| 【発明の名称】 |
燃料噴射弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】梁瀬 正敏
【氏名】平田 浩昭
【氏名】梶塚 幹夫
【氏名】加藤 秀夫
【氏名】鈴木 邦治
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| 【要約】 |
【課題】ノズルプレートのノズル孔を等径孔部と拡径孔部とから構成することにより、燃料の微粒化と噴射方向の安定化を図る。
【解決手段】燃料噴射弁の弁ケーシング内には、弁座部材の先端側に位置してノズルプレート15を取付け、その各ノズル孔16,17を、等しい孔径dをもって直線状に延設された等径孔部16A,17Aと、テーパ状に拡径して形成された拡径孔部16B,17Bとによって構成する。これにより、燃料の噴射時には、燃料の噴射流量と噴射方向とを等径孔部16A,17Aによって定め、その噴流を拡径孔部16B,17Bによって一定の領域へと拡げる。これにより、噴射燃料の方向性を安定させつつ、燃料が微粒化した状態を保持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸方向に燃料通路が設けられた筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材と、該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先端側に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形成されたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通路内に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が該弁座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体と、前記弁ケーシングの基端側に設けられ通電することによって該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁アクチュエータとからなる燃料噴射弁において、前記ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口し該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をもって直線状に延びて形成された等径孔部と、該等径孔部から前記ノズルプレートの外側面に向けて拡径して形成され該外側面に開口した拡径孔部とにより構成したことを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項2】 軸方向に燃料通路が設けられた筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材と、該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先端側に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形成されたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通路内に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が該弁座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体と、前記弁ケーシングの基端側に設けられ通電することによって該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁アクチュエータとからなる燃料噴射弁において、前記ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口し該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をもって直線状に延びて形成された第1の等径孔部と、該第1の等径孔部から前記ノズルプレート内を板厚方向に拡径して形成された拡径孔部と、該拡径孔部から前記ノズルプレートの外側面に向けて等しい孔径をもって直線状に延びて形成され該外側面に開口した第2の等径孔部とにより構成したことを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項3】 