| 【発明の名称】 |
燃料電池用燃料処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水澤 実
【氏名】山中 康朗
【氏名】高橋 浩
【氏名】元森 信吾
【氏名】池原 祐壮
【氏名】関口 重幸
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| 【要約】 |
【課題】(1)改質器入口付近の高温化による熱応力を低減し、かつ放熱損失も低減でき、(2)薄い反応容器であっても上部に隙間ができてもバイパス流を抑制して性能低下を防ぐことができる燃料電池用燃料処理装置を提供する。
【解決手段】部分酸化改質器12が、燃焼・改質触媒が充填され水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給される第1改質室22aと、その下流側に位置し少なくとも改質触媒が充填された第2改質室22bとを有し、第1改質室を構成する第1改質容器23aが第2改質室を構成する第2改質容器23bと独立して構成されかつ第2改質容器の内部に熱膨張可能に配置されている。また各反応室が垂直な隔壁27で仕切られ、かつ隣接する反応室の上下に交互に連通部27aを有し、隣接する反応室を順次上向き又は下向きに反応ガスが連通する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水蒸気を含む原料ガスを部分燃焼させ、その発熱で原料ガスを水素を含む改質ガスに改質する部分酸化改質器(12)を備え、予混合した水蒸気を含む原料ガスと空気を部分酸化改質器に供給する燃料電池用燃料処理装置であって、前記部分酸化改質器(12)は、燃焼・改質触媒が充填され水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給される第1改質室(22a)と、その下流側に位置し少なくとも改質触媒が充填された第2改質室(22b)とを有し、第1改質室を構成する第1改質容器(23a)が第2改質室を構成する第2改質容器(23b)と独立して構成されかつ第2改質容器の内部に熱膨張可能に配置されている、ことを特徴とする燃料電池用燃料処理装置。 【請求項2】 前記第1改質容器(23a)の第2改質室(22b)と接する内壁は、断熱材により断熱されている、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用燃料処理装置。 【請求項3】 水蒸気を含む原料ガスを部分燃焼させ、その発熱で原料ガスを水素を含む改質ガスに改質する部分酸化改質器(12)を備え、予混合した水蒸気を含む原料ガスと空気を部分酸化改質器に供給する燃料電池用燃料処理装置であって、前記部分酸化改質器(12)は、燃焼・改質触媒が充填され水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給され上向きに流れる第1改質室(22a)と、その下方に位置し第1改質室と連通するガス供給室(24)と、該ガス供給室に水平に挿入されほぼガス供給室の全幅にわたって延びるガス供給ダクト(26)とを有し、該ガス供給ダクトには、その長さ方向に均等にガス吹出し穴(26a)が設けられている、ことを特徴とする燃料電池用燃料処理装置。 【請求項4】 原料ガスを燃焼・改質又は選択的酸化させるそれぞれの触媒が充填された複数の反応室を有する燃料電池用燃料処理装置であって、各反応室が垂直な隔壁(27)で仕切られ、かつ隣接する反応室の上下に交互に連通部(27a)を有し、これにより隣接する反応室を順次上向き又は下向きに反応ガスが連通する、ことを特徴とする燃料電池用燃料処理装置。 【請求項5】 触媒層を上から押さえ込むスプリング構造のパンチングプレート(28b)を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用燃料処理装置。 【請求項6】 前記反応室上下の連通部(27a)は、反応室の全幅にわたりかつ反応室よりも流路面積が小さく設定されており、更に該連通部の上流側に幅方向に均等に噴出口を有する空気供給管(29)を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用燃料処理装置。 