記駆動装置により前記弁体がリフトする前は、前記弁体が前記低圧開口部を閉塞し、前記駆動装置により前記弁体が第1のリフトをすると、前記弁体が前記低圧開口部を開放して前記第1圧力室と前記第2圧力室は前記バルブ室を通じて前記低圧通路と連通され、前記駆動装置により前記弁体が第1のリフト以上リフトして第2のリフトをすると、前記第2圧力室は前記バルブ室を通じて前記低圧通路と連通されたままで前記弁体は前記第1の開口部を閉塞して前記第1圧力室は前記低圧通路との連通を遮断することを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項12】 電気的に駆動する前記駆動装置は、電磁コイルにより前記弁体をリフトすることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。 【請求項13】 電気的に駆動する前記駆動装置は、ピエゾアクチュエーターにより前記弁体をリフトすることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、段階的に燃料を噴射可能な燃料噴射弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、ディーゼル機関において低排出物(NOX、HC、黒煙)および高出力、低燃費を両立させるためにエンジンの運転条件に応じて噴射率を可変にすることが必要である。この要件を実現するために、従来技術としてニードルを付勢するように2個のばねを構成した2段開弁圧ノノズルが公知となっている。 【0003】しかし、この技術では燃料噴射ポンプから圧送させる燃料圧力はエンジン運転状態によって変動するので、エンジンが要求する噴射率を全運転条件において実現するのは困難である。 【0004】そこで、例えば米国特許5,694,903号に開示されている従来の燃料噴射弁は、ニードルを噴孔閉塞方向に燃料圧力を加える制御室を設けるものがある。これは、ノズル燃料溜りに導入される燃料圧力により噴孔を開放方向に受ける力と制御室の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受ける力との大小関係により噴射を制御している。制御室の燃料圧力を制御しているパイロットバルブステムの開口面積を変化させることにより制御室圧力を変化させ、ニードルを段階的にリフトさせて要求の噴射率を得ようとしている。 【0005】また、例えば特開平10−54323号公報に開示されているように、制御室への高圧燃料の入口部と出口部にそれぞれ制御弁を配置し、ニードルリフトを段階的に制御している燃料噴射弁がある。この構成によれば、制御室への入口、出口の開閉制御が独立に制御可能なため、安定したリフト制御およびリーク量は低減できる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、米国特許5,694,903号に開示されている従来の燃料噴射弁の構成では、制御室の燃料圧力はステムの開口面積、燃料性状、燃料温度等により変化するためニードルのリフトは不安定となり、安定した噴射率制御は困難であった。また、制御室圧力を制御する制御弁に2方弁を用いており、噴射期間中には常に高圧燃料が制御室および排出路を経てリークされ続ける構造となっており燃料ポンプの無駄な仕事が増加し、燃費悪化の原因となっている。 【0007】また、特開平10−54323号公報においては、電磁弁を複数必要なため燃料噴射弁が大型化し、かつ高価格になる。 【0008】本発明の目的は上記の点に鑑み、比較的小型の構造でもって、エンジンの全運転状態に応じて要求する噴射率を安定して得られるようにニードルリフトを段階的に制御可能な燃料噴射弁を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明の請求項1および請求項2記載の燃料噴射弁は、制御弁を構成するバルブ室内の一つの弁体を電気的に駆動する駆動装置により段階的にリフトさせることにより、第1圧力室と連通する第1の開口部と、第2圧力室と連通する第2の開口部と、低圧通路と連通する低圧開口部の内、第1の開口部または低圧開口部を開閉させて、第1圧力室およびまたは第2圧力室の燃料圧力を変化させるように構成した。 【0010】上記の燃料噴射弁は、一つの弁体の段階的なリフト作動により第1圧力室および第2圧力室の圧力を変化させて、第1ピストンおよび第2ピストンを段階的にリフトさせる。第1ピストンおよび第2ピストンは弁部材と協働するので、弁部材のリフトを段階的に制御可能である。 【0011】このように、一つの弁体よりなる簡潔な構成の制御弁としたことで燃料噴射弁の小型化が可能となり、かつ第1ピストンおよび第2ピストンを段階的にリフトさせて噴射率を可変可能な燃料噴射弁とすることができる。 