前記ノズル孔の軸線は前記ノズルプレートの板厚方向に対し傾斜して形成してなる請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エンジン等に燃料を噴射するのに好適に用いられる燃料噴射弁に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、例えば自動車用エンジン等に用いられる燃料噴射弁は、軸方向に燃料通路が設けられた筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材と、該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先端側に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形成されたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通路内に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が該弁座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体と、前記弁ケーシングの基端側に設けられ通電することによって該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁アクチュエータとから構成されている(例えば、特開平11ー70347号公報等)。 【0003】この種の従来技術による燃料噴射弁には、弁ケーシングの先端側に位置して弁座部材の噴射口を覆うノズルプレートが設けられ、このノズルプレートは、例えば薄肉の金属板等をプレス加工することによって形成されている。また、ノズルプレートには、円筒状の周壁を有する複数のノズル孔が貫通して形成され、これらのノズル孔は長さ方向に対し等しい孔径をもって直線状に延びている。 【0004】そして、弁体の開弁時には、弁ケーシング内に供給される燃料が各ノズル孔からエンジンの吸気ポート等に向けて噴射され、このときノズル孔は、その孔径に応じて予め定められた流量で燃料を噴射しつつ、燃料の微粒化を図る構成となっている。 【0005】また、例えば特開平7−63140号公報に記載の他の従来技術では、ノズルプレートに対して、燃料の噴射方向に向けてテーパ状に拡径したノズル孔を形成することにより、噴射燃料の微粒化を促進する構成としている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来技術では、長さ方向に対して一定の孔径をもった円筒状のノズル孔を形成し、このノズル孔から燃料を微粒化しつつ噴射する構成としている。この場合、ノズル孔から噴射される燃料は、その孔径が小さいほど微粒化し易くなるため、従来技術では、ノズル孔の孔径を可能な限り小さく形成したいという要求がある。 【0007】しかし、このような円筒状のノズル孔から噴射される燃料の粒子は、微小な孔径に対応した狭い領域で高い粒子密度をもつ噴流を形成するようになり、燃料粒子の一部は噴射後に結合して粒径が大きくなり易いため、従来技術では、ノズル孔から噴射する燃料を十分に微粒化するのが難しいという問題がある。 【0008】また、他の従来技術では、単にノズル孔をテーパ状に拡径して形成しているに過ぎず、ノズル孔から噴射される燃料は、その周壁に沿って円錐状に拡がり易くなるため、燃料の噴射方向が不安定となる虞れがあり、エンジンの吸気ポート等に対して所望の位置に燃料を噴射できないことがある。 【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ノズル孔から噴射される燃料の微粒化を促進できると共に、燃料の噴射方向を安定させることができるようにした燃料噴射弁を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために本発明は、軸方向に燃料通路が設けられた筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材と、該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先端側に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形成されたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通路内に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が該弁座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体と、前記弁ケーシングの基端側に設けられ通電することによって該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁アクチュエータとからなる燃料噴射弁に適用される。 【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口し該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をもって直線状に延びて形成された等径孔部と、該等径孔部から前記ノズルプレートの外側面に向けて拡径して形成され該外側面に開口した拡径孔部とにより構成したことにある。 