| 【発明の名称】 |
エンジンの燃料ポンプ駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】原 幾朗
【氏名】浅利 大
【氏名】下山 和明
【氏名】棚橋 哲哉
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| 【要約】 |
【課題】カムシャフトで燃料ポンプを駆動するエンジンにおいて、カムシャフトおよび該カムシャフトに接続された燃料ポンプを駆動する際の回転負荷のピーク値を低減する。
【解決手段】カムシャフトが回転すると動弁カムが吸気バルブおよび排気バルブを駆動する際に周期的な回転負荷(細い実線参照)が発生し、またカムシャフトで駆動される燃料ポンプのポンプシャフトが回転すると、そのプランジャを駆動する際に周期的な回転負荷(破線参照)が発生する。カムシャフトの回転負荷およびポンプシャフトの回転負荷の合成回転負荷(太い実線参照)のピーク値Faが減少あるいは最小になるように両シャフトを結合する位相を設定すると[(A)参照]、そのピーク値Faを、前記位相を不適切に設定した場合[(B)参照]のピーク値Fbよりも小さくすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸気バルブ(19)および排気バルブ(20)から周期的な回転負荷を受けるエンジン(E)のカムシャフト(21)の駆動力で、ポンプシャフト(55)の回転に伴い周期的な回転負荷を受ける燃料ポンプ(41)を駆動するエンジンの燃料ポンプ駆動装置において、カムシャフト(21)の回転負荷のピーク値およびポンプシャフト(55)の回転負荷のピーク値が重ならないように、カムシャフト(21)およびポンプシャフト(55)を連結する位相を設定したことを特徴とするエンジンの燃料ポンプ駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、吸気バルブおよび排気バルブから周期的な回転負荷を受けるエンジンのカムシャフトの駆動力で、ポンプシャフトの回転に伴い周期的な回転負荷を受ける燃料ポンプを駆動するエンジンの燃料ポンプ駆動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】燃料直噴式エンジンにおいて、インジェクタに供給する燃料を高圧に加圧する高圧ポンプをエンジンのカムシャフトの軸端部に直接結合して駆動するものが、特開平9−60563号公報により公知である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンのカムシャフトに設けた動弁カムは、吸気バルブおよび排気バルブを開弁方向に駆動するときにはバルブスプリングを圧縮するために正の負荷を受け、また吸気バルブおよび排気バルブが閉弁するときにはバルブスプリングが復元する弾発力で負の負荷を受けることになり、その負荷の周期はエンジンの気筒数によって変化する。また、動弁カムとバルブとの間にはロッカーアームが介在し、また吸気バルブおよび排気バルブは新気や排気のガス圧を受けるため、動弁カムが受ける正の負荷および負の負荷はゼロ負荷ラインに対して非対称になる(図6のカムシャフトの回転負荷参照)。 【0004】一方、カムシャフトにより駆動される高圧ポンプは、高圧を発生するためにポンプシャフトに設けたポンプカムでプランジャを駆動するプランジャポンプから構成されており、ポンプシャフトはポンプカムの1回転につきカム山の数に応じた回数の正の負荷を受けることになる。従って、カムシャフトが受ける回転負荷の総和は、カムシャフトに設けた動弁カムが受ける回転負荷とポンプシャフトに設けたポンプカムが受ける回転負荷とを合成したものとなる。 【0005】図6(B)に示す例は、カムシャフトおよびポンプシャフトの結合位相が不適切な場合を示すもので、両シャフトの合成回転負荷のピーク値Pbが大きな値となる場合があり、カムシャフトの駆動に要するトルクを充分に低減することができなかった。 【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、カムシャフトで燃料ポンプを駆動するエンジンにおいて、カムシャフトおよび該カムシャフトに接続された燃料ポンプを駆動する際の回転負荷のピーク値を低減することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、吸気バルブおよび排気バルブから周期的な回転負荷を受けるエンジンのカムシャフトの駆動力で、ポンプシャフトの回転に伴い周期的な回転負荷を受ける燃料ポンプを駆動するエンジンの燃料ポンプ駆動装置において、カムシャフトの回転負荷のピーク値およびポンプシャフトの回転負荷のピーク値が重ならないように、カムシャフトおよびポンプシャフトを連結する位相を設定したことを特徴とするエンジンの燃料ポンプ駆動装置が提案される。 