トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 内燃機関の炭化水素排出量低減装置
【発明者】 【氏名】摩島 嘉裕

【氏名】山下 幸宏

【要約】 【課題】クランキング時のHC排出量を低減する。

【解決手段】サージタンク15等の吸気通路内に、活性炭、ゼオライト、HC吸着作用を有する触媒成分(例えばPd)等で形成したHC吸着材18を設置する。HC吸着材18は、吸気通路(サージタンク15)の内壁面にほぼ均一に付着させ、エンジン運転中の吸気圧損を少なくしながら、エンジン停止中に吸気通路内に拡散したHC成分をHC吸着材18に吸着させる。これにより、クランキング時の燃料噴射前(気筒判別完了前)に気筒内に吸入されるHC量を低減することができ、クランキング時のHC排出量を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関から排出される炭化水素量を低減する炭化水素排出量低減装置であって、機関停止中に内燃機関の吸気通路内に残留する炭化水素成分を除去する炭化水素除去手段を備えていることを特徴とする内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項2】 前記炭化水素除去手段として、炭化水素を吸着する炭化水素吸着材を吸気通路内に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項3】 前記炭化水素吸着材は、活性炭、ゼオライト、炭化水素吸着作用のある触媒成分のうちの少なくとも1つで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項4】 前記炭化水素吸着材は、前記吸気通路の内壁面にほぼ均一に付着されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項5】 前記炭化水素吸着材は、前記吸気通路の内壁面に吸気圧損を少なくするように設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項6】 前記炭化水素吸着材は、前記吸気通路の内壁に形成された凹部内に収容されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項7】 前記炭化水素吸着材は、スロットル弁よりも上流側に設置されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項8】 前記炭化水素吸着材は、エアクリーナのケース内に設置されていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項9】 機関停止中にスロットル弁及び/又はアイドルスピードコントロール弁を開弁することを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項10】 前記吸気通路と燃料タンクとを接続する燃料蒸発ガスパージ通路の途中に、燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタを設け、機関運転中に該キャニスタから燃料蒸発ガスを前記吸気通路にパージする燃料蒸発ガスパージシステムを備え、前記炭化水素除去手段として前記キャニスタを用い、機関停止中に前記吸気通路と前記キャニスタとの間を連通させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項11】 前記キャニスタは、前記燃料タンクから燃料蒸発ガスが流入する入口部と該キャニスタ内の燃料蒸発ガスが前記吸気通路側に流出する出口部との間が該キャニスタ内の空間部で連通しないように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項12】 機関停止中に前記キャニスタと前記吸気通路との間の燃料蒸発ガスパージ通路に設けられたパージ制御弁又はこれと並列に設けられた開閉弁を開弁することで、機関停止中に前記吸気通路と前記キャニスタとの間を連通させることを特徴とする請求項10又は11に記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項13】 機関停止中に前記吸気通路内の空気を攪拌する攪拌部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【請求項14】 機関停止中にスロットル弁を適宜開閉動作させることで前記吸気通路内の空気を攪拌することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の内燃機関の炭化水素排出量低減装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出される炭化水素(以下「HC」と表記する)量を低減する内燃機関の炭化水素排出量低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車では、HCの排出量を低減するために、エンジンの燃焼改善によって未燃HC量を減少させると共に、排気管に三元触媒等の触媒を設置してエンジンから排出されるHCを浄化するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジン停止後、サージタンク等の吸気通路内には、前回運転時に噴射された燃料の一部が吹き返し等により残留していることがある。また、エンジン停止中は、燃料噴射弁から燃料が僅かずつ漏れて吸気通路内に拡散することがある。これらの原因で、エンジン停止後に吸気通路内に拡散した燃料(HC)は、次回のエンジン始動時に気筒内に吸入される。