【0012】本発明の請求項3記載の燃料噴射弁は、第1圧力室および第2圧力室の燃料圧力を次の3つのステップにより変化させて第1圧力室と第2圧力室の燃料圧力を制御している。 【0013】先ず、バルブ室内の弁体をリフトさせる前では、弁体が低圧開口部を閉塞している。高圧通路の高圧燃料はバルブ室の第2開口部を経てバルブ室内に導かれ、次いでこの高圧燃料は第1開口部より第1圧力室へ連通される。一方、第2圧力室に連通された高圧回路はバルブ室に連通しているものの弁体により低圧開口部を閉塞されている。よって、第1圧力室と第2圧力室の高圧燃料により閉弁方向に第1ピストンおよび第2ピストンを付勢している。弁部材のリフト量に応じ噴孔閉塞方向に弁部材を付勢する付勢手段とあわせて弁部材は、弁座に着座している。 【0014】次に、弁体が第1のリフトをすると、弁体が低圧開口部を開放して第1圧力室と第2圧力室内の高圧燃料はバルブ室の低圧開口部を通じて低圧通路と連通される。よって、第1圧力室と第2圧力室の燃料圧力は高圧状態から低圧状態に変化して開弁方向に第1ピストンおよび第2ピストンは次のようにリフトする。 【0015】第1ピストンがリフトすると第2ピストンに当接して、第2ピストンがリフトすることで第1ピストンおよび第2ピストンがともにリフトするので、第1ピストンのリフト量と第2ピストンのリフト量とを併せた分だけ弁部材はリフトし、弁部材が弁座から離座して噴孔から燃料が噴射する。 【0016】次に、弁体が第1のリフト以上リフトして第2のリフトをすると、第1圧力室はバルブ室を通じて低圧通路と連通されたままなので第1圧力室のみ燃料圧力は高圧状態から低圧状態に変化するとともに、弁体は第2の開口部を閉塞して第2圧力室は低圧通路との連通を遮断する。よって、第2圧力室の燃料圧力は高圧状態を維持して閉弁方向に第2ピストンを付勢している。つまり、第1ピストンがリフトして第2ピストンに当接し第1ピストンのリフト量だけ弁部材はリフトし、弁部材が弁座から離座して噴孔から燃料が噴射する。 【0017】このように、一つの弁体よりなる簡潔な構成の制御弁としたことで安価な燃料噴射弁となり、かつ第1ピストンおよび第2ピストンを段階的にリフトさせて噴射率を可変可能な燃料噴射弁とすることができる。 【0018】また、弁体が第2のリフトをして第1ピストンのリフト量だけ弁部材がリフトする場合には、高圧回路と低圧回路は第2の開口部を閉鎖することで遮断されるので、高圧燃料を圧送する燃料ポンプの無駄な仕事が抑制されて燃費向上効果がある。 【0019】本発明の請求項4記載の燃料噴射弁は、付勢手段は、弁部材のリフト量に関わらず噴孔閉塞方向に弁部材を付勢する第1の付勢手段を備えた。この第1の付勢手段は、第1圧力室と第2圧力室が低圧通路に接続されて第1ピストンおよび第2ピストンの弁部材閉弁方向への付勢力が減少した場合に、弁部材の閉弁方向の付勢力を維持して弁部材が弁座から離座するのを防止する。 【0020】一方、弁部材が第1のリフト以上リフトすると噴孔閉塞方向に弁部材を付勢する第2の付勢手段を備えることで、第1ピストンがリフトして第2ピストンに当接し、第1ピストンのリフトによる慣性力が第2ピストンを押し上げることのないように第2ピストンを噴孔閉塞方向に付勢させる。よって、安定した噴射量が得られる燃料噴射弁とすることができる。 【0021】本発明の請求項5記載の燃料噴射弁は、弁体が駆動装置側にリフトして低圧開口部を閉塞することで、弁体が駆動装置によりリフト摺動する弁体支持部分が低圧燃料雰囲気にある。よって、弁体支持部分の摺動に必要な隙間部からの燃料リーク量を低減できる。 【0022】本発明の請求項6記載の燃料噴射弁は、高圧通路と第2圧力室を連通する通路は、高圧通路を第2の開口部と第2圧力室とを連通する通路に配置された第1絞り部に対して、バルブ室側の位置で接続することで構成されるようにした。 【0023】第1圧力室が低圧から高圧に燃料圧力を変化させる場合、高圧燃料は、高圧通路、バルブ室を経て供給されるが、高圧通路から第2圧力室を経由して供給される場合と比較して高圧通路から第2圧力室の間の絞り部が1つ削減できる効果がある。 【0024】絞り部が1つ削減できると、第1圧力室への燃料供給がスムーズに行われるために第1圧力室の圧力上昇が早くなる。このために噴孔を閉塞方向に働く力が早く大きくなり弁部材の下降速度が速くできる。つまり、弁部材の閉弁応答性が向上する。 【0025】本発明の請求項7記載の燃料噴射弁は、高圧通路と第1圧力室の間に燃料流れを調整する第2の絞り部を介して接続する通路を設けた。 【0026】この構成にすると高圧通路から第1圧力室への燃料通路は、バルブ室経由に加えて、上述した高圧通路と第1圧力室の間を接続する通路からも高圧燃料が導入できる。 