【0012】このように構成することにより、弁体の開弁時には、ノズル孔の等径孔部に流入する燃料を拡径孔部から外部に噴射でき、この燃料の噴射流量を等径孔部の孔径に応じて定め、その噴射方向を等径孔部の長さ方向に沿って定めることができる。また、燃料が拡径孔部から噴出するときには、その噴流が拡径孔部の周壁に沿って一定の領域に拡がるため、噴流中に含まれる燃料粒子が過密となるのを抑えて粒子間の結合を減少させることができる。従って、燃料の噴流を等径孔部の長さ方向に沿って形成しつつ、拡径孔部によって燃料が微粒化した状態を保持することができる。 【0013】一方、請求項2の発明が採用する構成の特徴は、ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口し該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をもって直線状に延びて形成された第1の等径孔部と、該第1の等径孔部から前記ノズルプレート内を板厚方向に拡径して形成された拡径孔部と、該拡径孔部から前記ノズルプレートの外側面に向けて等しい孔径をもって直線状に延びて形成され該外側面に開口した第2の等径孔部とにより構成したことにある。 【0014】これにより、燃料の噴射流量を第1の等径孔部の孔径に応じて定め、その噴射方向を第1の等径孔部の長さ方向に沿って定めることができる。また、噴射燃料は拡径穴部によって一定の領域に拡がった状態で第2の等径孔部内を流通し、その後に外部へと噴出するようになるので、第2の等径孔部によって燃料の噴射方向をより安定化させることができる。 【0015】また、請求項3の発明のように、ノズル孔の軸線は前記ノズルプレートの板厚方向に対し傾斜して形成することにより、噴射燃料を各ノズル孔の軸線に沿った複数の方向に分岐して噴射することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を、自動車用エンジン等に用いられる燃料噴射弁を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。 【0017】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態による燃料噴射弁を示している。 【0018】1は燃料噴射弁の本体をなす筒状の弁ケーシングで、該弁ケーシング1は、例えば電磁ステンレス鋼等の磁性材料により段付き筒状に形成されている。そして、弁ケーシング1は、基端側に後述の樹脂カバー19が取付けられた大径筒部1Aと、該大径筒部1Aの先端側に一体形成された小径筒部1Bとからなり、その内部には後述の弁体8を挿通する燃料通路2が軸方向に設けられている。 【0019】3は弁ケーシング1の基端側に固着された筒状の連結部材で、該連結部材3は非磁性材料によって形成され、弁ケーシング1と後述の燃料流入パイプ4との間に介在している。 【0020】4は例えば電磁ステンレス鋼等の磁性材料によって形成された筒状の燃料流入パイプで、該燃料流入パイプ4は、連結部材3を用いて弁ケーシング1の基端側に固定され、その先端側は燃料通路2に連通している。また、燃料流入パイプ4の基端側内周には燃料フィルタ5が設けられている。 【0021】ここで、燃料流入パイプ4と弁ケーシング1とは、これらの外周側に取付けられた磁性金属片等からなる連結コア6を介して磁気的に連結されている。そして、後述の電磁コイル12に通電したときには、弁ケーシング1、燃料流入パイプ4、連結コア6と、後述する弁体8の吸着部10との間に閉磁路が形成される。 【0022】7は弁ケーシング1の小径筒部1B内に僅かな隙間をもって設けられた略筒状の弁座部材で、該弁座部材7の先端側には、図2に示す如く円形状の噴射口7Aが開口して形成され、弁座部材7の内周側には、該噴射口7Aを囲んで略円錐状の弁座7Bが設けられている。 【0023】8は弁ケーシング1の燃料通路2内に挿通して設けられた弁体で、該弁体8は、図1に示す如く、金属板等を折曲げることにより略筒状に形成された弁軸9と、該弁軸9の基端側に固着された磁性材料等からなる筒状の吸着部10と、弁軸9の先端側に固着して設けられ、弁座部材7の弁座7Bに離着座する球状の弁部11とから構成されている。 【0024】ここで、吸着部10の基端面は、燃料流入パイプ4と軸方向の隙間を挟んで対向し、この隙間の寸法は弁体8のリフト量として予め調整されている。また、弁部11の外周側には複数箇所に面取りが施されている。 【0025】そして、弁体8は、吸着部10が電磁コイル12等によって磁気的に吸引されると、後述の弁ばね13に抗して軸方向に変位し、弁部11が弁座部材7の弁座7Bに着座した閉弁位置から吸着部10が燃料流入パイプ4に当接する開弁位置まで一定のリフト量をもって開弁するものである。 【0026】12は弁ケーシング1の基端側で樹脂カバー19内に固着して設けられた電磁アクチュエータとしての電磁コイルで、該電磁コイル12は、後述のコネクタ20を用いて外部から通電されることにより弁体8の吸着部10を磁気的に吸引し、弁体8を開弁させるものである。 