【0004】しかし、クランキング開始直後は、気筒判別が完了するまで、燃料噴射弁の燃料噴射が開始されず、気筒内で燃焼が発生しないため、気筒内に吸入されたHCは、燃焼することなく排気管に排出される。しかも、冷間始動時は、排気管の触媒が未活性状態であるため、排気中のHCを十分に浄化することができない。この結果、吸気通路内に溜まっていたHCがそのまま大気中ヘ排出されてしまい、これがクランキング開始時のHC排出量を多くする原因となっていた。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、クランキング時のHC排出量を低減することができる内燃機関の炭化水素排出量低減装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の炭化水素排出量低減装置は、機関停止中に内燃機関の吸気通路内に残留する炭化水素(HC)成分を除去する炭化水素除去手段を設けた構成としたものである。この構成では、機関停止中に吸気通路内に残留するHC成分を炭化水素除去手段によって除去することができるので、クランキング時の燃料噴射前(気筒判別完了前)に気筒内に吸入されるHC量を低減することができ、クランキング時のHC排出量を低減することができる。しかも、燃料噴射弁から多少の燃料漏れがあっても、それを炭化水素除去手段によって除去することができるので、燃料噴射弁のシール部の油密性の設計基準を緩和することができ、その分、燃料噴射弁を低コスト化することができる。
【0007】この場合、請求項2のように、炭化水素除去手段として、炭化水素を吸着する炭化水素吸着材を吸気通路内に設けるようにしても良い。このようにすれば、炭化水素吸着材を吸気通路内に設けるという、簡単な構成で、クランキング時のHC排出量を低減することができる。
【0008】炭化水素吸着材は、種々のものが考えられるが、例えば、請求項3のように、炭化水素吸着材を活性炭、ゼオライト、炭化水素吸着作用のある触媒成分のうちの少なくとも1つで形成すると良い。活性炭、ゼオライト、炭化水素吸着作用のある触媒成分は、いずれもHCの吸着能力が優れているので、吸気通路内のHCを効率良く吸着することができる。
【0009】また、炭化水素吸着材の設置方法も、種々の方法が考えられるが、例えば、請求項4のように、炭化水素吸着材を、吸気通路の内壁面にほぼ均一に付着させると良い。このようにすれば、吸気通路内に拡散したHCと炭化水素吸着材との接触面積を大きくすることができ、HC吸着能力を高めることができる。
【0010】更に、請求項5のように、炭化水素吸着材を、吸気通路の内壁面に吸気圧損を少なくするように設けると良い。このようにすれば、機関運転時の吸気性能が損なわれることがなく、エンジン出力の低下を防止できる。
【0011】また、請求項6のように、炭化水素吸着材を、吸気通路の内壁に形成された凹部内に収容するようにしても良い。このようにすれば、吸気通路の流路断面積が炭化水素吸着材で狭められることがないため、機関運転時の吸気圧損を増大させることなく、吸気通路内に多くの炭化水素吸着材を設置することができ、HC吸着能力を高めることができる。
【0012】また、請求項7のように、炭化水素吸着材を、スロットル弁よりも上流側に設置するようにしても良い。このようにすれば、吸気通路の上流側に拡散したHCも炭化水素吸着材で吸着することができる。
【0013】この場合、請求項8のように、炭化水素吸着材を、エアクリーナのケース内に設置するようにしても良い。エアクリーナのケース内であれば、比較的簡単に炭化水素吸着材を設置することができる。
【0014】このように炭化水素吸着材をスロットル弁よりも上流側に設けた場合は、請求項9のように、機関停止中にスロットル弁及び/又はアイドルスピードコントロール弁を開弁すると良い。このようにすれば、機関停止中に吸気通路のスロットル弁の上流側と下流側とを確実に連通させて吸気通路内全体のHCを炭化水素吸着材に吸着させることができる。
【0015】近年のガソリンエンジン車では、燃料タンクから燃料蒸発ガスが大気中に放散されるのを防止するために、燃料タンクから出る燃料蒸発ガスをキャニスタで吸着し、エンジン運転中に該キャニスタから燃料蒸発ガスを吸気通路にパージするようにしている。