【0027】上記した構成により、弁部材閉弁時の第1圧力室への流入燃料量が増加でき、第1圧力室の圧力上昇を早くできる。このために噴孔を閉塞方向に働く力が早く大きくなり弁部材の下降速度が速くできる。つまり、弁部材の閉弁応答性が向上する。 【0028】本発明の請求項8記載の燃料噴射弁は、第1圧力室と第2圧力室の間に燃料流れを調整する第4の絞り部を介して接続する構成とした。 【0029】この構成にすると高圧通路から第1圧力室への燃料通路は、バルブ室経由に加えて、上述した第1圧力室と第2圧力室の間を接続する通路からも高圧燃料が導入できる。 【0030】上記した構成により、弁部材閉弁時の第1圧力室への流入燃料量が増加でき、第1圧力室の圧力上昇を早くできる。このために噴孔を閉塞方向に働く力が早く大きくなり弁部材の下降速度が速くできる。つまり、弁部材の閉弁応答性が向上する。 【0031】本発明の請求項9記載の燃料噴射弁は、第2の開口部と第2圧力室とを連通する通路において、バルブ室側に広いテーパ口部を構成した。 【0032】このバルブ室側に広いテーパ口部は、バルブ室を経由して高圧燃料が第1圧力室へ導入される時の高圧燃料流れを導き入れ易くなり、第1圧力室が早く高圧化する効果がある。このために噴孔を閉塞方向に働く力が早く大きくなり弁部材の下降速度が速くできる。つまり、弁部材の閉弁応答性が向上する。 【0033】本発明の請求項10記載の燃料噴射弁は、第1の絞り部を廃止して、低圧通路に第3の絞り部を配置することで、第3の絞り部が第1の絞り部に代わって高圧通路と第1圧力室の間の燃料流れを調整する構成とした。 【0034】第2圧力室を高圧から低圧に燃料圧力を変化させる場合、第1の絞り部に代わって低圧通路に第3の絞り部を配置変更しても、第3の絞り部は第1の絞り部と同様に第2圧力室から低圧通路の経路にあり、第2圧力室の高圧から低圧に変化する燃料圧力の移行速度を調節している。 【0035】一方、高圧通路から第1圧力室への燃料通路に第1の絞り部が無くなったので、弁部材閉弁時の第1圧力室への流入燃料量が増加でき、第1圧力室の圧力上昇を早くできるので弁部材の下降速度を向上させる効果がある。つまり、弁部材の閉弁応答性が向上する。 【0036】本発明の請求項11記載の燃料噴射弁は、制御弁を構成するバルブ室内の一つの弁体を電気的に駆動する駆動装置により段階的にリフトさせることにより、第1圧力室と連通する第1の開口部と、第2圧力室と連通する第2の開口部と、低圧通路と連通する低圧開口部を次の3つのステップにより変化させて第1圧力室と第2圧力室の燃料圧力を制御している。 【0037】先ず、バルブ室内の弁体をリフトさせる前では、弁体が低圧開口部を閉塞している。高圧通路の高圧燃料はバルブ室の第2開口部を経てバルブ室内に導かれ、次いで、この高圧燃料は第1開口部より第1圧力室へ連通される。一方、第2圧力室に連通された高圧回路はバルブ室に連通しているものの弁体により低圧開口部を閉塞されている。よって、第1圧力室と第2圧力室の高圧燃料により閉弁方向に第1ピストンおよび第2ピストンを付勢している。弁部材のリフト量に応じ噴孔閉塞方向に弁部材を付勢する付勢手段とあわせて弁部材は、弁座に着座している。 【0038】次に、弁体が第1のリフトをすると、弁体が低圧開口部を開放して第1圧力室と第2圧力室内の高圧燃料はバルブ室の低圧開口部を通じて低圧通路と連通される。よって、第1圧力室と第2圧力室の燃料圧力は高圧状態から低圧状態に変化して開弁方向に第1ピストンおよび第2ピストンは次のようにリフトする。 【0039】第2ピストンがリフトして係止部材に係止してリフトは規制され、第1ピストンがリフトすると第2ピストンに当接してリフトは規制される。第1ピストンのリフト量と第2ピストンのリフト量とを併せた分だけ弁部材はリフトし、弁部材が弁座から離座して噴孔から燃料が噴射する。 【0040】次に、弁体が第1のリフト以上リフトして第2のリフトをすると、第2圧力室はバルブ室を通じて低圧通路と連通されたままなので第2圧力室のみ燃料圧力は高圧状態から低圧状態に変化するとともに、弁体は第1の開口部を閉塞して第1圧力室は低圧通路との連通を遮断する。ここで、第1圧力室は高圧状態を維持するが、第2ピストンが上昇することにより体積変化し、第1圧力室の燃料圧力は低下する。しかし、第1圧力室の圧力は高圧を維持するように高圧燃料を供給調整することで第1ピストンは、第2ピストンの移動量だけ移動する。つまり、第1ピストンのリフト分だけ第1ピストンに第2ピストンが追動して弁部材はリフトし、弁部材が弁座から離座して噴孔から燃料が噴射する。 【0041】上記構成にすることにより、弁部材のリフト調整(第2ピストンのリフト量)が容易になる。 