【請求項7】 上面が開口し前記複数の反応室を内蔵する箱状の格納容器(31)と、該格納容器の開口上面を塞ぐ上蓋(32)とを有し、該上蓋は、下部に連通部(27a)を有する隔壁(27)の上面と気密に連結され、かつ上蓋内に上部の連通部(27a)を構成するように部分的に上方に膨らんだ構成となっている、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用燃料処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体燃料を改質してCO濃度の低い水素含有ガスにする燃料電池用燃料処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、燃料電池自動車の研究開発が活発に行われており、特に、燃料電池としては作動温度が比較的低い固体高分子型燃料電池(PEFC)が有力である。また燃料としては、補給が容易でインフラ整備の必要性が少ないメタノールが有力視されている。この場合、メタノールを水素に改質する改質器が必須となる。 【0003】メタノールを改質する改質器としては、例えば「メタノール改質器」(特開昭63−50302号)が開示されている。この改質器は、中空円筒形の反応管の内部に改質触媒を充填し、外部から燃焼排ガスで加熱し、内部を流れる原料ガスを改質するものである。 【0004】また、高いメタノール転化率を維持しつつCOの生成を低くできる手段として、例えば、「水素含有ガスの製造方法」(特開平6−256001号、特開平6−279001号)が開示されている。この方法は、メタノール、酸素、水を加熱した触媒に接触させて反応させるものであり、燃料の一部を燃焼させる部分酸化を利用している。 【0005】更に、CO濃度が極めて低い水素含有ガスを生成することができる「燃料改質装置」(特開平8−157201号)が開示されている。この装置は、図6に示すように改質器2、選択酸化部4、部分酸化部6、及び制御装置8を備え、選択酸化部4で一酸化炭素のみを酸化し、部分酸化部6で残存の一酸化炭素を酸化することで、CO濃度が極めて低い(数ppm)水素含有ガスを生成し、PEFCへの適用を可能にしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭63−50302号の「メタノール改質器」は、自動車用に搭載するには、(1)大型で重く、(2)起動に時間がかかり、(3)負荷変化への応答性が低く、(4)発生した水素含有ガス中のCO濃度が高く、燃料電池の電極を劣化させる、等の問題点があった。 【0007】また、特開平6−256001号及び特開平6−279001号の「水素含有ガスの製造方法」は、(5)触媒の予熱に時間がかかり、(6)CO濃度を従来のリン酸型燃料電池には適用可能な程度(約1%前後)まで下げることができるが、車載用に適した固体高分子型燃料電池(PEFC)に適用するには依然としてCO濃度が高い問題点があった。 【0008】更に、特開平8−157201号の「燃料改質装置」は、(7)複数の反応器が多くの配管で連結されているため、全体として大型となり、かつ(8)量産性に乏しく、更に改質器が特開昭63−50302号と同様の間接加熱型であるため、起動に時間がかかり、負荷変化への応答性が低い、等の問題点があった。 【0009】すなわち、従来の間接加熱式の改質器はコンパクト化しにくく、負荷応答性が低く、反応器の予熱に時間がかかり起動が困難であり、特に典型的な円筒型の改質反応器は設置時の容積効率が低かった。そのため、車載用としての厳しい要求(コンパクト、軽量、急速な負荷変化、短時間起動、改質ガス中のCO濃度低減、低コスト、等)を満たす燃料電池用燃料処理装置が強く要望されていた。 【0010】上述した要望に答えるために、本発明の発明者等は、部分酸化改質器、部分酸化予熱器、及び選択酸化反応器を同一の格納容器内に格納した燃料電池用燃料処理装置を創案し、出願した(特願平10−366552号、未公開)。この発明により、急速な負荷変化に追従でき、CO濃度を極めて低くでき、短時間で起動でき、更に、機器間の配管等が少なく、小型(コンパクト)であり、容易に自動車等の車両に搭載でき、かつ量産性が高く低コトス化が可能となった。 【0011】しかし、この燃料電池用燃料処理装置であっても、以下の問題が発生するおそれがあった。 (1)部分酸化改質器では、供給されたメタノールガスが急激に部分酸化するため、入口付近が高温(約350℃)となる。そのため、その他の部分との温度差が大きく、熱応力が発生し、材料強度上問題となる。また、この高温のため改質器入口付近からの放熱損失が大きくなる。 (2)蒸発器で原料(メタノール)の蒸発が不十分になった場合、メタノールの液滴が部分酸化改質器の触媒層に直接吹き込まれ、触媒の活性を低下させる。 (3)開口断面積の広い改質触媒層に原料ガスを供給する場合、改質触媒層の各部に同一温度の原料ガスを供給するのが困難であり、ガス入口から遠い部分ほど原料ガスが予熱されて触媒温度が高くなり触媒寿命が短くなる。 (4)反応ガスを水平方向に流す場合、上面のわずかな隙間のバイパス流が問題となる。すなわち、車載用の燃料電池用燃料処理装置としては、すわりのよい角形で薄い反応容器に水平に供給する形態となるが、この場合内部に充填した触媒が車両の運動等で詰まって上部に隙間ができ易く、この隙間を通ってバイパス流ができ性能が大幅に低下する。 (5)部分酸化改質器、部分酸化予熱器、及び選択酸化反応器では、改質ガスに対して極端に少ない空気(例えば約1/10以下)を、十分に混合して触媒層に供給する必要があるが、限られたスペースでの混合は難しく、コンパクト化の障害となる。 (6)車載用の燃料電池用燃料処理装置として、すわりのよい角形で薄い反応容器とすると、内圧(例えば2ata)に弱く、特に平面状の上蓋は耐圧のため厚肉となり、結果として装置重量が大きくなる。 【0012】本発明は上述した種々の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、(1)改質器入口付近の高温化による熱応力を低減し、かつ放熱損失も低減でき、(2)原料(メタノール)の液滴が直接導入されても、部分酸化改質器の触媒活性の低下を防ぐことができ、(3)広い改質触媒層の各部にほぼ同一温度の原料ガスを供給することができ、これにより触媒温度を均等化しその寿命低下を防止でき、(4)薄い反応容器であっても上部に隙間ができてもバイパス流を抑制して性能低下を防ぐことができ、(5)改質ガスに対して極端に少ない空気(例えば約1/10以下)を、限られたスペースで十分に混合して触媒層に供給して部分酸化に供することができ、(6)すわりのよい角形で薄い反応容器としても、薄肉で内圧に耐えることができる、これにより装置の軽量化が可能である燃料電池用燃料処理装置であって、かつ急速な負荷変化に追従でき、CO濃度を極めて低くでき、短時間で起動でき、容易に自動車等の車両に搭載できるように、機器間の配管等が少なく、小型(コンパクト)であり、かつ量産性が高く低コトス化が可能な燃料電池用燃料処理装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、水蒸気を含む原料ガスを部分燃焼させ、その発熱で原料ガスを水素を含む改質ガスに改質する部分酸化改質器(12)を備え、予混合した水蒸気を含む原料ガスと空気を部分酸化改質器に供給する燃料電池用燃料処理装置であって、前記部分酸化改質器(12)は、燃焼・改質触媒が充填され水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給される第1改質室(22a)と、その下流側に位置し少なくとも改質触媒が充填された第2改質室(22b)とを有し、第1改質室を構成する第1改質容器(23a)が第2改質室を構成する第2改質容器(23b)と独立して構成されかつ第2改質容器の内部に熱膨張可能に配置されている、ことを特徴とする燃料電池用燃料処理装置が提供される。また、本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1改質容器(23a)の第2改質室(22b)と接する内壁は、断熱材により断熱されている、【0014】上記本発明の構成によれば、第1改質室(22a)を構成する第1改質容器(23a)が第2改質室を構成する第2改質容器(23b)と独立して熱膨張可能に構成されているので、第1改質室に水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給され、内部に充填された燃焼・改質触媒により供給されたメタノールガスが急激に部分酸化して入口付近が高温(約350℃)となっても、第1改質容器が単独に過熱・膨張するため、その他の部分との温度差が大きくても熱応力が発生せず第2改質容器等を耐熱強度の低い材料(例えばアルミ合金)で構成することができる。また、第1改質容器の壁は断熱されているために、第2改質室(22b)と熱交換しにくく、そのためピーク温度が高く保たれ、高活性になる。なお、断熱材を通して逃げるわずかな熱は、第2改質室内を加熱するので改質器全体の熱効率は高く保てる。すなわち、この断熱材により、第1改質容器で発生する酸化反応熱の大部分を逃がさず、第1改質容器内を高活性な状態に保つことができ、なおかつ、逃がしてしまったわずかな熱も、周囲の改質室に回収される。 