【0016】このような燃料蒸発ガスパージシステムを備えている場合には、請求項10のように、炭化水素除去手段としてキャニスタを用い、機関停止中に吸気通路とキャニスタとの間を連通させるようにしても良い。このようにすれば、機関停止中に吸気通路内のHCをキャニスタに吸着させて吸気通路内のHCを除去することができる。この構成では、キャニスタを炭化水素除去手段として利用することができるので、新たに炭化水素除去手段(炭化水素吸着材)を設ける必要がなく、その分、低コスト化できる利点がある。
【0017】この場合、キャニスタの入口部と出口部との間がキャニスタ内の空間部で連通した構成になっていると、機関停止中に吸気通路とキャニスタとを連通させると、燃料タンクから出た燃料蒸発ガスがキャニスタ内の空間部を通って吸気通路に漏れ出してしまうおそれがある。
【0018】この対策として、請求項11のように、キャニスタの入口部と出口部との間が該キャニスタ内の空間部で連通しないように構成すると良い。このようにすれば、機関停止中に吸気通路とキャニスタとを連通させても、燃料タンクから出た燃料蒸発ガスがキャニスタ内を通り抜けて吸気通路に漏れ出すこと防止できる。
【0019】また、請求項12のように、機関停止中にキャニスタと吸気通路との間の燃料蒸発ガスパージ通路に設けられたパージ制御弁又はこれと並列に設けられた開閉弁を開弁することで、機関停止中に吸気通路と前記キャニスタとの間を連通させるようにしても良い。一般に、燃料蒸発ガスパージシステムでは、キャニスタと吸気通路との間の燃料蒸発ガスパージ通路に、パージ流量を制御するパージ制御弁が設けられているため、機関停止中にこのパージ制御弁を開弁すれば、吸気通路とキャニスタとの間を連通させることができる。但し、一般的なパージ制御弁は常閉型の電磁弁で構成されているため、機関停止中にパージ制御弁を開弁状態に維持するには、機関停止中にパージ制御弁に通電し続ける必要がある。これを避けるために、パージ制御弁に並列に常開型の開閉弁を設けても良く、この場合には、機関停止中に開閉弁に通電しなくても、開閉弁が開弁状態に維持され、吸気通路と前記キャニスタとの間が開閉弁を介して連通状態に維持される。
【0020】また、請求項13のように、機関停止中に吸気通路内の空気を攪拌する攪拌部材を設けた構成としても良い。このようにすれば、機関停止中に吸気通路内のHC成分が炭化水素除去手段から離れた場所で滞留することがなくなり、空気の攪拌により生じた空気の対流によって吸気通路内のHCを効率良く除去することができる。
【0021】或は、請求項14のように、機関停止中にスロットル弁を適宜開閉動作させることで吸気通路内の空気を攪拌するようにしても良い。このようにすれば、スロットル弁を利用して吸気通路内の空気を攪拌できるので、新たに攪拌部材を設ける必要がない。
【0022】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図3に基づいて説明する。図1に示すように、内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側には、スロットル開度を調整するスロットル弁14が設けられている。更に、スロットル弁14の下流側には、サージタンク15が設けられている。このサージタンク15には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド16が設けられ、各気筒の吸気マニホールド16の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁17が取り付けられている。これら吸気管12、エアクリーナ13、サージタンク15、吸気マニホールド16で吸気通路が構成されている。
【0023】図2に示すように、サージタンク15の内壁面には、多数の粒状のHC吸着材18(炭化水素除去手段)が、吸気圧損が増大しない程度に内壁面全体にほぼ均一に付着され、エンジン停止中に吸気通路内に拡散したHCをこのHC吸着材18で吸着するようになっている。このHC吸着材18は、活性炭又はHC吸着作用を有する触媒成分(Pd等の貴金属)で形成されている。或は、HC吸着材19を、アルミナ層にPd等を担持させて形成したり、ゼオライトで形成しても良い。勿論、HC吸着材18を、活性炭、ゼオライト、触媒成分のうちの2種以上を組み合わせて形成しても良い。尚、図3に示すように、サージタンク15の内壁面に、HC吸着材19を層状にコーティングするようにしても良い。
【0024】以上説明した実施形態(1)によれば、サージタンク15の内壁面に、HC吸着材18(19)を設けるようにしているので、エンジン停止中に吸気通路内に拡散したHCをHC吸着材18(19)で吸着することができる。これにより、次回のクランキング時の燃料噴射前(気筒判別完了前)に気筒内に吸入されるHC量を低減して、クランキング時のHC排出量を低減することができ、排気エミッションを向上することができる。しかも、燃料噴射弁17から多少の燃料漏れがあっても、それをHC吸着材18(19)で吸着することができるので、燃料噴射弁17のシール部の油密性の設計基準を緩和することができ、その分、燃料噴射弁17の製造が容易となり、製造コストを低減することができる。