【0042】本発明の請求項12記載の燃料噴射弁は、電気的に駆動する駆動装置は、電磁コイルにより前記弁体をリフトする構成とした。電磁コイルにすることで限られた空間に電磁コイルを装着可能で、駆動装置の体格をコンパクトにすることができる。 【0043】本発明の請求項13記載の燃料噴射弁は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、電気的に駆動する駆動装置は、ピエゾアクチュエーターにより前記弁体をリフトする構成とした。ピエゾアクチュエーターは電荷を加えることに対する変位応答性が早く、弁部材のリフト応答性の優れる燃料噴射弁とすることができる。 【0044】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を示す複数の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0045】(第1実施例)本発明の第1実施例の燃料噴射弁の構成を図1、図2および図3を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例による燃料噴射弁の全体断面図を示す。図2は、図1に示す燃料噴射弁の弁体が第2リフトした状態を示す部分断面図である。図3は、図1に示す燃料噴射弁の弁体が第1リフトした状態を示す部分断面図である。 【0046】燃料噴射弁1の構成は、基本的に図1に示すように燃料噴射弁ハウジング10内に、第1ピストン21、この第1ピストン21の上方に第2ピストン22を配置させ、更に第1ピストン21と第2ピストン22の間に第1圧力室50を形成するとともに、第2ピストン22の上面に第2圧力室51を形成したものとなっている。そして、この第1圧力室50、第2圧力室51の燃料圧力を第2圧力室51上方に配設した電磁弁30により制御することにより、第1ピストン21の下方側に設けられ、後述する噴孔11を開閉するニードル23のリフト量を変化させ、噴射率形状を自由に設定可能にできるものである。 【0047】燃料噴射弁1のハウジング10と、その下方に設けられる弁ボディ13とは、チップパッキン14を挟みリテーニングナット12で締結されている。制御装置20は、弁ボディ13下端に形成される噴孔11側から第1ピストン21、第1圧力室50、第2ピストン22、第2圧力室51より構成され、制御装置20の噴孔側には制御装置20と協働するニードル23、ロッド24が配置される。ニードル23は、弁ボディ13に往復移動自在に支持されている。更に、ニードル23を、ロッド24を介して噴孔11方向に付勢する第1ニードルスプリング15が設けられている。 【0048】また、ハウジング10には、図示しないコモンレールと連通する高圧通路60が形成される。この高圧通路60は、ハウジング10、チップパッキン14、弁ボディ13内を通り、弁ボディ13に形成される燃料溜り16へと連通する。更に、高圧通路60は、上記第2圧力室51へ連絡通路68を経由して連通するよう形成されている。これにより図示しないコモンレールより供給された高圧燃料は、ハウジング10内の高圧通路60を介して第2圧力室51及び弁ボディ13内の燃料溜り16へ供給される。更に、第1圧力室50へは、図2に示すように第2圧力室51に開口される連絡通路61、後述のバルブ室62を介してハウジング10等に形成される連絡通路64へ連通され、第2圧力室51より燃料が供給される構成となっている。 【0049】制御弁30は弁カバー38内に収容され、ハウジング10の上部と弁カバー38間でネジ締結されている。制御弁30はボディ31、アーマチャ32、ストッパー33、第1スプリング34、電磁コイル35、第2スプリング36、弁体37、プレート39、バルブ室62等で構成されている。 【0050】このバルブ室62は、ボデキ31内に形成され、アーマチャ32と接続される弁体37を収容している。そして、アーマチャ32の弁体37との接続部分におけるバルブ室62の上端面には、上記連絡通路61と接続する第2開口部65が開口している。また、バルブ室62の略中央部の側面には、上記連絡通路64と接続する第1開口部66が開口している。更に、バルブ室62の下端面には、プレート39が形成される低圧開口部67が開口している。 【0051】なお、この低圧開口部67は、低圧通路63に接続されている。この低圧通路63は、ハウジング10等に形成され、図示しない燃料タンクへと連通されており、バルブ室62内の燃料を該燃料タンクへと排出するようになっている。 【0052】上記弁体37は、第1スプリング34の付勢力によりアーマチャ32を介して、上記低圧開口部67に着座可能である。