【0027】13は燃料流入パイプ4内に配置された圧縮ばねからなる弁ばねで、該弁ばね13は、燃料流入パイプ4の上流側に固着された筒体14と弁体8の基端側との間に設けられ、弁体8を閉弁方向に付勢している。 【0028】15は後述の押えプレート18により弁ケーシング1の小径筒部1B内に固着して設けられたノズルプレートで、該ノズルプレート15は、図3、図4に示す如く平板状をなす円形の金属薄板として形成され、予め定められた板厚tを有している。 【0029】また、ノズルプレート15は、内側面15Aが図2中の弁座部材7に取付けられ、その中央部が弁座部材7の噴射口7Aと対面すると共に、外側面15Bの中央部が押えプレート18の内周側を介して外部に面している。そして、ノズルプレート15は、弁体8が開弁したときに、弁座部材7の噴射口7Aから流出する燃料を後述のノズル孔16,17から微粒化した状態で噴射するものである。 【0030】16,16,…はノズルプレート15の中央左側に位置して板厚方向に貫通して形成された多数の左ノズル孔を示している。そして、左ノズル孔16は、図3、図4に示す如く、例えばノズルプレート15の中心軸線O−Oを通って上,下方向に延びるY−Y軸よりも左側に配設され、後述するように中心軸線O−Oと平行な線OA −OA に対して左方向に傾斜角αA だけ傾斜し、ノズルプレート15の中央右側に形成された後述の右ノズル孔17と共に2重の同心円状をなして配置されている。 【0031】ここで、ノズル孔16は、図4に示す如く、燃料の流入側に位置して軸線A−Aを中心とした円筒状の周壁を有する等径孔部16Aと、燃料の噴出側に位置して該等径孔部16Aと同軸に形成され、略円錐状の周壁を有する拡径孔部16Bとから構成されている。また、左ノズル孔16の軸線A−Aは、ノズルプレート15の中心軸線O−Oと平行な線OA −OA に対し、例えばエンジンの吸気ポートの配置等に対応した所定の傾斜角αA だけ左方向に傾斜して形成されている。 【0032】そして、等径孔部16Aは、基端側がノズルプレート15の内側面15Aに開口し、この内側面15Aから板厚方向の途中位置まで等しい孔径dをもって直線状に延びている。また、この孔径dは、ノズル孔16による燃料の噴射流量を定めるものである。さらに、等径孔部16Aは、その基端側開口の中心位置と先端側との間に位置して軸線A−Aに沿った長さ寸法Lを有している。 【0033】一方、拡径孔部16Bは、基端側が等径孔部16Aと等しい孔径dを有し、該等径孔部16Aからノズルプレート15の外側面15Bに向けてテーパ状に拡径して形成されると共に、その孔径は予め定められた拡がり角θをもって円錐状に大きくなっている。また、拡径孔部16Bの先端側はノズルプレート15の外側面15Bに開口している。 【0034】17,17,…はノズルプレート15の中央右側に形成された多数の右ノズル孔を示している。そして、右ノズル孔17は、図3、図4に示す如く、例えばノズルプレート15のY−Y軸よりも右側に配設され、その軸線B−Bは中心軸線O−Oと平行な線OB −OB に対して右方向に傾斜角αB だけ傾斜している。また、右ノズル孔17は、左ノズル孔16とほぼ同様に、等径孔部17Aと拡径孔部17Bとから構成されている。 【0035】18は略環状の金属板等によって形成された押えプレートで、該押えプレート18は、図2に示す如く、外周側が溶接部18Aによって弁ケーシング1の小径筒部1B内に溶接され、内周側が他の溶接部18Bによってノズルプレート15と一緒に弁座部材7の先端面に溶接されると共に、これによりノズルプレート15と弁座部材7とを弁ケーシング1内に固定している。 【0036】また、燃料噴射弁の組立時には、押えプレート18を溶接した後に先端側から押動して塑性変形させることにより、弁座部材7をケーシング1内で軸方向に変位させ、弁体8のリフト量を調整する。なお、ノズルプレート15は、別個の押えプレート18を用いて弁ケーシング1に取付けるものとしたが、ノズルプレート15と押えプレート18とを予め一体に形成しておき、これらを弁ケーシング1に取付ける構成としてもよい。 【0037】また、19は弁ケーシング1の大径筒部1A等を覆うように取付けられた樹脂カバーで、該樹脂カバー19には、図1に示す如くコネクタ20が設けられている。さらに、21は弁ケーシング1の小径筒部1Bに取付けられたプロテクタで、該プロテクタ21はノズルプレート15等を保護するものである。 【0038】本実施の形態による燃料噴射弁は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。 【0039】まず、弁ケーシング1内の燃料通路2には、燃料流入パイプ4の基端側から燃料が供給される。そして、電磁コイル12がコネクタ20を介して通電されると、弁体8は、吸着部10が電磁コイル12により弁ケーシング1、燃料流入パイプ4および連結コア6を介して磁気的に吸引され、弁ばね13に抗して開弁する。