【0025】また、本実施形態(1)では、サージタンク15の内壁面全体に、粒状(又は層状)のHC吸着材18(19)をほぼ均一に設けるようにしているので、エンジン運転時の吸気圧損を少なくしながら、エンジン停止中には吸気通路内に拡散したHCとHC吸着材18(19)との接触面積を大きくすることができ、エンジン出力の低下を防止しながら、エンジン停止中のHC吸着能力を高めることができる。
【0026】[実施形態(2)]上記実施形態(1)では、サージタンク15の内壁面にHC吸着材18(19)を設けるようにしたが、本発明の実施形態(2)では、サージタンク15の流路断面積がHC吸着材で狭められないようにするために、図4乃至図7のいずれかの形態で、サージタンク15の内壁に凹部20〜23を形成し、その凹部20〜23内にHC吸着材24〜27を収容した構成としている。
【0027】図4の例では、サージタンク15の一側部に凹部20を形成し、この凹部20内にHC吸着材24を収容するようにしている。図5の例では、サージタンク15の両側部にそれぞれ凹部21を形成し、各凹部21内にHC吸着材25を収容するようにしている。また、図6の例では、サージタンク15の上部に、複数個の流線形の凹部22をほぼ吸気方向に延びるように形成し、各凹部22内にHC吸着材26を収容するようにしている。また、図7の例では、サージタンク15の下部に、複数個の流線形の凹部23を吸気方向とほぼ直角方向に延びるように形成し、各凹部23内にHC吸着材27を収容するようにしている。尚、各凹部20〜23の形状、位置、個数は、適宜変更しても良い。
【0028】以上説明した実施形態(2)によれば、サージタンク15の内壁に形成した凹部20〜23内にHC吸着材24〜27を収容するようにしているので、サージタンク15の流路断面積がHC吸着材24〜27で狭められることがない。このため、エンジン運転時の吸気圧損を増大させることなく、サージタンク15に多くのHC吸着材24〜27を設置することができ、HC吸着量を増大させて、HC排出量低減効果を大きくすることができる。
【0029】[実施形態(3)]上記各実施形態(1),(2)では、サージタンク15内にHC吸着材を設けるようにしたが、図8に示す本発明の実施形態(3)では、吸気管12の最上流部に設けられたエアクリーナ13のケース13a内にHC吸着材28を設置すると共に、スロットル弁29をモータ(図示せず)等で駆動する電子スロットルシステムを搭載した構成とし、エンジン制御回路(図示せず)が、エンジン停止中にスロットル弁29を図8に示すように開弁(例えば全開)させるようにしている。
【0030】本実施形態(3)によれば、HC吸着材28をスロットル弁29よりも上流側(エアクリーナケース13a内)に設置し、エンジン停止中にスロットル弁29を開弁するので、エンジン停止中にスロットル弁29の上流側と下流側とを確実に連通させて吸気通路内全体のHCをHC吸着材28に確実に吸着させることができる。
【0031】また、本実施形態(3)では、HC吸着材28をエアクリーナケース13a内に設置するようにしたので、サージタンク15等に設置する場合に比べて、制約事項が少なく、HC吸着材28を簡単に設置することができる。
【0032】尚、アイドル運転中にスロットル弁29のバイパス空気量を制御するアイドルスピードコントロール弁を備えたシステムでは、エンジン停止中に、アイドルスピードコントロール弁を開弁するようにしても良く、この場合でも、エンジン停止中にスロットル弁29の上流側と下流側とを確実に連通させることができる。また、スロットル弁29とアイドルスピードコントロール弁を共に開弁するようにしても良い。
【0033】しかしながら、エンジン停止中にスロットル弁29(アイドルスピードコントロール弁)を開弁しない構成としても良い。これは、スロットル弁29が全閉状態であっても、アイドル運転に必要な吸入空気をエンジン11に供給できるようにスロットル弁29の外周に隙間ができるため、その隙間によってスロットル弁29の上流側と下流側とを連通させることができるためである。
【0034】[実施形態(4)]本発明の実施形態(4)では、図9に示すように、燃料タンク30に燃料蒸発ガスパージ通路31を介してキャニスタ33が接続され、このキャニスタ33内に燃料蒸発ガスを吸着する活性炭等の吸着材34が収容されている。一方、キャニスタ33と吸気管12との間には、吸着材34に吸着されている燃料蒸発ガスを吸気管12にパージ(放出)するための燃料蒸発ガスパージ通路36が設けられ、この燃料蒸発ガスパージ通路36の途中にパージ流量を調整するパージ制御弁37が設けられている。このパージ制御弁37は、常閉型の電磁弁で構成されている。キャニスタ33の底面部には大気開閉弁35が設けられ、燃料蒸発ガスのパージ実行中に、この大気開閉弁35を開弁してキャニスタ33内に大気を導入するようになっている。
【0035】また、燃料蒸発ガスパージ通路36には、パージ制御弁37をバイパスするバイパス通路38が設けられ、このバイパス通路38の途中に常開型の開閉弁39が設けられている。更に、キャニスタ33は、吸着材34の上側空間部が仕切り板40によって仕切られ、燃料タンク30から燃料蒸発ガスが流入する入口部41とキャニスタ33内の燃料蒸発ガスが吸気管12側に流出する出口部42とがキャニスタ33内の空間部で連通しないように構成されている。