また、弁体37は、電磁コイル35の吸引によりアーマチャ32とともに上方へ移動し、第2開口部65に着座可能となっている。 【0053】図1は、電磁コイル35に通電をしないで弁体37は低圧開口部67に着座し、ニードル23は第1圧力室50、第2圧力室51の燃料圧力、および第1ニードルスプリング15の付勢力により閉弁方向に付勢され弁座13Aに着座した状態を示す。尚、23aはニードル23の肩部を示し、11aはハウジング11の下端面を示す。 【0054】次に、弁体37の上部に位置するアーマチャ32は、コイル35に通電することにより発生する励起吸引力により、第1スプリング34の付勢力に抗し上向きに吸引され弁体37は第1のリフトをする。この状態を図3に示す。 【0055】図3に示すように、弁体が上方にリフトしストッパー33の下端面まで吸引される。この時、弁体37には第2スプリング36の付勢力がかかるため電磁コイル35からの吸引力と第1スプリング34と第2スプリング36の付勢力の和が釣り合うために弁体37はリフトH1(図1参照)の位置で停止する。 【0056】電磁コイル35に供給される電流値が更に高い場合には、弁体37を吸引する力がさらに大きくなり、第1スプリング34と第2スプリング36の付勢力の和に抗し弁体37は上昇する。すると、図2に示すように、弁体37がバルブ室62の内部に形成された第2の開口部65に当接し、第2の開口部65を閉塞して停止するまでの第2のリフトをする。なお、図1に示すように弁体37が、低圧開口部67に着座した位置から第2の開口部65に当接するまでのリフト量はH2である。弁体37が第1のリフトから第2のリフトへ移動する量は(H2−H1)である。 【0057】次に燃料噴射弁1の作動について図1から図3とともに図4を用いて説明する。 【0058】図示しないエンジン制御装置(ECU)により、エンジン運転条件に応じた電磁コイル35への駆動電流が生成され、電磁コイル35に供給される。駆動電流が供給されることによりアーマチャ32が吸引され弁体37がリフトする。 【0059】弁体37のリフトがH2のときは(図2および図4中のタイミング(A)参照)、バルブ室62と低圧通路63とが連通されたままで第2圧力室51とバルブ室62間の通路が第2の開口部65により遮断される。すなわち、図示しないコモンレールからの高圧燃料が供給されている第2圧力室51は、低圧通路63とは連通していない状態となる。一方、第1圧力室50と低圧通路63はバルブ室62の第1の開口部66を介して連通するために第1圧力室50の燃料圧力(PC1)が低下し、第1ニードルスプリング15の設定荷重と第1圧力室50の燃料圧力から受ける力との合力である噴孔閉塞方向の力が燃料溜り部の燃料圧力によるニードル23を押し上げる力より小さくなるとニードル23は開弁し始める。第1圧力室50の燃料圧力が低下し、ニードル23は上昇していくが、ニードル23が(h1リフト)上昇すると第1ピストン21は第2ピストン22の下面に当接する。この時、第2圧力室51の燃料圧力(PC2)は高いままに保持され、第2圧力室51の燃料圧力から受ける力が噴孔閉塞方向に働いてニードル23を押し上げる力よりも大いため、ニードル23は(h1リフト)以上リフトしない。 【0060】また、弁体37のリフトがH1のときは(第3図および図4中のタイミング(B)参照)、第1の開口部66、第2の開口部65、低圧開口部67の全てが開放されて、第1圧力室50および第2圧力室51は、低圧通路63と連通するために、第1圧力室50および第2圧力室51の燃料圧力は低下する。このため噴孔閉塞方向にはたらく力がニードル23を押し上げる力より小さくなりニードル23は(h1リフト)以上リフトして(h2リフト)まで上昇する。このときニードル23の肩部23aがハウジング11の下端面11aに係止され、ニードル23はこれ以上リフトしない。 【0061】図4中のタイミング(C)に示すように噴射期間中に弁体37のリフト量をH2からH1に変化させることにより、ニードル23のリフトをh1からh2に段階状に変化させることも可能である。 【0062】所定の時間が過ぎて電磁コイル35への駆動電流の供給が停止され弁体37が低圧開口部67を閉弁すると、低圧通路63とバルブ室62が遮断されるため第1圧力室50および第2圧力室51の燃料圧力が上昇して第1ピストン21、第2ピストン22をニードル23閉弁方向に押し下げる力が上昇し、ニードル23を閉塞する。 【0063】このように、一つの弁体よりなる簡潔な構成の制御弁としたことで燃料噴射弁自体の構造を小型化でき、従来に比べて安価な燃料噴射弁となり、かつ第1ピストンおよび第2ピストンを段階的にリフトさせて噴射率を可変可能な燃料噴射弁とすることができる。 