【0008】上記構成によれば、カムシャフトの回転負荷のピーク値およびポンプシャフトの回転負荷のピーク値が重ならないようにカムシャフトおよびポンプシャフトを所定の位相で連結することにより、カムシャフトの回転負荷およびポンプシャフトの回転負荷の合成回転負荷のピーク値が低減するので、カムシャフトおよびポンプシャフトを駆動するトルクのピーク値を最小限に抑えることができる。従って、例えばクランクシャフトでタイミングチェーンを介してカムシャフトを駆動する場合には、タイミングチェーンに小型軽量な細いものを使用しても、その摩耗や伸びを防止して耐久性を高めるとともに、吸気バルブおよび排気バルブの駆動タイミングのずれを防止することができ、しかもカムシャフトを支持する軸受の数の減少や軸受の小型化を図ることができる。 【0009】尚、実施例の高圧ポンプ41は本発明の燃料ポンプに対応し、実施例のディーゼルエンジンEは本発明のエンジンに対応する。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 【0011】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1はディーゼルエンジンの全体構成を示す図、図2はシリンダヘッドに取り付けた高圧ポンプを示す図、図3は図2に示す高圧ポンプの縦断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は吸気バルブおよび排気バルブの作動タイミングを示す図、図6はカムシャフトが受ける合成回転負荷を示す図である。 【0012】図1に示すように、直列4気筒のディーゼルエンジンEは、クランクケース11と、クランクケース11の上部に一体に形成されたシリンダブロック12と、シリンダブロック12の上部に結合されたシリンダヘッド13と、シリンダブロック12の下部に結合されたオイルパン14とを備えており、クランクケース11に回転自在に支持したクランクシャフト15と、シリンダブロック12の内部に形成したシリンダ16に摺動自在に嵌合するピストン17とが、コネクティングロッド18を介して連接される。シリンダヘッド13には各シリンダ16に対応して2個の吸気バルブ19,19および2個の排気バルブ20,20が設けられており、これら吸気バルブ19,19および排気バルブ20,20はシリンダヘッド13に設けられた1本のカムシャフト21により、図示せぬロッカーアームを介して開閉駆動される。カムシャフト21はクランクシャフト15により図示せぬタイミングチェーンを介して駆動され、クランクシャフト15の2回転につき1回転する。ピストン17の頂面の中央部にはリエントラント型の燃焼室22が凹設されており、この燃焼室22の中心に臨むようにシリンダヘッド13にインジェクタ23が設けられる。 【0013】吸気バルブ19,19から延びる吸気ポート24に接続された吸気マニホールド25は、その上流側にサージタンク26が設けられる。排気バルブ20,20に連なる排気ポート27には排気マニホールド28が接続される。エアクリーナ29から延びる吸気通路30に吸入された空気は、ターボチャージャ31の吸気側インペラ32で加圧され、吸気通路33を経て前記サージタンク26に供給される。また排気マニホールド28から出た排気ガスは、ターボチャージャ31の排気側インペラ34を駆動した後に、排気通路35に設けた排気ガス浄化触媒装置36を通過して外部に排出される。 【0014】燃料タンク37の内部に設けた低圧ポンプ38から供給された燃料は低圧フィードパイプ39に設けたフィルター40を経てカムシャフト21で駆動される高圧ポンプ41に供給され、そこで加圧された燃料は高圧フィードパイプ42を経てコモンレール43に供給される。コモンレール43に蓄圧された高圧の燃料は、4本の燃料噴射パイプ44…を介して4個のインジェクタ23に所定のタイミングで供給される。尚、符号45は高圧ポンプ41から余剰の燃料を燃料タンク37に戻すリターンパイプである。 【0015】吸気マニホールド28の近傍には排気ガス還流バルブ46が設けられており、排気ガスを排気ガス還流通路47を経てサージタンク26の上流位置に戻すようになっている。 