これにより、燃料通路2内の燃料は、ノズルプレート15のノズル孔16,17から図4中の左,右方向に分岐して微粒化状態で噴射される。 【0040】そして、例えば左ノズル孔16から燃料が噴射されるときには、弁座部材7の噴射口7Aから等径孔部16Aに流入する燃料が等径孔部16A内を軸線A−Aに沿って長さ寸法Lだけ流通し、その流量は等径孔部16Aの孔径dに応じて定められると共に、燃料の噴射方向は左方向に傾斜した傾斜角αA に応じて設定される。 【0041】また、この燃料が拡径孔部16Bから外部に噴出するときには、燃料の噴流が拡径孔部16Bの周壁に沿って拡がり角θに応じた一定の領域に拡がるため、噴流中の燃料粒子は過密となるのを抑えられ、粒子間の結合が減少する。これにより、左ノズル孔16から噴射される燃料は、軸線A−Aに沿って噴流を形成しつつ、微粒化した状態を保持する。また、右ノズル孔17から噴射される燃料も同様に、軸線B−B方向に沿って噴流を形成しつつ微粒化した状態を保持する。 【0042】一方、ノズルプレート15の製造時には、図5に示す如く、プレス加工等により予め形成したノズルプレート15に対して、例えばドリル、パンチ等の治具22を用いてノズル孔16,17を穿設する。この場合、治具22には、細長い円柱状に形成された刃先部22Aと、略円錐状のテーパ刃部22Bとが設けられている。 【0043】そして、例えばノズル孔16の穿設時には、まず治具22を軸線A−Aに沿ってノズルプレート15内に進入させることにより、その刃先部22Aによってノズル孔16の等径孔部16Aを形成し、テーパ刃部22Bによって拡径孔部16Bを形成した後に、治具22をノズル孔16から引抜く。 【0044】かくして、本実施の形態では、左ノズル孔16を等径孔部16Aと拡径孔部16Bとによって構成し、右ノズル孔17もノズル孔16とほぼ同様に構成したので、例えば左ノズル孔16から噴射される燃料の流量を等径孔部16Aの孔径dに応じて設定できると共に、燃料が直線状の等径孔部16Aを長さ寸法L分だけ流通することにより、燃料の噴射方向を図4中の軸線A−Aに沿って安定的に定めることができる。 【0045】そして、この燃料が拡径孔部16Bから外部に噴出するときには、燃料の噴流が拡径孔部16Bの周壁に沿って拡がり角θに応じた一定の領域へと拡がることができ、これにより噴流中に含まれる燃料粒子が過密となるのを抑えて粒子間の結合を減少させることができる。また、右ノズル孔17から噴射される燃料も同様に、その噴射方向を等径孔部17Aにより軸線B−Bに沿って定め、拡径孔部17Bによって燃料粒子間の結合を抑制することができる。 【0046】従って、本実施の形態によれば、ノズル孔16,17から燃料を噴射するときには、その噴流を等径孔部16A,17Aの長さ方向に沿って安定的に形成しつつ、拡径孔部16B,17Bによって燃料の微粒化を促進でき、従来技術と比較して燃料の噴射性能を向上させることができる。 【0047】また、左ノズル孔16,右ノズル孔17の軸線A−A,軸線B−Bをノズルプレート15の板厚方向に対し図4中の左,右方向に傾斜させて形成したので、ノズルプレート15は、例えばエンジンの吸気ポートの配置等に対応して、ノズル孔16,17から左,右方向に燃料を分岐して噴射することができる。 【0048】一方、ノズル孔16,17に拡径孔部16B,17Bを設けることにより、その穿設時には治具22の折損等を防止することができる。即ち、例えば従来技術として図5中に仮想線で示すような円筒状のノズル孔23を穿設する場合には、ノズル孔23から治具22を引抜くときに両者の軸線が径方向に位置ずれすると、ノズル孔23の開口端に位置する周壁角隅23A等から治具22の刃先部22A先端に対して径方向の押圧力が加わるため、刃先部22Aが折損し易くなる。 【0049】しかし、本実施の形態では、治具22をテーパ刃部22Bの位置までノズルプレート15内に進入させるだけで、ノズル孔16,17の等径孔部16A,17Aと拡径孔部16B,17Bとを容易に形成できると共に、治具22の引抜き時には、拡径孔部16B,17Bによって刃先部22Aに外力が加わるのを防止でき、ノズルプレート15の製造効率を高めることができる。 【0050】次に、図6は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ノズル孔を第1,第2の等径孔部と拡径孔部とによって構成したことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。 【0051】31は本実施の形態によるノズルプレートで、該ノズルプレート31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、内側面31Aと外側面31Bとを有する板厚tの金属板等からなり、その中央部には、軸線A−Aに沿って延びた多数の左ノズル孔32,32,…(1個のみ図示)と、軸線B−Bに沿って延びた多数の右ノズル孔33,33,…とが形成されている。 