【0064】また、弁体37が第2のリフトをして、第1ピストン21のみがリフトする、すなわち弁部材であるニードル23がh1するときには、高圧回路60等の高圧燃料が低圧通路63側へ抜けることなく、ニードル23のh1リフトが達成できる構成となっている。このため、ニードル23がh1リフトしているときにおける、高圧燃料を圧送する燃料ポンプの無駄な仕事が抑制されて燃費向上効果がある。 【0065】(変形例)第1実施例において、ニードル23を噴孔11閉塞方向に付勢する手段として第1ニードルスプリング15を配設した。本変形例では、図5に示すように第1ニードルスプリング15(図1)に加えて第2ニードルスプリング17を第2圧力室51内部に設ける構成とした。 【0066】第2ニードルスプリング17は、第1圧力室50の燃料圧力が低下して第1ピストン21がリフトし第2ピストン22に当接し、第1ピストン21のリフトによる慣性力が第2ピストン22を押し上げることのないように第2圧力室51の燃料圧力に加えて第2ピストン22を噴孔閉塞方向に付勢させることで、確実に(h1リフト)のみリフトさせる効果がある。よって、安定した噴射量が得られる燃料噴射弁とすることができる。 【0067】(第2実施例)本発明の第2実施例を図6に示す。第1の実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し説明を省略する。第1の実施例とは、電磁コイル35をアーマチャ32の下部に配置した点が異なる。本構成にすることにより、電磁コイル35に通電したことによるアーマチャ32に働く吸引力は下降方向に働き、弁体37は下方にリフトする。電磁コイル35への駆動電流の供給が停止されているときは、低圧開口部67を閉鎖して第1圧力室50、第2圧力室51の燃料圧力を上昇させてニードル23を閉弁させ無噴射状態としたいので、低圧開口部67を上部に配置でき、高圧通路62と低圧通路64の配置を変えることができる。上述した構成としたことで、弁体37とボディ31間の隙間部31aからの燃料リーク量を低減できる。 【0068】(第3実施例)本発明の第3実施例を図7に示す。第1の実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し説明を省略する。第1の実施例とは、弁体37の駆動力として電磁コイル35の代わりに圧電素子を用いた点が異なる。圧電素子101は、ハウジング11に嵌挿され、図示しない制御用コンピュータの指示に従い、駆動電源から電荷を供給されることで、圧電素子101はニードル23軸方向に長さを変化させる。 【0069】圧電素子101の上端部はハウジング11に位置規定されているので、全長を変化させて第1油圧ピストン102方向に力が伝わる。第1油圧ピストン102は、ばね104により上方に付勢され、圧電素子101の動きに追随するよう設定されている。第1油圧ピストン102は、AH1(第1油圧ピストン102の)断面積で下の油圧室103にある燃料を介して、断面積AH2の第2油圧ピストン105を押すことで、第2油圧ピストン105が面積比の逆数(AH1/AH2)のリフト量を圧電素子101によって駆動されることになる。 【0070】油圧室103は、ハウジング11、油圧ピストン102、105によって形成されている。第2油圧ピストン105はストッパ108によって上方の動きを規定され、ばね106により上方に付勢されている。ばね106は、ハウジング11の内径部107に構成され、内径部107は低圧通路63を介して図示しない燃料タンクへ連通している。 【0071】第2油圧ピストン105は、その小径部109が適当な微小距離をおいて、弁体37に当接するように構成されている。内径部107は、弁体37が下方に開弁して低圧開口部67を開放した時は、連絡通路64を介して第1圧力室50に連通するとともに連絡通路61を介して第2圧力室51と連通している。また第2圧力室51は図示しないコモンレールと連通している高圧通路60と連通している。 【0072】この構成によれば、圧電素子101へかける電荷を変えて弁体37のリフト量を制御することにより、第1の実施例と同様な作動をすることが可能となる。 【0073】ニードル23を(h1リフト)までリフトさせるときには、大変位を与えるように圧電素子101を駆動する。圧電素子101が伸びるに従い、ばね104に抗して第1油圧ピストン102が駆動される。ピストン102の変位に従い油圧室103内の燃料を加圧して燃料圧力を上昇させる。高圧燃料は第2油圧ピストン105を下方に、ばね106に抗して駆動する。そして、第2油圧ピストン105の小径部109は弁体37に当接し、弁体37は下方に移動しプレート39に当接する。この時、弁体37により内径部107と連絡通路61は遮断されている。