【0016】次に、図2〜図4に基づいて高圧ポンプ41の構造を説明する。 【0017】アキシャルプランジャポンプからなる高圧ポンプ41は概略三角形のポンプハウジング49を備えており、その前面にフロントカバー50がボルト51…で固定され。ポンプハウジング49の中心に円形のポンプカム室52が形成される。ポンプカム室52の前後に設けた一対の軸受けメタル53,54に、ポンプシャフト55の一対のジャーナル部55a,55bが回転自在に支持される。ポンプシャフト55は、一対のジャーナル部55a,55bに挟まれる位置に、ポンプシャフト55の軸線Lに対して偏心した円形断面の偏心部55cが形成される。偏心部55cの外周に固定した軸受けメタル56の外周に回転自在に嵌合するポンプカム57は、円筒の外周面の120°ずつ離れた3個所に平坦に切り欠かれたプランジャ駆動面57a…が形成される。ポンプカム室52からシール部材58を介して突出するポンプシャフト55を回転駆動すると、ポンプカム室52の内部で偏心部55cが軸線Lまわりに偏心回転するが、ポンプカム57は回転せずに軸線Lまわりに偏心運動のみを行う。 【0018】ポンプハウジング49の内部に120°間隔で3本のシリンダ59…が放射状に形成されており、これらシリンダ59…にそれぞれ摺動自在に嵌合する3本のプランジャ60…の基端に一体に形成したスリッパ60a…は、ポンプハウジング49との間に配置したスプリング61…でポンプカム57のプランジャ駆動面57a…に当接する方向に付勢される。3個のシリンダ59…の先端に形成された3個のポンプ室62…には、それぞれ吸入弁63…および吐出弁64…が形成されており、それらポンプ室62…は3個の吸入弁63…を介して共通の吸入ポート65に連通するとともに、3個の吐出弁64…を介して共通の吐出ポート66に連通する。 【0019】シリンダヘッド13に形成されたジャーナル支持部13aと、その上面に固定されたキャップ68との間には、前記カムシャフト21の軸端部が回転自在に支持されるとともに、高圧ポンプ41のフロントカバー50の突出部50aが嵌合する。高圧ポンプ41は、ポンプハウジング49およびフロントカバー50に一体に形成された3個のフランジ49a…,50b…を貫通する3本のボルト69…でシリンダヘッド13およキャップ68に固定される。カムシャフト21の軸端部とポンプシャフト55の軸端部とは同軸に対向してオルダム継ぎ手70により結合されており、従ってポンプシャフト55はカムシャフト21により直接回転駆動される。 【0020】図5に示すように、直列4気筒のディーゼルエンジンEは♯1,♯2,♯3,♯4の4個のシリンダを備えており、クランクシャフト15が2回転する間(つまりカムシャフト21が1回転する間)に、各シリンダは吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程をクランク角が180°ずれたタイミングで順次行うようになっている。本実施例では、クランク角が0°〜180°の間に♯4シリンダおよび♯2シリンダがそれぞれ吸気行程および排気行程を行い、クランク角が180°〜360°の間に♯2シリンダおよび♯1シリンダがそれぞれ吸気行程および排気行程を行い、クランク角が360°〜540°の間に♯1シリンダおよび♯3シリンダがそれぞれ吸気行程および排気行程を行い、クランク角が540°〜720°の間に♯3シリンダおよび♯4シリンダがそれぞれ吸気行程および排気行程を行うようになっている。 【0021】従って、クランク角が0°から720°まで変化してカムシャフト21が1回転する間に、該カムシャフト21が吸気バルブ19…および排気バルブ20…から受ける回転負荷は4つのピークを持つことになる(図6の細い実線参照)。 【0022】カムシャフト21にオルダム継ぎ手70を介して接続された高圧ポンプ41のポンプシャフト55が回転すると、ポンプシャフト55の偏心部55cの外周の支持されたポンプカム57が、ポンプカム室52の内部で回転せずに偏心運動する。ポンプカム57が偏心運動すると、その外周に形成した3個のプランジャ駆動面57a…にそれぞれ当接する3本のプランジャ60…のスリッパ60a…がプランジャ駆動面57a…を滑りながら、プランジャ60…がシリンダ59…内を往復動する。 【0023】各プランジャ60がスプリング61の弾発力で半径方向内側に移動すると、吐出弁64が閉弁して吸入弁63が開弁し、吸入ポート65からポンプ室62に燃料が吸入される。