【0015】すなわち、高温になる前段の部屋(第1改質容器)をステンレス等の耐熱材料で別製作し、後段の部屋(第2改質室)の中央に浮かせるように配置したので、第1改質室の製作が容易であり、かつ外側のケース(第2改質室、すなわち格納容器)と異なる材質にできるので、耐熱温度の高い材料にできる。これにより、放熱損失が低減でき、低負荷でも高効率な運転が可能となる。 【0016】また、本発明によれば、水蒸気を含む原料ガスを部分燃焼させ、その発熱で原料ガスを水素を含む改質ガスに改質する部分酸化改質器(12)を備え、予混合した水蒸気を含む原料ガスと空気を部分酸化改質器に供給する燃料電池用燃料処理装置であって、前記部分酸化改質器(12)は、燃焼・改質触媒が充填され水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給され上向きに流れる第1改質室(22a)と、その下方に位置し第1改質室と連通するガス供給室(24)と、該ガス供給室に水平に挿入されほぼガス供給室の全幅にわたって延びるガス供給ダクト(26)とを有し、該ガス供給ダクトには、その長さ方向に均等にガス吹出し穴(26a)が設けられている、ことを特徴とする燃料電池用燃料処理装置が提供される。 【0017】上記本発明の構成によれば、第1改質室(22a)と連通するガス供給室(24)に水平にガス供給ダクト(26)が挿入され、このダクトがほぼガス供給室の全幅にわたって延び、かつその長さ方向に均等にガス吹出し穴(26a)が設けられているので、ガス供給ダクト自体により触媒層と原料ガスの対流熱伝達を遮断し、触媒層各部に均等な温度で原料ガスを供給できる。また、水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給される第1改質室(22a)は、内部をガスが上向きに流れ、ガス供給ダクト(26)はその下方に位置するので、蒸発器で原料(メタノール)の蒸発が不十分になった場合でも、メタノールの液滴は自重で下方に落ちるので、液滴が触媒層に直接吹き込まれるのを防ぎ、触媒の活性低下を防止できる。 【0018】すなわち、第1改質室内のガス流れが下から上に向かうので、液滴は分離されて、改質室入口のガス供給室(24)の底面に停留し、触媒層を直接濡らさず、かつ穴あきの原料ガス供給ダクトにより触媒層温度が入口開口部の全域でほぼ均等になり、触媒寿命が延びる。 【0019】更に、本発明によれば、原料ガスを燃焼・改質又は選択的酸化させるそれぞれの触媒が充填された複数の反応室を有する燃料電池用燃料処理装置であって、各反応室が垂直な隔壁(27)で仕切られ、かつ隣接する反応室の上下に交互に連通部(27a)を有し、これにより隣接する反応室を順次上向き又は下向きに反応ガスが連通する、ことを特徴とする燃料電池用燃料処理装置が提供される。 【0020】上記本発明の構成によれば、各反応室が垂直な隔壁(27)で仕切られ、隣接する反応室の上下に交互に設けられた連通部(27a)を通して反応ガスが隣接する反応室を順次上向き又は下向きに連通するので、内部に充填した触媒が車両の運動等で詰まって上部に隙間ができても、流れが上向き又は下向きのため、この隙間を通るバイパス流ができず性能低下を防止することができる。従って、車載用の燃料電池用燃料処理装置として、すわりのよい角形で薄い反応容器を採用することができる。すなわち、改質室や後述するCO除去室を上下折り返しのガス流れにしているので、触媒層上面を横切るバイパス流が発生しない。また鋳造で格納容器と隔壁を一体化できるので、側面部分のシールが不要となり信頼性を高めることができる。 【0021】本発明の好ましい実施形態によれば、触媒層を上から押さえ込むスプリング構造のパンチングプレート(28b)を備える。このパンチングプレートは、両端部又は4辺を上方に折り返し、この折り返し部を蓋で押さえ込む構造とするのがよい。 【0022】この構成により、上蓋を格納容器に固定することで、触媒層もパンチングプレートに確実に押さえ込まれて固定される。また、触媒を交換する場合、上蓋を外せばパンチングプレートも取り外せるので、交換作業も容易となる。 【0023】また、前記反応室上下の連通部(24a)は、反応室の全幅にわたりかつ反応室よりも流路面積が小さく設定されており、更に該連通部の上流側に幅方向に均等に噴出口を有する空気供給管(29)を備える。 【0024】この構成により、空気供給管(29)により連通部の上流側の幅方向に均等に空気を噴出することができ、更に連通部(24a)の流路面積が小さく、流速が大きくレイノルズ数が増大して乱流を形成しやすいので、この部分でのガス混合を促進することができる。