弁体37が下方に移動すると第1圧力室50は連絡通路64、内径部107を介して低圧通路63と連通するため第1圧力室圧力は低下し、噴孔を閉塞方向に働く力が小さくなるためにニードル23は開弁する。ニードル23の上昇に従い第1ピストン21が第2ピストン22に当接するが、第2圧力室51の燃料圧力が高圧であるためニードル23のリフトの上昇は停止する。 【0074】小変位を与えるように圧電素子101を駆動すると、第2油圧ピストン105の小径部109は弁体37に当接し、プレート34へは当接しない位置に圧電素子101の変位量を調整する。第1圧力室50と第2圧力室51は連絡通路64、62および内径部107を介して低圧通路63と連通するために、第1圧力室50、第2圧力室51の燃料圧力が低下する。これにより、第1ピストン21が第2ピストン22に当接後も、噴孔閉塞方向に働く力がニードル23の押し上げ力よりも小さくなるなるため、ニードル23はチップパッキン14に当接するまで(リフト量:H2)リフトする。 【0075】また、このように噴射中に圧電素子101の変位量を切り換えることにより、ブーツ噴射率のような噴射率を得ることも可能である。 【0076】上述した構成の圧電素子101による制御弁は、電荷を加えることに対する変位応答性が早く、ニードル23のリフト応答性の優れる燃料噴射弁とすることができる。 【0077】(第4実施例)本発明の第4実施例を図8に示す。第1の実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し説明を省略する。第1の実施例とは、高圧燃料を第一圧力室50と連通させ、第2ピストン22側でニードル23の(h1リフト)の移動量を規定した点が異なる。 【0078】第4実施例の作動を以下説明する。 【0079】弁体37のリフトがH2のとき、弁体37は第2の開口部65を閉塞して第1圧力室50の圧力は低圧通路63と遮断される。この第1圧力室50の燃料圧力は、高圧通路60および連絡通路202を経由して第1圧力室に導入されて高圧状態を維持する。一方第2圧力室51の燃料圧力は、連絡通路261、第1の開口部66および低圧開口部67の順に経由して低圧通路63へと連通されて低圧となる。よって、第2ピストン22の閉弁側への付勢力が小さくなるために第2ピストン22は上昇し、第2圧力室51上部に設けた係止部材201に当接し(h1リフト)停止する。 【0080】一方、第1圧力室50は高圧が維持されているが第2ピストン22が上昇することにより体積変化し、第1圧力室50の燃料圧力は低下する。しかし、第1圧力室50の圧力は高圧を維持するように連絡通路202からの燃料供給量を絞り部203により調整することで第1ピストン21は、隙間h2を維持している。 【0081】弁体37のリフトがH1のときは、第1圧力室50、第2圧力室51の圧力とも低下するためにニードル23のリフトはさらに上昇して(h2リフト)する。 【0082】このような第4実施例の構成にすることにより、第1リフト量(h1リフト)の調整が簡単となる。 【0083】(第5実施例)本発明の第5実施例を図9に示す。第1の実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し説明を省略する。第1の実施例と異なるのは、高圧通路60から第2圧力室51へ高圧燃料が導入される経路を変更した点である。 【0084】第1から第3の実施例中の高圧通路60から第2圧力室51への高圧燃料が導入される経路は、連絡通路68を経由していた。第5実施例では、第1実施例の連絡通路68に代えて、バルブ室62と第2圧力室51を連結する連絡通路61に高圧通路60を連結する連絡通路368を配置した。尚、連絡通路368は、連絡通路61経路に設けられた絞り部301に対してバルブ室側の連絡通路61と接続させる。 【0085】上記した構成により、第1から第3の実施例に対し高圧通路60から第1圧力室50への連通する燃料通路中の絞り部が1つ削減できる効果がある。 【0086】絞り部が1つ削減できると、弁体37が閉弁し低圧開口部67を閉塞した時(弁体37のリフトが0のとき)、第1圧力室50への燃料供給がスムーズに行われるために第1圧力室50の圧力上昇が早くなる。このために噴孔を閉塞方向に働く力が早く大きくなりニードル23の下降速度が速くできる。つまり、ニードル23の閉弁応答性が向上する。 【0087】(第6実施例)本発明の第6実施例を図10に示す。第1の実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し説明を省略する。本発明の第6実施例は、第5の実施例に示したニードル23下降速度を向上させる方法とは別の方法でニードル23下降速度を向上させる。 