【0036】エンジン制御回路(図示せず)は、エンジン運転中に、開閉弁39を閉弁してパージ制御弁37の開度を制御することでパージ流量を制御する。一方、エンジン停止中には、パージ制御弁37を閉弁して、開閉弁39を開弁することで、吸気管12とキャニスタ33とをバイパス通路38を介して連通させる。これにより、吸気通路内のHCをキャニスタ33の吸着材34に吸着させて吸気通路内のHCを除去することができる。
【0037】以上説明した実施形態(4)では、キャニスタ33を炭化水素除去手段として利用するので、新たに炭化水素除去手段(HC吸着材)を設ける必要がなく、低コスト化の要求を満たすことができる。
【0038】ところで、キャニスタ33の入口部41と出口部42との間がキャニスタ33内の空間部で連通した構成になっていると、エンジン停止中に吸気管12とキャニスタ33とを連通させると、燃料タンク30から出た燃料蒸発ガスがキャニスタ33内の空間部を通って吸気管12に漏れ出してしまうおそれがある。
【0039】その点、本実施形態(4)では、キャニスタ33は、入口部41と出口部42との間の空間部を仕切り板40で仕切り、入口部41と出口部42の間がキャニスタ33内の空間部で連通しないように構成しているので、エンジン停止中に吸気管12とキャニスタ33とを連通させても、燃料タンク30から出た燃料蒸発ガスがキャニスタ33内を通り抜けて吸気管12に漏れ出すこと防止することができる。
【0040】尚、図10に示すように、キャニスタ33の出口部42(又は入口部41)をキャニスタ33の吸着材34内に挿入した構成とすることで、キャニスタ33の入口部41と出口部42との間がキャニスタ33内の空間部で連通しないように構成しても良い。
【0041】ところで、キャニスタ33と吸気管12との間の燃料蒸発ガスパージ通路36には、パージ制御弁37が設けられているため、エンジン停止中にこのパージ制御弁37を開弁すれば、吸気管12とキャニスタ33との間を連通させることができる。しかしながら、一般的な燃料蒸発ガスパージシステムでは、前述したようにパージ制御弁37は常閉型の電磁弁で構成されているため、エンジン停止中にパージ制御弁37を開弁状態に維持するには、エンジン停止中にパージ制御弁37に通電し続ける必要があり、バッテリに負担がかかったり、パージ制御弁37が発熱する等の問題が生じる。
【0042】このような事情を考慮して、本実施形態(4)では、パージ制御弁37をバイパスするバイパス通路38に常開型の開閉弁39を設けるようにしているので、エンジン停止中に開閉弁39に通電しなくても、開閉弁39が開弁状態に維持され、吸気管12とキャニスタ33との間を連通状態に維持することができる。
【0043】しかしながら、バイパス通路38と開閉弁39を省略した構成とし、エンジン停止中にパージ制御弁37を開弁して、吸気管12とキャニスタ33との間を連通させるようにしても良い。この場合、パージ制御弁37を常開型の電磁弁としても良い。
【0044】[実施形態(5)]図11に示す本発明の実施形態(5)では、前記実施形態(1)の構成に加えて、サージタンク15内に、モータやソレノイド等によって駆動される攪拌部材43を設け、エンジン制御回路(図示せず)が、エンジン停止中にこの攪拌部材43を所定回数攪拌動作させて吸気通路内の空気を攪拌するようにしている。尚、前記実施形態(2)乃至(4)のいずれかの構成に、攪拌部材43を追加した構成としても良い。また、攪拌部材43の設置位置は、サージタンク15内に限定されず、適宜変更しても良い。
【0045】本発明の実施形態(5)の構成では、エンジン停止中でも、攪拌部材43の攪拌動作によって吸気通路内に空気の対流を強制的に発生させることができるので、エンジン停止中に吸気通路内のHC成分がHC吸着材等の炭化水素除去手段から離れた場所で滞留することがなくなり、吸気通路内のHCを効率良く除去することができる。
【0046】尚、電子スロットルシステムを備えている場合は、エンジン停止中にスロットル弁を所定回数開閉動作させることで、吸気通路内の空気を攪拌するようにしても良い。このようにすれば、スロットル弁を利用して吸気通路内の空気を攪拌することができるので、新たに攪拌部材を設ける必要がなくなり、コストアップせずに済む。その他、本発明は、HC吸着材(炭化水素除去手段)を吸気管12や吸気マニホールド16等に設置しても良い等、適宜変更して実施できる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年2月16日(2000.2.16)
【代理人】 【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
【公開番号】 特開2001−227421(P2001−227421A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−43504(P2000−43504)