従って、部分酸化改質器、部分酸化予熱器、及び選択酸化反応器において、改質ガスに対して極端に少ない空気(例えば約1/10以下)を供給しても、連通部(24a)で十分に混合して触媒層に供給することができる。言い換えれば、流速の大きい折り返しの部の手前で、少量の空気を混合することで、触媒層温度を均一化でき、反応器内の限られた予混合空間で十分な混合が可能となる。 【0025】更に、上面が開口し前記複数の反応室を内蔵する箱状の格納容器(31)と、該格納容器の開口上面を塞ぐ上蓋(32)とを有し、該上蓋は、下部に連通部(27a)を有する隔壁(27)の上面と気密に連結され、かつ上蓋内に上部の連通部(27a)を構成するように部分的に上方に膨らんだ構成となっている。 【0026】この構成により、上蓋構造の膨らみがリブの効果を発揮するので、薄い板厚で変形を防止して耐圧が確保でき、軽量化できる。また、ガスの折り返しヘッダーを兼ねることで、格納容器には上面いっぱいまで触媒を充填でき、格納容器の高さを抑えることが可能になる。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。 【0028】図1は、本発明の燃料電池用燃料処理装置を用いた自動車用発電装置のシステム構成図である。この図に示すように、自動車用発電装置は、燃料処理装置10の他、固体高分子型燃料電池(PEFC)、コンプレッサ、蒸発器、メタノールと水用のポンプ、及び燃焼器からなる。蒸発器は、例えば間接式の熱交換器であり、ポンプで供給されたメタノール及び水を燃焼器からの燃焼排ガスで加熱して水蒸気を含む原料ガスを発生させる。燃料処理装置10には、発生した原料ガスとコンプレッサ(例えばリショルムコンプレッサ)からの空気により、原料ガスを水素を含む改質ガスに改質する。固体高分子型燃料電池(PEFC)は、改質ガスと空気により電気化学的に発電する。更に燃料電池の排ガス(改質ガスと空気)は、燃焼器に供給され、可燃成分が燃焼して高温の燃焼排ガスを発生し、上述した蒸発器に供給される。従って、この自動車用発電装置により、メタノールを燃料として電気自動車用の駆動用電動機に電気を供給することができる。 【0029】図2は、本発明の燃料電池用燃料処理装置の実施形態を示す構造図であり、図3は、図2のA−A線における断面図である。図2及び図3に示すように、本発明の燃料処理装置10は、部分酸化改質器12、間接熱交換器13及び選択酸化反応器16からなる。また、図3に示すように、部分酸化改質器12、間接熱交換器13及び選択酸化反応器16は、同一の格納容器31内に格納され、上蓋32により気密に密閉されている。また、この格納容器31には、ガス供給口31aとガス排出口31bが設けられ、予混合した水蒸気を含む原料ガス(好ましくはメタノールガス)と空気がガス供給口31aから部分酸化改質器12に供給され、間接熱交換器13、選択酸化反応器16の順でガスが流れ、ガス排出口31bから図示しない燃料電池(好ましくは、固体高分子型燃料電池)に水素ガスを含む改質ガスが供給されるようになっている。 【0030】図2及び図3において、部分酸化改質器12は、水蒸気を含む原料ガスを部分燃焼させ、その発熱で原料ガスを水素を含む改質ガスに改質する機能を有し、第1改質室22aと第2改質室22bからなる。第1改質室22aは、燃焼・改質触媒が充填され水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給される改質室である。また、第2改質室22bは、第1改質室22aの下流側に位置し、少なくとも改質触媒(この例では燃焼・改質触媒)が充填されている。 【0031】更に、第1改質室22aを構成する第1改質容器23aは、第2改質室22bを構成する第2改質容器23b(この例では、格納容器31の一部)と独立して構成され、第2改質容器23bの内部に熱膨張可能に配置されている。 【0032】すなわち、高温になる前段の部屋(第1改質容器23a)をステンレス等の耐熱材料で別製作し、後段の部屋(第2改質室22b)の中央に浮かせるように配置して、第1改質室の製作を容易にし、かつ外側のケース(第2改質室、すなわち格納容器)と異なる材質の耐熱材料で構成し、放熱損失の低減と低負荷における効率の向上を図っている。 