【0052】しかし、本実施の形態では、左ノズル孔32が第1の等径孔部32A、拡径孔部32Bおよび第2の等径孔部32Cによって構成されている。 【0053】この場合、等径孔部32Aは、第1の実施の形態によるノズル孔16の等径孔部16Aとほぼ同様に、基端側がノズルプレート31の内側面31Aに開口し、該内側面31Aから板厚方向の途中位置まで等しい孔径dと長さ寸法Lとをもって直線状に延びて形成されている。また、拡径孔部32Bは、等径孔部32Aからノズルプレート31内を板厚方向に拡径して形成され、拡がり角θを有している。しかし、拡径孔部32Bの長さ寸法は、軸線方向に対して第1の実施の形態よりも短尺に形成されている。 【0054】また、第2の等径孔部32Cは、拡径孔部32Bからノズルプレート31の外側面31Bに向けて等しい孔径をもって直線状に延びて形成され、外側面31Bに開口している。そして、この開口部位は軸線A−Aを中心として孔径Dを有している。 【0055】一方、右ノズル孔33も、左ノズル孔32とほぼ同様に、第1の等径孔部33A、拡径孔部33Bおよび第2の等径孔部33Cによって構成されている。 【0056】かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、左ノズル孔32を第1の等径孔部32A、拡径孔部32Bおよび第2の等径孔部32Cによって構成し、右ノズル孔33も左ノズル孔32とほぼ同様に構成したので、ノズル孔32,33から噴射される燃料は、拡径孔部32B,33Bによって一定の領域に拡がった状態で直線状の等径孔部32C,33C内を流通でき、その後に外部へと噴出することができる。この結果、等径孔部32C,33Cによって燃料の噴射方向をより安定化させることができる。 【0057】なお、前記各実施の形態では、ノズル孔16,17,32,33の軸線A−A、軸線B−Bをノズルプレート15,31の板厚方向に対して傾斜させる構成としたが、本発明はこれに限らず、ノズル孔の軸線をノズルプレートの板厚方向に沿って垂直に形成し、傾斜角α=0°とする構成としてもよい。 【0058】また、前記各実施の形態では、弁体8の先端側に球状の弁部11を設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば円錐状の弁部を有するニードル弁体が設けられた燃料噴射弁に適用してもよい。 【0059】 【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、ノズル孔を等径孔部と拡径孔部とによって構成したので、ノズル孔による燃料の噴射流量を等径孔部の孔径に応じて設定でき、燃料の噴射方向を等径孔部の長さ方向に沿って安定的に定めることができる。そして、この燃料が拡径孔部から外部に噴出するときには、燃料の噴流が拡径孔部の周壁に沿って一定の領域へと拡がることができ、これにより噴流中に含まれる燃料粒子が過密となるのを抑えて粒子間の結合を減少させることができる。従って、ノズル孔は、燃料の噴流を等径孔部の長さ方向に沿って安定的に形成しつつ、拡径孔部によって燃料の微粒化を促進でき、従来技術と比較して燃料の噴射性能を向上させることができる。 【0060】一方、請求項2の発明によれば、ノズル孔を第1の等径孔部、拡径孔部および第2の等径孔部によって構成したので、ノズル孔による燃料の噴射流量を第1の等径孔部の孔径に応じて設定でき、燃料の噴射方向を第1の等径孔部の長さ方向に沿って安定的に定めることができる。そして、噴射燃料は拡径孔部によって一定の領域に拡がった状態で第2の等径孔部内を流通でき、その後に外部へと噴出することができる。この結果、第2の等径孔部によって燃料の噴射方向をより安定化させることができる。 【0061】さらに、請求項3の発明によれば、ノズル孔の軸線をノズルプレートの板厚方向に対し傾斜して形成する構成としたので、ノズルプレートは、例えばエンジンの吸気ポートの配置等に対応して、複数の方向に燃料を分岐して噴射することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000167406 【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
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| 【出願日】 |
平成12年1月27日(2000.1.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079441 【弁理士】 【氏名又は名称】広瀬 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−214839(P2001−214839A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−19153(P2000−19153) |
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