【0088】第1の実施例と異なるのは、高圧通路60から第2圧力室51へ高圧燃料が導入される連絡通路401を追加した点である。 【0089】図10に示す様に、高圧通路60と第1圧力室50の間を、絞り部402を介して連絡通路401により連通させる。この構成にすると高圧通路60から第1圧力室50への燃料通路は、バルブ室62経由の連絡通路64に加えて、連絡通路401からも高圧燃料が導入できる。 【0090】上記した構成により、ニードル23閉弁時の第1圧力室50への流入燃料量が増加でき、第1圧力室50の圧力上昇を早くできる。高圧通路60と第1圧力室50間の絞り部402の面積は、ニードル23開弁時に高圧通路60から第1圧力室50方向への燃料リーク量が増加しない程度に設定する必要がある。 【0091】(変形例)第6実施例において、バルブ室62と第2圧力室51間を連通する連絡通路61に絞り部301を配設している。本変形例では、図11に示すように低圧通路63に絞り部403を設ける構成とした。 【0092】弁体37が図11中下方にリフトすると、第2圧力室51の高圧燃料が連絡通61路、バルブ室62、低圧通路63の順に経由して導入される。 【0093】よって、絞り部は本変形例の位置に変更しても、第2圧力室51から低圧通路63の経路にあり、第2圧力室51の高圧から低圧に変化する燃料圧力の移行速度を調節している。 【0094】一方、本変形例により高圧通路60から第1圧力室50への燃料通路である連絡通路61に第6実施例で示した絞り部301が無くなり、ニードル23閉弁時の第1圧力室50への流入燃料量が増加でき、第1圧力室50の圧力上昇を早くできるのでニードル23下降速度を向上させる効果がある。 【0095】(第7実施例)本発明の第7実施例を図12に示す。第1の実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し説明を省略する。本発明の第7実施例は、第5および第6の実施例に示したニードル23下降速度を向上させる方法とは別の方法でニードル23下降速度を向上させる。 【0096】第1の実施例と構成上異なるのは、高圧通路60から第2圧力室51へ高圧燃料が導入される連絡通路501を追加した点である。 【0097】図12に示す様に、第2圧力室51と第1圧力室50を絞り部502を介して連絡通路501を第2ピストン内に設けることにより連通させる。この構成にすると高圧通路60から第1圧力室50への燃料通路は、バルブ室62経由の連絡通路64に加えて、連絡通路68、第1圧力室50を経由して連絡通路501からも高圧燃料が導入できる。 【0098】上記した構成により、ニードル23閉弁時の第1圧力室50への流入燃料量が増加でき、第1圧力室50の圧力上昇を早くできる。高圧通路60と第1圧力室50間の絞り部502の面積は、ニードル23開弁時に第2圧力室51から第1圧力室50方向への燃料リーク量が増加しない程度に設定する必要がある。 【0099】また、上記した第5および第6の実施例と組合わせることにより、よりニードル23閉弁時のリフト下降速度が向上でき燃料噴射率のシャープカット性能が向上する。 【0100】(変形例)第7実施例において、プレート39にもうけた連絡通路64に絞り部503を配設した。この絞り部503は、例えばプレート39に細孔を設け、この細孔の径を調整して燃料流量を調整する絞り部である。 【0101】本変形例では、図13に示すように絞り効果を成す細孔よりなる連絡通路64を構成するプレート39のバルブ室62側に広いテーパ口部64aを構成した。このテーパ口部64aの広い側の径は縮小することなくバルブ室62側と接続される。 【0102】高圧通路60から第1圧力室50への燃料通路は、第2圧力室51、バルブ室62の順に経由して高圧燃料が導入されるので、導入経路が長く第1圧力室50が高圧化するのに時間がかかる。高圧燃料を導入する側、つまりバルブ室62側に広いテーパ口部64aを構成することで高圧燃料を導き入れ易くなり、第1圧力室50が早く高圧化する効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
|
| 【出願日】 |
平成12年2月15日(2000.2.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096998 【弁理士】 【氏名又は名称】碓氷 裕彦 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−227428(P2001−227428A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−36678(P2000−36678) |
|