【0033】この構成により、第1改質室22aを構成する第1改質容器23aが第2改質室22bを構成する第2改質容器23bと独立して熱膨張可能に構成されているので、第1改質室22aに水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給され、内部に充填された燃焼・改質触媒により供給されたメタノールガスが急激に部分酸化して入口付近が高温(約350℃)となっても、第1改質容器23aが単独に過熱・膨張するため、その他の部分との温度差が大きくても熱応力が発生せず第2改質容器等を耐熱強度の低い材料(例えばアルミ合金)で構成することができる。 【0034】また図2に太い実線で示すように、第1改質容器23aの第2改質室22bと接する内壁は、断熱材17aにより断熱され、更に、第2改質容器23bの内壁と第1改質容器23aの第2改質室22bと接する外壁も断熱材17bにより断熱されている。この構成により、第1改質容器の壁は断熱されているために、第2改質室(22b)と熱交換しにくく、そのためピーク温度が高く保たれ、高活性になる。なお、断熱材を通して逃げるわずかな熱は、第2改質室内を加熱するので改質器全体の熱効率は高く保てる。すなわち、この断熱材により、第1改質容器で発生する酸化反応熱の大部分を逃がさず、第1改質容器内を高活性な状態に保つことができ、なおかつ、逃がしてしまったわずかな熱も、周囲の改質室に回収される。 【0035】また、この実施形態では、第1改質容器23aの上部と上下に2分割されている第2改質容器23bの間に部分燃焼用2次空気を供給する2次空気供給管12a,12bを備え、ガス供給口31aから供給された予混合ガス(水蒸気を含む原料ガスと空気の混合ガス)をそれに含まれる空気で部分燃焼させ、次いで、部分燃焼後の改質により温度低下した原料ガスを2次空気供給管12a,12bから供給する2次空気で部分燃焼させて再加熱し、再度その発熱で原料ガスを水素を含む改質ガスに改質するようになっている。 【0036】この構成により、空気を含む予混合ガスの量に比例した部分酸化と改質を行うことができ、自動車等の車両に搭載した場合の急速な負荷変化に追従させることができる。また、空気を含む予混合ガスを単に部分酸化改質器12に供給するだけで、燃焼・改質触媒の作用により原料ガスを触媒燃焼させ、この自己発熱で短時間に部分酸化改質器12の起動ができる。更に、燃焼・改質触媒の耐熱温度が比較的低い(例えば約400℃)場合でも、2段燃焼により耐熱温度以下で改質反応時間を延ばすことができ、改質効率を高めることができる。 【0037】更に、図2及び図3に示すように、部分酸化改質器12は、水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給され上向きに流れる第1改質室22aの下方に位置し第1改質室と連通するガス供給室24と、このガス供給室24に水平に挿入されほぼガス供給室の全幅にわたって延びるガス供給ダクト26とを有する。更に、このガス供給ダクト26には、その長さ方向に均等にガス吹出し穴26aが設けられている。ガス供給ダクト26は、この例では、円管であり、その上面側に多数のガス吹出し穴26aがほぼ均等に設けられている。また、図4(A)に例示するように、ガス供給ダクト26を複数の細い管で構成してもよく、或いは図4(B)に例示するように、平板状のダクトにしてもよい。更に、ガス吹出し穴26aは、上面側のみに限定されず、下面側のみ、或いは上下両面に設けてもよい。 【0038】この構成により、ダクト26がほぼガス供給室の全幅にわたって延び、かつその長さ方向に均等にガス吹出し穴26aが設けられているので、ガス供給ダクト自体により触媒層と原料ガスの対流熱伝達を遮断し、触媒層各部に均等な温度で原料ガスを供給できる。また、水蒸気を含む原料ガスと空気が最初に供給される第1改質室22aは、内部をガスが上向きに流れ、ガス供給ダクト26はその下方に位置するので、蒸発器で原料(メタノール)の蒸発が不十分になった場合でも、メタノールの液滴は自重で下方に落ちるので、液滴が触媒層に直接吹き込まれるのを防ぎ、触媒の活性を防止できる。 【0039】すなわち、第1改質室内のガス流れが下から上に向かうので、液滴は分離されて、改質室入口のガス供給室24の底面に停留し、触媒層を直接濡らさず、かつ穴あきの原料ガス供給ダクトにより触媒層温度が入口開口部の全域でほぼ均等になり、触媒寿命が延びる。 【0040】間接熱交換器13は、部分酸化改質器12と選択酸化反応器16の間に設けられた反応室からなり、その内部に複数のフィン付きチューブ13aが通っている。そのまわりの空間には伝熱促進剤として例えばセラミックスボールや珪砂等を充填してもよく、そのままなにも充填しなくてもよい。