続いて前記プランジャ60がポンプカム57に押圧されて半径方向外側に移動すると、吸入弁63が閉弁して吐出弁64が開弁し、ポンプ室62の燃料が吐出ポート66に圧送される。上記作用が、3組のシリンダ59…およびプランジャ60…について、カムシャフト21が120°回転する毎に順次行われるため、ポンプカム57がプランジャ60…から受ける回転負荷、つまりポンプシャフト55が受ける回転負荷は、クランク角が0°から720°まで変化してカムシャフト21が1回転する間に3つのピークを持つことになる(図6の破線参照)。 【0024】図6(B)は、オルダム継ぎ手70によるカムシャフト21とポンプシャフト55との結合位相を、カムシャフト21の回転負荷のピーク値とポンプシャフト55の回転負荷のピーク値とが重なるように設定した不適切な場合である。太い実線はカムシャフト21が受ける回転負荷とポンプシャフト55が受ける回転負荷とを合成したものであり、この場合、合成した回転負荷のピーク値は最大値であるFbとなる。 【0025】一方、図6(A)は、カムシャフト21の回転負荷のピーク値とポンプシャフト55の回転負荷のピーク値とが重ならないように、オルダム継ぎ手70によるカムシャフト21とポンプシャフト55との結合位相を設定した場合である。このように両シャフト21,55の回転負荷のピーク値をずらすことにより、合成した回転負荷のピーク値を下げることができる。なぜならば、両シャフト21,55の回転負荷のピーク値が一致した場合に、合成した回転負荷のピーク値が前記最大値Fbになるからである。特に、両シャフト21,55の回転負荷のピーク値をずらす場合に、図6(A)に示すように、合成した回転負荷のピーク値が最小値Faになるように両シャフト21,55の結合位相を設定すれば、最も大きな効果を得ることができる。 【0026】而して、カムシャフト21および高圧ポンプ41のポンプシャフト55を所定の位相で連結することにより、クランクシャフト15でカムシャフト21を駆動する際の回転負荷のピーク値が減少するので、クランクシャフト15でカムシャフト21を駆動するタイミングチェーンに細くて軽量なものを使用しても、その摩耗や伸びを防止し耐久性を高め、かつ吸気バルブ19…および排気バルブ20…の駆動タイミングのずれを防止することができる。しかもカムシャフト21を支持する軸受部の数や強度を減少させてシリンダヘッド13の軽量化に寄与することができる。 【0027】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。 【0028】例えば、実施例ではディーゼルエンジンEを例示したが、本発明はガソリンエンジンに対しても適用することができ、エンジンの気筒数や気筒の配置形態も適宜変更可能である。また高圧ポンプ41の構造は実施例のラジアルプランジャポンプに限定されるものではない。また実施例ではカムシャフト21およびポンプシャフト55をオルダム継ぎ手70で結合しているが、他の任意の継ぎ手を採用することができる。 【0029】 【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明によれば、カムシャフトの回転負荷のピーク値およびポンプシャフトの回転負荷のピーク値が重ならないようにカムシャフトおよびポンプシャフトを所定の位相で連結することにより、カムシャフトの回転負荷およびポンプシャフトの回転負荷の合成回転負荷のピーク値が低減するので、カムシャフトおよびポンプシャフトを駆動するトルクのピーク値を最小限に抑えることができる。従って、例えばクランクシャフトでタイミングチェーンを介してカムシャフトを駆動する場合には、タイミングチェーンに小型軽量な細いものを使用しても、その摩耗や伸びを防止して耐久性を高めるとともに、吸気バルブおよび排気バルブの駆動タイミングのずれを防止することができ、しかもカムシャフトを支持する軸受の数の減少や軸受の小型化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071870 【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−227425(P2001−227425A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−46814(P2000−46814) |
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