この構成により、図示しないマニホールドを介してチューブ13a内に冷却媒体(油、水、空気等)を通し、チューブ13aを横切って通過するガス温度(燃料ガス又は改質ガス)を冷却して、部分酸化改質器12における改質反応により高温(例えば約200℃)になった改質ガスをCO選択酸化に適した温度(例えば約150℃)まで冷却するようになっている。 【0041】選択酸化反応器16は、選択酸化触媒が充填された選択酸化触媒部16aと、選択酸化触媒部に選択酸化用空気を供給する空気供給管29とを備える。また、選択酸化触媒部16aには、選択酸化触媒の温度を選択酸化に適した温度まで冷却するフィン付きチューブ13aと同様の間接熱交換器を内蔵している。更に、本発明の実施形態によれば、複数段(この例では4段)の選択酸化反応器16が直列に接続されている。この選択酸化反応器16は、触媒によりCOを選択的に燃焼させるCO除去と、その燃焼反応によって発生する反応熱を除去する熱交換の、2つの機能を併せ持っている。構造としては間接熱交換器13と同じであり、選択酸化触媒が充填されている。この構成により、空気供給管29からの供給空気量で選択酸化触媒部16aにおける選択酸化を制御し、かつ触媒の過熱を抑制することができるばかりでなく、選択酸化触媒をその最適温度範囲(例えば、90〜180℃)に制御することができ、改質ガス中のCOガスを順次選択的に酸化させ、固体高分子型燃料電池(PEFC)に適した極めて低いCO濃度まで低減することができる。 【0042】上述したように、本発明の燃料電池用燃料処理装置10は、原料ガスを燃焼・改質又は選択的酸化させるそれぞれの触媒が充填された複数の反応室(部分酸化改質器12の第1改質室22a、第2改質室22b、間接熱交換器13、選択酸化反応器16)を有している。また、図2及び図3に示すように、各反応室は垂直な隔壁27で仕切られ、かつ隣接する反応室の上下に交互に連通部27aを備えて隣接する反応室を順次上向き又は下向きに反応ガスが連通するようになっている。 【0043】この構成により、隣接する反応室の上下に交互に設けられた連通部27aを通して反応ガスが隣接する反応室を順次上向き又は下向きに連通するので、内部に充填した触媒が車両の運動等で詰まって上部に隙間ができても、流れが上向き又は下向きのため、この隙間を通るバイパス流ができず性能低下を防止することができる。従って、車載用の燃料電池用燃料処理装置として、すわりのよい角形で薄い反応容器を採用することができる。すなわち、改質室や後述するCO除去室を上下折り返しのガス流れにしているので、触媒層上面を横切るバイパス流が発生しない。また鋳造で格納容器と隔壁を一体化できるので、側面部分のシールが不要となり信頼性を高めることができる。 【0044】また、各反応室の下面は、格納容器の底から間隔を隔てた位置に水平にパンチングプレート28a(多孔板)が設置され、触媒等の粒子の落下を防止している。更に、触媒層を上から押さえ込むスプリング構造のパンチングプレート28bを備えている。このパンチングプレート28bは、図示しない両端部又は4辺を上方に折り返し、この折り返し部を蓋で押さえ込む構造となっている。 【0045】この構成により、上蓋32を格納容器31に固定することで、触媒層もパンチングプレート28bに確実に押さえ込まれて固定される。また、触媒を交換する場合、上蓋を外せばパンチングプレート28bも取り外せるので、交換作業も容易となる。 【0046】更に、反応室上下の連通部27aは、流速を高めレイノルズ数を増大させて乱流を形成するように、反応室の全幅にわたりかつ反応室よりも流路面積が小さく設定されている。また、この連通部27aの上流側に幅方向に均等に噴出口を有する空気供給管29を備えている。この構成により、空気供給管29により連通部の上流側の幅方向に均等に空気を噴出することができ、更に連通部24aの流路面積が小さく、乱流を形成しやすいので、この部分でのガス混合を促進することができる。従って、部分酸化改質器及び選択酸化反応器において、改質ガスに対して極端に少ない空気(例えば約1/10以下)を供給しても、連通部24aで十分に混合して触媒層に供給することができ、触媒層温度を均一化でき、反応器内の限られた予混合空間で十分な混合が可能となる。 【0047】また、図2及び図3に示すように、本発明の燃料電池用燃料処理装置10は、上面が開口し前記複数の反応室を内蔵する箱状の格納容器31と、格納容器31の開口上面を塞ぐ上蓋32とを有する。更に、上蓋32は、下部に連通部27aを有する隔壁27の上面と気密に連結され、かつ上蓋内に上部の連通部27aを構成するように部分的に上方に膨らんだ構成となっている。 【0048】この構成により、上蓋構造の膨らみがリブの効果を発揮するので、薄い板厚で変形を防止して耐圧が確保でき、軽量化できる。また、ガスの折り返しヘッダーを兼ねることで、格納容器には上面いっぱいまで触媒を充填でき、格納容器の高さを抑えることが可能になる。 【0049】上述した本発明の燃料電池用燃料処理装置は、以下の特徴を有する。 (1)部分酸化と水蒸気改質を併用するので、改質部での間接熱交換が不要となる。これによりコンパクト化ができ、かつ負荷変化速度を大きくできる。 (2)CO濃度の低減のため選択酸化法を適用し、更に複数段を直列配置するので、極めて低いCO濃度まで低減することができる。 (3)部分酸化改質器、熱交換器、CO除去部を一体化し、最小距離でガスが流れるように配置したのでコンパクト化できる。 (4)反応器全体を収容効率のよい箱型とし、コンパクト化と狭いスペースにも設置しやすい形状とした。 (5)反応器を鋳造で製造可能な構造とした。また、加工面を上蓋に集約し生産性を高めた。 【0050】 【実施例】図5は、上述した本発明の改質器内の温度分布図である。この図において、右軸はガスの入口から出口までの触媒層の距離、縦軸は触媒層内の温度である。この図に示すように、部分酸化量が多い第1改質室22aは、ピーク温度が300℃以上となり、高温であるために反応速度が速く、改質反応も促進され、この第1改質室で70%程度改質する。第2改質室22bも入口付近で改質するが、2次空気量は1次空気量よりも少なく、すなわち部分酸化量を少なく、ピーク温度も約300℃であり、第1改質室より低くなる。第2改質室22bの下流側には通常運転時は空気を加えないため、約250℃以下の低温となり、水蒸気改質反応のみが進行する。以上のように、第1改質室22aと第2改質室22b、及び第2改質室22bの上流側と下流側は部分酸化/水蒸気改質の割合が異なっており、反応器全体のコンパクト化と効率のバランスを考慮した機能分担となっている。またこの機能分担を積極的に行うために、第1改質室22aと第2改質室22bとの熱交換を避けるために上述した断熱材が用いられている。 【0051】なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。 【0052】 【発明の効果】上述したように、本発明によれば、改質部、熱交換部、多段のCO除去部を一体化したことで、コンパクトで熱損失が小さい装置となる。また、格納容器が角型容器に隔壁を形成する構造なので、複数の機能を持つ反応器を鋳造で一体成形でき、低コストで生産できる。また、急速な起動、負荷変化が可能で、改質ガス中のCO濃度を低くすることが可能である。加えて量産性に優れた構造で低コスト化が可能である。 【0053】従って、本発明の燃料電池用燃料処理装置は、(1)改質器入口付近の高温化による熱応力を低減し、かつ放熱損失も低減でき、(2)原料(メタノール)の液滴が直接導入されても、部分酸化改質器の触媒活性の低下を防ぐことができ、(3)広い改質触媒層の各部にほぼ同一温度の原料ガスを供給することができ、これにより触媒温度を均等化しその寿命低下を防止でき、(4)薄い反応容器であっても上部に隙間ができてもバイパス流を抑制して性能低下を防ぐことができ、(5)改質ガスに対して極端に少ない空気を、限られたスペースで十分に混合して触媒層に供給して部分酸化に供することができ、(6)すわりのよい角形で薄い反応容器としても、薄肉で内圧に耐えることができる、これにより装置の軽量化が可能である燃料電池用燃料処理装置であって、かつ急速な負荷変化に追従でき、CO濃度を極めて低くでき、短時間で起動でき、容易に自動車等の車両に搭載できるように、機器間の配管等が少なく、小型(コンパクト)であり、かつ量産性が高く低コトス化が可能である、等の優れた効果を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社 【識別番号】000198330 【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097515 【弁理士】 【氏名又は名称】堀田 実 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−227416(P2001−227416A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−41259(P2000−41259) |
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